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俺は、強くなくてね
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的井さんの家についた。
空いてる部屋に、荷物を置いてくれた。
「ちょっと話さない?こんな時間だけどさ」
そう言って冷蔵庫から500ミリのビールを二本だしてきた。
「はい」
「ありがとう」
俺が笑うと的井さんは、部屋に案内した。
「ちょっと入って」
そう言われて部屋にはいる。
「ここ、淳一の部屋。その椅子座りな」
そう言われて、俺は椅子に座った。
「結婚と子供の話、聞いてくれる?」
「はい」
的井さんは、ベッドに座ってる。
「両親を亡くして、弟も亡くして、俺には絶望しかなかった。」
そう言って的井さんは、淳一君の枕を触ってる。
「家族を失ったからかな。家族を作るっていうのがすごく怖くてね。」
「そうですよね」
「拜島さんが、意識不明だった時とか、吉峯さんが刺されたのとか、本当に恐怖だった。羽田さんの事とかもね。結局、亡くすのが俺は怖いんだと思った。」
「俺も、拜島さん見た時怖かった。俺も耕さんと同じだと思う。」
「そうだよな。俺も怖いよ。自分より先に誰かがいなくなるのが、怖くて堪らない。」
的井さんの言葉に、俺もそうなのだと思った。
「俺、守れる自信がないんだよ。淳一を失ってからずっと…。洋も聞いただろ?留守電。」
「はい」
「俺は、あの留守電を何度も聞いたから、もう頭にこびりついて離れない。あいつとの時も、最後の時も、ちゃんと助けてやれなくて守ってもやれなかった。」
そう言って、的井さんは泣いてる。
「一生一緒にいれるって誰が決めたんだろうな。俺は、両親がいなくなって淳一とずっと生きていけるって信じて疑わなかったんだよ。だから、亡くした瞬間に絶望した。だから、もう家族以上に愛する人は作らないと決めた。」
「家族以上ですか…。」
「家族ってより、淳一以上かな?淳一は、俺にとって全てだったから…。」
「家族を失うとそうですね。」
「それでも、家族をつくれる程俺は強くなくてね」
そう言って、的井さんはビールを飲んだ。
「俺も同じ。叔母さんに言われただけで、欲しくないって思ったから」
「そんな事ないよ。洋は、羽田さんを守ろうとしてるだろ?俺は、ダメなんだよ。愛する事は、失う事と同じになってる。だから、無理なんだ。結婚も子供も…。もう二度とあの痛みや苦しみを味わいたくない。」
的井さんは、泣いてる。
俺も、淳一君の音声を思い出して泣いていた。
「家族を亡くすのは、思っていたより辛い事だった。特に両親より淳一は何百倍も辛かった。だって、守れたかも知れない。例え、またやろうとしても何度も何度も守れた。拜島さんが羽田さんを助けていたように…。俺も淳一を守れたはずだよ。」
そう言った的井さんの手が震えてる。
「もしかすると淳一の中で、答えは決まっていたのかも知れない。それでも、生きる日を1日でも増やしてあげたかった。」
俺は、的井さんの話を聞く事しか出来なかった。
「それが、俺が結婚も子供も選ばなかった本当の理由だよ。」
そう言って、柔らかく笑った。
「皆さんは、耕さんと一生一緒に生きていくと思います。俺も一緒に生きていきたいです。」
「不思議だよね。他の人を信じれないのに、皆の事は信じれるんだよ。おっさんが言ってたみたいに、幸せを探せるんだよ。皆と生きていると…。」
「俺、皆さんの話を聞いて思った。結婚、子供が人生の全てなのだろうか?って…。もちろん、それを否定するつもりはないですよ。ただ、それだけじゃないよなって思った。皆さんといると別の幸せがある事を実感する。男女ではなく、人間(ひと)としての幸せがそこにあるように思える。」
的井さんは、俺の言葉に笑ってくれた。
「皆、それぞれ抱えてる。だから、俺は皆といるのが幸せなんだと思う。」
「耕さんのハッピーエンドですね。」
「そうだね」
そう言って的井さんは、微笑んでくれた。
「話すぎたね。布団渡すよ」
そう言われて、俺と的井さんは部屋から出た。
空いてる部屋に、荷物を置いてくれた。
「ちょっと話さない?こんな時間だけどさ」
そう言って冷蔵庫から500ミリのビールを二本だしてきた。
「はい」
「ありがとう」
俺が笑うと的井さんは、部屋に案内した。
「ちょっと入って」
そう言われて部屋にはいる。
「ここ、淳一の部屋。その椅子座りな」
そう言われて、俺は椅子に座った。
「結婚と子供の話、聞いてくれる?」
「はい」
的井さんは、ベッドに座ってる。
「両親を亡くして、弟も亡くして、俺には絶望しかなかった。」
そう言って的井さんは、淳一君の枕を触ってる。
「家族を失ったからかな。家族を作るっていうのがすごく怖くてね。」
「そうですよね」
「拜島さんが、意識不明だった時とか、吉峯さんが刺されたのとか、本当に恐怖だった。羽田さんの事とかもね。結局、亡くすのが俺は怖いんだと思った。」
「俺も、拜島さん見た時怖かった。俺も耕さんと同じだと思う。」
「そうだよな。俺も怖いよ。自分より先に誰かがいなくなるのが、怖くて堪らない。」
的井さんの言葉に、俺もそうなのだと思った。
「俺、守れる自信がないんだよ。淳一を失ってからずっと…。洋も聞いただろ?留守電。」
「はい」
「俺は、あの留守電を何度も聞いたから、もう頭にこびりついて離れない。あいつとの時も、最後の時も、ちゃんと助けてやれなくて守ってもやれなかった。」
そう言って、的井さんは泣いてる。
「一生一緒にいれるって誰が決めたんだろうな。俺は、両親がいなくなって淳一とずっと生きていけるって信じて疑わなかったんだよ。だから、亡くした瞬間に絶望した。だから、もう家族以上に愛する人は作らないと決めた。」
「家族以上ですか…。」
「家族ってより、淳一以上かな?淳一は、俺にとって全てだったから…。」
「家族を失うとそうですね。」
「それでも、家族をつくれる程俺は強くなくてね」
そう言って、的井さんはビールを飲んだ。
「俺も同じ。叔母さんに言われただけで、欲しくないって思ったから」
「そんな事ないよ。洋は、羽田さんを守ろうとしてるだろ?俺は、ダメなんだよ。愛する事は、失う事と同じになってる。だから、無理なんだ。結婚も子供も…。もう二度とあの痛みや苦しみを味わいたくない。」
的井さんは、泣いてる。
俺も、淳一君の音声を思い出して泣いていた。
「家族を亡くすのは、思っていたより辛い事だった。特に両親より淳一は何百倍も辛かった。だって、守れたかも知れない。例え、またやろうとしても何度も何度も守れた。拜島さんが羽田さんを助けていたように…。俺も淳一を守れたはずだよ。」
そう言った的井さんの手が震えてる。
「もしかすると淳一の中で、答えは決まっていたのかも知れない。それでも、生きる日を1日でも増やしてあげたかった。」
俺は、的井さんの話を聞く事しか出来なかった。
「それが、俺が結婚も子供も選ばなかった本当の理由だよ。」
そう言って、柔らかく笑った。
「皆さんは、耕さんと一生一緒に生きていくと思います。俺も一緒に生きていきたいです。」
「不思議だよね。他の人を信じれないのに、皆の事は信じれるんだよ。おっさんが言ってたみたいに、幸せを探せるんだよ。皆と生きていると…。」
「俺、皆さんの話を聞いて思った。結婚、子供が人生の全てなのだろうか?って…。もちろん、それを否定するつもりはないですよ。ただ、それだけじゃないよなって思った。皆さんといると別の幸せがある事を実感する。男女ではなく、人間(ひと)としての幸せがそこにあるように思える。」
的井さんは、俺の言葉に笑ってくれた。
「皆、それぞれ抱えてる。だから、俺は皆といるのが幸せなんだと思う。」
「耕さんのハッピーエンドですね。」
「そうだね」
そう言って的井さんは、微笑んでくれた。
「話すぎたね。布団渡すよ」
そう言われて、俺と的井さんは部屋から出た。
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