7 / 20
やっぱり、好き
しおりを挟む
大宮さんの涙は、ずっと溢(あふ)れて止まらなかった。
さっき、キスしそうになって誤魔化した。
胸を触(さわ)られたくて、わざと近くを触(さわ)らせた。
このまま、大宮さんとそう慣れたらいいのに…。
無理な事は、わかっていた。
だから、優しく涙を拭うだけだ。
「店長、私、母親からネグレクトを受けていたんです。」
大宮さんは、私の手を握りしめた。
「父が、亡くなった日に親戚から不倫をしていた事を聞きました。母は、3年前に他界していたのでそんな話を聞くのは初めてでした。」
「ネグレクトですか?」
大宮さんが、何故、その話をしてくれたのかわからなかった。
「こんな話、聞きたくないですよね」
「いえ、聞きたいです。」
私は、大宮さんの頬から手を離して、両手を握りしめた。
「最近、全員逮捕された水神桃源(みずがみとうげん)って宗教を知っていますか?」
「知っていますよ。NEWSで見ました。桃源郷に連れていくとかなんとか言っていたって話ですよね?」
「そうです。母は、そこの信者でした。」
そう言って、大宮さんの手が震えている。
「ネグレクトされていたのは、宗教に入っていたからですか?」
「はい。水神桃源(みずがみとうげん)は、名前についている通りに水を信者に進めるんです。あれは、ただの水道水だと思いますよ。教祖は、万能の水だと言いました。足りない栄養素を与える、傷を直す、相手の気持ちを戻すなどなど、効果は様々です。」
「お母さんは、信じていたんですか?」
「はい。教祖の水郷門水(すいこうもんすい)に心酔しきっていました。父が亡くなった時に、聞いた話では、父の不倫を辞めさすために母の友人が入信させたらしいです。そして、三ヶ月後ピタリと不倫が終わり母はのめり込んだ。その三ヶ月後、当時9歳だった私が事故に合うのです。死んでいてもおかしくない事故だった。母の友人は、水を毎日飲ませていたからだと言った。そして、母は水神桃源(みずがみとうげん)から抜け出せなくなってしまった。」
そう言って、大宮さんは涙を流した。
「事故に合ったのは、栄養不足で眩暈がして車道に飛び出したのが原因です。今でも、覚えてます。朝から酷く体が疲れていて、学校の行き道で眩暈がしたんです。通学中は、車がこれない道だから安心していたのですが…。たまたま、それを知らずに入ってきた車に跳ねられた。運が悪かったのだと思いますよ。だから、仕方なかったんです。」
大宮さんの手は、震えだした。
「大丈夫ですか?話さなくてもいいんですよ。」
「店長に聞いて欲しいんです。」
そう言って、私の手を強く握りしめる。
「入院してる時は、よかったんです。退院すると母は、水神桃源(みずがみとうげん)に私を連れて行き始めました。嫌だというとご飯がありませんでした。仕方なく毎日毎日、夜中まで姉と二人連れて行かれました。嫌になったのは、11歳の時でした。姉は、一年前から行かなくなってしまっていて。私も行かなくなったんです。すると、母はヒステリーを起こすようになりました。行かないと言うと、布団叩きでバシバシと体がミミズ腫れになるまで叩きます。それでも、行かないと言うと暗い部屋に父が帰宅するまで閉じ込められるのです。ご飯は、さらにもらえなくなりました。」
大宮さんは、悲しそうに目を伏せた。
「姉は、遊び歩いて帰ってこなくなり、父もどこかに行ってました。家族は、バラバラだった。唯一の食事は給食だけだった。帰宅した母に話しかけても、無視され続けました。生かさず殺さず状態が、母が死ぬまで続きました。」
「お母さんは、いつ亡くなったのですか?」
「私が、15歳の時です。栄養不足から、脳卒中になり亡くなりました。家族全員が、母の死に安心したんです。酷いですよね?やっと、解放されると思ったんです。」
大宮さんは、私から手を離した。
私は、大宮さんの手が震えてるのに気付き、また手を握りしめた。
さっき、キスしそうになって誤魔化した。
胸を触(さわ)られたくて、わざと近くを触(さわ)らせた。
このまま、大宮さんとそう慣れたらいいのに…。
無理な事は、わかっていた。
だから、優しく涙を拭うだけだ。
「店長、私、母親からネグレクトを受けていたんです。」
大宮さんは、私の手を握りしめた。
「父が、亡くなった日に親戚から不倫をしていた事を聞きました。母は、3年前に他界していたのでそんな話を聞くのは初めてでした。」
「ネグレクトですか?」
大宮さんが、何故、その話をしてくれたのかわからなかった。
「こんな話、聞きたくないですよね」
「いえ、聞きたいです。」
私は、大宮さんの頬から手を離して、両手を握りしめた。
「最近、全員逮捕された水神桃源(みずがみとうげん)って宗教を知っていますか?」
「知っていますよ。NEWSで見ました。桃源郷に連れていくとかなんとか言っていたって話ですよね?」
「そうです。母は、そこの信者でした。」
そう言って、大宮さんの手が震えている。
「ネグレクトされていたのは、宗教に入っていたからですか?」
「はい。水神桃源(みずがみとうげん)は、名前についている通りに水を信者に進めるんです。あれは、ただの水道水だと思いますよ。教祖は、万能の水だと言いました。足りない栄養素を与える、傷を直す、相手の気持ちを戻すなどなど、効果は様々です。」
「お母さんは、信じていたんですか?」
「はい。教祖の水郷門水(すいこうもんすい)に心酔しきっていました。父が亡くなった時に、聞いた話では、父の不倫を辞めさすために母の友人が入信させたらしいです。そして、三ヶ月後ピタリと不倫が終わり母はのめり込んだ。その三ヶ月後、当時9歳だった私が事故に合うのです。死んでいてもおかしくない事故だった。母の友人は、水を毎日飲ませていたからだと言った。そして、母は水神桃源(みずがみとうげん)から抜け出せなくなってしまった。」
そう言って、大宮さんは涙を流した。
「事故に合ったのは、栄養不足で眩暈がして車道に飛び出したのが原因です。今でも、覚えてます。朝から酷く体が疲れていて、学校の行き道で眩暈がしたんです。通学中は、車がこれない道だから安心していたのですが…。たまたま、それを知らずに入ってきた車に跳ねられた。運が悪かったのだと思いますよ。だから、仕方なかったんです。」
大宮さんの手は、震えだした。
「大丈夫ですか?話さなくてもいいんですよ。」
「店長に聞いて欲しいんです。」
そう言って、私の手を強く握りしめる。
「入院してる時は、よかったんです。退院すると母は、水神桃源(みずがみとうげん)に私を連れて行き始めました。嫌だというとご飯がありませんでした。仕方なく毎日毎日、夜中まで姉と二人連れて行かれました。嫌になったのは、11歳の時でした。姉は、一年前から行かなくなってしまっていて。私も行かなくなったんです。すると、母はヒステリーを起こすようになりました。行かないと言うと、布団叩きでバシバシと体がミミズ腫れになるまで叩きます。それでも、行かないと言うと暗い部屋に父が帰宅するまで閉じ込められるのです。ご飯は、さらにもらえなくなりました。」
大宮さんは、悲しそうに目を伏せた。
「姉は、遊び歩いて帰ってこなくなり、父もどこかに行ってました。家族は、バラバラだった。唯一の食事は給食だけだった。帰宅した母に話しかけても、無視され続けました。生かさず殺さず状態が、母が死ぬまで続きました。」
「お母さんは、いつ亡くなったのですか?」
「私が、15歳の時です。栄養不足から、脳卒中になり亡くなりました。家族全員が、母の死に安心したんです。酷いですよね?やっと、解放されると思ったんです。」
大宮さんは、私から手を離した。
私は、大宮さんの手が震えてるのに気付き、また手を握りしめた。
0
あなたにおすすめの小説
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。
カレンと晴人はその後、どうなる?
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様を書いたストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる