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ブラッドムーン
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遠くでお茶を飲みながら、様子を伺っていた、シャーロットは、
『あれ、あの赤毛の吸血鬼、見覚えが・・』
と見守っていたが、咲夜が現れると、
『咲夜さん!やっぱり、エリック様の言われた通り黄泉に攫われてたんですね。無事で何よりです。』
『おお、良かった良かった。』
とみんな椅子を出してきてこれでもう安心、と寛ぎ始めた。
『あれ?やっぱり、ミハールさん。なんで?どうしてここに?』
『シャーロット、あなたあの男性が誰だか知ってるの?随分力の強い吸血鬼ね。エリックには及ばないけど、吸血鬼としては最高クラスじゃない?』
と、エリックの前に正座させられている吸血鬼を指差す。
『あーまあ、あの方一応純血種ですしね。』
『へーそうなんだ。』
『まあ、エリック様には全く及びませんけど。』
『そうよね、遠く及ばないわ。』
『支配人は連盟一の力があると聞きましたが、なぜ理事をされないのでしょう?』
『エリックが、前線から抜けると戦力ガタ落ちよー。』
『そうです、エリック様がいるからこそ、今までこの世界は他からの侵略を免れてきたのですよ。現にあそこで正座させられている吸血鬼は、黄泉の盟主の次に実力のある方なんですよ。』
『へえー』『なるほど』
『やっぱりエリックが一番ね。』『ですよねー』
というのんびりした会話が日本支部本部では交わされていた。
正座させられている吸血鬼、ミハールは冷や汗をかきながら、息子であるエリックに言い訳をしていた。
『だからー、この前行った飲み屋で、リッチーの奴がその日召喚された先に、この頃見かけないような、清楚なすんごい美人がいたって吹聴して回ってたから、ちょっとどんな娘かなーっと、気になってさ。ほらやっぱり男なら美人は気になるじゃん。でもリッチーの奴、その娘には強力な護衛がついてて、ありゃ誰も手が出せねえぜって言うから護衛がいないところを見計らって、ちょっとこっちにきて貰えば良いじゃんって、あいて、あたた、ごめんなさい、父さんが悪かったから力緩めて。』
『ミハール、あなた自分が既婚者だって自覚あるのか?何がちょっと気になってだ。そんなんだから母さんに見捨てられるんだぞ。アーサー、お前もバカな主人をちゃんと止めないとダメじゃないか。』
『面目御座いません。今回、赤い月の会議に盟主様からお留守番を預かって、ご主人様が拗ねてしまいまして、一応お止めしたのですが、ご主人様の気晴らしにとなるかなと思ってしまって。』
『そうだよー、盟主のやつ、私に黄泉の留守番押し付けて、女神たちとの会議に出席するなんて、ずるいじゃないかー』
『ああ、今日はブラッドムーンの日か。だが何故、ポータルをここに開いた?』
『ポータルを開く気はなかったんだ。ちょっと城を地中海の島にでも持っていって、邪魔されないところで、デートしようと思っただけだよ。久しぶりに動かしたんで、座標を間違えちゃって、脱線したんだよ。日本の高速道路ややこしいんだよ、いつも青龍の加護のおかげで、事故は滅多に起こらないのに、青龍が留守だとかで高速混んでるし。』
『あなたの力なら、脱線ぐらい自力で抜けられるだろう。』
『いや、それが、城の尖塔がポータルの端に突き刺さちゃって、抜け出せないんだ。息子よ、ちょっと手伝ってくれない?』
はあーと重い溜息をつきながら、光陽はミハールが指差した、先程までおどろおどろしい霧の立ち込めていたポータルの端に尖塔を認め、力を込めてポータルを広げながら尖塔を城ごとそっと動かして行く。完全に城がポータルから自由になった所で、ミハールが嬉しそうに、
『よくやった息子よ、ではこれで私は失礼する。』
と立ち上がりかけたのを、力で押さえつけて、元の正座に戻す。
『ミハール、もしかしてデートの相手とは咲夜のことか?』
光陽の目が完全に座っている。
『しようと思っただけで、未遂だ!護衛がエリックだなんて知らなかったんだ!』
『完全にクロだな。今度という今度は、かばう気が失せた。フレイヤ、フォーラを呼び出せるか?』
『何!お前、父さんを売る気か?やめてくれ、それだけは勘弁して下さい。』
フレイヤが光って、空中にテレビのような画面が浮かぶと金色の髪をした、光陽によく似た美しい天使のような30代ぐらいの女性が画面に現れた。光陽を見ると艶やかに笑う、
『エリック、どうしたの?貴方から通信なんて久しぶりじゃない? どうやって天界通信に割り込んだの? 元気にしてる?』
『久しぶり、母さん。今日は悪い知らせがあるんだ。』
『あら、何かしら?あ、ちょっと待って、貴女たち、ちょっと静かにしてくれない?久し振りに息子が連絡くれたのよ。』
ざわざわと、ざわめく後ろに向かって注意する。
『きゃあ、もしかしてエリック? はぁい、エリック、元気にしてる?』『エリック、いつになったらうちの娘に会ってくれる?』『何言ってるの、うちの婿にするんだから。こんな息子欲しかった~。』
『女神の皆様お久しぶりです。いつも母がお世話になっております。』
『ちょっと、あなた達、私の息子なんですからね。で、何なの悪い知らせって?』
『ミハールの浮気現場を捕まえた。まだ未遂だけど。』
『何ですってぇ!』
天使の顔が般若に変わる。
『エリック、よくやったわ。今度こそ言い逃れはさせないわよ。ちょっと貴女達、私はこれで失礼するわ。エリック、あのばか逃がさないで、今行くわ。』
通信がブチっと切れて、シーンと辺りが静まり返る。後は真っ青になったミハールのカタカタと歯が震える音がするのみだ。
アーサーがそっとミハールの肩に手を置いた。
『ご主人様、骨は拾ってあげますから、ここは思い切って一度死んでみてはどうでしょう?』
『馬鹿者!吸血鬼は不死身なんだぞ!』
ミハールが叫んだ途端、辺りが光って神々しい光と共にさっき画面で見た大柄で綺麗な女性が、光陽と咲夜の目の前に現れる。
『今日という今日は絶対許しませんからね!ミハール!地獄がどんなものか一度味わうがいいわ。』
『母さん、久し振り。』
『エリック、私の可愛い息子。ごめんなさいね、こんな馬鹿の後始末ばっかり貴方にやらせてしまって。あら、こちらの可愛いお嬢さんは?』
『母さん、こちら桐ヶ谷咲夜嬢、今回の被害者でもある。』
「初めまして、咲夜と申します。」
彼らが喋っているのが何語かは分からないが、日本語が通じる事はミハールとの会話で体験済みだ。咲夜は初めて見る光陽の母親に少々緊張しながらも、綺麗な女性の前に出てドキドキしてしまう。
そんな咲夜の様子を見て、フォーラは目を細めて申し訳なさそうに笑いかける、
『初めまして、フォーラよ。咲夜ちゃん、今回はうちのものが迷惑をかけてごめんなさいね。悪気はないのよ、この人も、許して頂戴。』
『いえ、とんでもないです。こちらこそ、いつも息子さんにはお世話になっています。』
それを聞いたフォーラは目を見張って光陽を見ると、彼は頷く。たちまちフォーラの顔がほころび、
『まあまあ、本当に可愛いお嬢さんね、ぜひ今度うちにも遊びに来てね。』と言ってから、くるっとミハールの方を見て般若の顔になり、
『それに比べて貴方と来たら、こんな若いお嬢さんに手を出すなんて、ちょっと私とヘル姉さんのところにでも遊びに行きましょう、途中で死なないようせいぜい気をつけることね。』
とミハールの耳を引っ張って、立ち上がらせると、そのままズルズルとポータルの方へ引きずって行く。
『愛しのフォーラ、会いたかったよ、君がいなくてどんなに寂しかったか。』
『ちょっと留守にするとこれだから、今日は言い訳は聞きませんよ』
『だって君、ちょっと買い物に行ってくるって言って、もう30年だよ、私は寂しくて、寂しくて、つい』
『今、天界のバーゲンセールの時期なのよ!知ってるでしょ天界の時の流れは黄泉と違うって!』
『だけど、30年は寂しいよー、ねえエリックもそう思うだろ?』
とエリックと咲夜の前を通り過ぎる時にとっさにエリックに取りすがろうとする。
そしてそれは次の一瞬に起こってしまった。
ミハールの往生際の悪い悪あがきに、彼は足を絡れさし、咲夜の方に覆いかぶさるように前のめりにコケる。そしてミハールの純血種の強い力は、咲夜の展開していた結界とスカートを共に破って、そのまま頭から突っ込んだ。
とっさのことに咲夜は驚き、声も出ないがスカートが破けて恥ずかしさで真っ赤になると、咲夜から花の香りが香り立ち、辺りいっぺんに広がる。
それはあっという間に広がっていき、その匂いを嗅いだそこにいたダンピール、魔物、妖魔の目がたちまち変わっていく。
「おお、なんという芳しい香り、はっ、これはいかん!皆の者落ち着け!」
流石に長老たちは香りに耐えたが、若いもの、魔物、妖魔の類はすでに全員目の色を変えて、ジリジリと咲夜に迫っていく。
もちろん、一番近くで匂いを嗅いだミハールも例外に漏れず、ウットリとして、咲夜の二の腕を掴むが、『うわっ』っと殺気を感じてとっさに飛び去る。
『咲夜に近づくな!』
そして殺気の出所である光陽の様子が変わっていた。
光陽の髪は全て金髪に染まり、彼の金緑の瞳は何も写しておらず、身体の周りを光陽の青透明な力が丸く取り囲み、その青く透ける球体は少しずつ膨張していく。
球体のいたるとこから雷の様な力を放出してその圧力で凄まじい風圧が巻き起こり、光陽を中心に、周りが一遍に飛ばされる。
咄嗟に防御の結界を張った、咲夜とフォーラ、ミハールは無事だったが、それ以外は周り全てが吹き飛ばされた。
「光陽!一体どうしたの?」
咲夜が問いかけるも、まるで光陽には聞こえないようだ。
『フォーラ、助けてー』とミハールが近付こうとした途端、光陽の剣が青白く光り、光陽が剣を振り下ろすと青白く光るビーム砲のようなエネルギーがそこから突き出て、ミハールの方向にあったポータルの中のお城が吹き飛んだ。
『あー僕のお城が!まだローンが残ってるのにー』
とミハールが情けない声を出すが、フォーラは、
『うるさいわね、城の一つや二つでガタガタ言うんじゃないわよ。それよりどうしましょう、エリックの力が暴走しちゃったわ。』
と、綺麗な顔に眉を寄せてどうしたものか?と腕を組む。
そこへシャーロットが飛んでくる。
『奥様、これは、もしや。』
『あら、ロッティあなたもいたの。そうなのよ、どうしましょう、暴走よ。ミハール、ちょっと貴方行って止めてきてよ。このままじゃ、ここら一帯全滅よ。ここって火山の近くよね。噴火しちゃうわよ』
『そうですよ、前にもエリック様が幼い時、力が暴走して地中海のどっかの国の火山噴火させちゃったじゃないですか。』
『エリックを僕が止められる訳ないだろう!フォーラだって止められないじゃないか。』
『当たり前でしょ、先祖返りの力を持つエリックを私が止められる訳ないじゃない。それに天界の掟で大神の許可でもない限りこの世界に介入出来ないわ。貴方父親でしょ、行って来い!』
『そんなぁ、助けを呼ぼうにも、今日は赤い月の会議でメジャーな神々みんな留守だしなぁ。どうしよう。』
咲夜はこの会話を聞いても、多分自分なら止められるんじゃないか?と感じていた。それに月がほぼ完全にかけてきている。
ブラッドムーンの満月が今日なら、咲夜は多分力が増えているはず。何故か昔からブラッドムーンの日は母も力が増えていた。
「あのう、私ちょっと行って、止めて来ます。」
と言うと、呆気に取られた皆に構わず、
「指輪君、解放!」
力を解放して防御の結界を張りながら光陽に近づく。
『咲夜ちゃん、力に触れてはダメよ、吹き飛ばされるわ』
ファーラが叫ぶが、光陽の周りを丸く取り巻く青い力は、何度も光陽と愛し合った咲夜を覚えている様に、結界に守られた咲夜を避けて雷の様な力を放出させている。
しかし、光陽の力に、害されることなく側まで近づけた咲夜も、丸く光陽を取り巻く力の壁に突き当たりそこから前に進めない。
(何なのこれ、なにか風船みたい。)
と考えて、それなら、とそこから距離を取り、ブレスレットから刀の鍔の木片を取り出し、弓に変形させる。
『咲夜ちゃん、貴女この力!』
『奥様、これは!』
『何なんだ!お嬢ちゃん君はもしかして・・』
と周りが騒がしいのを無視して、集中しながら力で矢を具現形成していく。すると、まぶしく銀色に光る矢が咲夜の弓をひく手に現れた。
力の余波で髪をなびかせながら、ブラッドムーンの満月の下、銀の矢で注意深く的を狙って射る咲夜の姿は、まるで月の乙女を連想させる。
そして、咲夜の放った矢は、光陽の周りを取り囲む青い球体に見事に的中し、光陽の周りから力のエネルギーが霧散した。
「やったわ!」
光陽に走り寄った咲夜は、
「光陽、光陽、こっちをむいて。」
腕に手をかけ揺さぶって光陽に話しかけるが、光陽は反応しない。
咲夜を見ない光陽に、咲夜は光陽の五感に訴えかける。
ゆっくり光陽を抱きしめ、爪先立ちで光陽の耳元に近づき、ありったけの心を込めて愛しい名前を耳元で囁く。
「光陽、愛してるわ。お願いだからこっちを向いて。」
そう行って頬にキスをすると、復活させた咲夜の周りの結界をいつものように光陽の周りにも展開させ、光陽の周りが咲夜の香りで溢れる。
光陽の身体がビクンと揺れ、目が瞬きをして力が点り、顔が動いて金緑の瞳が咲夜を映し出す。
「咲夜。」
一言だけ甘く掠れたバリトンでそう名前を呼ぶと、咲夜を抱き込み咲夜の頭の後ろに手を当てて顔を引き寄せ、甘く深く口づける。
『ああ~ズルイー』
どちらに向けたものか、わからない声があちこちで聞こえるが、光陽は構わず、何度も角度を変えて咲夜に口づける。
そしてようやく満足すると、ゆっくり顔を離して、
「咲夜、大丈夫か?けがはないか?」
いつもの優しい声で聞いてきた。咲夜が光陽の瞳を見つめながらしっかり頷くと、眩しい笑顔で、咲夜をまた抱き寄せる。
『あらあら、エリックもとうとう捕まっちゃったみたいね。』
『エリック様、流石です。素晴らしい人選です。』
『え~、なんなの?』
風圧で飛ばされていた人達や魔物も、度肝を抜かれて呆然としている。
いまだに、力が溢れ出ている二人に近づけるものは光陽の家族しかおらず、皆、遠巻きに恐る恐るといった感じだ。
そこへ、羽の綺麗な可愛らしい小鳥が飛んできて、ちょこんと咲夜の肩に止まり、皆を見渡して、
「よう、なんの騒だ、これは。なぜポータルがこんなところに、開いた? さっさと閉じろよ。咲夜、元気か?」
と可愛い声で咲夜に話しかけてきた。
「雛ちゃん!私は大丈夫よ、この穴はもしかして閉じなきゃいけないポータルなの?」
「そうだ。なあ、あんた、そこの男前、光陽といったな。これはどうした? 何があった?」
光陽は、小鳥に軽く会釈すると、
「おさわがせして申し訳ございません、このものがちょっと大型物体移動の際、事故を起こしまして、ポータルを開いてしまったようです。」
と、力でミハールの首根っこを捕まえて差し出す。ミハールは、
『ちょっと座標間違えただけじゃん、いつもなら青龍の加護でここまで脱線しないんだよ。青龍が留守だとかで高速道路が混んでて、居眠りしちゃったんだよ。』
と責められてしょぼんとしている。
「ああ、青龍は今新婚旅行とやらで留守だ。ここ5年程は、我が留守を預かってるが、我は南に守る地がある故、高速までは目が届かん。奴が留守だと、何かと騒がしいが、我も忙しい。一体奴はいつまで留守なんだ、全く。しかし今年は、巨大な力の主が居座り、魔物どもも大人しいと聞いてる。まあ、ポータルは娘の咲夜が閉じれる。出来るな?咲夜。」
「!!!」
「出来るけど、こんなポータルを見るのも触るのも初めてだから、ちょっと時間がかかるかも。」
「大丈夫だ、まあ気負わず、やってみろ。ところで、なぜ吸血鬼と、天界人がこんなところに?今日は赤い月の会議だったはず。前に会議で見かけた顔だな。」
『えー、今回は黄泉の留守を預かりまして、はい。』
「まあ、居眠り運転には気をつけろ。天界のバーゲンはもう終わったのか?我もちょっと覗いてみようと思うておったに。」
『まだ一週間は続くはずよ。今、ちょうど天界のワインとお酒フェアをやっているわ。』
「何! それはいい、咲夜、さっさと閉じよう。ほれ、力を手に込めろ。」
と、咲夜に指示をして咲夜の手に力が集まり銀色の球体をボール状にすると、ポーンと開いたポータルの穴に向かって投げ、穴に吸い込まれる寸前に力を穴を閉じる壁の形に拡散させてポータルを力で覆う。
すると、急速にポータルの穴は閉じていき、やがて点になって綺麗に消える。
「出来たわ。初めてにしては上出来じゃない?」
「満点だ。では我は行く。またな。」
と飛び立っていった。
黙って見ていたフォーラは再びミハールの耳を引っ張って、
『それじゃあ、私も行くわ、エリック、咲夜ちゃん、また近いうちにお茶でもしましょう。』
と、空間を開いてズルズルとミハールを引きずって中に消えて行く。彼らが消えるとスウッと空間が閉じる。
ミハールの命令で動いていた魔物や妖魔もアーサーとともに消えていき、取り敢えず事態は収拾出来たと言えた。
光陽は先ほどの’雛ちゃん’からの情報で何か悟ったらしく、シャーロットに、
『よし、撤退だ。大島さんに伝えて、現場から引き上げてくれ。僕はクリスに報告を入れる。』
と伝え、咲夜に近づいて、その手を取り、
「咲夜、帰ろう。」
と、促した。
『あれ、あの赤毛の吸血鬼、見覚えが・・』
と見守っていたが、咲夜が現れると、
『咲夜さん!やっぱり、エリック様の言われた通り黄泉に攫われてたんですね。無事で何よりです。』
『おお、良かった良かった。』
とみんな椅子を出してきてこれでもう安心、と寛ぎ始めた。
『あれ?やっぱり、ミハールさん。なんで?どうしてここに?』
『シャーロット、あなたあの男性が誰だか知ってるの?随分力の強い吸血鬼ね。エリックには及ばないけど、吸血鬼としては最高クラスじゃない?』
と、エリックの前に正座させられている吸血鬼を指差す。
『あーまあ、あの方一応純血種ですしね。』
『へーそうなんだ。』
『まあ、エリック様には全く及びませんけど。』
『そうよね、遠く及ばないわ。』
『支配人は連盟一の力があると聞きましたが、なぜ理事をされないのでしょう?』
『エリックが、前線から抜けると戦力ガタ落ちよー。』
『そうです、エリック様がいるからこそ、今までこの世界は他からの侵略を免れてきたのですよ。現にあそこで正座させられている吸血鬼は、黄泉の盟主の次に実力のある方なんですよ。』
『へえー』『なるほど』
『やっぱりエリックが一番ね。』『ですよねー』
というのんびりした会話が日本支部本部では交わされていた。
正座させられている吸血鬼、ミハールは冷や汗をかきながら、息子であるエリックに言い訳をしていた。
『だからー、この前行った飲み屋で、リッチーの奴がその日召喚された先に、この頃見かけないような、清楚なすんごい美人がいたって吹聴して回ってたから、ちょっとどんな娘かなーっと、気になってさ。ほらやっぱり男なら美人は気になるじゃん。でもリッチーの奴、その娘には強力な護衛がついてて、ありゃ誰も手が出せねえぜって言うから護衛がいないところを見計らって、ちょっとこっちにきて貰えば良いじゃんって、あいて、あたた、ごめんなさい、父さんが悪かったから力緩めて。』
『ミハール、あなた自分が既婚者だって自覚あるのか?何がちょっと気になってだ。そんなんだから母さんに見捨てられるんだぞ。アーサー、お前もバカな主人をちゃんと止めないとダメじゃないか。』
『面目御座いません。今回、赤い月の会議に盟主様からお留守番を預かって、ご主人様が拗ねてしまいまして、一応お止めしたのですが、ご主人様の気晴らしにとなるかなと思ってしまって。』
『そうだよー、盟主のやつ、私に黄泉の留守番押し付けて、女神たちとの会議に出席するなんて、ずるいじゃないかー』
『ああ、今日はブラッドムーンの日か。だが何故、ポータルをここに開いた?』
『ポータルを開く気はなかったんだ。ちょっと城を地中海の島にでも持っていって、邪魔されないところで、デートしようと思っただけだよ。久しぶりに動かしたんで、座標を間違えちゃって、脱線したんだよ。日本の高速道路ややこしいんだよ、いつも青龍の加護のおかげで、事故は滅多に起こらないのに、青龍が留守だとかで高速混んでるし。』
『あなたの力なら、脱線ぐらい自力で抜けられるだろう。』
『いや、それが、城の尖塔がポータルの端に突き刺さちゃって、抜け出せないんだ。息子よ、ちょっと手伝ってくれない?』
はあーと重い溜息をつきながら、光陽はミハールが指差した、先程までおどろおどろしい霧の立ち込めていたポータルの端に尖塔を認め、力を込めてポータルを広げながら尖塔を城ごとそっと動かして行く。完全に城がポータルから自由になった所で、ミハールが嬉しそうに、
『よくやった息子よ、ではこれで私は失礼する。』
と立ち上がりかけたのを、力で押さえつけて、元の正座に戻す。
『ミハール、もしかしてデートの相手とは咲夜のことか?』
光陽の目が完全に座っている。
『しようと思っただけで、未遂だ!護衛がエリックだなんて知らなかったんだ!』
『完全にクロだな。今度という今度は、かばう気が失せた。フレイヤ、フォーラを呼び出せるか?』
『何!お前、父さんを売る気か?やめてくれ、それだけは勘弁して下さい。』
フレイヤが光って、空中にテレビのような画面が浮かぶと金色の髪をした、光陽によく似た美しい天使のような30代ぐらいの女性が画面に現れた。光陽を見ると艶やかに笑う、
『エリック、どうしたの?貴方から通信なんて久しぶりじゃない? どうやって天界通信に割り込んだの? 元気にしてる?』
『久しぶり、母さん。今日は悪い知らせがあるんだ。』
『あら、何かしら?あ、ちょっと待って、貴女たち、ちょっと静かにしてくれない?久し振りに息子が連絡くれたのよ。』
ざわざわと、ざわめく後ろに向かって注意する。
『きゃあ、もしかしてエリック? はぁい、エリック、元気にしてる?』『エリック、いつになったらうちの娘に会ってくれる?』『何言ってるの、うちの婿にするんだから。こんな息子欲しかった~。』
『女神の皆様お久しぶりです。いつも母がお世話になっております。』
『ちょっと、あなた達、私の息子なんですからね。で、何なの悪い知らせって?』
『ミハールの浮気現場を捕まえた。まだ未遂だけど。』
『何ですってぇ!』
天使の顔が般若に変わる。
『エリック、よくやったわ。今度こそ言い逃れはさせないわよ。ちょっと貴女達、私はこれで失礼するわ。エリック、あのばか逃がさないで、今行くわ。』
通信がブチっと切れて、シーンと辺りが静まり返る。後は真っ青になったミハールのカタカタと歯が震える音がするのみだ。
アーサーがそっとミハールの肩に手を置いた。
『ご主人様、骨は拾ってあげますから、ここは思い切って一度死んでみてはどうでしょう?』
『馬鹿者!吸血鬼は不死身なんだぞ!』
ミハールが叫んだ途端、辺りが光って神々しい光と共にさっき画面で見た大柄で綺麗な女性が、光陽と咲夜の目の前に現れる。
『今日という今日は絶対許しませんからね!ミハール!地獄がどんなものか一度味わうがいいわ。』
『母さん、久し振り。』
『エリック、私の可愛い息子。ごめんなさいね、こんな馬鹿の後始末ばっかり貴方にやらせてしまって。あら、こちらの可愛いお嬢さんは?』
『母さん、こちら桐ヶ谷咲夜嬢、今回の被害者でもある。』
「初めまして、咲夜と申します。」
彼らが喋っているのが何語かは分からないが、日本語が通じる事はミハールとの会話で体験済みだ。咲夜は初めて見る光陽の母親に少々緊張しながらも、綺麗な女性の前に出てドキドキしてしまう。
そんな咲夜の様子を見て、フォーラは目を細めて申し訳なさそうに笑いかける、
『初めまして、フォーラよ。咲夜ちゃん、今回はうちのものが迷惑をかけてごめんなさいね。悪気はないのよ、この人も、許して頂戴。』
『いえ、とんでもないです。こちらこそ、いつも息子さんにはお世話になっています。』
それを聞いたフォーラは目を見張って光陽を見ると、彼は頷く。たちまちフォーラの顔がほころび、
『まあまあ、本当に可愛いお嬢さんね、ぜひ今度うちにも遊びに来てね。』と言ってから、くるっとミハールの方を見て般若の顔になり、
『それに比べて貴方と来たら、こんな若いお嬢さんに手を出すなんて、ちょっと私とヘル姉さんのところにでも遊びに行きましょう、途中で死なないようせいぜい気をつけることね。』
とミハールの耳を引っ張って、立ち上がらせると、そのままズルズルとポータルの方へ引きずって行く。
『愛しのフォーラ、会いたかったよ、君がいなくてどんなに寂しかったか。』
『ちょっと留守にするとこれだから、今日は言い訳は聞きませんよ』
『だって君、ちょっと買い物に行ってくるって言って、もう30年だよ、私は寂しくて、寂しくて、つい』
『今、天界のバーゲンセールの時期なのよ!知ってるでしょ天界の時の流れは黄泉と違うって!』
『だけど、30年は寂しいよー、ねえエリックもそう思うだろ?』
とエリックと咲夜の前を通り過ぎる時にとっさにエリックに取りすがろうとする。
そしてそれは次の一瞬に起こってしまった。
ミハールの往生際の悪い悪あがきに、彼は足を絡れさし、咲夜の方に覆いかぶさるように前のめりにコケる。そしてミハールの純血種の強い力は、咲夜の展開していた結界とスカートを共に破って、そのまま頭から突っ込んだ。
とっさのことに咲夜は驚き、声も出ないがスカートが破けて恥ずかしさで真っ赤になると、咲夜から花の香りが香り立ち、辺りいっぺんに広がる。
それはあっという間に広がっていき、その匂いを嗅いだそこにいたダンピール、魔物、妖魔の目がたちまち変わっていく。
「おお、なんという芳しい香り、はっ、これはいかん!皆の者落ち着け!」
流石に長老たちは香りに耐えたが、若いもの、魔物、妖魔の類はすでに全員目の色を変えて、ジリジリと咲夜に迫っていく。
もちろん、一番近くで匂いを嗅いだミハールも例外に漏れず、ウットリとして、咲夜の二の腕を掴むが、『うわっ』っと殺気を感じてとっさに飛び去る。
『咲夜に近づくな!』
そして殺気の出所である光陽の様子が変わっていた。
光陽の髪は全て金髪に染まり、彼の金緑の瞳は何も写しておらず、身体の周りを光陽の青透明な力が丸く取り囲み、その青く透ける球体は少しずつ膨張していく。
球体のいたるとこから雷の様な力を放出してその圧力で凄まじい風圧が巻き起こり、光陽を中心に、周りが一遍に飛ばされる。
咄嗟に防御の結界を張った、咲夜とフォーラ、ミハールは無事だったが、それ以外は周り全てが吹き飛ばされた。
「光陽!一体どうしたの?」
咲夜が問いかけるも、まるで光陽には聞こえないようだ。
『フォーラ、助けてー』とミハールが近付こうとした途端、光陽の剣が青白く光り、光陽が剣を振り下ろすと青白く光るビーム砲のようなエネルギーがそこから突き出て、ミハールの方向にあったポータルの中のお城が吹き飛んだ。
『あー僕のお城が!まだローンが残ってるのにー』
とミハールが情けない声を出すが、フォーラは、
『うるさいわね、城の一つや二つでガタガタ言うんじゃないわよ。それよりどうしましょう、エリックの力が暴走しちゃったわ。』
と、綺麗な顔に眉を寄せてどうしたものか?と腕を組む。
そこへシャーロットが飛んでくる。
『奥様、これは、もしや。』
『あら、ロッティあなたもいたの。そうなのよ、どうしましょう、暴走よ。ミハール、ちょっと貴方行って止めてきてよ。このままじゃ、ここら一帯全滅よ。ここって火山の近くよね。噴火しちゃうわよ』
『そうですよ、前にもエリック様が幼い時、力が暴走して地中海のどっかの国の火山噴火させちゃったじゃないですか。』
『エリックを僕が止められる訳ないだろう!フォーラだって止められないじゃないか。』
『当たり前でしょ、先祖返りの力を持つエリックを私が止められる訳ないじゃない。それに天界の掟で大神の許可でもない限りこの世界に介入出来ないわ。貴方父親でしょ、行って来い!』
『そんなぁ、助けを呼ぼうにも、今日は赤い月の会議でメジャーな神々みんな留守だしなぁ。どうしよう。』
咲夜はこの会話を聞いても、多分自分なら止められるんじゃないか?と感じていた。それに月がほぼ完全にかけてきている。
ブラッドムーンの満月が今日なら、咲夜は多分力が増えているはず。何故か昔からブラッドムーンの日は母も力が増えていた。
「あのう、私ちょっと行って、止めて来ます。」
と言うと、呆気に取られた皆に構わず、
「指輪君、解放!」
力を解放して防御の結界を張りながら光陽に近づく。
『咲夜ちゃん、力に触れてはダメよ、吹き飛ばされるわ』
ファーラが叫ぶが、光陽の周りを丸く取り巻く青い力は、何度も光陽と愛し合った咲夜を覚えている様に、結界に守られた咲夜を避けて雷の様な力を放出させている。
しかし、光陽の力に、害されることなく側まで近づけた咲夜も、丸く光陽を取り巻く力の壁に突き当たりそこから前に進めない。
(何なのこれ、なにか風船みたい。)
と考えて、それなら、とそこから距離を取り、ブレスレットから刀の鍔の木片を取り出し、弓に変形させる。
『咲夜ちゃん、貴女この力!』
『奥様、これは!』
『何なんだ!お嬢ちゃん君はもしかして・・』
と周りが騒がしいのを無視して、集中しながら力で矢を具現形成していく。すると、まぶしく銀色に光る矢が咲夜の弓をひく手に現れた。
力の余波で髪をなびかせながら、ブラッドムーンの満月の下、銀の矢で注意深く的を狙って射る咲夜の姿は、まるで月の乙女を連想させる。
そして、咲夜の放った矢は、光陽の周りを取り囲む青い球体に見事に的中し、光陽の周りから力のエネルギーが霧散した。
「やったわ!」
光陽に走り寄った咲夜は、
「光陽、光陽、こっちをむいて。」
腕に手をかけ揺さぶって光陽に話しかけるが、光陽は反応しない。
咲夜を見ない光陽に、咲夜は光陽の五感に訴えかける。
ゆっくり光陽を抱きしめ、爪先立ちで光陽の耳元に近づき、ありったけの心を込めて愛しい名前を耳元で囁く。
「光陽、愛してるわ。お願いだからこっちを向いて。」
そう行って頬にキスをすると、復活させた咲夜の周りの結界をいつものように光陽の周りにも展開させ、光陽の周りが咲夜の香りで溢れる。
光陽の身体がビクンと揺れ、目が瞬きをして力が点り、顔が動いて金緑の瞳が咲夜を映し出す。
「咲夜。」
一言だけ甘く掠れたバリトンでそう名前を呼ぶと、咲夜を抱き込み咲夜の頭の後ろに手を当てて顔を引き寄せ、甘く深く口づける。
『ああ~ズルイー』
どちらに向けたものか、わからない声があちこちで聞こえるが、光陽は構わず、何度も角度を変えて咲夜に口づける。
そしてようやく満足すると、ゆっくり顔を離して、
「咲夜、大丈夫か?けがはないか?」
いつもの優しい声で聞いてきた。咲夜が光陽の瞳を見つめながらしっかり頷くと、眩しい笑顔で、咲夜をまた抱き寄せる。
『あらあら、エリックもとうとう捕まっちゃったみたいね。』
『エリック様、流石です。素晴らしい人選です。』
『え~、なんなの?』
風圧で飛ばされていた人達や魔物も、度肝を抜かれて呆然としている。
いまだに、力が溢れ出ている二人に近づけるものは光陽の家族しかおらず、皆、遠巻きに恐る恐るといった感じだ。
そこへ、羽の綺麗な可愛らしい小鳥が飛んできて、ちょこんと咲夜の肩に止まり、皆を見渡して、
「よう、なんの騒だ、これは。なぜポータルがこんなところに、開いた? さっさと閉じろよ。咲夜、元気か?」
と可愛い声で咲夜に話しかけてきた。
「雛ちゃん!私は大丈夫よ、この穴はもしかして閉じなきゃいけないポータルなの?」
「そうだ。なあ、あんた、そこの男前、光陽といったな。これはどうした? 何があった?」
光陽は、小鳥に軽く会釈すると、
「おさわがせして申し訳ございません、このものがちょっと大型物体移動の際、事故を起こしまして、ポータルを開いてしまったようです。」
と、力でミハールの首根っこを捕まえて差し出す。ミハールは、
『ちょっと座標間違えただけじゃん、いつもなら青龍の加護でここまで脱線しないんだよ。青龍が留守だとかで高速道路が混んでて、居眠りしちゃったんだよ。』
と責められてしょぼんとしている。
「ああ、青龍は今新婚旅行とやらで留守だ。ここ5年程は、我が留守を預かってるが、我は南に守る地がある故、高速までは目が届かん。奴が留守だと、何かと騒がしいが、我も忙しい。一体奴はいつまで留守なんだ、全く。しかし今年は、巨大な力の主が居座り、魔物どもも大人しいと聞いてる。まあ、ポータルは娘の咲夜が閉じれる。出来るな?咲夜。」
「!!!」
「出来るけど、こんなポータルを見るのも触るのも初めてだから、ちょっと時間がかかるかも。」
「大丈夫だ、まあ気負わず、やってみろ。ところで、なぜ吸血鬼と、天界人がこんなところに?今日は赤い月の会議だったはず。前に会議で見かけた顔だな。」
『えー、今回は黄泉の留守を預かりまして、はい。』
「まあ、居眠り運転には気をつけろ。天界のバーゲンはもう終わったのか?我もちょっと覗いてみようと思うておったに。」
『まだ一週間は続くはずよ。今、ちょうど天界のワインとお酒フェアをやっているわ。』
「何! それはいい、咲夜、さっさと閉じよう。ほれ、力を手に込めろ。」
と、咲夜に指示をして咲夜の手に力が集まり銀色の球体をボール状にすると、ポーンと開いたポータルの穴に向かって投げ、穴に吸い込まれる寸前に力を穴を閉じる壁の形に拡散させてポータルを力で覆う。
すると、急速にポータルの穴は閉じていき、やがて点になって綺麗に消える。
「出来たわ。初めてにしては上出来じゃない?」
「満点だ。では我は行く。またな。」
と飛び立っていった。
黙って見ていたフォーラは再びミハールの耳を引っ張って、
『それじゃあ、私も行くわ、エリック、咲夜ちゃん、また近いうちにお茶でもしましょう。』
と、空間を開いてズルズルとミハールを引きずって中に消えて行く。彼らが消えるとスウッと空間が閉じる。
ミハールの命令で動いていた魔物や妖魔もアーサーとともに消えていき、取り敢えず事態は収拾出来たと言えた。
光陽は先ほどの’雛ちゃん’からの情報で何か悟ったらしく、シャーロットに、
『よし、撤退だ。大島さんに伝えて、現場から引き上げてくれ。僕はクリスに報告を入れる。』
と伝え、咲夜に近づいて、その手を取り、
「咲夜、帰ろう。」
と、促した。
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