ブラッドムーンは誘惑の香り

藤谷藍

文字の大きさ
20 / 20

エピローグ

しおりを挟む
その頃、光陽の、’どんな質問が仕込まれているか’、を嫌という程味わって、苦笑いをしている、白龍の姿と、金髪の美女の姿が、’雛ちゃん’と共にあった。
『ブッ、また、水じゃい。』
『ドラゴン・アイ、お前さん、これで3度目の外れ、運が悪いの。』
『そうよね、ドラゴンちゃんてば、続けて外ればっかりね。』
『今度の、質問は、お、出て来た、何々、初恋の人の名前を述べよ、だと。ほら、さっさと白状しろ。』
『朱雀の、もう勘弁出来ぬか。さっきからワシばっかり、気恥ずかしいったらないわ。』
と、白龍が艶やかな、金朱のドレスを纏った、ドレスと同じ髪の色をした、世にも妖艶な美女に泣きを入れる。
すると、金髪の美女が、明るく笑って、白龍を庇った。
『しょうがないわねえ、じゃあ私の初恋を教えてあげる。私の初恋は兄さんだったのよ。それはそれは男前で、カッコ良かったんだから。』
『フレイヤ、道理て、光陽に懐いておるの、あやつの強さは先祖返りだと聞いたぞ。』
『ふふふ、内緒よ。』
『まさか、お前さん、咲夜が香りを今年になって抑えきれないと言っていたが、わざと?』
『だって、懐かしい波動が感じられたんですもの、気づいて欲しかったのよ。いい男の波動は絶対キャッチするのよ私。』
『そうだな、今度は本命だ、と報告があって、我も驚いた。』
『でしょう、私のイケメンレーダーは健在よ。』
『それにしても、いつの時代も、男は種族を越えて、不器用なものが多いものよの。』
『そうよね、ほんと光陽ったら、あんなに咲夜ちゃんにメロメロなのに、肝心な一言を言い忘れてるんだから。』
『まあまあ、ワシとしては、あいつの戸惑いもわからんではない。なんせ、あいつにとっては、初恋だからの。』
『ええっ!、はぁ?あんな、どんな女でも落とせそうな姿してて、今まで恋愛経験ゼロなの?咲夜ちゃんが初恋なの?信じられない!』
『まあ、あいつはモテ過ぎたのと、あいつの父親の素行に問題があって、その他諸々のせいで、女性にあまり、関心が無かった、というか、戦っている方が楽しいという生活だったからの。あまりに素気無いもんだから、ついたあだ名が、’氷の貴公子’じゃ。』
『でも、咲夜ちゃんには初めて会った時から、優しかったわよ。』
『そうなんじゃ、だからワシも、不思議じゃったの。まあ咲夜はワシの同胞の娘、可愛いのは当たり前じゃが。あいつが惚れるのも無理はない。』
この自慢そうにヒゲを触る白龍の言葉に、咲夜ちゃんは絶対お母さん似よね、と女同士で目配せが交わされ、こうして、’雛ちゃん’の酒宴は、欠席した主人達に代わって呼び出された、2人?を酒の肴に、いよいよ盛り上がって、盃を交わす姿が続くのだった。
しおりを挟む
感想 2

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(2件)

ふじこですか

こんにちは、
めっちゃよかったです。
2人の思いのすれ違いが
面白くドキドキ、ワクワク(^^)
楽しく一気読みしてしまいました。

2019.09.26 藤谷藍

感想ありがとうございます。

楽しんでいただけてとても嬉しいです。作者もファンタジー恋愛は描いていてもロマンがあって楽しいジャンルなので、読者様に面白かった、と言っていただけると励みになります。
設定などが多すぎてついつい長くなりがちなのですが、最後まで読んで頂きありがとうございました。

解除
rei
2019.04.06 rei

ヴァンパイアや人狼などのファンタジー恋愛物が好きでこの作品にたどり着きました。
藤谷さんの作品はどれも素敵で、全部読んでいます!
ところで、咲夜と光陽のその後や、クリスの物語などを出される予定はありますか?
世界観がとても好きだったので、よければお願いします🙇‍♀️

2019.04.06 藤谷藍

感想ありがとうございます。

この作品は初めて描いたファンタジー物なので、気に入っていただけてとても嬉しいです。
この作品のようなパラレルワールド、ちょっとロマンがありますよね。
作者の中でこの物語はハッピーエンドで終わっているので、今のところその後を出す予定はないのです、すいません。ですが遅筆な作者のこと、他の作品に詰まったら気晴らしにこの世界をまた書くかもしれません。
作品全部読んでいただいているなんて感激です。作者の思いつくまま色んな設定で書いてるので、統一感があまりない私の作品たちですが、楽しんで頂けて、とっても嬉しいです。
これからも楽しんでいただける作品を出せるよう頑張ります。

解除

あなたにおすすめの小説

思い出のチョコレートエッグ

ライヒェル
恋愛
失恋傷心旅行に出た花音は、思い出の地、オランダでの出会いをきっかけに、ワーキングホリデー制度を利用し、ドイツの首都、ベルリンに1年限定で住むことを決意する。 慣れない海外生活に戸惑い、異国ならではの苦労もするが、やがて、日々の生活がリズムに乗り始めたころ、とてつもなく魅力的な男性と出会う。 秘密の多い彼との恋愛、彼を取り巻く複雑な人間関係、初めて経験するセレブの世界。 主人公、花音の人生パズルが、紆余曲折を経て、ついに最後のピースがぴったりはまり完成するまでを追う、胸キュン&溺愛系ラブストーリーです。 * ドイツ在住の作者がお届けする、ヨーロッパを舞台にした、喜怒哀楽満載のラブストーリー。 * 外国での生活や、外国人との恋愛の様子をリアルに感じて、主人公の日々を間近に見ているような気分になれる内容となっています。 * 実在する場所と人物を一部モデルにした、リアリティ感の溢れる長編小説です。

泡風呂を楽しんでいただけなのに、空中から落ちてきた異世界騎士が「離れられないし目も瞑りたくない」とガン見してきた時の私の対応。

待鳥園子
恋愛
半年に一度仕事を頑張ったご褒美に一人で高級ラグジョアリーホテルの泡風呂を楽しんでたら、いきなり異世界騎士が落ちてきてあれこれ言い訳しつつ泡に隠れた体をジロジロ見てくる話。

結婚式に代理出席したら花嫁になっちゃいました

ゆきりん(安室 雪)
恋愛
美希は平日派遣の事務仕事をしているが、暇な土日に便利屋のバイトをしている。ある日、結婚式の友人の代理出席をする予定で式場にいたのに!? 本編は完結してますが、色々描き足りなかったので、第2章も書いています。

理想の男性(ヒト)は、お祖父さま

たつみ
恋愛
月代結奈は、ある日突然、見知らぬ場所に立っていた。 そこで行われていたのは「正妃選びの儀」正妃に側室? 王太子はまったく好みじゃない。 彼女は「これは夢だ」と思い、とっとと「正妃」を辞退してその場から去る。 彼女が思いこんだ「夢設定」の流れの中、帰った屋敷は超アウェイ。 そんな中、現れたまさしく「理想の男性」なんと、それは彼女のお祖父さまだった! 彼女を正妃にするのを諦めない王太子と側近魔術師サイラスの企み。 そんな2人から彼女守ろうとする理想の男性、お祖父さま。 恋愛よりも家族愛を優先する彼女の日常に否応なく訪れる試練。 この世界で彼女がくだす決断と、肝心な恋愛の結末は?  ◇◇◇◇◇設定はあくまでも「貴族風」なので、現実の貴族社会などとは異なります。 本物の貴族社会ではこんなこと通用しない、ということも多々あります。 R-Kingdom_1 他サイトでも掲載しています。

イケメン警視、アルバイトで雇った恋人役を溺愛する。

楠ノ木雫
恋愛
 蒸発した母の借金を擦り付けられた主人公瑠奈は、お見合い代行のアルバイトを受けた。だが、そのお見合い相手、矢野湊に借金の事を見破られ3ヶ月間恋人役を務めるアルバイトを提案された。瑠奈はその報酬に飛びついたが……

世界一美しい妹にせがまれるので婚約破棄される前に諦めます~辺境暮らしも悪くない~

tartan321
恋愛
美しさにかけては恐らく世界一……私の妹は自慢の妹なのです。そして、誰もがそれを認め、私は正直言って邪魔者なのです。でも、私は長女なので、王子様と婚約することになる運命……なのですが、やはり、ここは辞退すべきなのでしょうね。 そもそも、私にとって、王子様との婚約はそれほど意味がありません。私はもう少し静かに、そして、慎ましく生活できればいいのです。 完結いたしました。今後は後日談を書きます。 ですから、一度は婚約が決まっているのですけど……ごたごたが生じて婚約破棄になる前に、私の方から、婚約を取り下げます!!!!!!

課長のケーキは甘い包囲網

花里 美佐
恋愛
田崎すみれ 二十二歳 料亭の娘だが、自分は料理が全くできない負い目がある。            えくぼの見える笑顔が可愛い、ケーキが大好きな女子。 × 沢島 誠司 三十三歳 洋菓子メーカー人事総務課長。笑わない鬼課長だった。             実は四年前まで商品開発担当パティシエだった。 大好きな洋菓子メーカーに就職したすみれ。 面接官だった彼が上司となった。 しかも、彼は面接に来る前からすみれを知っていた。 彼女のいつも買うケーキは、彼にとって重要な意味を持っていたからだ。 心に傷を持つヒーローとコンプレックス持ちのヒロインの恋(。・ω・。)ノ♡

あなたがいなくなった後 〜シングルマザーになった途端、義弟から愛され始めました〜

瀬崎由美
恋愛
石橋優香は夫大輝との子供を出産したばかりの二十七歳の専業主婦。三歳歳上の大輝とは大学時代のサークルの先輩後輩で、卒業後に再会したのがキッカケで付き合い始めて結婚した。 まだ生後一か月の息子を手探りで育てて、寝不足の日々。朝、いつもと同じように仕事へと送り出した夫は職場での事故で帰らぬ人となる。乳児を抱えシングルマザーとなってしまった優香のことを支えてくれたのは、夫の弟である宏樹だった。二歳年上で公認会計士である宏樹は優香に変わって葬儀やその他を取り仕切ってくれ、事あるごとに家の様子を見にきて、二人のことを気に掛けてくれていた。 息子の為にと自立を考えた優香は、働きに出ることを考える。それを知った宏樹は自分の経営する会計事務所に勤めることを勧めてくれる。陽太が保育園に入れることができる月齢になって義弟のオフィスで働き始めてしばらく、宏樹の不在時に彼の元カノだと名乗る女性が訪れて来、宏樹へと復縁を迫ってくる。宏樹から断られて逆切れした元カノによって、彼が優香のことをずっと想い続けていたことを暴露されてしまう。 あっさりと認めた宏樹は、「今は兄貴の代役でもいい」そういって、優香の傍にいたいと願った。 夫とは真逆のタイプの宏樹だったが、優しく支えてくれるところは同じで…… 夫のことを想い続けるも、義弟のことも完全には拒絶することができない優香。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。