神月流

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第8魂

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ウサギの鍋を有りがたく食べていると、
近くの茂みから何かが出てきた。
手は4つ有り足は触手の様にうねうねしている。
顔はニンゲンのような者である。
目を見てみると知性を感じた。
勘九郎は話しかけてみようとした時に
相手から話しかけてきた。

?「こんばんは。
お忙しい中に失礼します。
私の名前はコード344444と申します。
気軽にさととでもお呼びください。
厚かましいのですが、その鍋を一緒につつきたいと思いまして、声を掛けさせて頂いたのですが、宜しいでしょうか?」

下手なニンゲンよりも礼儀正しく、
謙虚な人柄である。
勘九郎はそう思った。
と同時にコレがニンゲンの言っていた
ニンゲン擬きと言うことも理解した。
少しの間、状況を吟味してから、
「一緒に食べよう」とだけ答えた。

さとは何度もお礼を言うと勘九郎の向かいに座った。
勘九郎は疑問に思い聞いてみた。
周りは生き物だらけである。
食べようとすればいくらでも獲物は居る。
すると、さとは答えた。

さと「私達実験台にされた者は見た目は強そうですが、生命体として無理矢理進化をしたため普通のニンゲンよりも力が弱いのです」
と答えた。
なるほど、つまり狩りをしようにも難しいと言うことも理解した。
同時に疑問に思った。
ニンゲン達は恐ろしく強いニンゲン擬きを倒すために僕を造った筈だ。
さとの言っていることが全て嘘と言う訳では無さそうだが、余りにも双方逆の事を言っている。
勘九郎はお椀すら重そうにしているさとの為に鍋をよそってあげながらこれからの方針を考えた。
どちらかが大きな謎を隠していると
この確信の答え合わせをするためにもっと
ニンゲンやニンゲン擬きと話をする必要が有ると。
勘九郎はそう考えた後に、さとに切り出してみた。
「これから、一緒に旅をしないか?」と
勘九郎は全ての目的を言うとさとが知っていることの中で不都合な事を隠してしまうと考えあえて旅と言ったのだ。
すると、さとが答えた。

さと「宜しいのでしょうか?
是非ともお願い致します!
お恥ずかしながら貴方様に会うまでもうかれこれ1ヶ月は何も食べていなくて。
私はこの見た目とは裏腹に裁縫等が得意です。服が破れた時や布生地が手に入った時はお任せ下さい!
御所望の物をお作り致しますので!」

凄く有りがたい。
勘九郎はさとが嘘を付いていないことを祈りながら夜明けに次の場所へと出発した。
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