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第2章 王立フェブリア学院 ~ 1年生編 ~
第47話 1週間後①
あれから1週間が経ち、学院の生活にも少しだけ慣れた。まだクラス全員の名前は知らないままだが……
「ねぇ、ケビン君。授業って座学ばっかりで飽きてくるね」
そう、この1週間で変わったことと言えば、カトレアが普通に話しかけてくるようになったことだ。最初のうちは遠慮がちだったのが今ではかなりの馴れ馴れしさが窺える。
無視を決め込んで寝ていたのに、めげずに話しかけてきたのだ。
たまに返答をしていたのが問題なのか? それとも、カトレア自体に仲のいい友達ができないのが問題なのか? サッパリだ。
「1週間経ったし、そろそろ実技が始まるんじゃないか? 知識もなく慣れないうちに実技をしても怪我するだけだろ」
「うーん、でも武術の実技ならやってもいいと思うんだよね。魔法は暴発もあるし危ないだろうけど」
「そういえば、そうだな」
確かに武術はやっても支障がないはずだ。まずは体力作りから始めるだろうし、危険は無いはずだが。
そんな会話をしていると、いつも通りジュディさんが教室に入って来た。
「出席を取るぞ。席につけ」
これも相変わらずのルーティンとなっているな。何故か「席につけ」と言われない限り、生徒たちは好き勝手にしている。
「今日から闘技場が使えるようになったから実技の授業もやっていこうと思う。闘技場が劣化して補修工事をしていたため、例年より始めるのが遅れてしまった。それで今日は遅れを取り戻す分、武術と魔法の実技授業をすることにした。今まで座学ばっかりだったからいい気晴らしになるだろう。解散後は各自第1闘技場まで来るように。場所はわかるよな? わからない生徒はわかる生徒のあとをついていけ。以上だ、解散」
第1闘技場か……補修工事の話の時はこちらをチラッと見た気がしたのだが、気の所為だろうか? それにしても、カトレアと話してた途端、実技がくるとは……これもフラグというやつか?
「ケビン君、闘技場まで一緒に行こうよ」
「お前は友達がいないのか? いつも俺にばかり話しかけてくるが」
「いるよ」
「じゃあ、そいつと一緒に行けばいいだろ?」
「だから、今誘ってるよ」
「……」
つまり、あれか? 俺はいつの間にか友達認定されていたのか? いつ友達になったんだ? どうやって友達になったのか記憶にないんだが?
「いつ、友達になった?」
「ついさっき」
「なった覚えはないぞ」
「友達じゃないと話しかけちゃダメみたいなこと言うから、友達になってしまえば話しかけてもいいでしょ? 闘技場に行くのも友達と行けって言うし。だから私の友達第1号にしました」
「丁重にお断りさせていただきます」
「拒否します」
何故だぁぁぁっ!
『Help me サナ!』
『You なっちゃいなよ』
使えねぇ……
「どうしてもか?」
「どうしても!」
これは、諦めるしかないのか? こいつの性格からして拒否してもずっと話しかけてきそうだしな。無視してても話しかけてきたくらいだし。
「わかった、諦めよう。そのかわりウザくなったら切り捨てる」
「わかったよ。ウザくならないようにギリギリの線を攻めるね」
いや、攻めるなよ……しかもギリギリを。逆にストレスで物凄くイライラしそうだ。
「普通にしてろ。ギリギリを攻めるな」
「じゃあ、闘技場に行こうよ。そろそろみんながいなくなるよ」
「闘技場の場所は知っているのか?」
「当然知らないよ」
何故当然なんだ? どこら辺が当然なんだ?
「使えないな」
「ケビン君は知ってるの?」
「当然知らない」
「それ、私と一緒だよね。使えないな」
くっ! こいつ……友達認定を認めたら急にガツガツくるようになったな。しかしここで揉めていては闘技場に辿りつけない。
「俺は他のやつについて行くつもりだったんだ」
「それは私もそうだよ。やっぱり一緒だよね」
「兎に角、先に行く生徒たちを追いかけるぞ」
そう言って周りを見ると、やり取りしていた間に生徒たちがいなくなってしまっていた。急がないと闘技場を探すのに一苦労してしまうではないか。
「実技の授業ってどんなことするのかな?」
「どちらも基礎的なことだろ。初めてやるんだし」
カトレアとともにスタスタと歩いていると、生徒たちが一方向に向かって歩く姿が見えてきた。これで闘技場までの道のりは問題なさそうだ。
やがて闘技場につくと、そこは試験を受けていた時に使った場所だった。補修工事ってもしかしなくても、俺のせいか?
いや、それはないな。そこまで壊した記憶がないし。普通に経年劣化だろう。
「よし、みんな揃ったな。最初は武術からだ。いきなり剣技を教えることはない。まずは体力作りからだ。全員で闘技場内を走るように。疲れたら途中で歩いていいぞ。立ち止まるのは呼吸を整えてからだ」
まずは体力作りからか。最後尾を走りながら適当なところでやめよう。半数ぐらいが脱落すればやめたところで目立つことはないだろう。
「準備はいいか? いきなり飛ばしたりするなよ、その後が続かなくなる。これはペースを維持しながらどれだけ走り続けるかがポイントなんだからな。では、始め」
その号令とともに生徒たちが走り出す。俺は最後尾グループを維持しながら走り続けた。
カトレアは真ん中あたりのグループにいるみたいだ。身体を動かすのは得意なのか? 特に無理した走りではないようだ。
しばらくして先頭集団が最後尾グループを周回遅れにしていった。体力には自信があるようだ。
さらにしばらくするとグループの中から1人、また1人と脱落していった。最後尾グループの3分の2が脱落したところで俺も歩きに変更した。
特に疲れてもいないのだがこれで目立つことはないだろう。先頭グループは未だに走り続けている。カトレアも頑張っているようだ。
しばらくそんな光景を見ながら、俺は暇な時間を過ごした。
「ねぇ、ケビン君。授業って座学ばっかりで飽きてくるね」
そう、この1週間で変わったことと言えば、カトレアが普通に話しかけてくるようになったことだ。最初のうちは遠慮がちだったのが今ではかなりの馴れ馴れしさが窺える。
無視を決め込んで寝ていたのに、めげずに話しかけてきたのだ。
たまに返答をしていたのが問題なのか? それとも、カトレア自体に仲のいい友達ができないのが問題なのか? サッパリだ。
「1週間経ったし、そろそろ実技が始まるんじゃないか? 知識もなく慣れないうちに実技をしても怪我するだけだろ」
「うーん、でも武術の実技ならやってもいいと思うんだよね。魔法は暴発もあるし危ないだろうけど」
「そういえば、そうだな」
確かに武術はやっても支障がないはずだ。まずは体力作りから始めるだろうし、危険は無いはずだが。
そんな会話をしていると、いつも通りジュディさんが教室に入って来た。
「出席を取るぞ。席につけ」
これも相変わらずのルーティンとなっているな。何故か「席につけ」と言われない限り、生徒たちは好き勝手にしている。
「今日から闘技場が使えるようになったから実技の授業もやっていこうと思う。闘技場が劣化して補修工事をしていたため、例年より始めるのが遅れてしまった。それで今日は遅れを取り戻す分、武術と魔法の実技授業をすることにした。今まで座学ばっかりだったからいい気晴らしになるだろう。解散後は各自第1闘技場まで来るように。場所はわかるよな? わからない生徒はわかる生徒のあとをついていけ。以上だ、解散」
第1闘技場か……補修工事の話の時はこちらをチラッと見た気がしたのだが、気の所為だろうか? それにしても、カトレアと話してた途端、実技がくるとは……これもフラグというやつか?
「ケビン君、闘技場まで一緒に行こうよ」
「お前は友達がいないのか? いつも俺にばかり話しかけてくるが」
「いるよ」
「じゃあ、そいつと一緒に行けばいいだろ?」
「だから、今誘ってるよ」
「……」
つまり、あれか? 俺はいつの間にか友達認定されていたのか? いつ友達になったんだ? どうやって友達になったのか記憶にないんだが?
「いつ、友達になった?」
「ついさっき」
「なった覚えはないぞ」
「友達じゃないと話しかけちゃダメみたいなこと言うから、友達になってしまえば話しかけてもいいでしょ? 闘技場に行くのも友達と行けって言うし。だから私の友達第1号にしました」
「丁重にお断りさせていただきます」
「拒否します」
何故だぁぁぁっ!
『Help me サナ!』
『You なっちゃいなよ』
使えねぇ……
「どうしてもか?」
「どうしても!」
これは、諦めるしかないのか? こいつの性格からして拒否してもずっと話しかけてきそうだしな。無視してても話しかけてきたくらいだし。
「わかった、諦めよう。そのかわりウザくなったら切り捨てる」
「わかったよ。ウザくならないようにギリギリの線を攻めるね」
いや、攻めるなよ……しかもギリギリを。逆にストレスで物凄くイライラしそうだ。
「普通にしてろ。ギリギリを攻めるな」
「じゃあ、闘技場に行こうよ。そろそろみんながいなくなるよ」
「闘技場の場所は知っているのか?」
「当然知らないよ」
何故当然なんだ? どこら辺が当然なんだ?
「使えないな」
「ケビン君は知ってるの?」
「当然知らない」
「それ、私と一緒だよね。使えないな」
くっ! こいつ……友達認定を認めたら急にガツガツくるようになったな。しかしここで揉めていては闘技場に辿りつけない。
「俺は他のやつについて行くつもりだったんだ」
「それは私もそうだよ。やっぱり一緒だよね」
「兎に角、先に行く生徒たちを追いかけるぞ」
そう言って周りを見ると、やり取りしていた間に生徒たちがいなくなってしまっていた。急がないと闘技場を探すのに一苦労してしまうではないか。
「実技の授業ってどんなことするのかな?」
「どちらも基礎的なことだろ。初めてやるんだし」
カトレアとともにスタスタと歩いていると、生徒たちが一方向に向かって歩く姿が見えてきた。これで闘技場までの道のりは問題なさそうだ。
やがて闘技場につくと、そこは試験を受けていた時に使った場所だった。補修工事ってもしかしなくても、俺のせいか?
いや、それはないな。そこまで壊した記憶がないし。普通に経年劣化だろう。
「よし、みんな揃ったな。最初は武術からだ。いきなり剣技を教えることはない。まずは体力作りからだ。全員で闘技場内を走るように。疲れたら途中で歩いていいぞ。立ち止まるのは呼吸を整えてからだ」
まずは体力作りからか。最後尾を走りながら適当なところでやめよう。半数ぐらいが脱落すればやめたところで目立つことはないだろう。
「準備はいいか? いきなり飛ばしたりするなよ、その後が続かなくなる。これはペースを維持しながらどれだけ走り続けるかがポイントなんだからな。では、始め」
その号令とともに生徒たちが走り出す。俺は最後尾グループを維持しながら走り続けた。
カトレアは真ん中あたりのグループにいるみたいだ。身体を動かすのは得意なのか? 特に無理した走りではないようだ。
しばらくして先頭集団が最後尾グループを周回遅れにしていった。体力には自信があるようだ。
さらにしばらくするとグループの中から1人、また1人と脱落していった。最後尾グループの3分の2が脱落したところで俺も歩きに変更した。
特に疲れてもいないのだがこれで目立つことはないだろう。先頭グループは未だに走り続けている。カトレアも頑張っているようだ。
しばらくそんな光景を見ながら、俺は暇な時間を過ごした。
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