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第13章 出会いと別れ
第407話 王都支店開店へ向けて
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ナディアのお店を建てて数日後、ケビンはアリシテア王国の王城にロナを抱っこして来ていた。
帝城でのロナは何故か近くにケビンがいるとケビンをガン見して、無言の圧力で抱っこをせがむ少女と化している。それ以外ではイスに座ってお人形さんのようにピクリとも動かない。それ故に身の回りの世話は基本的にケビンがしている。
今日も今日とて出かけようとして嫁たちへ伝えたら、ロナの無言の圧力がケビンへ襲いかかったのだ。
ケビンとしては嫁たちにも甘えて欲しいと思うが、今のところ反応を示すのは昔から遊んでいたプリモか甲斐甲斐しく世話をしようとするパメラで、嫁たちで言えばソフィーリアくらいしかちゃんとした反応を返さない。あのパメラに初見で懐かれたアビゲイルでさえ苦戦している。
そのようなロナを連れたケビンは魔導具工房マジカルの王都支店を出店させるために、鬼気迫るマリアンヌとローラの2人を相手取り会談に臨んでいる。
「ケビン君、香水はまだなの!?」
「この際、魔導具店は後回しで香水屋を先に開きましょう」
当初は魔導具店を開く話だったのに香水のことを知った途端に魔導具よりも香水の方が優先されているようで、ケビンはそこまでのものなのかと戦々恐々としてしまう。
「はぁぁ……今日はそんな2人のためにサンプルを全種持ってき――」
――ガタンっ!
ケビンが言い終わるよりも先に2人は立ち上がり、ケビンに迫ってはもみくちゃにしていく。
「香水はどこ!?」
「早く、早く出しなさい、ケビン君!」
「ちょ、ロナがいるんだから落ち着いて! なっ、マリーさんどさくさに紛れてどこ触ってんの!?」
このままではロナに被害がいくと判断したケビンは転移でその場から逃れると、マリアンヌから舌打ちした音が聞こえてしまうのだった。
「今……舌打ちしなかった? それに変な所を触ってくるし……」
「おほほほほ、やだわケビン君ったら。淑女が舌打ちなんかするわけないでしょう? それに私はポケットの中身を確認しようとしただけよ?」
「ローラさんも舌打ちの音を聞いたよね?」
「何のことでしょう?」
ローラはマリアンヌに逆らってはいけないと既に教育済みなのか第6感が働いているのかは知らないが、ケビンの問いかけに対してすっとぼけるのだった。
「とにかく暴れるなら王都支店の話はなかったことにするから。当てつけで関係のないミナーヴァへ話を持っていくよ? あそこは魔導国家だからすんなり話は通るだろうね」
「「ちっ……」」
「やっぱり舌打ちしたよね!? 今、間違いなく舌打ちだったよね!?」
「ケビン君、淑女は舌打ちなんてしないのよ」
「そうですよケビン君。さぁ、こっちに来てゆっくりとお話をしましょう」
「ローラさんがマリーさんに毒されている気が……」
それから席に座り直したケビンは香水のサンプルを2人へ渡すと、マリアンヌが集めたという従業員候補と面通しを行うことになるのだった。
その際にロナへ説明して、戻るまでは今いるケビン用の部屋で寝ていてもらうことにする。
しばらくして王城の一室に集められた従業員候補は、自己紹介をした錚々たる面接官を目の当たりにして緊張が留まるところを知らずガチガチに固まっていた。
そもそも王国から国営と詐称したお店の求人募集で面接官がいきなり現王妃や大公妃、そしてトドメの英雄であるケビンなどとは思ってもいなかったのだ。せいぜい序列の高い使用人が面接官であるだろうと予測していたため、心の準備が早くも崩れてしまい混乱をきたしている。
「とりあえず商業ギルドや商会関係を当たってみて集めたのだけど、ケビン君から見てどうかしら?」
「その前に何故女性しかいないわけ?」
「だってケビン君の従業員はみんな女性でしょう? 男性で雇っているのはアルフレッドたちだけじゃない」
「いや、あれは奴隷からの流れでそうなっただけで、意図的に女性を集めているわけじゃないんだけど。防犯対策とか揉め事があったらどうするの?」
「そこは冒険者ギルドに用心棒の依頼を出せばいいのよ。なんならうちから騎士を派遣させるわよ?」
「職権乱用だね」
「ケビン君、それよりも面接を進めましょう。みなさん待ちくたびれてしまいますよ?」
ローラの言葉によりケビンは適度に面接っぽいことを尋ねていってそれぞれから志望の動機を聞いていくのだが、マリアンヌは事前に使用人を使って従業員候補たちへ秘密保持のため面接内容や面接官のことを他言無用として、もし他の人へ漏らした場合はその相手とともに重罪に課すと誓約させている。
対する従業員候補たちは誓約したものの何故この場にケビンが居合わせているのかなど考える余裕すらない状態で、緊張が全く取れず噛み噛みになりながらも一生懸命になって質疑応答をするのに必死であった。
「では最後に何か質問はありますか?」
ケビンからの締めの言葉で恐る恐る手を挙げる1人の女性がいた。
「そちらの手を挙げている女性の方、どうぞ」
「あ、あの……仕事とは関係がないのですが……」
「構いませんよ」
「あの、子供の頃にフェブリア学院へ通ったことはありますか?」
「……? 通ってはいましたけど……」
面接の場で何故子供の頃にフェブリア学院へ通っていたことを聞かれたのか、ケビンは全く理解が追いつかなかった。
「あ、ありがとうございます!」
「……はい?」
いきなりのお礼でケビンの混乱は益々拍車をかけていく。
「あの、入学試験の時に助けていただいて……」
「入学試験……?」
「冒険者の方をケビン様が倒されて……」
「……ああっ!」
「その時に私もその場にいたので」
「それでか……」
「あ、あと、2年生の時に誘拐事件に巻き込まれた時も助けていただいて……」
「誘拐事件……?」
入学試験のことは思い出しても誘拐事件のことは全く思い出せず、ケビンが頭を傾げているとマリアンヌが横からケビンへ話しかけた。
「永久の闇事件よ」
「永久の闇……?」
それでも思い出さないケビンに呆れ顔のマリアンヌが話を続けていく。
「ケビン君が子供の頃にサラと一緒になってゴロツキを倒したでしょう? 確かシーラとターニャもいたわよね?」
「……ああっ!」
「あれが永久の闇事件よ。当時その場に子供たちが捕まっていたの」
どうでもいいことはサクサク忘れていくケビンがようやく思い出すと、マリアンヌが呆れている中で質問をしてきた女性に声をかけた。
「えぇーと、この紙によると……アマリアさんだっけ?」
「はい」
「記憶にないから懐かしいのかどうかわからないけど、久しぶり?」
「お久しぶりです?」
「まぁ、俺はアマリアさんを助けようとして助けたわけじゃないから、助けられたことに関してのお礼はいいし気にしなくていいよ」
「でも……ずっとお礼が言いたくて……」
「それじゃあさっきのお礼でおしまいってことで」
ケビンはこのままでは長々とお礼を言われそうな気がしたので早々に打ち切ると、他の人たちへ何か質問がないか再度尋ねてから適度に質問を受け付けたあとは、この組の面接を終わらせるのだった。
その後も面接を続けていき従業員候補たちが解散したあと、ケビン用の部屋へ移動した3人はそれぞれの印象を語り合い、従業員として誰を雇うのかを話し合っていた。
「この人たちは怪しい人たちだから除外で」
「あら、国営ってのは嘘だけどそれでも悪さする人が来るのね」
「甘い汁を吸ったりだとか、表向き国営で募集したからスパイとかでもしようとしたんじゃない?」
「愚かですね。この方たちは要注意人物リストへ載せておきましょう」
ケビンの能力によって怪しい人物を除外していってもなお、従業員候補の人数は多かったので中々決めきれずにいた。
その後も3人で意見を交換し合い候補を絞っていくとようやく10人まで絞れたのだが、そこから更に絞ろうとしても割かし優秀な人材だったために最終的には残った全員を採用することにケビンが決めた。
「多くなったわね」
「仕方がないよ。商人の娘だったり、学院の上位クラスを卒業していたりであまり教えこまなくても働けそうだから」
「それにしても時間がかかりましたね。ケビン君、夕食はどうされますか?」
「食べていこうかな。ロナもそれでいい?」
「……ぅ……」
抱っこされたままのロナにとってはケビンがいればいいようで、特に拒否反応を見せることもなく了承っぽい反応を見せるのだった。
その後、夕食をご馳走になったケビンはマリアンヌが用意していた土地の場所を聞いて土地代を払おうとしたら、香水を優先的に卸すという約束をマリアンヌとローラから迫られてしまい土地をタダで貰ってしまうことになる。
そして王城からの帰りしな、その土地へ赴いたケビンは認識阻害の結界を張ってサクッと建物を建ててしまうと帝城へ帰るのであった。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
そして迎えた開店前日、店内の準備でバタバタとするはずだったのだがそこは規格外のケビンによる所業でサクッと終わってしまうので、手持ち無沙汰な従業員たちはお喋りに花を咲かせているのだった。
「開店前日って忙しいのが基本ですよね?」
「私も今日は遅くまで残って準備しようと心構えしていました」
「それにしてもあの有名な魔導具工房マジカルが、ケビン様のお店だったなんて……」
「職員割引とか優先購入権とかあって凄いよね」
「それに帝都へ遊びに行ける権利付きだよ」
「転移ポータルっていうのに乗ったら、ケビン様のご自宅の敷地に出るらしいよ」
「伝説の冒険者で英雄のケビン様が住まわれるご自宅ってどんなのかしら?」
「治安が良くなった帝都の一等地とかに建ててそうだよね」
「それにそれに、魔導具作製に興味があったら製作部への転属もありだって」
「私たちって何もしなくていいのかしら?」
それまで喋っていた従業員たちが黙るとケビンへ視線を向けるのだが、サクサクと商品を並べていくケビンのスピードには到底追いつけないと確信してしまうのである。
やがて1人で準備を終えてしまったケビンは従業員を集めるまでもなく集まっていたのでそこへ向かうと、お店について教えていくため従業員を連れて3階へ階段で上がっていく。
「3階が従業員用の休憩室だから好きに使っていいよ。お客様が間違って上がってこないように認識阻害と進入禁止の結界を張ってるから安心して。もちろん従業員には効果ないから3階に上げれないってことはない」
3階へ上がった従業員たちは中の広さにびっくりした。とてもじゃないが建物の広さと全然合致しないからだ。
「ケビン様、これってどうなってるんですか? 広すぎるような……何もしていないのに目が疲れているのかな」
「ああ、それは空間魔法で拡張してるから実際の広さよりも広いんだよ。ちなみにこのリビング以外に従業員用で家具付きの部屋もあるから疲れた時は休憩中に寝ていいよ。あとはここから見えるキッチンと他には浴室やトイレもあるから自由に使って。帝都に飛ぶ転移ポータルもこの部屋に設置してあるから」
「あ……あの……それってもう家なのでは……?」
「いつものノリで作ったからね。ここに住みたいなら住んでいいよ。注意事項としてもちろん生活は自分で賄うことと他の従業員もいるから男の連れ込みは禁止で。まぁ、従業員じゃなければ3階には上がって来れないから無理なんだけど、気持ちの問題ってやつだね」
「こ、こんな高級住宅に住むほどお金がないですよ!」
「家賃はタダだよ。ここの従業員だから住むとしたら住み込みみたいな感じ?」
なんてことのないような感じでケビンがポロッと口にする「家賃はタダ」と言う言葉に、従業員一同は言葉を失ってしまう。
未だかつてこんな設備や家具の揃った快適な住み込みなど、体験したこともないし聞いたこともないからだ。
「ケビン様、私……ここに住みたいです」
「別にいいよ。従業員用だし」
従業員の1人が住み込みで働くことを伝えると、他の従業員たちも住み込みを希望し始める。中には実家暮らしなのに実家よりも設備が整っている他称高級住宅に惹かれて、他の従業員同様に住み込みを希望するのだった。
その後2階へ降りて行くと、そこは後に開店させる香水部門で今はまだ進入禁止の結界が張ってあるが、開店したら1階と同じように従業員で回してもらうことになるとケビンが説明をして1階へ降りていく。
「さて、結局みんな住み込みになるけど、荷物の運搬はどうするの?」
「気合いです!」
「逞しいね」
気合いで荷物を運び出すと言い出した従業員によって他の従業員もそれしかないという風に頷いているので、ケビンはマジックポーチを貸し出してそれに荷物を全部入れて持ち込むように指示を出す。
「容量は家1戸分あるから気にしなくていいよ。持ち込みたい物を全部入れておいで」
「よ、容量もそうなのですが……何故こんなにもマジックポーチを所有しているのですか? こんなに集めるのにはお金がかなり必要だし、そもそも大容量タイプは作るのが難しく中々手に入らない貴重な品のはずですが」
「さすが商人の娘だね。着眼点が普通の人とは違う」
「お褒めいただきありがとうございます」
「質問の答えは俺が魔導具職人だから」
「ま……まさか……」
「俺が作った」
「で……では、魔導具工房マジカルの商品を作っている正体不明の魔導具職人って……」
「俺だね。店を開いてからは魔導具製作の従業員たちが作っているけど、彼女たちが作るのはデザイン違いの物だから基本となる物は俺が作ってる」
ケビンからのぶっちゃけ話に従業員たちは絶句してしまう。世界に名だたる魔導具工房マジカルの商品を作っている職人が、いま目の前にいるケビンだということに驚きを禁じ得ない。
「このことは秘密だから誰にも言っちゃダメだよ。知っているのは王族関係者やごく一部の口の堅い知り合いだけだから。バラしちゃったら俺は何もしないけど王族関係者が何かしちゃうかも」
ケビンの注意事項でその場にいた従業員たちは、ブンブンと音が鳴るかのように首を縦に振って同意を示すのだった。
そもそも面接の時点で秘密保持の誓約を交わしているため、今更秘密保持の中身が増えたところで誰にも喋るつもりはなかった。
「それじゃあ、実家暮らしの人は親御さんにちゃんと伝えて、荷物をまとめたら帰っておいで。今日からここが君たちの自宅兼職場だ」
それから従業員たちは店を出ていくと急いで各自の家へ荷物を取りに行くのだった。
そして実家暮らしの者は親に説明を、借家暮らしの者は解約を進めていくとこれから始まる生活に胸を躍らせてワクワクした気分で荷物をまとめていった。
それからしばらくすると従業員たちが戻ってきたので随時荷物を片付けさせたらマジックポーチを回収して、一旦集めるとこの店を仕切っていく役職をケビンが任命していく。
「アマリアは支店長としてこの店を仕切ってくれ」
「えっ、私ですか!?」
「そう。商人の娘で店の手伝いをしていたから色々と慣れているだろうし、高等部を卒業しているからそれなりの教養もあって適任だ」
「でも、私は1番年下ですし……」
「俺は基本的に年齢は気にしないで能力で決める。もちろん俺の見込み違いで全然能力がなかったら、その役職を取り上げて他の者へ任命する」
「私にやれるでしょうか?」
「やれるやれないじゃなくて、やるかやらないかだ」
「……わかりました。全力でやります」
「他のみんなもアマリアをフォローしてやってくれ。別に支店長へ任命されなかったからといって、みんなが能力不足ってわけじゃない。みんなそれぞれにいいところがあるんだから頑張っていこう」
従業員たちが元気よく返事をするとケビンは次の役職を任命する。
「次はアマリアを補佐する副支店長だけど、これはフロリダに任せる。学院部を卒業しているから上手くやれるだろ?」
「はい。誠心誠意務めさせていただきます」
「今のところこのくらいだけど香水コーナーが開店したら魔導具部署と香水部署でそれぞれ部長と副部長を任命するから、役職についていない者はそれを目指して頑張ってくれ」
再び従業員たちが元気よく返事をするとケビンは社会科見学と称して、従業員たちが売りに出す魔導具がどう作られているのかを知ってもらうため、嫁たちが働く魔導具工場へ連れて行くことにした。
「今から帝都へ行くからみんなついてきて」
「えっ、あの帝都ですか!?」
「あの帝都がどの帝都を指しているかわからないけど、帝国にある帝都だよ」
「ケビン様のご自宅を拝見できるんですか!?」
「俺の家なんか見ても何も面白くはないけど、見たいなら案内するよ」
「「「「「見たいです!」」」」」
こうして従業員たちは伝説の冒険者や英雄であり、今日新たに知った魔導具工房マジカルのオーナーであり魔導具製作者であるケビンの自宅が見れるとあって、ウキウキ気分が治まらずハイテンションになってしまうのだった。
だが、ケビンのもう1つの職業である皇帝のことは知らず、このあとに気安く話しかけていたことを思い出すと不敬罪が真っ先に頭をよぎってしまい、頭の中が真っ白になってしまう未来をこの時の従業員たちはまだ知らないのであった。
帝城でのロナは何故か近くにケビンがいるとケビンをガン見して、無言の圧力で抱っこをせがむ少女と化している。それ以外ではイスに座ってお人形さんのようにピクリとも動かない。それ故に身の回りの世話は基本的にケビンがしている。
今日も今日とて出かけようとして嫁たちへ伝えたら、ロナの無言の圧力がケビンへ襲いかかったのだ。
ケビンとしては嫁たちにも甘えて欲しいと思うが、今のところ反応を示すのは昔から遊んでいたプリモか甲斐甲斐しく世話をしようとするパメラで、嫁たちで言えばソフィーリアくらいしかちゃんとした反応を返さない。あのパメラに初見で懐かれたアビゲイルでさえ苦戦している。
そのようなロナを連れたケビンは魔導具工房マジカルの王都支店を出店させるために、鬼気迫るマリアンヌとローラの2人を相手取り会談に臨んでいる。
「ケビン君、香水はまだなの!?」
「この際、魔導具店は後回しで香水屋を先に開きましょう」
当初は魔導具店を開く話だったのに香水のことを知った途端に魔導具よりも香水の方が優先されているようで、ケビンはそこまでのものなのかと戦々恐々としてしまう。
「はぁぁ……今日はそんな2人のためにサンプルを全種持ってき――」
――ガタンっ!
ケビンが言い終わるよりも先に2人は立ち上がり、ケビンに迫ってはもみくちゃにしていく。
「香水はどこ!?」
「早く、早く出しなさい、ケビン君!」
「ちょ、ロナがいるんだから落ち着いて! なっ、マリーさんどさくさに紛れてどこ触ってんの!?」
このままではロナに被害がいくと判断したケビンは転移でその場から逃れると、マリアンヌから舌打ちした音が聞こえてしまうのだった。
「今……舌打ちしなかった? それに変な所を触ってくるし……」
「おほほほほ、やだわケビン君ったら。淑女が舌打ちなんかするわけないでしょう? それに私はポケットの中身を確認しようとしただけよ?」
「ローラさんも舌打ちの音を聞いたよね?」
「何のことでしょう?」
ローラはマリアンヌに逆らってはいけないと既に教育済みなのか第6感が働いているのかは知らないが、ケビンの問いかけに対してすっとぼけるのだった。
「とにかく暴れるなら王都支店の話はなかったことにするから。当てつけで関係のないミナーヴァへ話を持っていくよ? あそこは魔導国家だからすんなり話は通るだろうね」
「「ちっ……」」
「やっぱり舌打ちしたよね!? 今、間違いなく舌打ちだったよね!?」
「ケビン君、淑女は舌打ちなんてしないのよ」
「そうですよケビン君。さぁ、こっちに来てゆっくりとお話をしましょう」
「ローラさんがマリーさんに毒されている気が……」
それから席に座り直したケビンは香水のサンプルを2人へ渡すと、マリアンヌが集めたという従業員候補と面通しを行うことになるのだった。
その際にロナへ説明して、戻るまでは今いるケビン用の部屋で寝ていてもらうことにする。
しばらくして王城の一室に集められた従業員候補は、自己紹介をした錚々たる面接官を目の当たりにして緊張が留まるところを知らずガチガチに固まっていた。
そもそも王国から国営と詐称したお店の求人募集で面接官がいきなり現王妃や大公妃、そしてトドメの英雄であるケビンなどとは思ってもいなかったのだ。せいぜい序列の高い使用人が面接官であるだろうと予測していたため、心の準備が早くも崩れてしまい混乱をきたしている。
「とりあえず商業ギルドや商会関係を当たってみて集めたのだけど、ケビン君から見てどうかしら?」
「その前に何故女性しかいないわけ?」
「だってケビン君の従業員はみんな女性でしょう? 男性で雇っているのはアルフレッドたちだけじゃない」
「いや、あれは奴隷からの流れでそうなっただけで、意図的に女性を集めているわけじゃないんだけど。防犯対策とか揉め事があったらどうするの?」
「そこは冒険者ギルドに用心棒の依頼を出せばいいのよ。なんならうちから騎士を派遣させるわよ?」
「職権乱用だね」
「ケビン君、それよりも面接を進めましょう。みなさん待ちくたびれてしまいますよ?」
ローラの言葉によりケビンは適度に面接っぽいことを尋ねていってそれぞれから志望の動機を聞いていくのだが、マリアンヌは事前に使用人を使って従業員候補たちへ秘密保持のため面接内容や面接官のことを他言無用として、もし他の人へ漏らした場合はその相手とともに重罪に課すと誓約させている。
対する従業員候補たちは誓約したものの何故この場にケビンが居合わせているのかなど考える余裕すらない状態で、緊張が全く取れず噛み噛みになりながらも一生懸命になって質疑応答をするのに必死であった。
「では最後に何か質問はありますか?」
ケビンからの締めの言葉で恐る恐る手を挙げる1人の女性がいた。
「そちらの手を挙げている女性の方、どうぞ」
「あ、あの……仕事とは関係がないのですが……」
「構いませんよ」
「あの、子供の頃にフェブリア学院へ通ったことはありますか?」
「……? 通ってはいましたけど……」
面接の場で何故子供の頃にフェブリア学院へ通っていたことを聞かれたのか、ケビンは全く理解が追いつかなかった。
「あ、ありがとうございます!」
「……はい?」
いきなりのお礼でケビンの混乱は益々拍車をかけていく。
「あの、入学試験の時に助けていただいて……」
「入学試験……?」
「冒険者の方をケビン様が倒されて……」
「……ああっ!」
「その時に私もその場にいたので」
「それでか……」
「あ、あと、2年生の時に誘拐事件に巻き込まれた時も助けていただいて……」
「誘拐事件……?」
入学試験のことは思い出しても誘拐事件のことは全く思い出せず、ケビンが頭を傾げているとマリアンヌが横からケビンへ話しかけた。
「永久の闇事件よ」
「永久の闇……?」
それでも思い出さないケビンに呆れ顔のマリアンヌが話を続けていく。
「ケビン君が子供の頃にサラと一緒になってゴロツキを倒したでしょう? 確かシーラとターニャもいたわよね?」
「……ああっ!」
「あれが永久の闇事件よ。当時その場に子供たちが捕まっていたの」
どうでもいいことはサクサク忘れていくケビンがようやく思い出すと、マリアンヌが呆れている中で質問をしてきた女性に声をかけた。
「えぇーと、この紙によると……アマリアさんだっけ?」
「はい」
「記憶にないから懐かしいのかどうかわからないけど、久しぶり?」
「お久しぶりです?」
「まぁ、俺はアマリアさんを助けようとして助けたわけじゃないから、助けられたことに関してのお礼はいいし気にしなくていいよ」
「でも……ずっとお礼が言いたくて……」
「それじゃあさっきのお礼でおしまいってことで」
ケビンはこのままでは長々とお礼を言われそうな気がしたので早々に打ち切ると、他の人たちへ何か質問がないか再度尋ねてから適度に質問を受け付けたあとは、この組の面接を終わらせるのだった。
その後も面接を続けていき従業員候補たちが解散したあと、ケビン用の部屋へ移動した3人はそれぞれの印象を語り合い、従業員として誰を雇うのかを話し合っていた。
「この人たちは怪しい人たちだから除外で」
「あら、国営ってのは嘘だけどそれでも悪さする人が来るのね」
「甘い汁を吸ったりだとか、表向き国営で募集したからスパイとかでもしようとしたんじゃない?」
「愚かですね。この方たちは要注意人物リストへ載せておきましょう」
ケビンの能力によって怪しい人物を除外していってもなお、従業員候補の人数は多かったので中々決めきれずにいた。
その後も3人で意見を交換し合い候補を絞っていくとようやく10人まで絞れたのだが、そこから更に絞ろうとしても割かし優秀な人材だったために最終的には残った全員を採用することにケビンが決めた。
「多くなったわね」
「仕方がないよ。商人の娘だったり、学院の上位クラスを卒業していたりであまり教えこまなくても働けそうだから」
「それにしても時間がかかりましたね。ケビン君、夕食はどうされますか?」
「食べていこうかな。ロナもそれでいい?」
「……ぅ……」
抱っこされたままのロナにとってはケビンがいればいいようで、特に拒否反応を見せることもなく了承っぽい反応を見せるのだった。
その後、夕食をご馳走になったケビンはマリアンヌが用意していた土地の場所を聞いて土地代を払おうとしたら、香水を優先的に卸すという約束をマリアンヌとローラから迫られてしまい土地をタダで貰ってしまうことになる。
そして王城からの帰りしな、その土地へ赴いたケビンは認識阻害の結界を張ってサクッと建物を建ててしまうと帝城へ帰るのであった。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
そして迎えた開店前日、店内の準備でバタバタとするはずだったのだがそこは規格外のケビンによる所業でサクッと終わってしまうので、手持ち無沙汰な従業員たちはお喋りに花を咲かせているのだった。
「開店前日って忙しいのが基本ですよね?」
「私も今日は遅くまで残って準備しようと心構えしていました」
「それにしてもあの有名な魔導具工房マジカルが、ケビン様のお店だったなんて……」
「職員割引とか優先購入権とかあって凄いよね」
「それに帝都へ遊びに行ける権利付きだよ」
「転移ポータルっていうのに乗ったら、ケビン様のご自宅の敷地に出るらしいよ」
「伝説の冒険者で英雄のケビン様が住まわれるご自宅ってどんなのかしら?」
「治安が良くなった帝都の一等地とかに建ててそうだよね」
「それにそれに、魔導具作製に興味があったら製作部への転属もありだって」
「私たちって何もしなくていいのかしら?」
それまで喋っていた従業員たちが黙るとケビンへ視線を向けるのだが、サクサクと商品を並べていくケビンのスピードには到底追いつけないと確信してしまうのである。
やがて1人で準備を終えてしまったケビンは従業員を集めるまでもなく集まっていたのでそこへ向かうと、お店について教えていくため従業員を連れて3階へ階段で上がっていく。
「3階が従業員用の休憩室だから好きに使っていいよ。お客様が間違って上がってこないように認識阻害と進入禁止の結界を張ってるから安心して。もちろん従業員には効果ないから3階に上げれないってことはない」
3階へ上がった従業員たちは中の広さにびっくりした。とてもじゃないが建物の広さと全然合致しないからだ。
「ケビン様、これってどうなってるんですか? 広すぎるような……何もしていないのに目が疲れているのかな」
「ああ、それは空間魔法で拡張してるから実際の広さよりも広いんだよ。ちなみにこのリビング以外に従業員用で家具付きの部屋もあるから疲れた時は休憩中に寝ていいよ。あとはここから見えるキッチンと他には浴室やトイレもあるから自由に使って。帝都に飛ぶ転移ポータルもこの部屋に設置してあるから」
「あ……あの……それってもう家なのでは……?」
「いつものノリで作ったからね。ここに住みたいなら住んでいいよ。注意事項としてもちろん生活は自分で賄うことと他の従業員もいるから男の連れ込みは禁止で。まぁ、従業員じゃなければ3階には上がって来れないから無理なんだけど、気持ちの問題ってやつだね」
「こ、こんな高級住宅に住むほどお金がないですよ!」
「家賃はタダだよ。ここの従業員だから住むとしたら住み込みみたいな感じ?」
なんてことのないような感じでケビンがポロッと口にする「家賃はタダ」と言う言葉に、従業員一同は言葉を失ってしまう。
未だかつてこんな設備や家具の揃った快適な住み込みなど、体験したこともないし聞いたこともないからだ。
「ケビン様、私……ここに住みたいです」
「別にいいよ。従業員用だし」
従業員の1人が住み込みで働くことを伝えると、他の従業員たちも住み込みを希望し始める。中には実家暮らしなのに実家よりも設備が整っている他称高級住宅に惹かれて、他の従業員同様に住み込みを希望するのだった。
その後2階へ降りて行くと、そこは後に開店させる香水部門で今はまだ進入禁止の結界が張ってあるが、開店したら1階と同じように従業員で回してもらうことになるとケビンが説明をして1階へ降りていく。
「さて、結局みんな住み込みになるけど、荷物の運搬はどうするの?」
「気合いです!」
「逞しいね」
気合いで荷物を運び出すと言い出した従業員によって他の従業員もそれしかないという風に頷いているので、ケビンはマジックポーチを貸し出してそれに荷物を全部入れて持ち込むように指示を出す。
「容量は家1戸分あるから気にしなくていいよ。持ち込みたい物を全部入れておいで」
「よ、容量もそうなのですが……何故こんなにもマジックポーチを所有しているのですか? こんなに集めるのにはお金がかなり必要だし、そもそも大容量タイプは作るのが難しく中々手に入らない貴重な品のはずですが」
「さすが商人の娘だね。着眼点が普通の人とは違う」
「お褒めいただきありがとうございます」
「質問の答えは俺が魔導具職人だから」
「ま……まさか……」
「俺が作った」
「で……では、魔導具工房マジカルの商品を作っている正体不明の魔導具職人って……」
「俺だね。店を開いてからは魔導具製作の従業員たちが作っているけど、彼女たちが作るのはデザイン違いの物だから基本となる物は俺が作ってる」
ケビンからのぶっちゃけ話に従業員たちは絶句してしまう。世界に名だたる魔導具工房マジカルの商品を作っている職人が、いま目の前にいるケビンだということに驚きを禁じ得ない。
「このことは秘密だから誰にも言っちゃダメだよ。知っているのは王族関係者やごく一部の口の堅い知り合いだけだから。バラしちゃったら俺は何もしないけど王族関係者が何かしちゃうかも」
ケビンの注意事項でその場にいた従業員たちは、ブンブンと音が鳴るかのように首を縦に振って同意を示すのだった。
そもそも面接の時点で秘密保持の誓約を交わしているため、今更秘密保持の中身が増えたところで誰にも喋るつもりはなかった。
「それじゃあ、実家暮らしの人は親御さんにちゃんと伝えて、荷物をまとめたら帰っておいで。今日からここが君たちの自宅兼職場だ」
それから従業員たちは店を出ていくと急いで各自の家へ荷物を取りに行くのだった。
そして実家暮らしの者は親に説明を、借家暮らしの者は解約を進めていくとこれから始まる生活に胸を躍らせてワクワクした気分で荷物をまとめていった。
それからしばらくすると従業員たちが戻ってきたので随時荷物を片付けさせたらマジックポーチを回収して、一旦集めるとこの店を仕切っていく役職をケビンが任命していく。
「アマリアは支店長としてこの店を仕切ってくれ」
「えっ、私ですか!?」
「そう。商人の娘で店の手伝いをしていたから色々と慣れているだろうし、高等部を卒業しているからそれなりの教養もあって適任だ」
「でも、私は1番年下ですし……」
「俺は基本的に年齢は気にしないで能力で決める。もちろん俺の見込み違いで全然能力がなかったら、その役職を取り上げて他の者へ任命する」
「私にやれるでしょうか?」
「やれるやれないじゃなくて、やるかやらないかだ」
「……わかりました。全力でやります」
「他のみんなもアマリアをフォローしてやってくれ。別に支店長へ任命されなかったからといって、みんなが能力不足ってわけじゃない。みんなそれぞれにいいところがあるんだから頑張っていこう」
従業員たちが元気よく返事をするとケビンは次の役職を任命する。
「次はアマリアを補佐する副支店長だけど、これはフロリダに任せる。学院部を卒業しているから上手くやれるだろ?」
「はい。誠心誠意務めさせていただきます」
「今のところこのくらいだけど香水コーナーが開店したら魔導具部署と香水部署でそれぞれ部長と副部長を任命するから、役職についていない者はそれを目指して頑張ってくれ」
再び従業員たちが元気よく返事をするとケビンは社会科見学と称して、従業員たちが売りに出す魔導具がどう作られているのかを知ってもらうため、嫁たちが働く魔導具工場へ連れて行くことにした。
「今から帝都へ行くからみんなついてきて」
「えっ、あの帝都ですか!?」
「あの帝都がどの帝都を指しているかわからないけど、帝国にある帝都だよ」
「ケビン様のご自宅を拝見できるんですか!?」
「俺の家なんか見ても何も面白くはないけど、見たいなら案内するよ」
「「「「「見たいです!」」」」」
こうして従業員たちは伝説の冒険者や英雄であり、今日新たに知った魔導具工房マジカルのオーナーであり魔導具製作者であるケビンの自宅が見れるとあって、ウキウキ気分が治まらずハイテンションになってしまうのだった。
だが、ケビンのもう1つの職業である皇帝のことは知らず、このあとに気安く話しかけていたことを思い出すと不敬罪が真っ先に頭をよぎってしまい、頭の中が真っ白になってしまう未来をこの時の従業員たちはまだ知らないのであった。
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