面倒くさがり屋の異世界転生

自由人

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第17章 魔王軍との戦い

第549話 里帰りR

 フィリア神殿内のとある1室にて、教皇と枢機卿たちが慌ただしく話し合いを進めていた。

「おい! 何で大国である3国からの協力体制が得られないんだ!」

「帝国についてはわかりきっていたことだと思いますが……そもそも帝国へは希望的観測で使者を派遣したのですから」

 ドウェイン枢機卿の怒鳴り声に淡々と返していくのは、外交担当のアルフィー枢機卿だ。

「それでも、アリシテアやミナーヴァからの協力体制が得られないのはおかしいだろ!」

「アリシテア王国については、聖戦時におけるドウェイン枢機卿殿の指示が尾を引いているかと。白の騎士団ホワイトナイツの悪行は、彼の国に対して並々ならぬ遺恨を残しています」

「ぐっ……」

 たとえ序列が上であっても、痛いところを突かれてしまったドウェイン枢機卿がアルフィー枢機卿に反論できるはずもなく、自分のことは棚に上げて任務を失敗したヘイスティングスに対する恨みを募らせていた。

「ミナーヴァ魔導王国に関して言えば、被害を受ける要素があまりないからだと予想します。魔族たちが仮に人族側の領土へ侵攻してきても、ミナーヴァ魔導王国よりも我が国を真っ先に狙うでしょうから」

「……異端者の捜索はどうなっておるのじゃ……」

 アルフィー枢機卿が淡々と報告を上げていく中で、教皇が声を発して行方不明の勇者についての足取りを尋ねると、それまで苦虫を噛み潰したような表情だったドウェイン枢機卿が、更に苦虫を噛み潰して報告を上げる。

「……依然足取りは掴めておりません。皇都内にいないことだけは把握しております」

「引き続き捜索せよ」

「はっ」

「ウォード」

「何でしょうか、聖下」

「ウォルターの後釜が決まるまでそなたが武力担当を兼任せよ。他の者が担うよりも財政担当のそなたが担えば、何かと都合がよかろう」

「……了解です」

「軍の再編成をし、最西端の砦へ向けて出発させるのじゃ。まずは協力する国々の軍を向かわせ、その後でのんびりと向かわせれば金の消費も少なかろう」

「聖下の仰せのままに」

「アルフィー」

「はい」

「そなたは引き続き各国との協力体制を築いていくのじゃ。中小国なら拒否などすまい」

「はっ、畏まりまして」

「女神フィリア様の加護のもとに」

「「「導きをもって子羊を救わん」」」

 こうして置き物教皇が口を出したことにより、慌ただしかった枢機卿たちの話し合いはトントン拍子に決まっていき、指示された内容を遂行するためにそれぞれ動き始めるのであった。


◆ ◇ ◆ ◇ ◆


 ところ変わって、魔族領にて面白おかしく旅を続けているケビン一行は、今現在南へ進路を向けて進んでいた。その理由はオリビアのある一言から始まる。

「ご主人様、南へ向かってください」

「南へ? 南にオリビアの故郷があるのか?」

「はい」

 そして語られるのはサキュバスの持つ習性である。オリビアから語られていくサキュバスは、その性質からぶっちゃけてしまうと情欲を湧きたてる身なりをしているとのことだった。それゆえに、寒いところは苦手としており、暖かい気候の南に住むことが多いのだとか。

 それを聞いたケビンは『それなら着込めばいいのに』と思ってしまうが、いざ防寒着を着込んだサキュバスを想像してしまうと、すぐさま『ないな……』という結論に至り、サキュバスが南に住むということを受け入れてしまう。

「南ってことは、戦争が始まったら戦地になりそうだな」

「はい。戦争時には慰安婦として活躍しています。男性の魔族も満足して、私たちサキュバスも精気を大量に得られるので、ご主人様のお言葉をお使いするならばウィン・ウィンの関係となるのです」

「持ちつ持たれつってことだな」

「それゆえに戦争時には保護対象として守られるのですけど、人族にとってもサキュバスは人気が高いので、戦地に近いゆえか奴隷狩りにも遭いやすいのです」

「あぁぁ……こう言ったら悪いんだろうけどわかる気がする……オリビアも夜になるとめちゃくちゃエロいもんな」

「ご、ご主人様!?」

「むぅー私だってケビン君のためならエッチになるよ!」

 ケビンからエロいと定評のあるオリビアに嫉妬したのか、自他ともに認めるエロフのティナはオリビアに対抗心を燃やしていた。しかし、ここには大人だけではなく、オリビアの娘のオフェリアもいることを忘れてはならない。当然のことながら大人たちの会話をオフェリアも聞いており、好奇心の高いオフェリアはケビンに対して気になることを直球で問いかけるのだった。

「パパはエッチなのが好きなの?」

「ぶふっ!?」

 いきなりの愛娘から受ける直球ストレートを取り損ねたケビンは、思い切り吹き出してしまいゴホゴホとむせこんでしまう。

「オ、オフェリア……オフェリアにはまだ早いとパパは思うんだ」

「早いの? 早漏?」

「くぁw背drftgyふじこlp!?」

 まさかまさかの愛娘の口から飛び出してきた単語に、ケビンは間抜けな表情とともにもはや言葉にならない言葉を発してしまうと、それを聞いたオフェリアはケラケラと笑って楽しそうにする。

「オリビアっ?? オフェリアが変な言葉を口にしたんだけど?!」

「サキュバスとしての教育の賜物です」

「何でっ?!」

「ゆくゆくはご主人様に娶ってもらうためです」

「どうしてっ?!」

「想像してみてください。オフェリアが大人になってから精気得るために、数多のしょうもない男性と閨を共にしてもご主人様は耐えられますか?」

「…………ごめん、無理」

「そういうことです。サキュバスの吸精に耐えられる人なんてご主人様くらいですよ。魔物でいいのならゴブリンやオークとかもいますけど、オフェリアがゴブリンやオークの苗床にされるのをご主人様は耐えられますか?」

「もっと無理」

「そうなるとオフェリアのお相手はご主人様しかいなくなるのです」

「パパが私のお相手? エッチするの?」

「オフェリアが……純粋無垢なオフェリアが……」

 既にオリビアからの英才教育を受けているオフェリアが、純粋無垢だがどこか純粋無垢でなくなっていることにケビンは頭を悩ませつつも、しょうもない男にだけは引っかかって欲しくないという気持ちもあるので、ジレンマに陥り溜息が後を絶たない。

 そしてケビンのそのような気も知らず、オフェリアはケビンの上に座ると楽しそうにニコニコとしている。

「パパといっぱい一緒! 里帰りは楽しいね!」

 ケビンの上で脚をプラプラとさせながら楽しそうに気持ちを口にするオフェリアによって、ケビンの葛藤はどこかへ飛んでいき愛娘に癒されてしまうと、ケビンはオフェリアが落ちないようにしっかりと抱きかかえるのだった。

「う……羨ましい……」

「ティナは大人だから無理」

「ハッ! 子供になれば!?」

「バカ……」

 相変わらずなティナに対して相方のニーナがツッコミを入れるという日常を送りながら、ケビン一行の馬車は南へとどんどん進んでいく。そして日中だと言うのに薄暗がりな風景に変わっていくと、とうとう魔族領にいるんだという実感をケビンは持ち始めるのである。

「主殿よ、微々たる程度に手応えのある魔物がついてきておるぞ」

 愛娘に癒されつつ楽しいひと時を送っていたケビンを現実に引き戻したのは、クララからの報告である魔物というどうでもいい存在だった。

「パパ、戦うの?」

「オフェリアが応援してくれるなら、パパ頑張っちゃおうかなー」

「パパ、頑張れー!」

「おおっ! 力が漲ってきたぞー! よし、オフェリアの応援でパパは元気百倍だ!」

 そして親バカと言われても仕方がないくらいに、オフェリアの応援によりデレデレになってしまったケビンは、馬車を止めると外に飛び出して追ってきていた魔物の相手をすることにした。

「かかってこい! 空気を『くうき』と読めず『エア』と読む愚か者ども」

 久しぶりにケビンが先陣を切って戦おうとする姿に、嫁たちも支援するのはやめて観客として眺めることにすると、オフェリアから更なる応援の声が届く。

「パパー! 頑張れー!」

「キタキタキター! 魔王パワー百倍だー!」

 そういうケビンが大して必要もないのに、黒色の魔力を纏って雰囲気を醸し出していくと、それを見たオフェリアが更に興奮する。

「パパすごーい! 魔王パワー百倍になったー!」

『愛娘のためにそこまでやるマスター!』

《単純ね》

『……システムちゃん……』

 最近サナが喋れば何故だかやってくるシステムの辛辣なセリフに、サナはもう少し柔らかくと思っているのだが、そのようなことを気にもしないケビンはケビンで、徐々に近づいてくる魔物たちの姿を見据えていた。

「ふんっ、なにやつかと思えば……って……この魔物は初見だな……サナ、説明よろ」

『そいつらはブラックウルフですね。主に狩猟特化した猟犬であり、雑魚キャラでお馴染みのフォレストウルフより知能が高く魔法を使ったりもします。ちなみにステータスも高いので、魔素で強化された完全な上位種だと思ってください』

「フハハハハ! たかが犬っころにこの俺がやられるとでも思うてか! かかってくるがいい、格の違いというものを見せてやろう!」

 オフェリアによってテンションアゲアゲのあげぽよ状態となっているケビンは、統率の取れたブラックウルフの攻撃をわざわざ待ち構えており、オフェリアに少しでもいいところを見せようとしている。

 そのようなケビンの事情など知らないブラックウルフは、目の前にぶら下がる人参を追いかけるような馬のごとく、ケビンに向かって飛びかかっていく。

「パパパーンチ!」

 だがしかし、ノリノリのケビンによって1匹目が殴り飛ばされると、飛びかかっていた空中に浮いている状態のブラックウルフたちは、次々と格好の的となりケビンの攻撃を受けてしまう。

「パパキーック!」

「パパジャブからのパパストレート!」

「お前にはパパフックだー!」

 飛びかかっていたブラックウルフたちが吹き飛ばされてしまうと、待機していたブラックウルフたちが一斉に魔法を放ってくる。

「魔王の俺にダークアローだと?! そんなものはこうだ! 喰らい尽くせ、《魔王の闘気サタニックオーラ》」

 ノリノリのケビンが中二ネーミングとともに黒色の魔力を膨張させると、それに触れたダークアローが次々と飲み込まれていき、それらは全て魔力に変換されるとケビンに微々たる量が供給されていく。

「パパすごーい! サタニックオーラつよーい!」

 オフェリアの応援により益々調子に乗っていくケビンを止められる者は、もはやこの場に誰1人としておらず、襲う相手が悪かった運の悪いブラックウルフたちは、結局のところ為す術なくケビンによって倒されていってしまう。

 そして戦いを終えたケビンが勝利のVサインをオフェリアに向けて見せたら、オフェリアは初めて見る父親の戦う姿に歓喜してしまい、体全体で喜びを表現していたのだった。

 それからケビンが馬車内に戻り腰を下ろすと、案の定歓喜しているオフェリアがケビンの上に座って、先程の戦いを興奮気味にケビンと語り合っていた。そのような微笑ましい光景が見られる中で、とうとう馬車はオリビアの故郷であるサキュバスたちが住まう街へと辿りつくのである。

「ここが私の故郷です」

 馬車から降りた一同にオリビアが先導して故郷を見せると、そこら中に行き交う人々は物の見事にサキュバスしかいなかった。サキュバスの街なので当然ではあるが。そしてそのようなところへやってくる魔族でない者たちが珍しいのか、興味津々でサキュバスたちが好奇の視線をぶつけてくる。

「これは……凄いとしか言いようがない」
「ケビン君のための場所みたい……」
「エロいサキュバス……エロス……」
「オリビアさんのような方がいっぱいです!」
「みんな露出が高いねー」
「主殿も目移りするであろう」
「負けまへんえ」
「ママが1番キレイ!」

 ケビンたちが思い思いの感想を口にしていると、オリビアはまだ自分の実家が残っているのか確認するために近場のサキュバスに話しかけると、それは杞憂だったようでオリビアの母親は健在であるようだった。

 そして記憶を頼りにオリビアがケビンたちを先導しながら久しぶりの我が家へ案内すると、その家に到着した時に緊張が高まる中でオリビアがドアをノックする。

「はいはい、ちょっと待ってねー」

 ノックに対して返事をする久しぶりに聞いた母親の声にオリビアの瞳は決壊寸前であり、体は我慢をしているのがわかるくらいに小刻みに震えていたが、それから程なくして開かれたドアの先に、オリビア似のサキュバスが現れて首を傾げる。

「あら? 見かけないサキュバスに小さいサキュバス……人族とエルフに……よくわからない人たち……あらあら、まぁまぁ、見かけない人たちが私に何かようかしら?」

 バラエティ溢れる訪問者たちを見てしまい驚きはしているものの、大して驚いてもいないように見えてしまうサキュバスに、オリビアが必死に口を開こうと頑張るも中々言葉が出てこず、それを見ているサキュバスは不思議そうにしているが、見かねたケビンが前に進み出してオリビアの代わりに口を開く。

「不躾なご訪問をしてすみません。俺はここにいるオリビアの夫となったケビンと申します。本日はオリビアの里帰りのためご実家であるここに寄らせていただきました」

「……オリ……ビア……?」

「ええ、奴隷狩りに遭い人族の国である帝国で捕まっているところをたまたま私が助ける形となって、それからは私が保護をしていたのですが一緒に生活を送るうちに結婚をすることになりまして、今は夫婦の関係を築かせていただいております。そして、この娘が私とオリビアの間に生まれたオフェリアという名の長女です」

 ケビンはそこまで言うとオフェリアの姿がちゃんと見えるように前に出して、そのオフェリアに声をかけた。

「オフェリア、この人はオリビアのお母さんで、オフェリアのおばあちゃんにあたる人だ。ご挨拶をしなさい」

 ケビンからの説明を聞いていたサキュバスは目が点となり、状況に全くついていけていなかったのだが、そのようなことなど気にもしないオフェリアが元気よく挨拶をする。

「おばあちゃん、初めまして。パパとママの子供のオフェリアです! 好きな食べ物はパパの作る料理です!」

 オフェリアの挨拶が終わっても微動だにしないサキュバスを見ているオフェリアが首を傾げてしまうが、ケビンがオリビアの背をそっと押してサキュバスに近寄らせる。

「っ……お……おかあ……さん……」

「……ビア……オリビアなの?」

「うん……お母さんの娘のオリビアだよ……」

「オリビアっ!」
「お母さんっ!」

 ケビンの後押しによってようやく2人の時間が動き出すと2人はお互いに抱きしめ合い、今までの悲しみと再会できた喜びをぶつけ合うかのようにして号泣していた。

「パパ、ママたち何で泣いてるの?」

「久しぶりに会ったからね。嬉しくて泣いてるんだよ」

 他の者たちが親子の対面を温かく見守る中で、やがて落ち着いたサキュバスが恥ずかしそうにしてケビンたちを家の中へと招き入れる。そしてテーブルにケビンやオリビア、そしてその娘であるオフェリアが代表として座り、残りのメンバーはケビンが出した簡易イスに腰を下ろして、オリビアの母親であるサキュバスと対面する。

「では、改めまして。私はオリビアの母であるリベアと言います。それと奴隷狩りに遭った娘を助けていただきありがとうございます。その上ご結婚までしていただくなんて、人族の方なのに魔族を妻に娶るなんてたいそう変わったお方なのですね」

「種族にこだわりはありませんから。私が好きになった人を妻にするだけです」

「そのようですね。周りにいる方々を見ていればわかります。人族に、エルフの方や気配がよくわからない方も妻なのでしょう? 皆さんお揃いの指輪をしていますもの」

「はは……お恥ずかしながら……」

「ふふっ、お気になさらないでください。多妻であるということは、それだけ性豪だということ。サキュバスの夫としては申し分ありません。そうなのでしょう? オリビア」

「うん。ご主人様は他にも奥様方がいっぱいいるの。獣人族もいるし、同じ魔族だと鬼人族の子もいるのよ。私と同じで奴隷だったのをご主人様が引き取ってお嫁さんにしたの」

「まあ、あの鬼人族まで!?」

 リベアが気性の荒い鬼人族の者まで嫁にしているというケビンの行動に驚きを隠せずにいると、ケビンは魔族について詳しくないのでその辺のことを尋ねてみた。

 するとその内容は、鬼人族の習性として強くないと結婚は認められないというものであり、鬼人族の女性を娶る場合は父親と戦うというのが習わしであると聞かされてしまう。更にはその娶る女性にも事前に戦いを挑み、その女性を倒さなくては男として認めてもらえないのだとか。

「なに、その戦闘民族……」

 リベアから聞かされる鬼人族の風習にケビンが呆れ果てていると、クスクスと笑いながらリベアがからかうように告げる。

「もう結婚をしているのなら事後承諾となりますから、挨拶をした時に父親と戦わないといけませんね。その妻の父親に認められないと最悪離別させられてしまいますよ?」

「まぁ、負けることはないんでその辺は問題ないんですけど……はぁぁ……ヴァリーの里帰りはひと悶着が確定したな……」

「ヴァリーという名前の子なんですか?」

「ヴァリーは愛称で、正式にはヴァレリアです」

「…………え?」

「どうかしました?」

「いえ、だいぶ前のことなので記憶が定かではないのですが、確か族長の娘がそのような名前の子で、中々帰ってこなくて大騒ぎになったとお聞きしたことがありますから」

「…………え?」

「どうかしました?」

 奇しくもケビンとリベアは同じようなリアクションを取り、同じような対応を見せてしまうことになるが、ケビンは記憶の中にあるヴァレリアのステータスに嫌なものが入っていたことを思い出していた。

「……夜叉姫って言葉をご存知ですか?」

「確か……族長の娘に付いていた敬称ですね。男さながらに鍛錬を頑張って強さを求めていたとか…………まさか……」

「ヴァリーの称号に夜叉姫って付いています……」

「……ケビンさん、死なないでくださいね」

「死ぬことはないですけど……めちゃくちゃ怒られますかね?」

「そこはなんとも……ただ奴隷として捕まっていたのを助けたと言えば、望みはありそうですけど……ただの鬼人族の娘じゃなくて、族長の娘ですから……」

「はぁぁ……ヴァリーの里帰りは無期延期にしようかなぁ……」

 ケビンはヴァレリアの里帰りがただの戦闘民族の父親を倒すというイベントから、鬼人族を束ねる族長を倒すというイベントにランクアップしたため、何とも言えない気持ちになってしまう。

 そのようなことを悩んでいるケビンを見かねてかどうかはわからないが、リベアが旅の疲れを癒すために宿泊を薦めるのだった。

「大したおもてなしはできませんけど、今日はこの家でゆっくりと体を休めてください」

「ご迷惑では……」

「娘の命の恩人に対して迷惑などと思うことはありませんよ……それに……」

「それに……?」

「いえ、何でもありません。今日の晩ご飯は腕によりをかけて作ろうかと……」

 こうしてケビンがオリビアの実家に泊まることが決まると、他の嫁たちは冒険に参加する前に里帰りの邪魔をしないと言っていた通り、ケビンから送ってもらうことになる。

 そしてケビンは適当な理由をつけて嫁たちと一緒に気配を消して街の外に出ると、嫁たちを憩いの広場へ転移させて帰すのだった。

 それからオリビアの実家に戻ったケビンはオフェリアの相手をしながら晩ご飯ができるのを待ち、晩ご飯の準備が整うと4人で歓談しながら楽しく食事を進ませていく。

 その後、空き部屋を宛てがわれていたケビンはそこのベッドにゴロンと横になって眠ることになり、オリビアは自分の部屋がまだ残っていたので、その部屋でオフェリアとともに眠ることになるのだった。

 それから少ししてみんなが寝静まった頃合いを見計らったのか、ケビンの部屋に夜這いをかける者がいた。その者は衣服を脱いでからベッドに上がると、布団の中に潜り込んでケビンの愚息を取り出しては、ちゅぱちゅぱとしゃぶって味わっている。

 そして寝てても反応するケビンの愚息が元気いっぱいになると、限界点を超えて夜這い者の口の中へ大量に噴出するのだった。

「んん――! んぐ……んぐ……んふぅ……んく、んく……ごくん……ぷはぁ……濃くて美味しいわ」

 たとえ出したところで衰えないのが絶倫皇帝と言われるケビンの真骨頂であり、その者は未だいきり立つ愚息に舌なめずりをしてしまい、布団を押しのけてケビンに跨ると自らの秘部に愚息を宛てがい飲み込ませていく。

「んはあ……凄い……奥まで届いてる……」

 それからその者が味わうようにして騎乗位を堪能していると、さすがのケビンも上で動かれていたら起きるというもので、騎乗位を楽しんでいる者を他所にふと目を覚ましてしまう。

「……んぅ……オリビア?」

「起きたの? いっぱい気持ちよくなってね」

「んー……」

 ケビンは未だ頭の冴えない状態で上下運動を繰り返している女性をボーッと眺めていたら、ぷるんぷるん揺れているおっぱいに目が奪われて、鷲掴みにするとその感触を楽しみ始める。

「んはっ、あんっ、んっ……もっと、もっと揉んでぇ……」

 しかしながらケビンはあのおっぱいマイスターだ。日頃から揉んでいるオリビアの胸と今揉んでいる女性の胸が大きさ、形、感触という点で違うことに気づくと、ふと呟いてしまう。

「オリビアのおっぱいじゃない」

 その確信に至るとケビンのぼやけていた頭は覚醒していき、目の前の女性がオリビアに似た別人であることを認識する。

「なっ、リベアさん!?」

「なぁに、ケビンさん……あんっ、今ピクって反応したわ」

「ど、どど、どうして!?」

「だって、だいぶご無沙汰だったんだもの。久しぶりに見た男が多妻の性豪ときたら襲うしかないじゃない」

「お、襲うしかないって……」

「ケビンさんは人族だからわからないの。サキュバスって性行為に対して緩いのよ。自分の命がかかっていることもあるしね」

 そう答えるリベアの言葉に、ケビンは以前にオリビアから聞いたことを思い出していた。サキュバスは食事を摂取することでも生きられるが、吸精をする者と比べると老化スピードが早くなり、先に死んでしまうのだと。

「んっ、そろそろ出すのね……いっぱい注ぎ込んで、いっぱい吸わせてね」

 膣の感触からケビンの愚息が限界に近いことを感じ取ったのか、リベアがラストスパートと言わんばかりにストロークを速めると、ケビンの意思とは無関係に愚息がお礼ですと言わんばかりの噴射力をプレゼントする。

「イクぅぅぅぅ――! なにこれ、凄い! ああっ、またかけられてイク――! はぁはぁ……まだ出るの?! 待って、吸うスピードが追いつかない!」

「さて、リベアさん。俺の体を弄んだ罰を受けてもらうよ?」

「え……なに……?」

 もうやってしまったものは仕方がないと開き直ったケビンは、上に跨るリベアをそのまま押し倒して正常位に体位変更すると、容赦なくピストンを開始する。

「んあっ、あんっ、あんっ……ま、待って……まだイッてるのが終わってないの……んはっ、はぁん、やんっ……」

 寝ててもぷるんぷるん揺れている胸を掴みながら腰をうちつけていくケビンに、リベアは自分本位じゃない攻め方をされてしまい快感が止まらない。

「イク、イク……ああっ、イックぅぅぅぅ――! 止まってぇ、お願いだから止まってぇ……おかしくなる、頭が変になるのぉ! ま、また……イグぅぅぅぅ――!」

「まだまだこれから」

「ひゃんっ……奥をトントンしないでぇ……これ以上されたら子宮がおりちゃう……ケビンさんの子が欲しくなるぅ……」

「それなら下りてこないように押し上げてやる」

 そう告げたケビンは愚息を伸ばして一気に奥まで貫いた。

「んひぃぃぃぃ! さ、刺さってりゅ、刺さってりゅのぉ……押し上げてない……刺さってりゅぅぅぅぅ」

「ほら、子宮に直接出すからたっぷり吸精しろよ。早く吸精しないと孕むかもな?」

「待ってぇ……直接出されたらおかしくなっちゃう……」

「もう遅い。受け取れ、リベア!」

「んはあぁぁぁぁ――!」

 ケビンから子宮に直接中出しされたリベアはガクンガクンと痙攣しながらも、ケビンの精を吸精しようと頑張っているが、本気を出したケビンの射精量は吸精のスピードを遥かに超えていた。

「ダメぇ……吸いきれない……孕む、孕んじゃう……娘の旦那ちんぽで孕まされちゃうのぉ……」

 絶頂の余韻が未だに治まらないリベアにケビンが口づけをすると、リベアは驚いて目を見開いてしまうが、ケビンはお構いなしにリベアの口を堪能する。

「んちゅ、はむ、くちゅ……にちゅ、ぬちゅ、はぁ……ケビンさん……あむ、くちゅくちゅ、じゅる、れろれろ……」

 そしてそのような盛り上がりを見せている2人に声をかける者がいた。

「2人だけでズルいよ。私も混ぜてよ」

「「ふえっ?」」

 下半身が繋がったままで呆気に取られている2人が目にしたのは、服を脱いで準備万端な状態で立っているオリビアだった。それから2人がそのオリビアから聞いたのは、あれだけ激しく喘ぎ声を上げていたら誰でも目を覚ますというものである。それを言われてしまうと今更結界を張ったところでもう遅いかと感じてしまったケビンは、オリビアを引き寄せてキスをするのだった。

 そして急遽混ざってきたオリビアにリベアの混乱が後を絶たないが、ケビンからしてみれば複数人プレイは慣れているので、リベアの反応に構わずオリビアを抱き始める。

 その光景を見せられているリベアは何がなんだかわからないままであるのだが、ケビンに引き寄せられるとオリビアの上に乗せられて、ケビンから『母娘丼だ』とよくわからない単語を言われたまま、ケビンに体をまさぐられて嬌声をこぼし始めた。

 それからケビンがオリビアの中に1回出すと、今度は愚息を2本に増やして母娘同時攻めを堪能し始める。その行為にリベアは困惑したまま何が起こっているのかわからなかったが、今までにない快感を味わっていることだけは理解していた。

「あんっ、んっ……ご主人さまぁ……もっと奥までください……」
「ケビンさん、私も奥がいい……もっと奥まで突き刺してぇ……」

「2人とも欲張りだな」

「んはっ、あんっ、はぁん……子宮口にきたぁ……こじ開けられてるよぉ……」
「んぐぅ、はぁっ、あっ……刺されてるぅ……娘の旦那ちんぽが刺さってるぅ……」

「たっぷり出すから頑張って吸い尽くせよ」

「頑張りゅ……頑張りゅからいつもみたいにぽっこりお腹にしてぇ……」
「あぁんっ……私もそれして欲しい……ケビンさん、私もぽっこりお腹にしてぇ……」

「よし、母娘でぽっこりお腹だ。受け取れ!」

「んあぁぁぁぁ――!」
「イグぅぅぅぅ――!」

 ケビンが射精量を調節してドピュドピュと中に注ぎ込んでいくと、2人はすぐに吸精が追いつかなくなり、見事なぽっこりお腹にされてしまう。それを絶頂の余韻とともに感じ取りながら、幸せそうに寝転がるのだった。

「ふふっ、お母さん。ご主人様って凄いでしょ?」

「そうね、お母さんもこんなのは生まれて初めての経験よ」

 そしてお約束と言わんばかりにそこへ新たな珍客が現れる。

「みんな、何してるの?」

「「「ふえっ?」」」

 そう、そこに現れたのはトイレに起きた帰りに、声がしていたからやって来たと言うオフェリアだった。

「こ、ここ、これは……そ、そう! 異種格闘技戦だ」

「異種格闘技戦?」

「そうだ。パパが人族でママたちがサキュバスだから異種になるだろ? そこで、夜の格闘技を3人でやっていたんだ。そしてパパは見事勝つことができた」

「ふーん……」

「ど、どうしたんだ、オフェリア?」

「3人でエッチしてたんでしょ?」

「な、何で?!」

「だって、ママもママのママもあんあん言ってたもん。パパはぽっこりお腹だって言ってた」

「「「ぐはっ!」」」

「だから私も気持ちよくなる」

「いやいやいや、オフェリアには早いと思うなぁ」

「パパ……嫌いになってもいいの?」

「かはっ……オ、オフェリア……そのパパキラーをいったい誰から……」

「セレニティお姉ちゃんが困った時には使いなさいって」

「セ、セレニティ……なんてことを……」

 策士セレニティは未だ健在のようでオフェリアに対しケビンキラーとも取れる、『パパのこと嫌い』という1撃死待ったなしの即死魔法を教えていたことに、ケビンは戦慄を覚えずにはいられない。

「パパ、早くして」

 ケビンが苦悩に苦悩を重ねて更なる苦悩に陥っている中で、オフェリアはさっさと服を脱いで裸になっており、ベッドに上がり込んでいた。

「ご主人様、こうなっては致し方ありません。騙し討ちという予定は狂いましたが、オフェリアを抱いてください」

「なにその騙し討ちっていう不穏な言葉は……」

 オリビアのぶっちゃけ話にケビンが問い返してみても、オリビアは素知らぬ顔をしてやり過ごし、それを見たケビンは嫁たちのたくましさが日々増していっているような気がしてならない。そのような時に、待ちぼうけを受けているオフェリアが再び口を開いた。

「パパ見て……オフェリアの初物ツルペタまんこだよ。くぱぁ」

「なっ!? そんなことをいったい誰が教えてるんだ?!」

「ポーラお姉ちゃん」

「あいつ……孤児院で変なことを教えてるんじゃないだろうな……」

「ほらぁパパ早くぅ……オフェリアのツルペタまんこにパパちんこを突っ込んでぇ……おちんちんでたくさんいい子いい子してぇ……オフェリアのおまんこが悲しくて泣いてるよぉ……」

「……えぇーい、母娘喰らわば孫まで! 3世代丼だあ!」

「きゃ♡」

 もうこの際どうでもいいやという考えに辿りついてしまったケビンは、オフェリアに誘惑されるままその体を貪っていき、それによりサキュバスの血が流れるオフェリアは早くも順応していく。

「パパぁ……もっとぺろぺろしてぇ……」

 そう言うオフェリアの要望に応えたケビンは、サキュバス故か同年代よりも発育しているオフェリアの胸を揉みながら、先端をちゅぱちゅぱと吸い始める。

「んっ、あっ、イク……イッちゃう……」

 オフェリアの性知識は母親のオリビアによる教育の賜物なのか、それともポーラによる教育の賜物なのかわからないが、ケビンが教えなくても絶頂までの波を感じ取っているようで、オフェリアの喘ぎ声はどんどんと加速していき、やがてその時がくる。

「あっ、あっ、んんっ……ィクッ――!」

 小さく小刻みに震えるオフェリアが初めての感覚に呆けた表情で余韻に浸っていると、ケビンはオフェリアサイズにした愚息を秘部に宛てがい声をかける。

「オフェリア、入れるからね?」

「……うん。パパのおちんちんちょうだい」

 オフェリアから確認を取ったケビンが徐々に腰を進めていき、未開発の膣を押し広げながら愚息を進ませていくと、やがて処女膜を突き破り奥へと到達する。そしてケビンはオフェリアの様子を窺っていたのだが、オフェリアはそこまでの痛みを感じていないようでもあった。

 それに対してリベアがケビンに伝えたのはケビンがサイズ調整をしたことと、オフェリアの体に流れるサキュバスの血が、痛みよりも快感を増幅させているという淫魔族らしいものだった。

「パパ、動いて……」

 そのような説明を受けているケビンにオフェリアが催促をすると、ケビンはゆっくりとストロークを開始させて、オフェリアの反応を見つつ次第に加速させていく。

「んっ、あっ、パパのおちんちんがオフェリアの中でピクピクしてる……」

「くっ、中が締めつけてきてもう出そうだ」

「パパ、いっぱい出して。吸精できないと一人前になれないの」

 ケビンに大量の中出しをせがむオフェリアは、初めての吸精ができるかどうか試そうとしているようであり、ケビンもそれに応えるべくストロークを更に加速させてはオフェリアの中へ大量に出してしまうのだった。

「出る!」

「イクぅぅぅぅ――! ……はぁはぁ……かけられてる……いっぱいピュッピュされてるのがわかるよ……んんっ……吸精……しないと……」

 ケビンがオフェリアから愚息を抜くと、入りきらなかったものが赤色混じりでごぽりと溢れだしてきているが、ケビンから出してもらったものを吸いあげようとオフェリアが頑張っていたら、オリビアやリベアがそれぞれコツなどをアドバイスしていき、サキュバスとして一人前とされる儀式とも言えるオフェリアの吸精を応援していく。

「……んぅー…………あっ、ちょっと吸えた!」

「やったわね、オフェリア」

「これで貴女も立派なサキュバスよ」

 やがてオフェリアの頑張りのおかげで吸精に少しだけ成功すると、オリビアやリベアがそれを褒めたたえてオフェリアの成長をお互いに喜んでいき、オフェリアの番が終われば待ってましたと言わんばかりに、オリビアとリベアがケビンから愛されようとして、オフェリアの両隣に側位の体勢で寝転がり片脚を持ち上げては秘部をさらけ出した。

「ご主人様、母娘3代の味比べをご堪能ください」

「ケビンさん、私たちをいっぱい使って中出ししてくださいね」

 オリビアとリベアがそのようなことをすると真ん中にいるオフェリアも真似をしてしまい、股を開いて両脚を抱え込むと同じようにケビンを誘惑する。

「パパ、オフェリアのおまんこをパパ専用にして。パパのおちんちんの形にして欲しいの」

 そのような光景を見せられているケビンはもうたまらんとばかりに釘付けとなっており、心の声がボソッと口に出てしまう。

「……絶景だ」

 そして、その晩は燃えに燃えまくったケビンによってオリビアは既に経験済みであるが、初体験となるリベアとオフェリアは朝までコースをその身に受けてしまい、絶倫皇帝ケビンの凄さを実感してしまうのであった。
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