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婚約破棄
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「ハーマイオニー・シモンズ。お前との婚約を破棄する!!」
天然パーマの茶髪に茶色の瞳。異様に分厚い下唇。猫背で出っ歯。
その男こそ筆頭公爵、ゴンザレス家の長男エイドリアンだ。
その横には肩まである赤紫色の髪を二つに分けて三編みをした、赤い瞳で鷲鼻の女がいる。
彼女は元シモンズ家のメイドで現ゴンザレス家のメイドを務めているターナー男爵令嬢のシェリーだ。
「悪いね、俺はシェリーを愛してしまったんだ。シェリーこそ我が婚約者なのだ!!」
「シェリー。これは一体どういう事なの?」
ハーマイオニーは目の前の出来事が受け入れられなかった。
また、にわかには信じがたかった。
(なぜ? シェリーはわたくしとエイドリアン様の結婚が決まった時にお祝いの言葉をくれたじゃない。あれは本心ではなかったの?)
ハーマイオニーはシェリーに裏切られたように感じた。
左手の薬指にはエメラルドの宝石が光っている。
「はい、ハーマイオニー様。私はエイドリアン様に愛されました。芯から愛した女は私だけだと仰いました」
「だけど、シェリー。あなた、わたくしがエイドリアン様との婚約が決まった時にお祝いの言葉をくれたわね。あれは真っ赤な嘘だったの?」
「嘘ではありませんわ。本当です」
「それがなぜわたくしの気分を逆撫でするような事を?」
「へっ。往生際が悪いな、ハーマイオニー。俺が心から愛したのがシェリーなんだよ。シェリーはメイドだ。料理は作れるし、且つ旨いし、家事も何でもできる。のみならず、頭も良く、運動神経も良い。それに引き換えハーマイオニーは弓しか取り柄が無い。流石は騎士一筋の王国騎士団長の娘だな」
(お父様を侮辱するなんて許せませんわ!!)
「父を貶すなど、言語道断ですわ。エイドリアン様とてそれは許しませんわ!!」
「だったら、大人しく俺との婚約破棄を受け入れるんだ。そしてシェリーとの結婚を祝福するんだ」
「そうですわよ、ハーマイオニー様」
よくよくシェリーの左手の薬指を見ると、婚約指輪と思しい指輪が嵌められている。
ハーマイオニーは左手薬指から指輪をはずした。
「もうあなたの事などどうでも良いです。どうぞお好きになさって下さい。わたくしはわたくしで幸せを掴みますので」
「そして、さようなら!!」
と言って婚約指輪をテーブルに向けて勢いよく叩きつけた。
ハーマイオニーは部屋を出た。
そして、移動の部屋へ向かい、サークルの中に入った。
サークルの中に入ると瞬間移動ができる。
間もなくして家についた。
家に帰ったら、執事のトーマスが待っていた。
天然パーマの茶髪に茶色の瞳。異様に分厚い下唇。猫背で出っ歯。
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「シェリー。これは一体どういう事なの?」
ハーマイオニーは目の前の出来事が受け入れられなかった。
また、にわかには信じがたかった。
(なぜ? シェリーはわたくしとエイドリアン様の結婚が決まった時にお祝いの言葉をくれたじゃない。あれは本心ではなかったの?)
ハーマイオニーはシェリーに裏切られたように感じた。
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「はい、ハーマイオニー様。私はエイドリアン様に愛されました。芯から愛した女は私だけだと仰いました」
「だけど、シェリー。あなた、わたくしがエイドリアン様との婚約が決まった時にお祝いの言葉をくれたわね。あれは真っ赤な嘘だったの?」
「嘘ではありませんわ。本当です」
「それがなぜわたくしの気分を逆撫でするような事を?」
「へっ。往生際が悪いな、ハーマイオニー。俺が心から愛したのがシェリーなんだよ。シェリーはメイドだ。料理は作れるし、且つ旨いし、家事も何でもできる。のみならず、頭も良く、運動神経も良い。それに引き換えハーマイオニーは弓しか取り柄が無い。流石は騎士一筋の王国騎士団長の娘だな」
(お父様を侮辱するなんて許せませんわ!!)
「父を貶すなど、言語道断ですわ。エイドリアン様とてそれは許しませんわ!!」
「だったら、大人しく俺との婚約破棄を受け入れるんだ。そしてシェリーとの結婚を祝福するんだ」
「そうですわよ、ハーマイオニー様」
よくよくシェリーの左手の薬指を見ると、婚約指輪と思しい指輪が嵌められている。
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「もうあなたの事などどうでも良いです。どうぞお好きになさって下さい。わたくしはわたくしで幸せを掴みますので」
「そして、さようなら!!」
と言って婚約指輪をテーブルに向けて勢いよく叩きつけた。
ハーマイオニーは部屋を出た。
そして、移動の部屋へ向かい、サークルの中に入った。
サークルの中に入ると瞬間移動ができる。
間もなくして家についた。
家に帰ったら、執事のトーマスが待っていた。
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