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パトシリアと婚約 ※ジョージ視点
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なごり雪の降る昼下り。
ジョージは両親にディアナと婚約破棄をし、新たにパトシリアと婚約した事を伝えに行く事にした。
パトシリアこそ本当の妻に相応しい。
ディアナの何十倍、何百倍も良い。
長い渡り廊下を歩く。
標高が高く尚且つ豪雪地帯なので、雪が降り積もって壁になっている。
雪の壁はジョージの身長より高い。
ジョージの部屋は離れにある。
それは占いに集中できるからだ。
風も強い上に冷たい。
時折強く吹き、雪が顔にかかる。
寒い……。
応接間にパトシリアと共に向かう。
「えへん。パトシリア。安心しろ。俺が絶対にフォローするからな。何を言われても黙ってろよ」
「はい、ジョージ様」
ジョージとパトシリアは手を繋いで歩いている。
パトシリアの手は冷たい。
対してジョージの手は温かい。
パトシリアは確か冷え性だと言っていた。
「パトシリア。寒くないか?」
「寒いわ」
「足とか冷たくないか?」
「足が冷えるわ。まるで氷の上に足を置いているみたいに」
「そうか」
渡り廊下を出て、母屋へと入る。
屋敷は広い。
14大侯爵家の中で一番広いのだ。
それは父、ロベルトの力をも伺わせる。
ロベルトは王族の家庭教師を務めている。
母親のサリも以前は王室で料理の担当をしていた。
ふぅーとため息をついた。
息は白く濁った。
強く吹く風が中からも聞こえる。
二人は応接間の前に来た。
「パトシリア、どうだい?」
「緊張しているわ」
パトシリアは何を言われるかわからない。
事実、母親のサリはディアナを気に入っていたからだ。
そのディアナと婚約破棄をしたとなると、烈火のごとく怒りだすだろう。
コンコン
ジョージは応接間の扉を叩いた。
「ジョージだな。入れ」
中からロベルトの声がした。
二人は応接間に入った。
応接間には大理石でできたテーブルに椅子が4脚あった。
奥の方にロベルトとサリがいた。
奥には窓がある。
窓の外は一面真っ白だ。
「ん? どういう事だね?」
開口一番、ロベルトは右眉を釣り上げ、疑いの目を向けてきた。
「えへん。父上。実は……私はディアナと婚約破棄をし、彼女……パトシリアと婚約をしました」
「申し遅れました。わたくしはパトシリア・ゼンケ。ゼンケ子爵令嬢ですわ。宜しくお願い致しますわ」
ロベルトは憤懣に満ちた顔を、サリは仏頂面をしている。
「お前!! なぜディアナと婚約解消をした?」
「えへん。それは諸々ありまして……そう。えへん。ディアナは歌しか取り柄が無いから……です。その上、価値観が私と合わないんです。えへん。なんというかディアナは犬より猫派で、マーシーもそれを察してかディアナには懐かないのです」
え!?
ええ!?
「だからどうした? これはわがバス家とレンスター家の関係だぞ! お前はその関係を根こそぎ破壊をするのか?」
「えへん。破壊する気は毛頭もございません。しかしですね、やはり、私の気持ちを……えへん。尊重していただきたいですね」
「尊重とは?」
「それはですね。えへん。なぜ生まれた時から既に婚約者がいるんですかね? みんな好きな人と結婚しているんですよ。えへん。パティの両親もそうですよ」
「ばかもん!!」
雷が落ちたような衝撃を感じた。
しかし、それでもたじろいてはいけない。
この婚約を何としてでも成立させなければならない。
「王侯貴族は生まれてすぐに婚約者がいるのは当たり前なのだ。ワシもサリとは政略結婚だという事は知っているだろう?」
サリは公爵家の出自。
(だから、何だってのかい? 政略結婚だからって価値観の違う女と結婚しなければならないのか?)
「占いでは私とディアナの相性は最悪で、逆にパティとの相性は最高なんです。父上は占いを信じないのですか?」
「占いだと? そんな荒唐無稽なものを信じられるわけがないだろう?」
(そう来たか……)
「いや。占い大切ですよ、父上。何分私は次期バス侯爵ですよ? バス家の存続がかかっているんですよ?」
「確かに。確かに存続は大切だ。だからと言って……」
「父上。えへん。パティとの結婚を認めて欲しいですよ~」
「そうですわ。私はジョージ様を愛していますわ」
「パトシリア嬢。申し訳無いがきみには結婚、辞退してもらいたい」
「そんなの無いです。お互いがお互いを愛している結婚こそ夫婦円満なのでは?」
「私はこの結婚は……認めん!!」
「認めん」を強く言ってきた。
「あなた。認めてあげましょうよ」
隣で聞いていたサリがようやく口を開いた。
「サリ。お前はディアナを気に入っていたではないか? それがなぜだ?」
「私は確かにディアナの方が次期バス侯爵夫人に相応しいと思ったわ。でも、ここまでジョージが誠意と熱意を見せてくれたなら、認めないわけにも行かないわ」
「だがな。我々は勿論、バス家先祖代々政略結婚だったんだぞ。結婚を認めるという事は伝統を破る事になるんだぞ」
「でも、時代も変わるべきだと思うわ」
「ううーむ」
ロベルトは頭を抱えた。
「父上! どうかお願いします。パトシリアとの結婚をお願いします」
ジョージは土下座をして頼み込んだ。
「どうかお願いいたしますわ」
パトシリアもまた、土下座をし、頼み込んだ。
「結婚を本音は認めたくない。だが、サリが認めるのだから、認めざるを得ない。認める。認めるが何かあったらすぐに家を出ていってもらう。そして、次期侯爵を弟のジョシュに譲るのだ」
ロベルトは続けた。
「それからな。ジョージ。お前はただでさえ占いという怪しい職業を選んだ。何かトラブルを起こしても一切責任を負わないからな!!」
占いは合法でやっているつもりだ。
だから、何も疚しいことは何一つしていないつもりだ。
「えへん。父上。わかりました。何かあればすぐに家を出て行きます」
ジョージは続けた。
「占いをしているとは言っても……えへん。法を犯すような事はしていません」
ロベルトは頭を縦に二度振った。
「ああ。それなら良い。他人様に迷惑をかけ、且つバス家に損害を与える事は慎むようにな」
「えへん。はい」
「これで家族会議はお開きにしよう」
家族会議は終わった。
結果はジョージにとって良い方向へ行った。
ジョージはほくそ笑みを浮かべた。
ジョージは両親にディアナと婚約破棄をし、新たにパトシリアと婚約した事を伝えに行く事にした。
パトシリアこそ本当の妻に相応しい。
ディアナの何十倍、何百倍も良い。
長い渡り廊下を歩く。
標高が高く尚且つ豪雪地帯なので、雪が降り積もって壁になっている。
雪の壁はジョージの身長より高い。
ジョージの部屋は離れにある。
それは占いに集中できるからだ。
風も強い上に冷たい。
時折強く吹き、雪が顔にかかる。
寒い……。
応接間にパトシリアと共に向かう。
「えへん。パトシリア。安心しろ。俺が絶対にフォローするからな。何を言われても黙ってろよ」
「はい、ジョージ様」
ジョージとパトシリアは手を繋いで歩いている。
パトシリアの手は冷たい。
対してジョージの手は温かい。
パトシリアは確か冷え性だと言っていた。
「パトシリア。寒くないか?」
「寒いわ」
「足とか冷たくないか?」
「足が冷えるわ。まるで氷の上に足を置いているみたいに」
「そうか」
渡り廊下を出て、母屋へと入る。
屋敷は広い。
14大侯爵家の中で一番広いのだ。
それは父、ロベルトの力をも伺わせる。
ロベルトは王族の家庭教師を務めている。
母親のサリも以前は王室で料理の担当をしていた。
ふぅーとため息をついた。
息は白く濁った。
強く吹く風が中からも聞こえる。
二人は応接間の前に来た。
「パトシリア、どうだい?」
「緊張しているわ」
パトシリアは何を言われるかわからない。
事実、母親のサリはディアナを気に入っていたからだ。
そのディアナと婚約破棄をしたとなると、烈火のごとく怒りだすだろう。
コンコン
ジョージは応接間の扉を叩いた。
「ジョージだな。入れ」
中からロベルトの声がした。
二人は応接間に入った。
応接間には大理石でできたテーブルに椅子が4脚あった。
奥の方にロベルトとサリがいた。
奥には窓がある。
窓の外は一面真っ白だ。
「ん? どういう事だね?」
開口一番、ロベルトは右眉を釣り上げ、疑いの目を向けてきた。
「えへん。父上。実は……私はディアナと婚約破棄をし、彼女……パトシリアと婚約をしました」
「申し遅れました。わたくしはパトシリア・ゼンケ。ゼンケ子爵令嬢ですわ。宜しくお願い致しますわ」
ロベルトは憤懣に満ちた顔を、サリは仏頂面をしている。
「お前!! なぜディアナと婚約解消をした?」
「えへん。それは諸々ありまして……そう。えへん。ディアナは歌しか取り柄が無いから……です。その上、価値観が私と合わないんです。えへん。なんというかディアナは犬より猫派で、マーシーもそれを察してかディアナには懐かないのです」
え!?
ええ!?
「だからどうした? これはわがバス家とレンスター家の関係だぞ! お前はその関係を根こそぎ破壊をするのか?」
「えへん。破壊する気は毛頭もございません。しかしですね、やはり、私の気持ちを……えへん。尊重していただきたいですね」
「尊重とは?」
「それはですね。えへん。なぜ生まれた時から既に婚約者がいるんですかね? みんな好きな人と結婚しているんですよ。えへん。パティの両親もそうですよ」
「ばかもん!!」
雷が落ちたような衝撃を感じた。
しかし、それでもたじろいてはいけない。
この婚約を何としてでも成立させなければならない。
「王侯貴族は生まれてすぐに婚約者がいるのは当たり前なのだ。ワシもサリとは政略結婚だという事は知っているだろう?」
サリは公爵家の出自。
(だから、何だってのかい? 政略結婚だからって価値観の違う女と結婚しなければならないのか?)
「占いでは私とディアナの相性は最悪で、逆にパティとの相性は最高なんです。父上は占いを信じないのですか?」
「占いだと? そんな荒唐無稽なものを信じられるわけがないだろう?」
(そう来たか……)
「いや。占い大切ですよ、父上。何分私は次期バス侯爵ですよ? バス家の存続がかかっているんですよ?」
「確かに。確かに存続は大切だ。だからと言って……」
「父上。えへん。パティとの結婚を認めて欲しいですよ~」
「そうですわ。私はジョージ様を愛していますわ」
「パトシリア嬢。申し訳無いがきみには結婚、辞退してもらいたい」
「そんなの無いです。お互いがお互いを愛している結婚こそ夫婦円満なのでは?」
「私はこの結婚は……認めん!!」
「認めん」を強く言ってきた。
「あなた。認めてあげましょうよ」
隣で聞いていたサリがようやく口を開いた。
「サリ。お前はディアナを気に入っていたではないか? それがなぜだ?」
「私は確かにディアナの方が次期バス侯爵夫人に相応しいと思ったわ。でも、ここまでジョージが誠意と熱意を見せてくれたなら、認めないわけにも行かないわ」
「だがな。我々は勿論、バス家先祖代々政略結婚だったんだぞ。結婚を認めるという事は伝統を破る事になるんだぞ」
「でも、時代も変わるべきだと思うわ」
「ううーむ」
ロベルトは頭を抱えた。
「父上! どうかお願いします。パトシリアとの結婚をお願いします」
ジョージは土下座をして頼み込んだ。
「どうかお願いいたしますわ」
パトシリアもまた、土下座をし、頼み込んだ。
「結婚を本音は認めたくない。だが、サリが認めるのだから、認めざるを得ない。認める。認めるが何かあったらすぐに家を出ていってもらう。そして、次期侯爵を弟のジョシュに譲るのだ」
ロベルトは続けた。
「それからな。ジョージ。お前はただでさえ占いという怪しい職業を選んだ。何かトラブルを起こしても一切責任を負わないからな!!」
占いは合法でやっているつもりだ。
だから、何も疚しいことは何一つしていないつもりだ。
「えへん。父上。わかりました。何かあればすぐに家を出て行きます」
ジョージは続けた。
「占いをしているとは言っても……えへん。法を犯すような事はしていません」
ロベルトは頭を縦に二度振った。
「ああ。それなら良い。他人様に迷惑をかけ、且つバス家に損害を与える事は慎むようにな」
「えへん。はい」
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❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年12月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
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