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第十一話
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リディアが王宮で暮らすようになって間もなく、エルフィン王太子から中庭に来るように言われた。
なぜ王太子から直に呼び出されるのかリディアには甚だ見当がつかなかった。
実際に中庭に出ると、春風が気持ちよかった。
日差しが右斜め前へと影を作った。
中庭は草が刈られていて、きれいに揃っていた。
中庭の真ん中には噴水があった。
「リディア、待っていたよ」
カナリアイエローの髪をたエルフィン王太子だった。
「王太子殿下、参りました」
王太子はリディアの手をそっと取るとベンチまで案内をした。
ベンチは噴水に臨むようにできていた。
ベンチの後ろにはバラの木があった。
「さあ、そこに座って」
王太子は手を差し出し、リディアに座るように促した。
王太子の目は真剣そうだ。
一体何の用件なのだろうか?
「はい。失礼します」
リディアはベンチに座った。
「もっとこちらへ」
王太子はもう少し自分の方へ寄るように言ってきた。
「は……い」
リディアはお尻を寄せた。
「これからお話があるんだけどいいかな?」
「はい。大丈夫です」
「リディア。きみはバイオリンの演奏がとても上手い。実を言ってしまうと、アレクよりも上手なんだ」
アレクって確か晩餐会の時に途中でいなくなった人!
「それでね。実は僕は音楽が大好きなんだよ。なかんずく弦楽器の音がとても好きだ。リディアの人間性もやさしくて包容力があって、聡明で……僕はそんなリディアが気になるんだ」
目つきは本気の目つきだ。
「リディア」
と言って王太子は立ち上がり、バラの木へと向かった。
プチッ。
王太子はなぜか持っていたら鋏でバラの枝を折った。
「リディア。このバラを受け取って欲しい」
バラとは真っ赤なバラだった。
「このバラ、きみみたいだよ」
王太子が手を包み込んできた。
暖かい。。。
王太子殿下……私が一目惚れをした殿方。
花時計は3時を回っていた。
「王太子殿下。こんな私でよければお妃候補に入れて下さい」
そう言うと、王太子は笑顔で首を縦に振った。
「もちろんだよ、リディア」
王太子は首尾一貫して笑顔だ。
「王太子殿下。私は晩餐会の時から王太子殿下が気になっていました。このユカタン王国の王太子は何と素敵な方だろう、と」
「実は僕もリディアの事は晩餐会のバイオリン演奏から気になっていたんだ。きみの先生は良い曲をつくるんだね」
「あ、あの曲はモーツァ……あ。ごめんなさい」
この世界の人はモーツアルトを知らない。危うくモーツアルトと言うところだたった。
「これからも宜しくお願いします」
リディアは頭を下げた。
なぜ王太子から直に呼び出されるのかリディアには甚だ見当がつかなかった。
実際に中庭に出ると、春風が気持ちよかった。
日差しが右斜め前へと影を作った。
中庭は草が刈られていて、きれいに揃っていた。
中庭の真ん中には噴水があった。
「リディア、待っていたよ」
カナリアイエローの髪をたエルフィン王太子だった。
「王太子殿下、参りました」
王太子はリディアの手をそっと取るとベンチまで案内をした。
ベンチは噴水に臨むようにできていた。
ベンチの後ろにはバラの木があった。
「さあ、そこに座って」
王太子は手を差し出し、リディアに座るように促した。
王太子の目は真剣そうだ。
一体何の用件なのだろうか?
「はい。失礼します」
リディアはベンチに座った。
「もっとこちらへ」
王太子はもう少し自分の方へ寄るように言ってきた。
「は……い」
リディアはお尻を寄せた。
「これからお話があるんだけどいいかな?」
「はい。大丈夫です」
「リディア。きみはバイオリンの演奏がとても上手い。実を言ってしまうと、アレクよりも上手なんだ」
アレクって確か晩餐会の時に途中でいなくなった人!
「それでね。実は僕は音楽が大好きなんだよ。なかんずく弦楽器の音がとても好きだ。リディアの人間性もやさしくて包容力があって、聡明で……僕はそんなリディアが気になるんだ」
目つきは本気の目つきだ。
「リディア」
と言って王太子は立ち上がり、バラの木へと向かった。
プチッ。
王太子はなぜか持っていたら鋏でバラの枝を折った。
「リディア。このバラを受け取って欲しい」
バラとは真っ赤なバラだった。
「このバラ、きみみたいだよ」
王太子が手を包み込んできた。
暖かい。。。
王太子殿下……私が一目惚れをした殿方。
花時計は3時を回っていた。
「王太子殿下。こんな私でよければお妃候補に入れて下さい」
そう言うと、王太子は笑顔で首を縦に振った。
「もちろんだよ、リディア」
王太子は首尾一貫して笑顔だ。
「王太子殿下。私は晩餐会の時から王太子殿下が気になっていました。このユカタン王国の王太子は何と素敵な方だろう、と」
「実は僕もリディアの事は晩餐会のバイオリン演奏から気になっていたんだ。きみの先生は良い曲をつくるんだね」
「あ、あの曲はモーツァ……あ。ごめんなさい」
この世界の人はモーツアルトを知らない。危うくモーツアルトと言うところだたった。
「これからも宜しくお願いします」
リディアは頭を下げた。
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