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第7話
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それは水泳の時間だった。
アントワーヌが
「僕は泳ぎは大の得意なんだよね」
と豪語した。
しかし、実際プールの中に入ると早速溺れたのです。
クラス一同は笑いの渦。
自信はどこへやら。
水泳の教師ザックはアントワーヌを助け出した。
そして、スポーツマンのカミーユも手伝った。
カミーユ。カッコいい。
救助されたアントワーヌだが案外ケロッとしていた。
そもそも自分が溺れた事すら忘れている!!
「僕の泳ぎうまかった?」
ほら来た。
アントワーヌの十八番。ジョージとクラスメイトに同意を求めるのだ。
しかし、皆お世辞で
「上手だよ」
と言う。
「上手だよ」と言わないと執拗に「僕って上手いよね」と言ってくるのをわかっているからなのだ。
アントワーヌは「上手だよ」と言われると頭を掻いて照れている。
そしてその気になっているのだ。
お世辞だと気づかないのも知らぬが仏だ。
平民ダメンズのアントワーヌ。
水泳もまたダメ出しをした。
これもまたゲーム通り。
一方的な片思いだし、ダメンズなのでアントワーヌとのエンディングが無い。
そもそもアントワーヌなんかとエンディングがあったら溜まったものではありません。
アントワーヌは結局は人の恋路を邪魔する迷惑男なのです。
次はコンスタン王太子殿下。
コンスタン王太子殿下も自信満々。
そして泳ぎだした。
見事な泳ぎ!
「100M泳いだ。だけどもう100M泳げる!」
と言ってもう100M泳いでしまったのだ。
「きゃ~カッコいい」
クラスが沸いた。
勿論「カッコいい」と言っているのは女性陣。
男性陣は
「そんなの俺にもできる」
という素振りだった。
コンスタン王太子殿下は泳ぎ終わるとまたいつものように投げキッスをした。
次はカミーユ。
カミーユは物凄い速さで100Mを泳ぎ切った。
「僕、実は金槌なんです」
カミーユは謙遜していた。
しかし、誰が見ても素晴らしい泳ぎだった。
謙遜するところがまたカミーユの良いところ。
「カミーユ。頑張ったじゃない」
私はカミーユに駆け寄った。
「いやぁ。僕本当に金槌なんだよ」
金槌が100Mも泳げるわけがない。
「カミーユ。凄い! すごいよ!」
勿論、コンスタン王太子殿下の比ではありませんでした。
次にガブリエル。
ガブリエルは勉強タイプなので泳ぎはまあまあといったところでした。
なので、スピードが出ないのです。
私の番が周ってきた。
私も見事に100M泳ぎ切った。
「クリスティアーノさん、凄い。カッコいい」
と歓声が上がる。
水泳の担当のミハエル先生からもお墨付きをもらった。
そして教室へ戻ると、アントワーヌが
「僕って何でもできるでしょ?」
ほら始まった。
皆
「はいはい」
とあしらっている。
アントワーヌは私のところへ来た。
「僕って凄いよね?」
私は断固無視した。
好きでも無い、圏外の男は無視に限る。
「僕って凄いよね?」
またしつこく言ってくる。
またもや無視。
「僕って凄いよね?」
「うるさい!」
冷たく突き放してやった。
それでもこの男の中では『虫の居所が悪かったのだろう』とある意味プラス思考、自分の都合の良いように解釈するのです。
私にすれば身勝手な考えです。
一人でいるから寄って来ると思われがちですが、ロザリーと一緒にいても話しかけてくるのです。
そしてまた腕を掻いています。
私はすかさずカミーユのところに行った。
男の人と一緒にいれば寄ってこれないと判断しました。
「カミーユ、カッコよかったわ」
「いや。僕本当に金槌なんだよ」
謙遜しているけれど、全く金槌には見えない。
「金槌なんてそんな事無いわ」
「いや、本当に水泳は苦手なんだよ」
「とてもそんな風には見えないわ」
「そう? ありがとう」
カミーユは基本的に寡黙な人だけど、話しかけると案外打ち解けてくれるのだ。
さっすがスポーツマンタイプ。
裏切らない!
ここもゲーム通りね、と私は思った。
アントワーヌと言えば今度はクラスメイトとチェスをしている。
そしていつも首にタオルを巻いている。
歩けば背虫。
歩き方から何から間抜けな男だ。
こんな男に言い寄られているのだから、私の値も落ちたものだわ。
そしてコンスタン王太子殿下は相変わらず女性陣に囲まれガハハガハハ笑っている。
カミーユと話していると、ロザリーも混ざってきました。
「それにしてもやっぱりカミーユって凄いわね。どこかの誰かさんとは大違いね」
ロザリーがそう言うと
「どこかの誰かさんって?」
とカミーユが返した。
「トップバッターで溺れたあの人よ」
わはははは。
笑いの渦になった。
「確かにアントワーヌは泳げないよな」
「それなのに、凄い自信よね。大したもんだわ」
「次は雷魔法の授業があるけれど、アントワーヌは何をやらかしてくれるのかしら?」
わはははは。
再び笑いの渦。
「それに比べてカミーユはかっこいいわ」
実はロザリーはカミーユが気になっているようなのだ。
アントワーヌは好かれるどころか貶されるキャラ。
モテるどころか付き合いたくない男ダントツの1位。
ゲームの中でもそんな存在でした。
そして気になるのが隠しキャラの存在。
どうなってしまうの? 私。
現実がアントワーヌなんてイヤよ。
アントワーヌが
「僕は泳ぎは大の得意なんだよね」
と豪語した。
しかし、実際プールの中に入ると早速溺れたのです。
クラス一同は笑いの渦。
自信はどこへやら。
水泳の教師ザックはアントワーヌを助け出した。
そして、スポーツマンのカミーユも手伝った。
カミーユ。カッコいい。
救助されたアントワーヌだが案外ケロッとしていた。
そもそも自分が溺れた事すら忘れている!!
「僕の泳ぎうまかった?」
ほら来た。
アントワーヌの十八番。ジョージとクラスメイトに同意を求めるのだ。
しかし、皆お世辞で
「上手だよ」
と言う。
「上手だよ」と言わないと執拗に「僕って上手いよね」と言ってくるのをわかっているからなのだ。
アントワーヌは「上手だよ」と言われると頭を掻いて照れている。
そしてその気になっているのだ。
お世辞だと気づかないのも知らぬが仏だ。
平民ダメンズのアントワーヌ。
水泳もまたダメ出しをした。
これもまたゲーム通り。
一方的な片思いだし、ダメンズなのでアントワーヌとのエンディングが無い。
そもそもアントワーヌなんかとエンディングがあったら溜まったものではありません。
アントワーヌは結局は人の恋路を邪魔する迷惑男なのです。
次はコンスタン王太子殿下。
コンスタン王太子殿下も自信満々。
そして泳ぎだした。
見事な泳ぎ!
「100M泳いだ。だけどもう100M泳げる!」
と言ってもう100M泳いでしまったのだ。
「きゃ~カッコいい」
クラスが沸いた。
勿論「カッコいい」と言っているのは女性陣。
男性陣は
「そんなの俺にもできる」
という素振りだった。
コンスタン王太子殿下は泳ぎ終わるとまたいつものように投げキッスをした。
次はカミーユ。
カミーユは物凄い速さで100Mを泳ぎ切った。
「僕、実は金槌なんです」
カミーユは謙遜していた。
しかし、誰が見ても素晴らしい泳ぎだった。
謙遜するところがまたカミーユの良いところ。
「カミーユ。頑張ったじゃない」
私はカミーユに駆け寄った。
「いやぁ。僕本当に金槌なんだよ」
金槌が100Mも泳げるわけがない。
「カミーユ。凄い! すごいよ!」
勿論、コンスタン王太子殿下の比ではありませんでした。
次にガブリエル。
ガブリエルは勉強タイプなので泳ぎはまあまあといったところでした。
なので、スピードが出ないのです。
私の番が周ってきた。
私も見事に100M泳ぎ切った。
「クリスティアーノさん、凄い。カッコいい」
と歓声が上がる。
水泳の担当のミハエル先生からもお墨付きをもらった。
そして教室へ戻ると、アントワーヌが
「僕って何でもできるでしょ?」
ほら始まった。
皆
「はいはい」
とあしらっている。
アントワーヌは私のところへ来た。
「僕って凄いよね?」
私は断固無視した。
好きでも無い、圏外の男は無視に限る。
「僕って凄いよね?」
またしつこく言ってくる。
またもや無視。
「僕って凄いよね?」
「うるさい!」
冷たく突き放してやった。
それでもこの男の中では『虫の居所が悪かったのだろう』とある意味プラス思考、自分の都合の良いように解釈するのです。
私にすれば身勝手な考えです。
一人でいるから寄って来ると思われがちですが、ロザリーと一緒にいても話しかけてくるのです。
そしてまた腕を掻いています。
私はすかさずカミーユのところに行った。
男の人と一緒にいれば寄ってこれないと判断しました。
「カミーユ、カッコよかったわ」
「いや。僕本当に金槌なんだよ」
謙遜しているけれど、全く金槌には見えない。
「金槌なんてそんな事無いわ」
「いや、本当に水泳は苦手なんだよ」
「とてもそんな風には見えないわ」
「そう? ありがとう」
カミーユは基本的に寡黙な人だけど、話しかけると案外打ち解けてくれるのだ。
さっすがスポーツマンタイプ。
裏切らない!
ここもゲーム通りね、と私は思った。
アントワーヌと言えば今度はクラスメイトとチェスをしている。
そしていつも首にタオルを巻いている。
歩けば背虫。
歩き方から何から間抜けな男だ。
こんな男に言い寄られているのだから、私の値も落ちたものだわ。
そしてコンスタン王太子殿下は相変わらず女性陣に囲まれガハハガハハ笑っている。
カミーユと話していると、ロザリーも混ざってきました。
「それにしてもやっぱりカミーユって凄いわね。どこかの誰かさんとは大違いね」
ロザリーがそう言うと
「どこかの誰かさんって?」
とカミーユが返した。
「トップバッターで溺れたあの人よ」
わはははは。
笑いの渦になった。
「確かにアントワーヌは泳げないよな」
「それなのに、凄い自信よね。大したもんだわ」
「次は雷魔法の授業があるけれど、アントワーヌは何をやらかしてくれるのかしら?」
わはははは。
再び笑いの渦。
「それに比べてカミーユはかっこいいわ」
実はロザリーはカミーユが気になっているようなのだ。
アントワーヌは好かれるどころか貶されるキャラ。
モテるどころか付き合いたくない男ダントツの1位。
ゲームの中でもそんな存在でした。
そして気になるのが隠しキャラの存在。
どうなってしまうの? 私。
現実がアントワーヌなんてイヤよ。
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