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再びエリカからの手紙
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裏切り者同士の結婚式に呼ばれたけど、わたくしは参加しませんでしたわ。
冗談ではありません。
結婚式に参列するという事は二人の結婚を祝福するという事。
二人の結婚など祝福するほど心は広くありませんわ。
義理でも祝福なんかしませんわ。
勿論、オルソン家、ソーマ家両家に向けての祝福メッセージも送っていない。
貴族間の付き合いとはいえ、わたくしを始め、カーネギー家の顔に泥を塗ったのです。
お父様もお母様も心底お怒りのようです。
お父様とオルソン公爵は共に王室に仕えています。
わたくしの婚約破棄をきっかけにお父様はオルソン公爵と仕事以外では口を聞かなくなったとの事。
それまでは仕事の帰りに酒場に寄ってお酒を飲む仲でもありましたが、それもなくなったようです。
お母様もオルソン公爵夫人と仲良しでした。
しかし、わたくしの婚約破棄をきっかけに、連絡が途絶えたのだとか。
そして、お父様は婚約破棄の件を聞きつけるや、ソーマ男爵に抗議しました。
ソーマ男爵は謝罪したものの、それでも丸くは収まりませんでした。
ヴィヴィアンはソーマ家の一人っ子。
きょうだいがいない分甘やかされて育ったようです。
王侯貴族で一人っ子というのは大変珍しい話。
ソーマ男爵夫人がそれまでに不妊に悩んでいたとか。
子供に恵まれず、やっと授かったのがヴィヴィアン。
ソーマ男爵家はそれほど裕福ではなく、ヴィヴィアン一人を育てあげるのがやっとだったようです。
それに、ソーマ男爵夫人は身体が弱く、子供を産むのが身体の負担になるとも聞きました。
だからといって、傍若無人な振る舞いが許されるわけはありませんわ。
ヴィヴィアンは本来なら、ソーマ男爵家を継承しなければなりません。
下級貴族でいながらも、ソーマ家は700年近く続いた家系。
そう易易と解体するわけにもいかず……。
それに、クルト様は次期オルソン家の当主。
ソーマ家は廃家になるのです。
となると、ソーマ家のお墓はどうなるのでしょう?
ソーマ家は離れの森の中に莫大な金をかけてお墓を築いたと聞きました。
これまでも、いくつかの家が廃家になった話を聞きますが、どの家も墓は荒れ放題になったと聞きます。
ソーマ家の掟としては、男系男子が継承すると聞いた事があります。
しかし、ヴィヴィアンは一人っ子。
子の場合のみは、その場限りではないような気がします。
クルト様にオルソン家を継承する必要がなければ、クルト様をソーマ家に迎える事ができます。
しかし、オルソン家の男子はクルト様のみ。
だから、自ずとクルト様がオルソン家を継承するしかないのです。
ヴィヴィアンはソーマ家を飛び出しました。
その事について、議論は無かったのでしょうか?
ソーマ男爵夫妻はあっさりと結婚を認めたのでしょうか?
やはり、甘やかされているから、
「ソーマ家の事はどうでもいい。ヴィヴィアンが幸せならそれで良い」
などと言って、結婚を認めてしまったのでしょうか?
対してオルソン家もソーマ家の断絶を危惧していなかったのでしょうか?
とにかく謎の多い両家の結婚です事。
トントン。
「はーい」
「アンジェラ様。エリカ王太子妃殿下からお便りがあります」
現れたのはもう一人の侍女のリタだった。
リタは侍女長に当たり、カーネギー家に仕える侍女たちを纏めているのです。
「ありがとう」
わたくしはリタから手紙を受け取りました。
エリカは本当に筆まめなんだから。
エリカはことある毎に手紙を送ってきます。
結婚式についてかしら?
わたくしは手紙を開封しました。
『親愛なるアンジェラへ
お元気かしら? 先だって兄の結婚式が執り行われました。
式はつつがなく終了したわ。でも、
式の晩餐会の時にある事が発覚してしまったの。
兄はカノン侯爵夫人に不倫していた過去があったわ』
そこで一旦手を止めました。
え!? 不倫!?
もっとも、モテモテのクルト様だもの。
不倫も疑っていたわ。
呆れというよりも、「やっぱりね」という感じだわ。
しかし、相手がバロン侯爵夫人だなんて。
バロン侯爵夫人は子供がいるのに。
『不倫をしていた事を自ら暴露したわ。
兄の事だから、不倫していてもおかしくはないと思っていたけれど、やっぱりねって感じです。
兄はアンジェラを裏切って何食わぬ顔で神様の前でヴィヴィアンとの永遠の愛を誓い合ったわ。
でもね、私はわかるの。
お兄様は不倫をするんではないか? と。
ヴィヴィアンに嫌気が差して離婚するのではないか? と。
私は鼻から兄の事は信用していないわ。
酒場でまた女を見つけて不倫するわ。
だから、アンジェラ。
何も気にする必要はないわ。
アンジェラはアンジェラでしあわせを見つけてね。
いつか、兄と破局した事が良かった事と思える日が来るから。
応援しているわ。
エリカ』
クルト様は離婚するかもしれない。
確かにそう思うかもしれないわ。
クルト様は今でも酒場に通っているのでしょう。
酒場に通っている以上は女を見つけるに決まっているわ。
ヴィヴィアン一人で足りるわけないわ。
クルト様の女好きは一生ものでしょう。
クルト様の結婚式が執り行われた日は確か晴れていたっけ?
わたくしは雨が降るように、いえ、荒天になるように祈っていたけれど……。
きっと「神様が俺様を祝福して下さった」な~んて思っているでしょうね。
それでも、悪は悪。
極悪人には必ず天罰が下るに決まっているわ!!
冗談ではありません。
結婚式に参列するという事は二人の結婚を祝福するという事。
二人の結婚など祝福するほど心は広くありませんわ。
義理でも祝福なんかしませんわ。
勿論、オルソン家、ソーマ家両家に向けての祝福メッセージも送っていない。
貴族間の付き合いとはいえ、わたくしを始め、カーネギー家の顔に泥を塗ったのです。
お父様もお母様も心底お怒りのようです。
お父様とオルソン公爵は共に王室に仕えています。
わたくしの婚約破棄をきっかけにお父様はオルソン公爵と仕事以外では口を聞かなくなったとの事。
それまでは仕事の帰りに酒場に寄ってお酒を飲む仲でもありましたが、それもなくなったようです。
お母様もオルソン公爵夫人と仲良しでした。
しかし、わたくしの婚約破棄をきっかけに、連絡が途絶えたのだとか。
そして、お父様は婚約破棄の件を聞きつけるや、ソーマ男爵に抗議しました。
ソーマ男爵は謝罪したものの、それでも丸くは収まりませんでした。
ヴィヴィアンはソーマ家の一人っ子。
きょうだいがいない分甘やかされて育ったようです。
王侯貴族で一人っ子というのは大変珍しい話。
ソーマ男爵夫人がそれまでに不妊に悩んでいたとか。
子供に恵まれず、やっと授かったのがヴィヴィアン。
ソーマ男爵家はそれほど裕福ではなく、ヴィヴィアン一人を育てあげるのがやっとだったようです。
それに、ソーマ男爵夫人は身体が弱く、子供を産むのが身体の負担になるとも聞きました。
だからといって、傍若無人な振る舞いが許されるわけはありませんわ。
ヴィヴィアンは本来なら、ソーマ男爵家を継承しなければなりません。
下級貴族でいながらも、ソーマ家は700年近く続いた家系。
そう易易と解体するわけにもいかず……。
それに、クルト様は次期オルソン家の当主。
ソーマ家は廃家になるのです。
となると、ソーマ家のお墓はどうなるのでしょう?
ソーマ家は離れの森の中に莫大な金をかけてお墓を築いたと聞きました。
これまでも、いくつかの家が廃家になった話を聞きますが、どの家も墓は荒れ放題になったと聞きます。
ソーマ家の掟としては、男系男子が継承すると聞いた事があります。
しかし、ヴィヴィアンは一人っ子。
子の場合のみは、その場限りではないような気がします。
クルト様にオルソン家を継承する必要がなければ、クルト様をソーマ家に迎える事ができます。
しかし、オルソン家の男子はクルト様のみ。
だから、自ずとクルト様がオルソン家を継承するしかないのです。
ヴィヴィアンはソーマ家を飛び出しました。
その事について、議論は無かったのでしょうか?
ソーマ男爵夫妻はあっさりと結婚を認めたのでしょうか?
やはり、甘やかされているから、
「ソーマ家の事はどうでもいい。ヴィヴィアンが幸せならそれで良い」
などと言って、結婚を認めてしまったのでしょうか?
対してオルソン家もソーマ家の断絶を危惧していなかったのでしょうか?
とにかく謎の多い両家の結婚です事。
トントン。
「はーい」
「アンジェラ様。エリカ王太子妃殿下からお便りがあります」
現れたのはもう一人の侍女のリタだった。
リタは侍女長に当たり、カーネギー家に仕える侍女たちを纏めているのです。
「ありがとう」
わたくしはリタから手紙を受け取りました。
エリカは本当に筆まめなんだから。
エリカはことある毎に手紙を送ってきます。
結婚式についてかしら?
わたくしは手紙を開封しました。
『親愛なるアンジェラへ
お元気かしら? 先だって兄の結婚式が執り行われました。
式はつつがなく終了したわ。でも、
式の晩餐会の時にある事が発覚してしまったの。
兄はカノン侯爵夫人に不倫していた過去があったわ』
そこで一旦手を止めました。
え!? 不倫!?
もっとも、モテモテのクルト様だもの。
不倫も疑っていたわ。
呆れというよりも、「やっぱりね」という感じだわ。
しかし、相手がバロン侯爵夫人だなんて。
バロン侯爵夫人は子供がいるのに。
『不倫をしていた事を自ら暴露したわ。
兄の事だから、不倫していてもおかしくはないと思っていたけれど、やっぱりねって感じです。
兄はアンジェラを裏切って何食わぬ顔で神様の前でヴィヴィアンとの永遠の愛を誓い合ったわ。
でもね、私はわかるの。
お兄様は不倫をするんではないか? と。
ヴィヴィアンに嫌気が差して離婚するのではないか? と。
私は鼻から兄の事は信用していないわ。
酒場でまた女を見つけて不倫するわ。
だから、アンジェラ。
何も気にする必要はないわ。
アンジェラはアンジェラでしあわせを見つけてね。
いつか、兄と破局した事が良かった事と思える日が来るから。
応援しているわ。
エリカ』
クルト様は離婚するかもしれない。
確かにそう思うかもしれないわ。
クルト様は今でも酒場に通っているのでしょう。
酒場に通っている以上は女を見つけるに決まっているわ。
ヴィヴィアン一人で足りるわけないわ。
クルト様の女好きは一生ものでしょう。
クルト様の結婚式が執り行われた日は確か晴れていたっけ?
わたくしは雨が降るように、いえ、荒天になるように祈っていたけれど……。
きっと「神様が俺様を祝福して下さった」な~んて思っているでしょうね。
それでも、悪は悪。
極悪人には必ず天罰が下るに決まっているわ!!
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