【完結】義理の妹のために婚約破棄になりましたが、なぜか王太子に愛されました。

hikari

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ざまあなハンス ※ジュリエット目線

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ジュリエットはハンスと共に、トマスに呼ばれた。

トマスの顔は怒っている。


「ハンス。なぜここに呼んだかかわかるか?」


「へ!? 私は全くわかりませんよ、父上」


「ハンス。お前は昨日酒場に行ったね?」

「はい、行きましたよ」

「そこで何を喋った?」

「何を喋りましたかって……普通に他愛もない話ですよ」

「いや、違うね」

「違……う!?」

ハンスはキョトンとした顔をしている。

昨日酒場で何があったというのだろう?


ハンスが酒場に行っていることは知っている。

もしかして、喧嘩をしたのか? 金銭貸借でもしてトラブルを起こしたというのか?


ジュリエットはことの成り行きを見守る事にした。


「ハンス! お前は結婚相談所を運営しているらしいな」

初めて聞いた。

ハンスは弁護士見習いをしていたのではないか?

ジュリエットは唾を飲み込んだ。


「結婚相談所か。何をしている? お前には弁護士の見習いの仕事があるではないか。副業は禁止と言ったよな」

「は……はい。存じております」

「だけなら良い。お前は詐欺を働いていたようだな」


詐欺!?


「詐欺なんてしていませんよ。純粋に踊り子と……」

「馬鹿者! 酒場でカモが釣れるだの言っていたようだな。何がカモだ。騙していたのか?」

ハンスの視線は泳いでいる。

どうやら、結婚相談所の詐欺は本物かもしれない。


「ハンスよ。お前は我がヴェルナルド家の恥だ。出て行ってもらおう」

「そ……そんな」

出て行ってもらう。

トマスが本気で怒っているのを察知した。

かくなる上は離婚一択。


「ハンス様。そんな悪事を働いてイたのですね。こうなれば離婚ですわ!!」

「そっ……そんな!」

「必然的な流れだな、ハンスよ」

トマスは両手を3度叩いた。

トントントン。


「よし。離婚を認めよう!!」

せめて、自分だけでも幸せでいないと!!


ジュリエットにとってもはや、ハンスはどうでも良かった。

「ハンス様、最低です。私は詐欺師なんかと結婚した覚えはありませんわ!!」 

ジュリエットは応接間を出た。

「ま……待ってくれ、ジュリエット」 


ジュリエットは勢いよく応接間のドアを閉めた。


そして、ドアにもたれかけ、ハンスとトマスとのやり取りを見守ることにした。

流れは完全にハンスが家を追い出されようとしている。


「ち……父上。私はジュリエットまで失った上に家まで……」

「自業自得だぞ、ハンス。詐欺師は家にいてもらっては困る」

「そん……な」

「爵位は弟のグレンに譲る。明朝。馬車を用意する。ドルガーデンに行ってもらう」

ドルガーデンとは荒れた町。

ジュリエットはしめしめと思いながら、瞬間移動の魔法を使い、アルバラード邸へ向かった。
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