14 / 15
ざまあな話 ピアス ※ジョージ視点
しおりを挟む
ジョージは意気揚々とした気分で宝石屋にいる。
「また借金を作ってしまった!!」
軽く舌を出した。
借金の領収書を無造作にコートのポケットに突っ込んだ。
借金は雪だるま式に膨らんでいった。
借金は主に妻のエカテリーナへのピアスのプレゼントだった。
借金してもなお、ジョージはピアスを買っていた。
エカテリーナはピアスが大好きだ。
「ピアスが無ければ生きていけない」
とまで言っている。
しかも、婚約指輪よりもピアスを喜ぶのだから不思議だ。
ゆえに、いつもピアスをプレゼントしているのだ。
勿論、サプライズ。
この日もまたピアスをお買い上げ。
アメジストのピアスだ。
「毎度あり!!」
ピアスを購入し、邸に戻る。
帰り道は雪が散らついていた。
ここ、ジムリード王国はツンドラ地帯。
一度雪が降ると長いのだ。
吐く息が白く濁る。
は~と手に息を吹きかけ匂いをかいだ。
パイプの匂いがする。
一人、暗い夜道を行く。
人っ子一人いない。
幸い、ハムネット領は治安が良いので、追い剥ぎなど出ない。
白い息を吐きながら邸に着いた。
邸に着くと、妻のエカテリーナが待っていた。
「ジョージ様。お帰りなさい」
「ああ、ただいま、エカテリーナ」
ジョージはコートを脱いだ。
と、その時、何かがポロリとポケットからこぼれ落ちた。
「何? これ」
エカテリーナはそれを拾い上げ、見た。
と、その刹那、エカテリーナの顔色が変わった。
「なっ……何これ!?」
エカテリーナはこれみよがしに紙を見せてきた。
何と、ポケットから落ちたのは借金の証明書だった。
瞬間、ジョージはエカテリーナからコートを奪った。
そして、ポケットに手を突っ込んだ。
穴があいている!!
嘘っ!?
「うっ……嘘よね? ジョージ様。借金だなんて」
「あ……」
図星をつかれ、絶句してしまった。
「なぜ借金を!?」
「す……すまない」
「このピアスも借金して買ったものなの?」
エカテリーナは自分の耳のピアスを指差しながら言った。
「そんなに無理をしないで下さいな、ジョージ様」
エカテリーナは猫なで声を出した。
「しゃっ……借金ですと!?」
声を聞いていたのは執事のドラコだった。
「ドラコ。父上には黙っていてもらえないか?」
「いえ。そうもいきません」
☆★☆★
翌朝。二人は家族会議に呼ばれた。
体格の良い、立派な顎髭を蓄えた男がいる。
父のシリウスだ。
「ドラコから聞いた。お前、借金があるんだってな」
言い訳はできない。
なぜなら、事実だから。
「借金をしてわたくしのためにピアスを贈ってくれていたのです。お義父様。ジョージ様を赦してあげて下さいませ」
「赦せんよ、エカテリーナ。申し訳ないが、我がハムネット家と縁を切らせてもらう。次期ハムネット家を継承するのは妹のリサだ」
「待ってください。リサは女性です!」
「仕方ない話だ。悪いのはお前なんだからな」
二人はその後家を追われ、港町バッファローに行った。
「また借金を作ってしまった!!」
軽く舌を出した。
借金の領収書を無造作にコートのポケットに突っ込んだ。
借金は雪だるま式に膨らんでいった。
借金は主に妻のエカテリーナへのピアスのプレゼントだった。
借金してもなお、ジョージはピアスを買っていた。
エカテリーナはピアスが大好きだ。
「ピアスが無ければ生きていけない」
とまで言っている。
しかも、婚約指輪よりもピアスを喜ぶのだから不思議だ。
ゆえに、いつもピアスをプレゼントしているのだ。
勿論、サプライズ。
この日もまたピアスをお買い上げ。
アメジストのピアスだ。
「毎度あり!!」
ピアスを購入し、邸に戻る。
帰り道は雪が散らついていた。
ここ、ジムリード王国はツンドラ地帯。
一度雪が降ると長いのだ。
吐く息が白く濁る。
は~と手に息を吹きかけ匂いをかいだ。
パイプの匂いがする。
一人、暗い夜道を行く。
人っ子一人いない。
幸い、ハムネット領は治安が良いので、追い剥ぎなど出ない。
白い息を吐きながら邸に着いた。
邸に着くと、妻のエカテリーナが待っていた。
「ジョージ様。お帰りなさい」
「ああ、ただいま、エカテリーナ」
ジョージはコートを脱いだ。
と、その時、何かがポロリとポケットからこぼれ落ちた。
「何? これ」
エカテリーナはそれを拾い上げ、見た。
と、その刹那、エカテリーナの顔色が変わった。
「なっ……何これ!?」
エカテリーナはこれみよがしに紙を見せてきた。
何と、ポケットから落ちたのは借金の証明書だった。
瞬間、ジョージはエカテリーナからコートを奪った。
そして、ポケットに手を突っ込んだ。
穴があいている!!
嘘っ!?
「うっ……嘘よね? ジョージ様。借金だなんて」
「あ……」
図星をつかれ、絶句してしまった。
「なぜ借金を!?」
「す……すまない」
「このピアスも借金して買ったものなの?」
エカテリーナは自分の耳のピアスを指差しながら言った。
「そんなに無理をしないで下さいな、ジョージ様」
エカテリーナは猫なで声を出した。
「しゃっ……借金ですと!?」
声を聞いていたのは執事のドラコだった。
「ドラコ。父上には黙っていてもらえないか?」
「いえ。そうもいきません」
☆★☆★
翌朝。二人は家族会議に呼ばれた。
体格の良い、立派な顎髭を蓄えた男がいる。
父のシリウスだ。
「ドラコから聞いた。お前、借金があるんだってな」
言い訳はできない。
なぜなら、事実だから。
「借金をしてわたくしのためにピアスを贈ってくれていたのです。お義父様。ジョージ様を赦してあげて下さいませ」
「赦せんよ、エカテリーナ。申し訳ないが、我がハムネット家と縁を切らせてもらう。次期ハムネット家を継承するのは妹のリサだ」
「待ってください。リサは女性です!」
「仕方ない話だ。悪いのはお前なんだからな」
二人はその後家を追われ、港町バッファローに行った。
0
あなたにおすすめの小説
無能な悪役令嬢は静かに暮らしたいだけなのに、超有能な側近たちの勘違いで救国の聖女になってしまいました
黒崎隼人
ファンタジー
乙女ゲームの悪役令嬢イザベラに転生した私の夢は、破滅フラグを回避して「悠々自適なニート生活」を送ること!そのために王太子との婚約を破棄しようとしただけなのに…「疲れたわ」と呟けば政敵が消え、「甘いものが食べたい」と言えば新商品が国を潤し、「虫が嫌」と漏らせば魔物の巣が消滅!? 私は何もしていないのに、超有能な側近たちの暴走(という名の忠誠心)が止まらない!やめて!私は聖女でも策略家でもない、ただの無能な怠け者なのよ!本人の意思とは裏腹に、勘違いで国を救ってしまう悪役令嬢の、全力で何もしない救国ファンタジー、ここに開幕!
離婚するはずの旦那様を、なぜか看病しています
鍛高譚
恋愛
「結婚とは、貴族の義務。そこに愛など不要――」
そう割り切っていた公爵令嬢アルタイは、王命により辺境伯ベガと契約結婚することに。
お互い深入りしない仮面夫婦として過ごすはずが、ある日ベガが戦地へ赴くことになり、彼はアルタイにこう告げる。
「俺は生きて帰れる自信がない。……だから、お前を自由にしてやりたい」
あっさりと“離婚”を申し出る彼に、アルタイは皮肉めいた笑みを浮かべる。
「では、戦争が終わり、貴方が帰るまで離婚は待ちましょう。
戦地で女でも作ってきてください。そうすれば、心置きなく別れられます」
――しかし、戦争は長引き、何年も経ったのちにようやく帰還したベガは、深い傷を負っていた。
彼を看病しながら、アルタイは自分の心が変化していることに気づく。
「早く元気になってもらわないと、離婚できませんね?」
「……本当に、離婚したいのか?」
最初は“義務”だったはずの結婚。しかし、夫婦として過ごすうちに、仮面は次第に剥がれていく。
やがて、二人の離婚を巡る噂が王宮を騒がせる中、ベガは決意を固める――。
「君は悪役令嬢だ」と離婚されたけど、追放先で伝説の力をゲット!最強の女王になって国を建てたら、後悔した元夫が求婚してきました
黒崎隼人
ファンタジー
「君は悪役令嬢だ」――冷酷な皇太子だった夫から一方的に離婚を告げられ、すべての地位と財産を奪われたアリシア。悪役の汚名を着せられ、魔物がはびこる辺境の地へ追放された彼女が見つけたのは、古代文明の遺跡と自らが「失われた王家の末裔」であるという衝撃の真実だった。
古代魔法の力に覚醒し、心優しき領民たちと共に荒れ地を切り拓くアリシア。
一方、彼女を陥れた偽りの聖女の陰謀に気づき始めた元夫は、後悔と焦燥に駆られていく。
追放された令嬢が運命に抗い、最強の女王へと成り上がる。
愛と裏切り、そして再生の痛快逆転ファンタジー、ここに開幕!
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
【完結】悪役令嬢ですが、元官僚スキルで断罪も陰謀も処理します。
かおり
ファンタジー
異世界で悪役令嬢に転生した元官僚。婚約破棄? 断罪? 全部ルールと書類で処理します。
謝罪してないのに謝ったことになる“限定謝罪”で、婚約者も貴族も黙らせる――バリキャリ令嬢の逆転劇!
※読んでいただき、ありがとうございます。ささやかな物語ですが、どこか少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
【完結】辺境伯の溺愛が重すぎます~追放された薬師見習いは、領主様に囲われています~
深山きらら
恋愛
王都の薬師ギルドで見習いとして働いていたアディは、先輩の陰謀により濡れ衣を着せられ追放される。絶望の中、辺境の森で魔獣に襲われた彼女を救ったのは、「氷の辺境伯」と呼ばれるルーファスだった。彼女の才能を見抜いたルーファスは、アディを専属薬師として雇用する。
元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜
日々埋没。
ファンタジー
「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」
かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。
その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。
レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。
地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。
「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」
新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。
一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。
やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。
レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。
婚約破棄された悪役令嬢の私、前世の記憶を頼りに辺境で農業始めます。~美味しい野菜で国を救ったら聖女と呼ばれました~
黒崎隼人
ファンタジー
王太子アルベルトから「悪役令嬢」の濡れ衣を着せられ、辺境へ追放された公爵令嬢エリザベート。しかし彼女は動じない。なぜなら彼女には、前世で日本の農業研究者だった記憶があったから!
痩せた土地、疲弊した人々――「ならば私が、この地を楽園に変えてみせる!」
持ち前の知識と行動力で、次々と農業改革を成功させていくエリザベート。やがて彼女の噂は王都にも届き、離婚を告げたはずの王太子が、後悔と疑問を胸に辺境を訪れる。
「離婚した元夫婦」が、王国を揺るがす大きな運命の歯車を回し始める――。これは、復縁しない二人が、最高のパートナーとして未来を築く、新しい関係の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる