婚約破棄ですか？ 理由は魔法のできない義妹の方が素直で可愛いから♡だそうです。

スミス領内ねずみ講 一般人視点

雪が降る街の中でコナンは今日も売上を確認。

「サザン、今日はいくら売り上げた？」

「2000ヨソだ」

「そうか。4人誘ったか」


サザンはコナンが勧誘した一人。

1000ヨソ払えば会員になる事ができ、1人誘えば500ヨソ貰える仕組みなのだ。


「コナンは？」

「負けたよ。1000ヨソさ」

「2人か」

「そう」


二人はいつもこのような会話ばかりをしている。















★☆★☆



雪が降りしきる中、コナンは訪問勧誘をしている。


何としてでも売上を上げなければならない。



コナンは仕事をしていない。

失業をしてしまったのだ。


努めていた土木の会社が潰れてしまったのだ。







「セト。頼む。会員になってくれ」

「でもな」

「頼むよ！　生活に困っているんだ」

「仕方ないな。1000ヨソ位なら払ってやるよ！」

「ありがとう、セト。恩に着るぜ」



このような仕事をして半年。

会長には感謝の気持ちでいっぱいだった。


会長はどうやらどこかの貴族らしかった。

その会長をコナンは知らない。




外は寒いけれど懐は温かい……。











★☆★☆



コナンは先日勧誘したセトを訪ねた。



「セト。いくら稼いだか？」


「１銭も稼げない。そもそも何なんだ。友達にこんな勧誘をして。一体何なんだ？　俺は利用されたのか？」


「いや、お前にも楽して稼げる方法を教えただけだ」


「楽して稼げる方法なんてあるわけがない。赤字だ。お前とは縁を切る！」


――そんな……。



縁を切られた。


これで何人目だろう？


しかし、コナンはこの商売をやめる気はさらさら無かった。