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国王陛下に呼ばれて
わたくしはいつも通り部屋で本を読んでいました。
読んでいた本はヴェルグランド王国の歴史。
ヴェルグランド王国の王室は4000年以上続く伝統のある国です。
テオエール王国は2000年の歴史。
それを遥かに凌駕する長さなのです。
わたくしは驚きました。
王朝すらも変わらない。
そんな国があるなんて……。
それが革命で壊されようとしていたのです。
狂気の沙汰です。
結局、革命軍が負けて良かったわ。
だから……。
だから……。
わたくしはこうしてヴェルグランド王国の王宮に逃れる事ができました。
そして、シンシアはユアン兵士長と結婚が決まった。
シンシア……あなたにはユアン兵士長がとてもお似合い。
わたくしは結婚はまだまだけど、結婚なんかできなくてもいいわ。
一人の方が気楽だから。
わたくしは歴史の本を読み進めます。
やはり、何度か王室崩壊の危機は何度かあったらしい。
わたくしの出身国、テオエール王国がかつてヴェルグランド王国に侵攻したらしいのです。
当時のテオエール王国の名前はエザリング王国。
エザリング王国の国王テマラール2世は好戦的かつ強欲だったらしい。
しかし、最終的に戦争に負け、エザリングは崩壊。
そして何度かクーデターを図った者が現れ、王室崩壊のピンチがあったのです。
その当時から『障がい者を護れ』『お年寄りを護れ』という
法律があったそうな。
そして、社会的弱者には積極的に手を差しのべてきたという。
「なるほどねー。当時からアットホームな国だったのね」
なぜ、障がい者に対し手厚かったのか?
それは戦争がきっかけでした。
戦争にでかけた兵士が目に火傷を負い、視力を失ったのです。
また、他にも手足を失う兵士たちも出てきたのです。
兵士たちはたちまち障がい者だらけに。
時の国王がとても温厚なお人柄で、本来ならばその兵士は解雇になるのだが、一度雇用契約を結んだのだから……と解雇をしなかったのです。
「それでは再び戦禍が訪れた時に戦えないでは無いか!」
と意義を唱える人に毒殺されかけたのです。
街中を見ても、精神疾患を患う者もいた。
精神疾患を患えば、倫理的に許されないかつ、理不尽なことも要求されたいた。その法律も廃止。
障がい者を手厚く護ったのです。
さらに、浮浪者に対しても積極的に炊き出しを行ったり、仕事の斡旋をしていたという。
代々の王室ではその法律が受け継がれてきたのです。
「うーん。そうなんだー。だからアレクサンダー国王陛下も困った人がいたら放っておけないお人柄だったのね」
代々のDNAだとわたくしは思いました。
と、そこへ、ドアをノックする音が。
「はい」
「国王陛下がお呼びです」
丁度お昼時。
国王陛下がまた何か作って振る舞ってくれるのでしょうか?
国王陛下の作る料理は本当に美味しい。
漁師時代から思っていました。
「国王陛下はどこへ?」
「いつもの場所です」
いつもの場所とは国王陛下の部屋です。
そこでいつも料理をご馳走になっていました。
わたくしは宮殿の長い回廊を歩いています。
本当に暑い。
わたくしは暑いのが苦手です。
国王陛下の部屋の前に着きました。
「リンダです」
「リンダ様お待ちしておりました。国王陛下の元へ」
部屋の番をしている見張りの兵士がそう言って敬礼しました。
トントン!!
わたくしは部屋をノックしました。
「はい、どうぞ」
中から国王陛下の声が。
わたくしは部屋の中に入りました。
テーブルには料理が並んでいました。
魚の煮付けにお刺身。
「あれ? まだみんな来ていないのですか?」
「いや、今日は君に話したい事があってね。今日の会食はリンダ。きみと二人だけだ」
その言葉にドキドキしてしまいました。
窓には夏の強い日差しが差し込んでいる。
外は快晴。
「国王陛下。何の御用で?」
「とりあえず、食べてから話そう」
わたくしはいつものように、食事を口にしました。
やはり美味しい……。
魚料理といえば、やはり国王陛下とパーシヴァルさん夫妻。
「国王陛下、とても美味しいです」
「良かった。リンダの笑顔はいつも素敵だよ」
「それでね」
と言って話を続けました。
「リンダ。僕は漁師をやって良かったと思っている」
「どうしてですか?」
「きみと出会えたからさ。きみみたいな妹ができて嬉しかったよ」
本当の兄妹のような関係でしたものね。
「わたくしも素敵なお兄様ができて嬉しかったですわ」
「そこでね。きみに渡したいものがあるんだ」
「渡したい……もの!? ですか」
わたくしには皆目見当がつきませんでした。
「きみは辛い思いをしたね」
「はい。義理の妹のためにわたくしの人生は滅茶苦茶にされましたわ」
「これ……」
「え?」
国王陛下は箱からわたくしの誕生石がつけられた指輪を取り出しました。
「さあ、手を出して!!」
わたくしは左手を差し出しました。
「はい」
「婚約だよ」
「え!?」
わたくしは何が起きているのかわからなくなっています。
「きみはとんだハズレ者に当たってしまったね。エイブラハムと義理の妹のオリヴィア」
「はい」
「どうやら国を追われたみたいだね」
「そうなんですか?」
「福祉国家ヴェルグランドに来ようと企んでいたみたいだけど、断ったよ」
「そうなんですか」
「そうしたら、エーヴェルランド王国に引き取られたらしい」
エーヴェルランドは独裁国家で貧しい国。
「そこで浮浪者だって。哀れだね」
やった! 罰が当たった!
わたくしは胸が踊りました。
「この婚約、受け入れてくれるかな?」
「はい、喜んで!!」
国王陛下の頼みを断るわけにはいきませんわ。
「きみは妹から王妃に昇格だね」
と言って微笑みました。
読んでいた本はヴェルグランド王国の歴史。
ヴェルグランド王国の王室は4000年以上続く伝統のある国です。
テオエール王国は2000年の歴史。
それを遥かに凌駕する長さなのです。
わたくしは驚きました。
王朝すらも変わらない。
そんな国があるなんて……。
それが革命で壊されようとしていたのです。
狂気の沙汰です。
結局、革命軍が負けて良かったわ。
だから……。
だから……。
わたくしはこうしてヴェルグランド王国の王宮に逃れる事ができました。
そして、シンシアはユアン兵士長と結婚が決まった。
シンシア……あなたにはユアン兵士長がとてもお似合い。
わたくしは結婚はまだまだけど、結婚なんかできなくてもいいわ。
一人の方が気楽だから。
わたくしは歴史の本を読み進めます。
やはり、何度か王室崩壊の危機は何度かあったらしい。
わたくしの出身国、テオエール王国がかつてヴェルグランド王国に侵攻したらしいのです。
当時のテオエール王国の名前はエザリング王国。
エザリング王国の国王テマラール2世は好戦的かつ強欲だったらしい。
しかし、最終的に戦争に負け、エザリングは崩壊。
そして何度かクーデターを図った者が現れ、王室崩壊のピンチがあったのです。
その当時から『障がい者を護れ』『お年寄りを護れ』という
法律があったそうな。
そして、社会的弱者には積極的に手を差しのべてきたという。
「なるほどねー。当時からアットホームな国だったのね」
なぜ、障がい者に対し手厚かったのか?
それは戦争がきっかけでした。
戦争にでかけた兵士が目に火傷を負い、視力を失ったのです。
また、他にも手足を失う兵士たちも出てきたのです。
兵士たちはたちまち障がい者だらけに。
時の国王がとても温厚なお人柄で、本来ならばその兵士は解雇になるのだが、一度雇用契約を結んだのだから……と解雇をしなかったのです。
「それでは再び戦禍が訪れた時に戦えないでは無いか!」
と意義を唱える人に毒殺されかけたのです。
街中を見ても、精神疾患を患う者もいた。
精神疾患を患えば、倫理的に許されないかつ、理不尽なことも要求されたいた。その法律も廃止。
障がい者を手厚く護ったのです。
さらに、浮浪者に対しても積極的に炊き出しを行ったり、仕事の斡旋をしていたという。
代々の王室ではその法律が受け継がれてきたのです。
「うーん。そうなんだー。だからアレクサンダー国王陛下も困った人がいたら放っておけないお人柄だったのね」
代々のDNAだとわたくしは思いました。
と、そこへ、ドアをノックする音が。
「はい」
「国王陛下がお呼びです」
丁度お昼時。
国王陛下がまた何か作って振る舞ってくれるのでしょうか?
国王陛下の作る料理は本当に美味しい。
漁師時代から思っていました。
「国王陛下はどこへ?」
「いつもの場所です」
いつもの場所とは国王陛下の部屋です。
そこでいつも料理をご馳走になっていました。
わたくしは宮殿の長い回廊を歩いています。
本当に暑い。
わたくしは暑いのが苦手です。
国王陛下の部屋の前に着きました。
「リンダです」
「リンダ様お待ちしておりました。国王陛下の元へ」
部屋の番をしている見張りの兵士がそう言って敬礼しました。
トントン!!
わたくしは部屋をノックしました。
「はい、どうぞ」
中から国王陛下の声が。
わたくしは部屋の中に入りました。
テーブルには料理が並んでいました。
魚の煮付けにお刺身。
「あれ? まだみんな来ていないのですか?」
「いや、今日は君に話したい事があってね。今日の会食はリンダ。きみと二人だけだ」
その言葉にドキドキしてしまいました。
窓には夏の強い日差しが差し込んでいる。
外は快晴。
「国王陛下。何の御用で?」
「とりあえず、食べてから話そう」
わたくしはいつものように、食事を口にしました。
やはり美味しい……。
魚料理といえば、やはり国王陛下とパーシヴァルさん夫妻。
「国王陛下、とても美味しいです」
「良かった。リンダの笑顔はいつも素敵だよ」
「それでね」
と言って話を続けました。
「リンダ。僕は漁師をやって良かったと思っている」
「どうしてですか?」
「きみと出会えたからさ。きみみたいな妹ができて嬉しかったよ」
本当の兄妹のような関係でしたものね。
「わたくしも素敵なお兄様ができて嬉しかったですわ」
「そこでね。きみに渡したいものがあるんだ」
「渡したい……もの!? ですか」
わたくしには皆目見当がつきませんでした。
「きみは辛い思いをしたね」
「はい。義理の妹のためにわたくしの人生は滅茶苦茶にされましたわ」
「これ……」
「え?」
国王陛下は箱からわたくしの誕生石がつけられた指輪を取り出しました。
「さあ、手を出して!!」
わたくしは左手を差し出しました。
「はい」
「婚約だよ」
「え!?」
わたくしは何が起きているのかわからなくなっています。
「きみはとんだハズレ者に当たってしまったね。エイブラハムと義理の妹のオリヴィア」
「はい」
「どうやら国を追われたみたいだね」
「そうなんですか?」
「福祉国家ヴェルグランドに来ようと企んでいたみたいだけど、断ったよ」
「そうなんですか」
「そうしたら、エーヴェルランド王国に引き取られたらしい」
エーヴェルランドは独裁国家で貧しい国。
「そこで浮浪者だって。哀れだね」
やった! 罰が当たった!
わたくしは胸が踊りました。
「この婚約、受け入れてくれるかな?」
「はい、喜んで!!」
国王陛下の頼みを断るわけにはいきませんわ。
「きみは妹から王妃に昇格だね」
と言って微笑みました。
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