悪の秘密結社(株)会社

えりんこ

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私 女性幹部候補生?

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友澤可憐 22歳 大学卒業前に就職が決まりませんでした エントリーしてもお祈りメールが来るばかり
(何がお祈りだよ!悪夢のメールじゃないか!)可憐は腐っていた。ずっとついていない 高校時代からの彼氏にも振られた あいつが《緋色養成専門学校》とやらに 通うようになって関係が少しずつ悪くなっていった

彼氏と話していても夢みたいな話が増えた すれ違った 他の女の話が増えた 何がピンクだ 頭の中も桃色なお姉ちゃんに違いない。 彼の就職はフリーターだと言う 何の為の専門学校よ!親も泣くぞ!
そりゃ私だって就職出来なかったけどさ

振られた時の台詞なんて本当に酷かった 「俺、ピンクこいつと世界の平和守りたいんだ」だってさ
の心の平和も守れないで何が世界平和よ 変な宗教に嵌ってなきゃ良いけど・・・・
「後、彼女とは身体の相性も合うし」 私のせいなの?身体の相性は違うと思うけど
あんたのだってけして上手いわけじゃないじゃん はっきり言ってへたじゃん 抱き合っているだけで幸せだと思っていた私が馬鹿じゃん 只の寝取られじゃん

フリーターが守る世界平和って意味分かりませんが? 私はけして間違ってはいないはず。世界平和の時点で
(あっ、こいつと別れて正解)と頭の中のもう一人の私が警報を鳴らした

そして やっとの思いで面接まで漕ぎ着けたこの外資 えーとなんだっけ?アクーノヒミツ結社カンパニーだった
会社概要は どれどれもう一度見直そう 

【幹部候補生募集 世界を又に駆ける君の熱い力を待っています ヒーローを倒しこの手で世界征服を目指しましょう。体力自慢から知性派まで出番はあります。福利厚生も充実、有給あり ボーナス支給 残業あり。事業拡大につき幅広くグローバルな人材を求めます】 

もしかしてブラック企業?応募した時心が折れていたもんね・・・でも面接してくれる会社ここしかなかったんだもん。あいつを見返して幹部目指してやる。 

貿易か商社かな?営業向きではないんだよね。そうこうしている内に面接会場に辿り着いた
人が大勢いる ここだ。受付を済ませ 通された部屋に入る。色んな人がいるな~ 何か人間離れしたタイプが多そう 隣に座っている男性 ごついわ~ 逞しすぎてゴリラみたいに見える それは言いすぎか
何かそう・・・怪人みたい 私って性格歪んでるな だから色んな物に振られ続けてるのかな?

横を見れば河童みたいな男性の姿も見える。少し不安 あっ、斜め前の人は結構カッコいいじゃん神経質そうだけど 女性は殆どいない かなり不安  次は自分の番だ 気を落ち着かせて 深呼吸 スーハー。

トントン「失礼します 友澤可憐と申します Y大学応用生命科学部卒 22歳です」
前を見るとこの会社の幹部らしき人達がいる。 何か怖い でも真ん中の人偉そうだけど好みだな~

「君はなんでうちの結社に入社しようと思った?」 隣のいかにも幹部らしい人の問いかけに最初は当たり障り無く答えていたのだが 真ん中の偉そうな人の言葉で自分の中の何かが壊れた

「ありきたりの量産型はいらない 私達が求めている人材は世界を乗っ取る位の気迫が無いものはいらない なにせ ヒーローを倒してもらわなければ困るんだからな」

ヒーロー・・・詰まんないビジョンで私を捨てたあの男・・・絶対に見返したい
面接だと言うのに私は泣いていた (お前とは世界を守れない・・・守れないなら壊して見せよう不如帰)
ヒーローぶち殺す 熱い闘志を語った そりゃもう幹部の方々が引くくらいに・・・
この時 我に返って止めときゃ良かったが 男に振られ 就職先にも降られ続けた乙女の恨みは深かった

「いいね、決めた 採用だ おめでとう」 いきなりの声がしてあたりを見回す 何時の間にか人が増えてる
誰 この人? 凄いイケメンが微笑んでいる。関係者? 私、就職決まったの?
「君の絶対にヒーローを倒してやる!と言う熱く、漲る闘志に惚れた」
「ああ、この後直ぐ研修に入る いいか?」 「あっ、はい」今更ながら正気に戻りつつあった可憐は
正社員が決まった嬉しさよりも鶴の一声で決まってしまった事に一抹の不安を覚えた

「あのー研修先は遠いんですか?住まいはどうしたら?」 謎のイケメンさんの隣にいた秘書さんらしき人が答える 「勿論、社宅完備ですよ 研修の間 お給料も出ます。我々はブラックでありながらブラック企業ではありませんから」   住む所あるんだ 研修期間お給料もあるんだ。一安心・・・でもこの人自分でブラックって言った?ブラック企業では無いけどブラックって どういうこっちゃ?

「研修先はアラスカです 我々の秘密基地があります 採石場もありますので爆破のトレーニングその他をしていただきます。」 ん? アラスカ? 秘密基地? 爆破のトレーニングってなにさ?
えっ、もう飛行機に乗る?着替えは? アパートの解約は?実家への連絡は?

「全てこちらで手続きいたしますので 安心して研修に行って来てください」

安心できない~~これ拉致じゃないの? 心の準備がーーーー

****************

3年前の私 タイムマシーンに乗って止めにいきたい 殴ってでも止めれば良かった
私の就職先は 世界征服を企む 悪の秘密結社 外資と言えばそうなんでしょう

田舎のお母さん 長く辛い研修でした ある意味 心折れそうだったよ 過酷なトレーニングの数々
(今、思い出しても眩暈が・・・・)体力は有りませんので根性で乗り切りました
世界征服する前に自分が逝ったら世話ないですからね。

そうそう、ゴリラみたいな人も河童みたいな人も無事採用されて同期入社だったよ。(怪人枠)らしい
神経質そうな眼鏡君は科学者だそうだ。研修先で色々、あったのでどうでも良い

世の中って広いんですね 私の配属先も決まりました。面接の時採用してくれた謎のイケメン 実はこの秘密結社の(笑)若き総統でした。秘書見習いだそうです。幼稚園バスを狙うショッカー枠でなくて幸いでした

こう見えても子供好きなんですよ~ クリスマスの時期に玩具工場を閉鎖も止めてあげてください 子供が泣くのは嫌です。狙うは憎きヒーロー達(笑)一人、一人潰した方が早いんじゃないかな?

「可憐、一人一人を潰すとは?」若き総統(笑)クリス様が私に聞く (詰まんない事 聞くなよ)
「ヒーロー達は何でしたっけ?科学戦隊ファイブスター(笑)でしたっけ?5人でこちらの怪人一人を狙ってくる卑怯者達です 卑怯には卑怯で宜しいかと」 自分で言ってて何言ってるか分かんなくなったけど
ヒーローあいつ等さーこっちの怪人が一人なのに(って言うか一体?)五人でタコ殴りだよ?
弱いもの虐めじゃん テレビを見ているちびっ子にも教育上良くないわ

「数の力でボコボコにされています。正義とやらを貫くのなら同等で戦うべきです それを奴らはしない
これを卑怯以外の何者でもない筈」 あ、ヤバイ熱くなった

「私も同感です」筆頭秘書の金丸さんが口を挟む 「奴らには美学が無い 安っぽいヒューマニズムに酔っているだけですよ」 いや、私だって環境破壊だとか痛い事とか嫌ですよ

「ところで彼らを狙うのはどういう手口を使う気だ?」黙って聞いていた総統(笑)が神妙な顔して口に出す
「彼らの本業を潰すのです 奴らはNPO法人として科学戦隊5スターの活動してます 活動資金は政府から半分以上出ておりますが生活費は皆、本業やバイトしております。そこで本業の仕事を狙うのです。奴らの仕事を潰せば此方は痛い事も血を見ることもございません。痛いのは奴らの財布です ふふふ」
どうだ苦肉の策だ 無い頭使うのは骨が折れるのよ

「可憐、君は・・・なんて非道なんだ。素晴らしい 流石、幹部候補生だ」
あ、そこでエリート幹部とは言って貰えないですね。私もまだまだですね。このプロジェクトが成功したら少しは皆さんに認めてもらえるでしょうか? 拙い幹部候補生ですが頑張ります
 

*************

今日は久々の同期会です 過酷な研修に耐え 耐えて配属されても ヒーロー達との戦いで また一人また一人同期が散って逝きます  許せません 同じ釜の飯を食べ辛い訓練を戦い抜いた仲間がです。

「人数減っちゃったね・・・」「可憐知っているか?昨日 怪人大熊猫が科学戦隊5スターに殺られたこと・・・」
にゅ、なんですと?あの癒し系の大熊猫パンダちゃんが・・・・なんて事だ。
可憐はガックし膝を折った。 畜生ーー ヒーローどもめ 潰してやる 許さん この可憐様が成敗してくれるわ!! 社宅に戻ってから科学戦闘隊の身元を探った その写真には懐かしい一人の男が写っていた

「大樹・・・・・」紛れも無い私をこっ酷く振ってくれたあの男がいた。
そう・・・本当に世界の平和を守っているんだ・・・。あのピンクと?
三年前に忘れてきた感情が甦る。 許せない こんな世界なら壊れちゃえ 大事な世界も仲間も壊れちゃえ

次の日から私は精力的に奴らの仕事を壊した そりゃもう他の幹部達が吃驚するほどに
大樹は生意気にもルポライターをしていた。大樹の癖に生意気な。仕事先の出版社に圧力を掛けた 我がアックノヒミツ結社カンパニーは世界を又に駆ける大企業なのだ。弱小出版社なんか小指でチョンだ!!
干されるが良い ついでにピンクとやらの仕事も邪魔してあげる。楽しく仕事をしていたら同僚の科学者に呼び出された。 面接会場で一緒だった 神経質そうな男だ(眼鏡)。結構、イケメンなのにそのサド顔で女が寄り付かない可哀想な男である。何度か、寝たけど案外普通だった。隠れた性癖は知らない。只の同期である

「今、忙しいだけど何の用?」「お前、科学戦隊5スターの撲滅に力を入れているみたいだがどうしてだ?」
あら~?私の業績アップお気に召さないのでしょうか?ボーナスもこの分じゃ期待大なのよ
「どうしても何も仕事でしょう?」「思いっきり私怨だろう?」この神経質眼鏡野郎は何を言い出すのだ?
「私怨といえば私怨でしょう どれ程 同期の怪人殺られたのか解っているでしょう?先日も大熊猫ちゃんがあいつ等に殺られたのよ?ちゃんと生き返らせられるんでしょうね?高い年棒貰っているんだからキビキビ働け!」

それかヒーローの一人でも攫って改造人間にでもしろって言うの・・大樹は要らないけど
「そんなに昔の男が憎いか?」この神経質眼鏡男は何が言いたいんだ?仲間を追い詰めて楽しいのか?
「お前にはそんな小さな女になって欲しくない 俺じゃ駄目か?」だーかーら 思いっきり私怨だけどお仕事ですから 俺じゃ駄目かって何で出てくるの?

「そう、可憐はそんな小さな女じゃない・・・」 「「総統(笑)」」駄目だ総統(笑)が何時まで経っても慣れやしない(笑)が心の中で取れない・・・ 「昔の男なんて忘れていましたわ」「強がるな!!」
「本当のお前は寂しがり屋の甘えん坊なんだろう俺には解っている 本当のお前の姿が」

五月蝿いね この神経質眼鏡野郎 本当の私って何さ? 甘えん坊とは寒くなる台詞吐くな
「この私が側にいるのだから可憐は大丈夫さ 昔の男等どうでも良い話だろう?」

なんでここでプライベート晒すかな~? この私が側にいるったって第二秘書なんだからしょうがないじゃん
あんた、この組織のTOPじゃん 男ってどいつもこいつも煩いね 一寸寝たくらいで自分の女みたいな顔すな!!

あれ?何か私 ビッチみたいだな でも社内で揉めるの嫌だからそんなに手を広げてないもん
流石に怪人と恋愛関係や肉体関係はちょっとね・・・・。ショッカーの皆さんはタイツ脱ぐと普通の人間多いけど
こんな言い方何ですがタイツ被っていたら皆、同じに見えるし脱いだら誰が誰だか解らない 最後までしたのは二人だけだもん 何故かそのやっちゃったのが二人目の前にいるけど・・・・

別に付き合っていないんだから二股じゃないよね? そうだよね? 仲間同士(上司と部下?)で険悪な雰囲気にならんで下さい。 あれ?もしかして? 可笑しいな?

ヒーロー倒す前に大ピンチでしょうか? 私の明日はどっちだ?


 
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