防御に全振りの異世界ゲーム

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天魔祭「閉会式&結果発表」

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「まず、みんな三日間お疲れ様でした。どのチームもよく頑張ったと思います。
  それでは、結果発表を学園長の方からしてもらいたいと思います。それでは、学園長よろしくお願いします」


  アン先生が壇上から降りるとすれ違う様に貫禄のあるおじさんが壇上に上がって来た。


  何気に学園長って初めて見たかも。


「えー、まず1日目サバイバルでは、思ったよりも早くチームが減った為特例でリンチームとユウナチームが優勝とさせてもらう。
ポイントはどうなってるかの?」


  学園長が、アン先生からなにかの紙を受け取り言葉を続ける。


「古典的な罠とは言え罠を張りしっかりとサバイバルをしていたリンチームに50ポイント。
  そして、罠を張るなどはしなかったが戦術の圧倒的な力を見せたユウナチームに25ポイントとなっておる。よく頑張ったの」


  ふむ、あの位の罠でここまでポイント貰えるとは思わなかったぜ。


「二日目、ポイントゲッターにおいてはユウナチームが僅かに優勢だったが、リンチーム、他のチームも惜しい所じゃったな。それで今の合計が、ユウナチームが130ポイント。リンチームが153ポイントでリンチームが優勢じゃな」


  三日目の掃討戦はギリギリとは言え俺達が勝ったから優勝は頂きかな。


  そう言えば、四ノ宮の姿が見えないがどこに行ったのだろう。


  俺は、周りをキョロキョロ見渡すが四ノ宮らしい影は何処にも見当たらなかった。


  まあ、いっか。また、会う気がするし。


「それでは、最終日の掃討戦は、ふむ、別に言う必要も無いな。文句無しでリンチームの勝利だ。さて、わしの記憶が正しければ今年度の天魔祭の優勝者はリンチーム!  皆の者、盛大な拍手を!  
  そして、リンチームには賞金が与えられる!  さあ、上へ」


  呼ばれたので壇上に上がる事にした。階段を登る際シオンが緊張からかつまずきコケそうになっていたのには笑った。


そして、俺達は拍手を送られながら賞金を手にしたのだった。



「はぁ、疲れたな……」


「…うん」


  俺とシオンは学園の中庭にあるベンチに腰掛け少し夕日でオレンジに染まった空を見上げていた。


「この後、どうする?  飯でも行くか?」


「…そんな元気は…無い」


「だよな」


  それで、賞金は5万レイスだった。一応二位の四ノ宮達にも賞金があったのだが姿が見えなかった為無しとなった。


「…リン君はさ…あの女の人の事…好きなの?」


「四ノ宮の事か?  んにゃ、全く。まあ、好きな奴はいるけどな……あ、しまった」


「…誰?」


「なーいしょ」


  俺は、フフンと笑いシオンの頭をポンポンと叩きベンチから立ち上がる。


「今日は、お互い疲れただろうし帰って休もうぜ」


  俺は、手をひらひらさせて宿屋に向かった。



「…リン君の…好きな人…私だったらいいな」


  シオンは、少しだけニコッと笑いながらリンの後へと続く。



  一方その頃魔界では


「ただいまー」


「おかえりなさいませ。魔王様。それで、人間の学校はどうでしたか?」


「んー、まあまあかな。でも、一人だけ面白そうな人見つけたよー。いずれ、私達の障害になるかもねー」


  と、茶髪で肩より少し下まで髪を伸ばした女がどかっと玉座に座った瞬間女を闇が包み服装などが変化していった。


「それでは、魔王ユウナ様。人間を滅ぼすという事ですか?」


「いんや、私達、魔王軍は人間に手出しはしない勿論、私達に害をなすなら遠慮は要らない。
  後は、そうだね……ダークナイトを召喚して私の楽しみの邪魔をしたのは誰かな?」


  ユウナの体から殺気が漏れ出し近くに居た魔族達が床に這い蹲る。


「お、おそらくミレイスの奴かと」


「はぁ、あいつか……。まあ、いいや。今後、私の許可なく人間を襲ったり私の楽しみの邪魔をした奴は……殺す。いいな?」


「は!!」


  さーてと、魔王に転生してつまんなそうだと思ったけど……ふふっリン君また、会えるといいなぁ。


  ユウナは、背中から生えている黒く透き通った6対の羽をバサッと広げ口角を上げる。
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