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第2章
アニス、刺客に遭う②
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「休んでるヒマねェぞ」
ツバキはアニスの縄を解き通りへ出ると、例の雑貨店へ向かった。老婆は相変わらず、競馬新聞に真剣な顔で見入っている。
「バーさん。おい、バーさん!」
声をひそめつつも聞こえるように呼ぶが、やはりこちらを見向きもしない。
(くっそ、わざとだな……)
そうこうしているうちに、辺りを見回しながら近衛兵が近づいて来る。ツバキは身をかがめ、あわててショーケースの上にくしゃくしゃになったお札を投げた。
「チョコひと箱!」
ニタリと魔女のような笑いを浮かべ、老婆がふたりを奥のスペースへ招くと同時に、近衛兵が店の前を通り過ぎて行った。
「おやまあ、痴話喧嘩かい。ツバキ・リクドウ二等兵」
老婆は怯え気味のアニスに目をやり、ツバキの痣と傷だらけの顔をからかう。
だがツバキは、怪訝な顔で畳に上がり込んだ。
「……なんでバーさん、おれのこと知ってんだよ」
「アンタはもう、お尋ね者だからね」
雑貨屋の奥は三畳ほどのスペースにパソコンがいくつも並ぶ、デイトレーダーのような小部屋だった。老婆が、パソコンのひとつをツバキに向ける。
ネットニュースには、ツバキの顔写真と名前が流れていた。
罪状、殺人容疑。殺されたのは、ハオウジュ将軍が王女だと主張する少女だ。
「なっ……!? おれは殺ってない! そもそも本当の王女はこいつだ!」
アニスが、ぽかんとツバキを見る。
「……なんのことですか?」
「あんた、この女の娘なんだろう?」
ツバキが指令書をさし出すが、アニスは写真の女性に記憶がないようで、考え込んでいる。ツバキはがりがりと頭をかいた。
「バーさん、説明しろよ! あんた何か知ってるんだろ!」
「アタシは手がかりを、教えただけさ。王女のことなんて知らないね」
ニヤニヤと肩をすくめる老婆を忌々しげに睨み、ツバキはアニスにこれまでの経緯を話した。
「……わたしが、亡くなった王さまの娘?」
アニスは信じられない、という顔で首のほくろをさわる。
「だって、シスター・シキミはそんなこと言ってなかった。お母さんは、ただ病気で亡くなったって……」
「あの教会の墓には、あんたの母親が眠ってるんだろ?」
「そう……聞いています」
「『丘』へ行けば、DNA鑑定をしてもらえる。いっしょに城へ来てくれ」
自信に満ちた顔でアニスを見るツバキを、嗄れ声が遮った。
「待ちな、ボーヤ。今その子が王女だと証明すれば、そのニュースの子の二の舞だよ」
(──そうだ、誰かが継承者を消そうとしている)
ついさっき、アニスはバーで殺されそうになったばかりだ。城の図書館でも。それは、ツバキも身を以って体験した事実である。
(ほとぼりが冷めるまで、彼女だけ警察軍に保護してもらうか? いや、だめだ)
陰謀渦巻くグレーターよりはマシだとしても、近衛兵が徘徊している現状、ここコミューンとて安全な保証はない。
見つかれば城へもどされてしまう。今こうしてここにいる時間すら、安心できないのだ。
「それに──あれは近衛兵じゃない」
バーカウンターで、しばらくは気を失っているだろう男。彼との交戦を思い出し、ツバキはじっと自分のこぶしを見た。
警察軍でも近衛兵でもない、別の組織が暗躍している。
そんな緊迫した空気を破り、考え込むツバキの前をアニスがおずおずと横切る。
「あ、あのー、わたし学院へ帰ります。シスターが心配してると思うので」
「──ちょっと、今の話聞いてた?」
ツバキにぐいと腕を引かれ、アニスは思わず声をあげた。
「ひっ、離して」
「命を助けてやっただろーが」
「そ、それは感謝しています。でも、指名手配のあなたといることだって、危険には変わりありません」
「なんだと? あんたを捜し当てたのはおれだぞ」
「み、見つけてくれなんて頼んでません。わたしは、お城になんか行きたくないんです」
老婆が、ひゃっひゃっと肩を浮かせて笑う。
「シンデレラがみんな、ガラスの靴をはきたがってると思ったら大間違いだよ、ボーヤ。ちっとは、女ってもんを勉強しな。だが、その子の素性はもう割れてるよ。学院へも、もう手は回ってるだろうねえ」
見ると、ネットニュースにはツバキが誘拐した被害者として、アニスの顔写真も出ている。
「そんな! じゃあ、わたしはどうすれば──」
「心配するな。責任持っておれが警護するからよ」
キリリと格好をつけて断言するさまにさすがにカチンときたのか、アニスは上目遣いにツバキを睨んだ。
「し、心配するなって、こうなったのは、全部あなたのせいじゃない……!」
「な──なんだと!」
老婆はむきになるツバキをおさえつけ、アニスにおもむろに向き直る。
「──お嬢ちゃん、人生は選択の連続だ。今アンタは、その馬鹿のせいで岐路に立っている。だが、決めるのは自分だ。出口のない水槽で安全に暮らすか、危険な大海で自由を知るか。アンタはどっちの魚だい?」
(どっちの……?)
老婆の言葉に、急に高波がどっとアニスの眼前におしよせた気がした。
とたん、白衣のアニスは白くひらひらとした魚になって、波にさらわれる。
満たされた退屈な毎日。この先、自分を待っているもの。
アニスは白衣のすそをぎゅっとつかみ、怖々と怪しい老婆と容疑者の近衛兵を見た。
信じるメリットは何もない。これまで、根拠のないルートを選んだこともない。
でも──、
自分が納得できる理由が、いつも選択肢に用意されているとは限らないのだ。
意を決したように顔を上げたアニスを、老婆は三日月のような目で笑った。
「だがまあ、どっちにしろ危険なことには変わりはないからね。これはサービスだよ」
唐突に、地図を描いた一枚のメモがツバキの前にさし出される。
「コミューンにあるアタシの甥の城だ。レイチョウといって、王宮でアンタと同じ近衛連隊に所属してる。入隊したてのアンタはまだ面識ないだろうがね」
「レイチョウ少佐? 士官学校で、名前だけは聞いたことがあるぞ! 桜城きっての智将で、優れた軍師だとか」
「有給取って今は自分の城にもどってるはずさ。訪ねて行けば力になってくれるだろう」
「その話、信用できんのかよ」
訝しげに目を光らせ、ツバキがメモと老婆を交互に見やる。
「人生は選択の連続だと言ったろう。どのみち、崖っぷちのお前に、選ぶ権利なんかないのさ」
老婆の言う通りだった。ツバキは肩をすくめ、メモを軍服のポケットにしまう。
「……ふん、ま、いいや。でも、バーさんに軍人の身内がいたとはね」
「まあアタシも昔は、軍で土俵せましと暴れたクチだからね」
「え。近衛連隊は男しか入れな──」
青くなったツバキとアニスがよく見ると、老婆の顎にはうっすらと青い無精髭が生えかけていた。
ツバキはアニスの縄を解き通りへ出ると、例の雑貨店へ向かった。老婆は相変わらず、競馬新聞に真剣な顔で見入っている。
「バーさん。おい、バーさん!」
声をひそめつつも聞こえるように呼ぶが、やはりこちらを見向きもしない。
(くっそ、わざとだな……)
そうこうしているうちに、辺りを見回しながら近衛兵が近づいて来る。ツバキは身をかがめ、あわててショーケースの上にくしゃくしゃになったお札を投げた。
「チョコひと箱!」
ニタリと魔女のような笑いを浮かべ、老婆がふたりを奥のスペースへ招くと同時に、近衛兵が店の前を通り過ぎて行った。
「おやまあ、痴話喧嘩かい。ツバキ・リクドウ二等兵」
老婆は怯え気味のアニスに目をやり、ツバキの痣と傷だらけの顔をからかう。
だがツバキは、怪訝な顔で畳に上がり込んだ。
「……なんでバーさん、おれのこと知ってんだよ」
「アンタはもう、お尋ね者だからね」
雑貨屋の奥は三畳ほどのスペースにパソコンがいくつも並ぶ、デイトレーダーのような小部屋だった。老婆が、パソコンのひとつをツバキに向ける。
ネットニュースには、ツバキの顔写真と名前が流れていた。
罪状、殺人容疑。殺されたのは、ハオウジュ将軍が王女だと主張する少女だ。
「なっ……!? おれは殺ってない! そもそも本当の王女はこいつだ!」
アニスが、ぽかんとツバキを見る。
「……なんのことですか?」
「あんた、この女の娘なんだろう?」
ツバキが指令書をさし出すが、アニスは写真の女性に記憶がないようで、考え込んでいる。ツバキはがりがりと頭をかいた。
「バーさん、説明しろよ! あんた何か知ってるんだろ!」
「アタシは手がかりを、教えただけさ。王女のことなんて知らないね」
ニヤニヤと肩をすくめる老婆を忌々しげに睨み、ツバキはアニスにこれまでの経緯を話した。
「……わたしが、亡くなった王さまの娘?」
アニスは信じられない、という顔で首のほくろをさわる。
「だって、シスター・シキミはそんなこと言ってなかった。お母さんは、ただ病気で亡くなったって……」
「あの教会の墓には、あんたの母親が眠ってるんだろ?」
「そう……聞いています」
「『丘』へ行けば、DNA鑑定をしてもらえる。いっしょに城へ来てくれ」
自信に満ちた顔でアニスを見るツバキを、嗄れ声が遮った。
「待ちな、ボーヤ。今その子が王女だと証明すれば、そのニュースの子の二の舞だよ」
(──そうだ、誰かが継承者を消そうとしている)
ついさっき、アニスはバーで殺されそうになったばかりだ。城の図書館でも。それは、ツバキも身を以って体験した事実である。
(ほとぼりが冷めるまで、彼女だけ警察軍に保護してもらうか? いや、だめだ)
陰謀渦巻くグレーターよりはマシだとしても、近衛兵が徘徊している現状、ここコミューンとて安全な保証はない。
見つかれば城へもどされてしまう。今こうしてここにいる時間すら、安心できないのだ。
「それに──あれは近衛兵じゃない」
バーカウンターで、しばらくは気を失っているだろう男。彼との交戦を思い出し、ツバキはじっと自分のこぶしを見た。
警察軍でも近衛兵でもない、別の組織が暗躍している。
そんな緊迫した空気を破り、考え込むツバキの前をアニスがおずおずと横切る。
「あ、あのー、わたし学院へ帰ります。シスターが心配してると思うので」
「──ちょっと、今の話聞いてた?」
ツバキにぐいと腕を引かれ、アニスは思わず声をあげた。
「ひっ、離して」
「命を助けてやっただろーが」
「そ、それは感謝しています。でも、指名手配のあなたといることだって、危険には変わりありません」
「なんだと? あんたを捜し当てたのはおれだぞ」
「み、見つけてくれなんて頼んでません。わたしは、お城になんか行きたくないんです」
老婆が、ひゃっひゃっと肩を浮かせて笑う。
「シンデレラがみんな、ガラスの靴をはきたがってると思ったら大間違いだよ、ボーヤ。ちっとは、女ってもんを勉強しな。だが、その子の素性はもう割れてるよ。学院へも、もう手は回ってるだろうねえ」
見ると、ネットニュースにはツバキが誘拐した被害者として、アニスの顔写真も出ている。
「そんな! じゃあ、わたしはどうすれば──」
「心配するな。責任持っておれが警護するからよ」
キリリと格好をつけて断言するさまにさすがにカチンときたのか、アニスは上目遣いにツバキを睨んだ。
「し、心配するなって、こうなったのは、全部あなたのせいじゃない……!」
「な──なんだと!」
老婆はむきになるツバキをおさえつけ、アニスにおもむろに向き直る。
「──お嬢ちゃん、人生は選択の連続だ。今アンタは、その馬鹿のせいで岐路に立っている。だが、決めるのは自分だ。出口のない水槽で安全に暮らすか、危険な大海で自由を知るか。アンタはどっちの魚だい?」
(どっちの……?)
老婆の言葉に、急に高波がどっとアニスの眼前におしよせた気がした。
とたん、白衣のアニスは白くひらひらとした魚になって、波にさらわれる。
満たされた退屈な毎日。この先、自分を待っているもの。
アニスは白衣のすそをぎゅっとつかみ、怖々と怪しい老婆と容疑者の近衛兵を見た。
信じるメリットは何もない。これまで、根拠のないルートを選んだこともない。
でも──、
自分が納得できる理由が、いつも選択肢に用意されているとは限らないのだ。
意を決したように顔を上げたアニスを、老婆は三日月のような目で笑った。
「だがまあ、どっちにしろ危険なことには変わりはないからね。これはサービスだよ」
唐突に、地図を描いた一枚のメモがツバキの前にさし出される。
「コミューンにあるアタシの甥の城だ。レイチョウといって、王宮でアンタと同じ近衛連隊に所属してる。入隊したてのアンタはまだ面識ないだろうがね」
「レイチョウ少佐? 士官学校で、名前だけは聞いたことがあるぞ! 桜城きっての智将で、優れた軍師だとか」
「有給取って今は自分の城にもどってるはずさ。訪ねて行けば力になってくれるだろう」
「その話、信用できんのかよ」
訝しげに目を光らせ、ツバキがメモと老婆を交互に見やる。
「人生は選択の連続だと言ったろう。どのみち、崖っぷちのお前に、選ぶ権利なんかないのさ」
老婆の言う通りだった。ツバキは肩をすくめ、メモを軍服のポケットにしまう。
「……ふん、ま、いいや。でも、バーさんに軍人の身内がいたとはね」
「まあアタシも昔は、軍で土俵せましと暴れたクチだからね」
「え。近衛連隊は男しか入れな──」
青くなったツバキとアニスがよく見ると、老婆の顎にはうっすらと青い無精髭が生えかけていた。
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