伝説の剣なんていりません。普通の女の子に戻りたい。

あきあす

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第1章

チャリバーと私

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兄さんが帰って来た日は、家族(もちろんまうちゃんも!)とリュートさんとで、晩ごはんを食べた。

兄さんとリュートさんは、不思議と馬が合うみたいで、すぐに仲良くなった。
カミュがボソッと

「兄さんは単純だからねー。」

なんて言ってたけど、私は嬉しかった。
まうちゃんに関しては、

「妹がもう1人増えた~。」

って喜んでた。

「まうたん~。可愛いでしゅねー。フランお兄ちゃんでしゅよー。」

イケメンが赤ちゃん言葉を使うこの光景。
ちょっと目に染みるよ。
まうちゃんを魔方陣に乗せて、兄さんと会話させてみた。
じっと兄さんを見つめていたまうちゃん。

「おにいちゃん?ふつうにしゃべれないひとなの?」

ぶはっ。

「いや、その。普通に喋れるよ…。」

「よかった。まう、しんぱいしちゃった。」

カミュが転げ回って笑ってる。
ま、兄さんとまうちゃんは良いコンビになりそうね~。


と、そんなこんなで楽しい時間を過ごした
その日の夜のこと。

ぽつりとチャリバーが呟いたの。










(俺の存在意義ってなんだろ。)

共鳴した相手は戦いに行くわけでもなく、最近はあからさまに無視されたり、埋められることはなくなって、話し相手になってくれるけど…。



なんとなく呟いた言葉に返事が帰ってくるとは思わなかった。

「チャリバー、貴方って、どこら辺まで遡って記憶があるのかな。」

(アーサー王の伝説あたりからかな。なんで?)

「チャリバーは、存在自体が伝説でしょ?ほら、リュートさんて古い伝承を研究してるから、チャリバーの記憶ってとても役に立つんじゃないかなって。」

(おおー!それはそうかも!あ、でもダメだ。あいつと直接話は出来ないよ。)

「私がいるでしょ。」

(でも、そうするとあいつに俺とイオンちゃんの秘密がバレちゃうよ?いいの?)

「父さんと母さんが話してもいいって言うなら私はいいんだけど。」

(勇者の血筋とか、ドラゴン真っ二つとか知られてもいいわけ?)

「うーん。私のそういうことを知って嫌われるんなら仕方ないよ。でも、リュートさんは、そんなこと気にしないんじゃないかな。私のせいで、チャリバーが落ち込んで錆び付いちゃうのは悲しいし。」

(剣だけに!錆び付いちゃうだなんて!
うまいこと言うね~。)

「ごめんね。使ってあげられなくて。」


(うぅ~。)
俺、泣きそう。

「明日、父さんと母さんに相談してみるね。おやすみ、チャリバー。」

(うん。おやすみ、相棒。)








「イオンがいいなら構わないけど~?」

朝イチで母さんに相談すると、軽い感じでOKが出た。うん、想定内。

「ただ、自分で決めたのなら後悔しないようにね。」

「うん、ありがとう母さん。」

「ジョルジュもいいわよね?」

寝起きでもっさりと朝ご飯を食べていた父さんは黙って頷く。

「まう~。」
飛んで来たまうちゃんが、父さんにゆで玉子をおねだりしてる。
微笑ましい朝の風景だわ~。


世界を救うような勇者にはなれないけど、
目の前の家族が幸せでいられるために、何かちょっとでも自分が出来ることをしたいと思うようになったのは、私が両親から大切に育ててもらったからかもしれない。

ひとりぼっちだったリュートさんとまうちゃん。共鳴する相手としか繋がりを持てなかったチャリバー。
みーんなで幸せになりたい。 


そのためには、私、頑張っちゃうもんね!
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