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序章
ダン・カン尋問される
しおりを挟む「先住民って、あそこも赤いのね。肌の色は日焼けじゃないってことね」
白人女はそう言ってからせせら笑った。
地に落ちたペニスケースは、コマネチ族にとっては命も同然。その中身は、妻にしか見せてはならないものだ。
しかし、女は結い上げた赤い髪のほつれ毛を耳にかけ、ダン・カンの局部を見ている。
「おちんちんは白いのかと思ってたわ」
ダンが屈辱に歯軋りする。
天幕の中、杭に縛りつけられて動けない。
ともに捕らえられ、捕虜にされた先住民の仲間たちは皆、白人に殺された。
鞭の柄で、むき出しの陰嚢をなぶるその童顔は、まるで悪魔のように見えた。
口の端に笑みを浮かべながら、竿を持ち上げる年齢不詳の女──少女だろうか。
白人は年齢が若くてもこれほど残酷なのか。
小奇麗にしているが、その中身は腐った膿が詰まっているに違いない。
刺激に対し、生理的な反応を示してしまった己のイチモツを見て、ダンは絶望する。
誇り高きコマネチ族の族長テン・トンの孫である自分が、小娘になぶられ、勃起しているなんて。
(──っ!?)
小悪魔は、ダン・カンの股間に顔を近づけた。
何ということでしょう。
赤く、ぽってりとした小さな唇を開けると、陰嚢を舐めだしたではないか。
ついにはその先端を咥える女。無邪気な笑みを浮かべながら。
そんなことをされたのは初めてだったダンは、この憎むべき白い悪魔の行為にうめき声をあげていた。
小さな口の中の粘膜が、ダンの自制心まで吸い上げようとする。
チュポンという音とともに、小娘は魅惑的な唇を離した。
「どうかしら、話す気になった? 通訳さん」
(殺してやる)
ダン・カンは大地の精霊に誓う。
この白い女に、自分が何をしたか教えてやる。屈辱を何倍にもして返すのだ。
非戦闘員である女子供を辱め、残酷に殺した白人ども。戦死した父カン・テンに代わり、彼が成し遂げてやる。
(白人は、全て追い出す。この地は、我々のものだ)
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