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この国には、かつて聖女といわれる特別な存在がいた。
この世界で子供は皆、守り石と呼ばれる小さな石を握って生まれてきていた。
石の色はさまざまでけれども、その色によって就くべき仕事の種類は決まっていた。持って生まれてくる石の種類に、性格や得意な事がある程度左右されるのか、それとも性格や頭の出来によって神より渡される石の種類が変わるのかまでは分からない。だが、その石の導くまま人生を決めれば、まず人生で躓くことはないと言われている。
そんな守り石には一つだけ特別なモノがある。
限りなく透明で大きなそれを持って生まれし者、それが聖女だ。
世界に聖女は一人だけ。その聖女の命が天へと還っていったその日の夜に、新しい聖女が聖女の守り石を持って生まれてくる。
そうして聖女の守り石を持って生まれた者は、教会へと身を寄せ、そこで神へと平和を祈りその一生を捧げて過ごす。
この国の建国時から続けられている決まり事だ。
だが、これまでずっと守られていたそれを、この国の最後の王は破ってしまった。
王族の権威を強める為に、聖女と同じ年に生まれた王子と婚約させたのだ。
教会もそれを受け入れた。聖女の生家と六人いる枢機卿の内のたった一人だけがそれに異を唱えたが、生家は伯爵家という低いという程ではないが高位という程の家格でもなかったし、たった一人の年老いた枢機卿が声を張り上げようとも、王家と教会の大多数、双方からの強い申し出に押し切られてしまったのだ。
勿論、婚約し成人したのちには婚姻を結ぶことになったとしても、あくまで白い結婚となる。
処女性が求められる聖女に子供を産ませることについて、さすがに教会も二の足を踏んだのだ。王家としては権威づけに使いたかっただけなので名目だけの婚姻で構わなかった。
だが、ここで一人、それに不満を溜め込んだ者がいた。
この国には、かつて聖女といわれる特別な存在がいた。
この世界で子供は皆、守り石と呼ばれる小さな石を握って生まれてきていた。
石の色はさまざまでけれども、その色によって就くべき仕事の種類は決まっていた。持って生まれてくる石の種類に、性格や得意な事がある程度左右されるのか、それとも性格や頭の出来によって神より渡される石の種類が変わるのかまでは分からない。だが、その石の導くまま人生を決めれば、まず人生で躓くことはないと言われている。
そんな守り石には一つだけ特別なモノがある。
限りなく透明で大きなそれを持って生まれし者、それが聖女だ。
世界に聖女は一人だけ。その聖女の命が天へと還っていったその日の夜に、新しい聖女が聖女の守り石を持って生まれてくる。
そうして聖女の守り石を持って生まれた者は、教会へと身を寄せ、そこで神へと平和を祈りその一生を捧げて過ごす。
この国の建国時から続けられている決まり事だ。
だが、これまでずっと守られていたそれを、この国の最後の王は破ってしまった。
王族の権威を強める為に、聖女と同じ年に生まれた王子と婚約させたのだ。
教会もそれを受け入れた。聖女の生家と六人いる枢機卿の内のたった一人だけがそれに異を唱えたが、生家は伯爵家という低いという程ではないが高位という程の家格でもなかったし、たった一人の年老いた枢機卿が声を張り上げようとも、王家と教会の大多数、双方からの強い申し出に押し切られてしまったのだ。
勿論、婚約し成人したのちには婚姻を結ぶことになったとしても、あくまで白い結婚となる。
処女性が求められる聖女に子供を産ませることについて、さすがに教会も二の足を踏んだのだ。王家としては権威づけに使いたかっただけなので名目だけの婚姻で構わなかった。
だが、ここで一人、それに不満を溜め込んだ者がいた。
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