無能と言われ追放されたがスマホと共に成り上がる

いつき

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「デント、お前は今日をもって竜の息吹から追放する!」


輝かしい鎧を身にまとった美青年、ウェインは俺にそう言い放つ。


どうしてこんなことになったんだ.......。いや、ずっとわかっていたんだ。能無しの俺がこのパーティーにいるのがおかしいんだって。


この世界では殆どのものがスキルと呼ばれる特別な力を持つ。スキルは生まれた時に持つ固有スキルと、その後の行動などによって得る通常スキルの二つがある。


俺は固有スキルを持たず、かと言って通常スキルも得ることができない能無しだった。


だから俺は剣を振るうこともできなければ、魔法を使うこともできなければ、弓を引くこともできない。そんな俺が冒険者なんてできるはずがない。

それでも冒険者としてやっていけたのは、俺以外のメンバーが強かったからだ。

ウェインは固有スキル『聖剣術』を持つ男だ。通常スキルも数多く持っている。


「私たちはAランクパーティーに認定された。一つのパーティーには5人しか所属できない。その一つを貴方に割くわけにはいかないのよ」


アナリィ、固有スキル『豪炎』を持つ魔法使いだ。苛立たしげに長く伸びた赤毛をいじりながら俺に冷たく言い放つ。


「すまないな……俺たちのためにパーティーを抜けてくれ……」


ケビン、固有スキル『剛力』を持つ戦士の男だ。申し訳なさそうな顔でそう言うと頭を掻いた。


「ごめんねー。私達ってば優秀だからさぁ。あんたみたいな使えない奴に構ってる暇はないんだよねぇ」


メイラ、固有スキル『治癒魔法』を持つ僧侶の女だ。嘲笑を浮かべながらこちらを見下している。


「すまんデント!でも仕方ないんだ!俺たちはこの先もっと強くならないといけないんだ!」


彼らの言う通り、俺はそんな彼らの足手まといにしかならなかった。彼らが戦っている間、ただ見ていることしかできなかった。


その度に俺は自分を責めて、そして後悔した。自分がスキルを持っていれば彼らについて行けていたかもしれないのに、と。

だけどもういいだろう?どうせ俺なんかがついて行ったところで何ができるわけでもないんだ。俺にできるのは迷惑をかけずこのパーティーを抜けることだけ。


「わかった。パーティー追放を受け入れよう」


「デント、追放とは言っても、俺たちはデントに感謝していないわけじゃない。だからこの金を使って故郷に帰るんだ」


「……ああ、ありがとう」


そうして俺は酒場から出た。



「これからどうするか……」


街を歩きながら考える。正直に言えば冒険者は楽しかった。仲間と一緒にダンジョンを攻略したり、弱いが魔物を倒したりするのは気持ちよかったし、何より自分が誰かの役に立っていることが嬉しかった。だからどんなに面倒臭い雑務も全て俺がしてきた。

故郷に帰る。それも一つの手かもしれない。だが、俺がしたい事は.....。

俺は一つ息を吐き、冒険者ギルドへの道を歩いた。




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