ペンタゴンにストロベリー

桜間八尋

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エピローグ~Just a Touch of Love

第22話

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 並んだ金属バットの中から、上から二番目に長く、重い物を選ぶ。グリップに巻かれたテーピングは剥がれかけていたものの、粘着力はまだ失っていないようだ。軽く巻き直してから握り心地を確かめ、一枚だけ購入したコインをバッターボックス裏の操作パネルが並んだ機械の投入口にトスする。その際、選んだ項目は「高速」だ。

 十数メートル先に据えられたピッチングマシンが起動し、ウィン、と微かな機械音を発した。その音を耳にし、いつもと変わらぬ足取りでバッターボックスへと向かう。引き摺るようにして運んだバットを持ち上げ、勢いそのままに右肩へと乗せる。それらが接する時間も僅かに、バッティングに最適な構えへと移った。

 見据えた先、スクリーンにはピッチャーの姿を模したドット絵が映し出されている。程なくして、こちらの準備が整うのを待ち構えていたかのように、彼は投球のモーションへとその姿を変じさせた。滑らかな動きでドット絵が変化していき、今まさにその手からボールを投じようとしている。いつもと全く同じタイミング。

 バットを握った手に力が籠る。二次元世界からオーバースローで投じられた球が、あたかも次元の壁を貫くようにピッチングマシンの馬力を借りて三次元の世界に現れた。その速度は時速にして約百四十キロ。申し分のない速球だ。正直、分の悪い勝負と言わざるを得ない。

 振り遅れることコンマを切って数秒、空を切ったバットは全力で振り抜かれていた。

 僕は、バッティングセンターにいた。

 
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 店内まで響いてくる金属バットの打球音を聞きながら、優雨は懐かしい気分になった。一年前はよくあちら側にいたものだが、今となってはもっぱら足を運ぶのはここに併設されたゲームセンター側だ。

 父が再婚したばかりの頃は、新しい家族ともどう接していいか分からないところが多々あった。そんなとき、時間を潰すのに使っていたのが近所のバッティングセンターで、そこでがむしゃらにバットを振るっては気を紛らわせていた。

 夏休みが終わってから迎える初めての週末―――今日は久々に流歌と会うことになっている。待ち合わせ場所にここを指定したのは彼の方で、外出先でもゲームをしたがるのは相変わらずのようだった。

 家が近いこともあって、流歌に先んじて到着したはいいものの、待ち合わせの時間までには大分余裕があった。店内をぶらつきながら、壁際にずらりと並んだブラウン管の群れを眺めて回る。ここへはたまに来ることがあっても、クレーンゲームで遊ぶくらいなもので、ビデオゲームはもっぱら自宅でプレイしていた。

 対戦型のゲームに関しては、今やゲーセンに並ぶ最新作と遜色ないクオリティのものが家庭でも楽しめてしまう時代だ。しかし、現在はハードの入手が困難な名作レトロゲームなど、ここでしか楽しめないゲームが数多くあるのも確かだった。

 そこで優雨が目をつけたのは、昔ながらの縦スクロールのシューティングゲームだ。この手のジャンルのゲームは経験が浅く、オンラインでの協力プレイが実装されているものを流歌と一作だけ遊んだことがある程度だった。

「よし」

 優雨がゲーム機を前にして意気込むと、財布から取り出した硬貨を投入口にトスする。四脚椅子の座り心地を確かめながら、コントロールパネルの上に貼られたインストをじっくりと眺めた。

 それによると、1Pと2Pで自機の特性が大きく異なるらしい。地上を走行する「戦車タイプ」と、空中を飛び回る「ヘリコプタータイプ」の二種類から一方のみを選択できるようだ。また、戦車は強力な火砲が扱える代わりに地形やトラップの影響を受け、動きが軽快なヘリコプターは火力面で戦車に劣る、という差別化もされている。

 まずはどちらの機体を選ぶかだが―――初心者には機動力のあるヘリコプタータイプの方が遊び易いだろう。ゲームの感覚を掴むのにも良さそうだ。戦車タイプは敵の殲滅を目的としたハイスコア狙いの玄人志向が強く、自分のような素人シューターには少しばかり荷が重い。そこで定石通りにスタート画面でヘリコプタータイプを選択した優雨は、意気揚々とブラウン管に向かった。

      *

 大きな背中を丸めて目の前のゲームに没頭している優雨の姿を遠目に見て、流歌は彼にどうやって声を掛けたらいいものかと頭を悩ませていた。

 それにしても、なんともマニアックな。

 あれは『ランページ』か―――自分も以前に移植版を遊んだことがある。二種類あるプレイアブル機体の大胆な差別化や、色分けで表現された「対地攻撃」と「対空攻撃」の存在による高低差の概念など、非常に癖の強い内容となっている意欲作として印象深い。その特殊な仕様から、シューティングゲームに慣れていないプレイヤーは一面から苦戦を強いられやすいという特色もある。

 どうしよう。

 しばらく思案していると、優雨が驚いたように背中を仰け反らせた。どうやら自機が撃墜されてしまったらしい。

 面白い。

 誰かがゲームをしている姿を、無遠慮にじろじろと眺めていられる機会もそうそうないだろう。折角なので楽しませてもらうことにした―――が、だからといって通路の真ん中で突っ立てるわけにもいかない。

 何気なく店内を見て回るふりをしながら、優雨に近づく機会を窺う。すると、彼がポケットの小銭入れに手を伸ばすのが見えた。今の内だ。

 流歌がこっそりと優雨のすぐそばまで近寄ると、彼がゲームを再開させるのとほぼ同時に隣席のスツールに手を伸ばした。

「隣、いいかな」

 優雨の答えを聞くよりも早く、手にした椅子をさっと引き寄せて自分がそこに座れるだけのスペースを作る。

「へっ」

 彼が素っ頓狂な声を上げた頃には、流歌が隣の2P側にちょこんと腰掛けていた。

「ほら、ちゃんと前見て」

 ろくすっぽ挨拶の言葉も口に出来ず、慌てふためく優雨に画面を見るように流歌が注意を促すと、ひとまず彼はゲームの方に向き直る。

「苦戦してるみたいだね」
「ええ、まあ」

 その口ぶりからも分かる通り、ゲームに注力している間は会話に余計なリソースを割く余裕が優雨にはなさそうだった。

「手伝ってあげようか」
「えっ、いいんですか」

 優雨が驚いた拍子に思わず流歌の方を見やったのと、彼の操作している機体が撃墜されたのはほとんど同時のことだ。

「あ」

 少々気の毒に思いながらも、愉快な絵面に直面した流歌がくすくすと笑う。

「ちゃんと見ないから」

 気を取り直した優雨が画面の前で奮闘している間、流歌は膝の上に置いたバッグから小銭入れを取り出していた。

「ボクがお手本を見せてあげよう」

      *

 流歌が『ランページ』の2P側に硬貨を入れると、二人の協力プレイが始まった。ゲームの仕様上、ヘリタイプの相棒となるプレイヤーの自機は戦車タイプに固定される。まあ、この人なら好んで戦車タイプを選びかねないが―――鼻腔をくすぐる香水の甘い匂いに気を取られまいとしながら、優雨もゲーム画面に集中しようとする。

「ユウってシューターだったっけ」
「いえ、まったく」

 二言三言、ぽつりぽつりと言葉を交わしながら二人はせわしなくパネル上のレバーを操り、ショットボタンを叩く。お互いに目の前のブラウン管の画面の動きに気を取られていたせいもあって、お世辞にも会話が弾んだとは言い難い時間が続いた。

 言葉少なであっても、会話できるだけましだろう。一歩間違えれば自分は命を失っていた―――その遠因を作ってしまった流歌が責任を感じるのも無理はない。こうして以前のように遊んでいられること自体が僥倖といえよう。

 あんなことがあってから、どちらともなくしばらくは距離を置くようになっていた。警察の事情聴取に時間を取られ、山積した夏休みの課題のせいでゲームをする時間がなくなってしまったところまでは自業自得だが、それにしたってまったく連絡を取らなかったのには言い訳のしようがない。今回の件で酷く落ち込んでいるであろう流歌に対し、かける言葉が見つからなかったのも否めなかった。

 敵機群の猛攻に四苦八苦しながらステージクリアを目指す優雨とは対照的に、流歌が巧みな操縦でスコアを稼いでいく。彼の腕前に感心しながらも、かえってゲームが順調だと会話の種を見つける理由も宙に浮いてしまう。そうなると問題はこのゲームがエンディングを迎えたときに、どのようにして話を切り出すかだった。ステージが終盤に差し掛かると、ゲームの難易度とは別の部分でも優雨は焦燥を募らせていく。

「あの、さ」

 そんなとき、唐突に流歌が口を開いた。

「今日はありがとね。付き合ってくれて」

 弾幕を避けるのに必死だった優雨がそれに「ええ」と曖昧な返事で応じる。彼とは久々に会って話すのだが、その打診があったのは流歌の方からだった。

「ずっと考えてたんだ。この間のこと」

 ボタンとレバーにつきっきりな手を休ませることなく、彼の言葉に耳を傾ける。

「でも気持ちの整理とか全然つかなくて。優雨になんて話したらいいかもわかんなかったけど、先延ばしにしても変わんないと思ったから」

 それで顔だけでも見ようと思えるところが実に流歌らしい。悩むだけで行動に移せない自分とは人間性に天と地ほどの差がある―――しかし、そんな彼に返す言葉を見つけられないまま、ゲームは最終局面を迎えた。みるみる減っていく残機に焦りを覚えながらも、ラストボスの波状攻撃を必死に掻い潜る。強敵を前にした緊張感に全身が汗ばむのを感じた。

 二人の前に立ちはだかる巨大な敵の様相はダメージが蓄積する毎に変貌し、機械の姿から生身の肉体が入り混じった姿へ、更にはそれらが腐食したゾンビ形態に姿を変えた。

「必勝法だよ」

 幾度目かのコンティニューでようやくここまで辿り着いた優雨とは裏腹に、未だ残機に余裕のある流歌が高らかに宣言する。

 ラストボスのゾンビ形態を打ち破った瞬間、画面を覆いつくさんばかりの勢いだった弾幕が僅かに途切れた。その隙を見逃さなかった流歌が、露出した敵の中核部まで一気に肉薄する。彼の自殺行為ともいえる操作に呆気に取られていたが、直後にあっと驚くような光景がそこにはあった。

 最終ラウンドのゴングと同時に、流歌の機体が敵とほとんど密着した状態で射撃を始めた。零距離から弾丸の連射を浴びせかけられたボスの残り体力を示すバー表示がみるみる減っていく。そのままあっという間に決着がついた。

 オジョ、きさまこのゲームやり込んでいるなッ!・・・・・・などとリアクションするまでもなく、彼がこの手のゲームに精通していることは織り込み済みである。得意げな笑みでこちらを見上げる流歌が、手のひらを差し出してきた。その意図を優雨が汲むと、二人はすかさずハイタッチを交わす。ゲームはエンディングを迎えていた。

 敵軍の基地を叩き、激闘に終止符を打った彼らは脱出を図る。一方はキャタピラを引き裂かれて立ち往生し、一方は力なく瓦礫の山に不時着し―――愛機を乗り捨てた二人は何処かへと去っていく。移り変わる時間の流れに彩られるかのように、無数の弾痕や焦げ付きに覆われた車両の表面が朝日に、夕陽に、月の光に照らされた。

 美麗なグラフィックで表現された金属光沢を眺めていると、かつて自分に向けられた抜き身の刃が閃いた瞬間を思い出す―――明確な殺意をもって優雨の腹部に刺し込まれたそれは、しかし、彼を傷つけることはなかった。
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