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外交使節
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いつものように魔物狩りを終えた青焔の戦斧ことティアとその面々、調子が良いからともう少しだけ狩りを続行した。すると野良であるマードが入ってきて「一戦交えたい」と申し出て来た。
「構わないだろう、ねぇティア殿」
「げ、なにが構わないだよ!十分邪魔だよ」
「えぇ~良いじゃないか」
常日頃から付かず離れずと狩りに同行してきたマードはソロ冒険者として名を上げていた。ランクはBである、魔法剣士である彼は十分な素養を身に着けていた。ソロとしては十分過ぎる力を保有している。
「俺は歓迎するよ~、魔法が使えるのなら頼もしい」とはレタルである。
「ああ、俺としても助かる。タンクといっても限度があるからな」
「な!?お前ら……」
仕方なくノチェの方を伺うと彼女はニッコリと微笑み、二巡目は剣士が増えるのは良いことだと言う。
「いいじゃないですか、頼もしいです」
「う……ぐ、ノチェがそういうなら……」
渋々という体でマードの参加を許可した、本音を言えば極力関わりたくないのだが仕方がない。
「足を引っ張るなよマード、魔法剣士といっても補助程度なんだから」
「はは、宜しく頼む」
激しい剣戟を繰り出し、魔法を駆使した剣技は見事であった。
当初は危ぶまれていた剣士ふたりの呼吸だったが、始まってしまえばなんていう事はない。初めてとは思えない連携プレイで見事にトロールをバサバサと捌いて行く。
途中で現れたハーピーの幻術で惑わされたが、ノチェの防御魔法でなんなくクリアした。
「はぁ~お疲れさまでした。皆さん」
「お疲れ~」
「おつ」
「ふぃ~」
疲労困憊まではいかないが、そこそこの戦績を残した彼らは心地良い疲れに酔いしれていた。
「お疲れさまでした、王……マード様」
「うん、お疲れさま。ノチェ」
親し気に微笑む二人に、ワザとらしく割って入るティアは「やぁお疲れ」と言ってマードに肩を組んで来た。
「邪魔しないでくれたまえティア、ボクらは親睦を深めようと」
「邪魔ァ?いつだれが邪魔をしたって?」
「……キミって良い性格してるよね」
***
場所は変わってテンツフィール城では、2週間前に通達されていた外交使節の訪問に準備に追われていた。あまり親交がなかった国からの訪問とあってかなりバタついている。
「父上、急な訪問ですね。一体どこから」
「ああ、北のセントリブという国だ。麦を定期的に商団が下ろしていると聞くがそれだけだな」
顎髭をゾリゾリと扱いて、今更何用だろうと眉間に皺を作っている。国交は可も不可ないという状態だ。
鉱山で財を成している国は粗方が民を食い潰していると聞いていた。
テンツフィール国としては民を蔑ろにする輩とは関わりたくない。国の掲げる統治名目が真逆と言えた。
「なんにせよ外交はお前に任せて良いか、第一王子として……王太子の手腕を見せろ」
「御意、見事熟して見せましょう」
王太子としての手腕というが仮の指名であり、いうなれば”有能さを発揮せよ”という試験のようなものだ。
「お目通り叶いまして」
セントリブからの使節団は侯爵令嬢が率いるもので小規模だった、国交を目的とするとは思えない。第一王子グランは拍子抜けした。それでも国の代表として笑顔の仮面を貼り付けて接待する。
「ようこそ参られた、父王に代わりまして接待させていただく」
「まあ、嬉しゅうございますわ。オホホ」
名はマルベル・コレルアーニ侯爵令嬢、それ以上でもそれ以下でもない。さっさと儀礼を交わして去りたいと思った。そもそもな話、何故侯爵令嬢が来たのかまったく分からない。外交を任された以上は何かしらの取引であるはずだからだ。
じっと見つめるが何も取引らしいことは言ってこない。代わりに返すのは美しい微笑みだけ。
焦れたグランは問い詰めてみたが、返ってきた言葉は「仲良くなりたい」とだけだった。
「うふふ、私の外交は人との親睦、それだけでございますれば」
「……はぁ」
土産の品を受け取ったが、どれもこれも貴金属だ。さして目を引くものもない。それでも侯爵令嬢は”どこそこの彫金が””これは門外不出の品”と並べ立てて一人ご満悦である。
親交はそれほど良くないまま会談は終わる、グラン王太子は眉唾だったと肩を竦めた。
「彼女らは他に目的があると見た。それとなく探れ」
「御意」
「あぁ~肩が凝ったわぁ。なんにせよ潜入完了ね、後はあの子を探すだけ」
客人用の居室を与えられた彼女はゴリゴリと肩を揺らし、どこから探そうかと思案する。水盆は粗方な場所しか示さないので地道にやるしかないのだ。
女がひとりきりで異国の地で暮らすにはどうすべきか考えたが浮世離れした思考回路では思いつかない。
「女の武器は見目かと思うの。いくら不細工とはいえなんらかの形で色ごとに従事した所に住むはずよ」
的外れはことを宣う令嬢に外交官たちは「?」を浮かべる。
そこで、気を利かせたが外交官が進言する。
「まずは冒険者組合を訪ねるべきかと」
「冒険者ですって?なによそれは」
ギルドの仕組みをまったく知らない様子の彼女に懇切丁寧に教える。しかし、やはり納得していない令嬢だ。
「わかったわ、二通りにわけて探しましょう」
「構わないだろう、ねぇティア殿」
「げ、なにが構わないだよ!十分邪魔だよ」
「えぇ~良いじゃないか」
常日頃から付かず離れずと狩りに同行してきたマードはソロ冒険者として名を上げていた。ランクはBである、魔法剣士である彼は十分な素養を身に着けていた。ソロとしては十分過ぎる力を保有している。
「俺は歓迎するよ~、魔法が使えるのなら頼もしい」とはレタルである。
「ああ、俺としても助かる。タンクといっても限度があるからな」
「な!?お前ら……」
仕方なくノチェの方を伺うと彼女はニッコリと微笑み、二巡目は剣士が増えるのは良いことだと言う。
「いいじゃないですか、頼もしいです」
「う……ぐ、ノチェがそういうなら……」
渋々という体でマードの参加を許可した、本音を言えば極力関わりたくないのだが仕方がない。
「足を引っ張るなよマード、魔法剣士といっても補助程度なんだから」
「はは、宜しく頼む」
激しい剣戟を繰り出し、魔法を駆使した剣技は見事であった。
当初は危ぶまれていた剣士ふたりの呼吸だったが、始まってしまえばなんていう事はない。初めてとは思えない連携プレイで見事にトロールをバサバサと捌いて行く。
途中で現れたハーピーの幻術で惑わされたが、ノチェの防御魔法でなんなくクリアした。
「はぁ~お疲れさまでした。皆さん」
「お疲れ~」
「おつ」
「ふぃ~」
疲労困憊まではいかないが、そこそこの戦績を残した彼らは心地良い疲れに酔いしれていた。
「お疲れさまでした、王……マード様」
「うん、お疲れさま。ノチェ」
親し気に微笑む二人に、ワザとらしく割って入るティアは「やぁお疲れ」と言ってマードに肩を組んで来た。
「邪魔しないでくれたまえティア、ボクらは親睦を深めようと」
「邪魔ァ?いつだれが邪魔をしたって?」
「……キミって良い性格してるよね」
***
場所は変わってテンツフィール城では、2週間前に通達されていた外交使節の訪問に準備に追われていた。あまり親交がなかった国からの訪問とあってかなりバタついている。
「父上、急な訪問ですね。一体どこから」
「ああ、北のセントリブという国だ。麦を定期的に商団が下ろしていると聞くがそれだけだな」
顎髭をゾリゾリと扱いて、今更何用だろうと眉間に皺を作っている。国交は可も不可ないという状態だ。
鉱山で財を成している国は粗方が民を食い潰していると聞いていた。
テンツフィール国としては民を蔑ろにする輩とは関わりたくない。国の掲げる統治名目が真逆と言えた。
「なんにせよ外交はお前に任せて良いか、第一王子として……王太子の手腕を見せろ」
「御意、見事熟して見せましょう」
王太子としての手腕というが仮の指名であり、いうなれば”有能さを発揮せよ”という試験のようなものだ。
「お目通り叶いまして」
セントリブからの使節団は侯爵令嬢が率いるもので小規模だった、国交を目的とするとは思えない。第一王子グランは拍子抜けした。それでも国の代表として笑顔の仮面を貼り付けて接待する。
「ようこそ参られた、父王に代わりまして接待させていただく」
「まあ、嬉しゅうございますわ。オホホ」
名はマルベル・コレルアーニ侯爵令嬢、それ以上でもそれ以下でもない。さっさと儀礼を交わして去りたいと思った。そもそもな話、何故侯爵令嬢が来たのかまったく分からない。外交を任された以上は何かしらの取引であるはずだからだ。
じっと見つめるが何も取引らしいことは言ってこない。代わりに返すのは美しい微笑みだけ。
焦れたグランは問い詰めてみたが、返ってきた言葉は「仲良くなりたい」とだけだった。
「うふふ、私の外交は人との親睦、それだけでございますれば」
「……はぁ」
土産の品を受け取ったが、どれもこれも貴金属だ。さして目を引くものもない。それでも侯爵令嬢は”どこそこの彫金が””これは門外不出の品”と並べ立てて一人ご満悦である。
親交はそれほど良くないまま会談は終わる、グラン王太子は眉唾だったと肩を竦めた。
「彼女らは他に目的があると見た。それとなく探れ」
「御意」
「あぁ~肩が凝ったわぁ。なんにせよ潜入完了ね、後はあの子を探すだけ」
客人用の居室を与えられた彼女はゴリゴリと肩を揺らし、どこから探そうかと思案する。水盆は粗方な場所しか示さないので地道にやるしかないのだ。
女がひとりきりで異国の地で暮らすにはどうすべきか考えたが浮世離れした思考回路では思いつかない。
「女の武器は見目かと思うの。いくら不細工とはいえなんらかの形で色ごとに従事した所に住むはずよ」
的外れはことを宣う令嬢に外交官たちは「?」を浮かべる。
そこで、気を利かせたが外交官が進言する。
「まずは冒険者組合を訪ねるべきかと」
「冒険者ですって?なによそれは」
ギルドの仕組みをまったく知らない様子の彼女に懇切丁寧に教える。しかし、やはり納得していない令嬢だ。
「わかったわ、二通りにわけて探しましょう」
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