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「悪いな好きな人ができたんだ、だから別れて欲しい」
「そうですか」
何度目かわからない別れ話をされたリーザは目が死んでいた。
「ところでマークス、これは何度目のことか覚えてる?」
「え、……さぁ?」
”今月だけで6回目よ”
リーザは真顔で教えた、しかしマークスはキョトンとした顔をしただけだった。
少なからず相手を傷つける行為をしているのに罪悪感がないようだ。
「ところでリーザ、どうして公園なんだい?ボクはカフェでケーキを食べながら話したかった」
「別れ話の度に私に集るからでしょ、いい加減にしてよ、サヨナラ」
元恋人を置いてさっさと馬車に乗りこむリーザ。
だがマークスは駆け寄ってきてドアを叩いた、いまさらなんの用だとリーザは不快な表情を剥き出しにした。
何言か叫んでいるが知ったことではない。
「さっさと帰りましょう、小腹が空いたわ」
「では、お屋敷に着きましたらオレンジケーキをお出ししましょう」
同乗していた侍女が予め用意していたらしいオレンジムースのケーキを聞いて機嫌が良くなるリーザである。
***
一方、置き去りにされたマークスは奢られるつもりだったカフェを無念そうに見つめていた。
「仕方ないなぁ……また恋人にしてあげなきゃね。ふふ、泣いて喜ぶぞ。でも最近は泣いて縋って来ないからツマラナイや、毎回嘘の浮気じゃ効果がないのかな?」
貧乏男爵家の次男のマークスは恋人ごっこを楽しんでいた腹黒だ。
裕福な伯爵家の長女のリーザとは恋仲のつもりだ、周囲がどう思っているかなどお構いなしなのだ。
「まぁいい、そのうち婚約してやるからさ。せいぜい楽しませてよ。バカで可愛いリーザ」
次男を乗せるような馬車はないので、マークスは辻馬車を拾って帰宅した。
いつもならリーザが彼を送っていくのだが、今回は置き去りにされてしまった。
リーザの心はとっくに冷めているという事に気が付かない愚かな男である。
「そうですか」
何度目かわからない別れ話をされたリーザは目が死んでいた。
「ところでマークス、これは何度目のことか覚えてる?」
「え、……さぁ?」
”今月だけで6回目よ”
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少なからず相手を傷つける行為をしているのに罪悪感がないようだ。
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「別れ話の度に私に集るからでしょ、いい加減にしてよ、サヨナラ」
元恋人を置いてさっさと馬車に乗りこむリーザ。
だがマークスは駆け寄ってきてドアを叩いた、いまさらなんの用だとリーザは不快な表情を剥き出しにした。
何言か叫んでいるが知ったことではない。
「さっさと帰りましょう、小腹が空いたわ」
「では、お屋敷に着きましたらオレンジケーキをお出ししましょう」
同乗していた侍女が予め用意していたらしいオレンジムースのケーキを聞いて機嫌が良くなるリーザである。
***
一方、置き去りにされたマークスは奢られるつもりだったカフェを無念そうに見つめていた。
「仕方ないなぁ……また恋人にしてあげなきゃね。ふふ、泣いて喜ぶぞ。でも最近は泣いて縋って来ないからツマラナイや、毎回嘘の浮気じゃ効果がないのかな?」
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「まぁいい、そのうち婚約してやるからさ。せいぜい楽しませてよ。バカで可愛いリーザ」
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