完結 愛される自信を失ったのは私の罪

音爽(ネソウ)

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憤慨

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「これはどういう事かな……ブリちゃんや、どうして規約が突然に……定款ていかんのほとんどが無効になっているんだい?」
ロベル卿の顔は笑顔を取り繕っているものの、そこには言いようのない怒りと不信感を滲ませていた。そう、全ては愛娘のブリタニーがやらかした事である。いくら娘が可愛いからとこの我儘は容認できるはずがない。

「だーかーらー、ロベル家の力を向こうに知らしめてあげる為なのよ!数日も経たず泣きついてくるはずだわ、御父様の才覚を思い知るが良いんだわ!そしてこう言ってくるはずよ”ブリタニー様を是非嫁”にとね、キャハハハハッ!」
愉悦に浸っている愚かな娘を見て、初めて殺意を覚える卿である。

「なんて事をしてくれたんだ!すぐに撤回をしなければ我が家終わりだ!愚かな娘が申し訳ない事をしたとな、恐らく無効にしてくれるだろうが……あぁ、執事よ!今すぐ先触れを出すのだ!」
蒼くなったロベル卿はすぐさまにでもレスリー家に向かわんと礼服に着替え始めたではないか。これにはブリタニーは酷く驚く。

「お父様?どうしてそんなに慌ててるの?たかが親戚の侯爵相手に」
すると父親はいままで見た事もない形相をしたかと思えば娘の顔をグーで殴り倒した。平手打ちでは足りないと卿は判断したのだ。
ブリタニーの身体はゴロンゴロンと音を立てるかのように床に4~5回ほど転がりドタンと向こう壁にぶち当たる。幸いにも分厚い絨毯のお陰で派手な音は吸収されたようだ。

「おっ……ゴホッ、おどうだま御父様?ど…ぅ…して」
鼻を潰された彼女は床を這い父親の元へとやってこようとした、ボタボタと流れ落ちる鼻血が上等な絨毯を汚して行く。

「お前にはがっかりした、甘やかしし過ぎたわい。然るべき処遇を言い渡そう。覚悟しておくんだな」
卿はそれだけ言うと娘をそのまま放置して、大きな音を立てながら部屋を出て行った。


***



その後、ロベル卿の申し開きを聞かされたレスリー側は、冷ややかな表情で言い訳を聞き流した。
ロベル卿は床にめり込むのではないのかと思うほど低姿勢で、額をこすり付けて必死に非礼を詫びたものだ。

「ふん、あの狸親父が。どのように娘に己の能力を伝えていたのか。大方、自分がレスリーの領地を切り盛りしているとでも法螺でも吹いたか」
レスリー卿は面白そうにニヤけた、実際は領から収穫出来る芋類を仕分けして発送していた程度である。彼はその現場を仕切っていた、馬鹿でも出来る仕事なので順調にやっていただけだ。

「たかが芋と言いますがそれから取れる澱粉は中々な収入源ですから。夏時分には多岐に渡り欲する者がいます」
ブラッドが卿の言葉を拾ってそう言う。
「うむ、わかっておる。ベビーパウダーだろう?あれは良い、それからビールだ今年も美味いものが作れるだろう」
ホクホク顔のレスリーは偏った事ばかりいうが、「医薬品や化粧などにも使われております」と息子に突っ込まれる。

「ワハハハッ!わかっているとも、どれヤツの取り分を2割ばかり引くとするか」
「父上、それではほとんど我が家が独り占めも同然じゃないですか」
「かまわん、甘い汁はもう吸わせぬ。異議は認めぬよ、元々はうちで十分やっていたのだからな」

縁戚だからと頭を下げられ事業の一端を任せてきたが、もう終いだとレスリー卿は嗤う。






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