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しおりを挟む翌日から始まったパルフェは瞬く間に評判となり、老若男女が我も我もと食べに来た。しかも安価で好きなフルーツを選べるときた、誰も彼もがパルフェに夢中になった。
「うーん、美味しいわぁ。私はやっぱりメロンかね、それにサクランボをトッピングして」
大家さんは連日のように訪れて舌鼓を打った、銀貨一枚と設定したサラジーヌは「高過ぎますか?」とおろおろした。
「何言ってんの、アイスとクリームがついて銀貨一枚だなんて破格だわよ!もう一杯お代わり、今度は苺とイチジクをね」
「はい、ありがとうございます。でもお腹壊しますよ?」
「なーに、その時はその時よ!アハハハッ!」大家さんは中々豪快な食べっぷりだ。
給仕をやっているエメリは「ふぅ」と溜息を吐き、やっぱり人手が足りないと言う。それを聞いたサラジーヌはやはり新たに雇うことにした。
「あまり人は雇いたくないけれど仕方ないわね」
「ジリーといいます、よろしくお願いします!ここのパルフェのファンです」
彼女は平民でまだ14歳だという、初々しい態度にサラジーヌは好感を持った。金貨2枚にパルフェ食べ放題を付けた。彼女は大喜びで「食べ放題」に食いつく。
「パルフェ食べ放題とはずいぶん太っ腹だね~」
「ふふ、お腹が心配だけどね」
***
その日からジリーは張り切って働いてくれた、賄いであるパルフェを3杯ペロリと平らげて「もうちょっと食べられます」と笑う。
「それなら桃は如何?小腹に良いと思うの」
「やったー!食べます食べます!」
元気いっぱいのジリーは看板娘としても良くやってくれた、お土産だと言って渡した梨を喜んで貰って行く。
「明日もよろしくね、明後日は休みだから」
「はい、また!おやすみなさい」
店を片付けながらサラジーヌは鼻歌を歌う、そこに洗い物を終えたエメリが「おつかれ」と言ってやってきた。
「お疲れさま、こちらも終わったところよ」
エプロンを外しながら彼女は「お茶でも如何?」と声を掛けた、彼は嬉しそうに喉が渇いていたと言う。
「ねぇ、サラ。明後日は店を休むのだろ?」
「ええ、水曜で割と人が来ないからね。何か問題でもあったかしら」
するとエメリは少し黙り込んでからこう言った、「明後日、一緒に出掛けないか」と……。
「え、お出かけ……私とエメリで?」
「い、嫌かな?明後日は少し遠出して食事をして、それから歌劇を観ようよ」
「ええぇえ!」
「ごめん、いきなりで済まなかった!聞かなかったことにし…」
「まぁ!嬉しいわ。ありがとう!楽しみにしているわ!」
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