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アデライド浮気を疑われる
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それから数カ月、形だけの結婚状態に陥ったアデライド夫妻は、関係がすっかり冷めていつ離縁するかわからない。そんな時、あり得ないことが起こる。
なんと方々を駆けまわり領地運営に尽力してきたアデライドに「浮気しているのはアデライドの方」と噂が立ったのである。これにはアデライドが義憤に駆られたのは言うまでもない。
噂の出処を探してみればシャルルとその愛人であると露見する、彼女は呆れ「怒るのも馬鹿らしい」と言い放った。
「どうしてこのような稚拙な事をするんでしょう、頭が湧いているとしか思えないわ」
しかし、放っておくのも良くないと父のルフィント卿が動いた。関わりたくないと思っているアデライドは一切を任せることにした。
「お願いします、お父様。本来は私が火消しに奔走すべきなのですが」
「いいや、構わんよ。お前は何もかも自分で解決しようとする、こんな時こそ甘えるが良い」
「感謝いたします、では西方の災害対策に向かいます。すでに策はされているでしょうが念のために」
利発なアデライドはお辞儀をすると早速と出かける準備を整え旅立って行った。それを頼もしいと見送りながら、卿はシャルルの事を許さんと怒髪天を衝くが如く勢いで執務室を出て行った。
「許さんぞ羽虫が!目にも見せてくれよう!」
***
「はははっ!いいぞ噂雀は何処にでもいるものだ、アデライドめ!忙しい振りをして不貞を働いた罰だ!」
「そうですぅ、貴方こそが正義なのですわぁ!毎週と方々に行くのは可笑しいですものぉ」
「まったくその通りさ!少なくとも三人は相手がいるな!」
「まぁ、三人も?うらやま……じゃなくてオホン!お盛んな事ねぇオホホ」
自分達の事を棚上げにして言いたい放題なシャルルたちである、確かな情報も持たないまま”浮気をしている”と決めつけた彼らは愚かにも程があった。
今はメイドを辞めて子爵家の離れに匿われているメリエ・ガンゼフは半裸の恰好のまま水菓子を食べていた。チュッと葡萄を食むとそのままシャルルの口に持っていきプチリと爆ぜさせていた。
「あぁ甘い、蕩けそうだよハニー。こちらの桃も一つ食べたいなぁ?」
彼はそういうとたわわなメリエの胸元を弄った。
「ああん!駄目よぉ……んふぅ」
「ふふ、嫌いじゃないだろう?」
この世の春を堪能しているシャルルたちは怖ろしい魔王が迫っているとは知らない。
なんと方々を駆けまわり領地運営に尽力してきたアデライドに「浮気しているのはアデライドの方」と噂が立ったのである。これにはアデライドが義憤に駆られたのは言うまでもない。
噂の出処を探してみればシャルルとその愛人であると露見する、彼女は呆れ「怒るのも馬鹿らしい」と言い放った。
「どうしてこのような稚拙な事をするんでしょう、頭が湧いているとしか思えないわ」
しかし、放っておくのも良くないと父のルフィント卿が動いた。関わりたくないと思っているアデライドは一切を任せることにした。
「お願いします、お父様。本来は私が火消しに奔走すべきなのですが」
「いいや、構わんよ。お前は何もかも自分で解決しようとする、こんな時こそ甘えるが良い」
「感謝いたします、では西方の災害対策に向かいます。すでに策はされているでしょうが念のために」
利発なアデライドはお辞儀をすると早速と出かける準備を整え旅立って行った。それを頼もしいと見送りながら、卿はシャルルの事を許さんと怒髪天を衝くが如く勢いで執務室を出て行った。
「許さんぞ羽虫が!目にも見せてくれよう!」
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「はははっ!いいぞ噂雀は何処にでもいるものだ、アデライドめ!忙しい振りをして不貞を働いた罰だ!」
「そうですぅ、貴方こそが正義なのですわぁ!毎週と方々に行くのは可笑しいですものぉ」
「まったくその通りさ!少なくとも三人は相手がいるな!」
「まぁ、三人も?うらやま……じゃなくてオホン!お盛んな事ねぇオホホ」
自分達の事を棚上げにして言いたい放題なシャルルたちである、確かな情報も持たないまま”浮気をしている”と決めつけた彼らは愚かにも程があった。
今はメイドを辞めて子爵家の離れに匿われているメリエ・ガンゼフは半裸の恰好のまま水菓子を食べていた。チュッと葡萄を食むとそのままシャルルの口に持っていきプチリと爆ぜさせていた。
「あぁ甘い、蕩けそうだよハニー。こちらの桃も一つ食べたいなぁ?」
彼はそういうとたわわなメリエの胸元を弄った。
「ああん!駄目よぉ……んふぅ」
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