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薔薇園での醜態
アンクタンの王太子アンドレには婚約者いた、バダンテール侯爵家のロズアンナ令嬢が彼の伴侶となる予定である。
成人する2年後に彼らは結婚する。
そのロズアンナはいつも通り王妃教育を受けるために登城していた。
王妃が待つ部屋までの順路の途中に素晴らしい薔薇園があった、彼女はそこを通るのを楽しみにしている。
「丁度薔薇の見頃のはずだわ、少し寄り道しちゃいましょう」
早めに出立してきた彼女は侍女を連れて道を左側へ逸れた、濃い薔薇の香りが鼻を掠める。
やや足早になり目的の庭園に急ぐ、花の香りはどんどん濃くなり心も踊る。
しかし、アーチに来たところで彼女の足がピタリと停止した。背後で訝しむ侍女が主の身体の陰から様子を覗う。
侍女の目に映ったのは悍ましい光景だった。
半身を露わにした女性とそれに抱き着き熱のこもった溜息を吐く男の姿があった。
それは聖女ベアトリスとアンドレだった、人目はないと思っていたのか彼らは絡み合い戯れていた。
大きく弾力ある聖女の胸に顔を埋めて、荒い息を吐く王子はすぐ近くにいる婚約者の姿に気が付かない。
ロズアンナは怒りに震えながらも無言でそこを立ち去った。
「う……気持ちが悪い……なんてことかしら!」
「お、お嬢様。お屋敷にもどりますか?」
勉強どころではなくなった彼女は侍女の進言に頷くと元来た道を引き返していった。
「今日の出来事は看過できないわ、お父様にご報告いたしましょう、いいわね?」
「はい、もちろん録画済でございます」
出来る侍女はピアス型の録画魔道具をキラリとさせて答えた。
***
「あぁキミほど可憐な人は見たことが無い!体の相性も申し分ないし。どうだろうか、このままこの国に留まって私の愛妾にならないか?」
「わたしぃお金ない人には興味ないの、だって豊かに暮らすには必要でしょ?」
衣服の乱れを直しながらベアトリスは言う、己の欲に忠実な彼女は愛も金も同等に掴み面白おかしく生きたいのだ。
「金ならばあるぞ、私は茶畑はもちろんワイナリーも所持している、広大な土地に実る葡萄畑を見せてやるぞ」
「まぁ、ワイナリー?なんて素敵なのかしら!わたしぃワインに目が無いのよぅ」
ただのスケベ王子ではないと知った彼女は急に態度を柔らかくして彼にしな垂れかかった。
「わたしが生まれたバルテフォレスの王侯貴族は真面目過ぎてつまんないと思ってたのぉ、でも貴方となら楽しく暮らせそうね」
「あぁ、もちろん生活に不自由はさせないさ。キミさえ良ければ側室にしてもかまわない」
「側室?正妃じゃなくて?」
愛妾や側室と言われた彼女は少し不満そうな顔をした。
だが王子は顔と身体が良くても、オツムの方がヤバそうな聖女には王妃は無理と判断していた。お飾り王妃に据えたとしても外交で失敗しそうなのが目に見えていた。
「正妃はなにかと面倒な事が多い、学ぶことは膨大だし政務もしなければならないぞ、キミは勉強したいかい?」
「うーん、勉強は嫌かな……字が邪魔」
それを聞いた王子はやはり愛妾にして側に置くべきだと愚考したのである。
こうして一時の情欲に溺れた彼は身を落としていくのだ。
成人する2年後に彼らは結婚する。
そのロズアンナはいつも通り王妃教育を受けるために登城していた。
王妃が待つ部屋までの順路の途中に素晴らしい薔薇園があった、彼女はそこを通るのを楽しみにしている。
「丁度薔薇の見頃のはずだわ、少し寄り道しちゃいましょう」
早めに出立してきた彼女は侍女を連れて道を左側へ逸れた、濃い薔薇の香りが鼻を掠める。
やや足早になり目的の庭園に急ぐ、花の香りはどんどん濃くなり心も踊る。
しかし、アーチに来たところで彼女の足がピタリと停止した。背後で訝しむ侍女が主の身体の陰から様子を覗う。
侍女の目に映ったのは悍ましい光景だった。
半身を露わにした女性とそれに抱き着き熱のこもった溜息を吐く男の姿があった。
それは聖女ベアトリスとアンドレだった、人目はないと思っていたのか彼らは絡み合い戯れていた。
大きく弾力ある聖女の胸に顔を埋めて、荒い息を吐く王子はすぐ近くにいる婚約者の姿に気が付かない。
ロズアンナは怒りに震えながらも無言でそこを立ち去った。
「う……気持ちが悪い……なんてことかしら!」
「お、お嬢様。お屋敷にもどりますか?」
勉強どころではなくなった彼女は侍女の進言に頷くと元来た道を引き返していった。
「今日の出来事は看過できないわ、お父様にご報告いたしましょう、いいわね?」
「はい、もちろん録画済でございます」
出来る侍女はピアス型の録画魔道具をキラリとさせて答えた。
***
「あぁキミほど可憐な人は見たことが無い!体の相性も申し分ないし。どうだろうか、このままこの国に留まって私の愛妾にならないか?」
「わたしぃお金ない人には興味ないの、だって豊かに暮らすには必要でしょ?」
衣服の乱れを直しながらベアトリスは言う、己の欲に忠実な彼女は愛も金も同等に掴み面白おかしく生きたいのだ。
「金ならばあるぞ、私は茶畑はもちろんワイナリーも所持している、広大な土地に実る葡萄畑を見せてやるぞ」
「まぁ、ワイナリー?なんて素敵なのかしら!わたしぃワインに目が無いのよぅ」
ただのスケベ王子ではないと知った彼女は急に態度を柔らかくして彼にしな垂れかかった。
「わたしが生まれたバルテフォレスの王侯貴族は真面目過ぎてつまんないと思ってたのぉ、でも貴方となら楽しく暮らせそうね」
「あぁ、もちろん生活に不自由はさせないさ。キミさえ良ければ側室にしてもかまわない」
「側室?正妃じゃなくて?」
愛妾や側室と言われた彼女は少し不満そうな顔をした。
だが王子は顔と身体が良くても、オツムの方がヤバそうな聖女には王妃は無理と判断していた。お飾り王妃に据えたとしても外交で失敗しそうなのが目に見えていた。
「正妃はなにかと面倒な事が多い、学ぶことは膨大だし政務もしなければならないぞ、キミは勉強したいかい?」
「うーん、勉強は嫌かな……字が邪魔」
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こうして一時の情欲に溺れた彼は身を落としていくのだ。
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