転生したら、HEROになれるはず

緋咲 ツバメ

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選考

審査②

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「次は誰だ。」
その問いに殆どの者は俯いていた。
国内ではそれなりに噂を聞いた事があるハーリーの結果に心を折られていた。
「誰もおられぬ様なら………仕方ない。」
隅で座り込み、様子を見ていた眼帯姿の男が立ち上がり、前へと進み出てきた。
「名前は?」
「ブソンと申します。」
「では、誰を指名する?」
「では………ルドラ殿を。」
運び終え、闘技場に戻ってきたルドラはニヤリと口角をあげていた。
ブソンはルドラと同じく槍を手にし、向かい合った。
まずは牽制の意味もあるのか、ルドラの槍先を払いながら、回り込もうと。
ルドラは冷静にブソンを観察し、距離を詰めていった。
ブソンが何度、槍を突き出そうとも薙ぎ払う様にルドラに向けても、槍先がルドラにかする事さえなかった。
それでもブソンは槍先をルドラに向け続け、闘争心を失う事はなかった。
だが、ルドラと対峙していて、体力を消耗したのか急に動きが格段に落ちた。
ルドラはそれを感じると、ブソンの鳩尾へ槍先を突き出した。
刃は潰してあるとは言え、衝撃は想像以上であり、ブソンの口からは鮮血が。
それでもブソンは槍を再びルドラに向けようとしていた。
だが、その槍は地面に落ち、ブソンは前のめりに崩れ落ちた。
リョーはリザードマンに外へ運ぶ様に指示し、再び。
「次の希望者は誰だ?」
水を打った様な沈黙に包まれていたが、ゆっくりと手を伸ばすモフモフの手が見えた。
他と比べて、小柄な獣人であった。
「名前は?」
「アンリです。」
その声は明らかに震えていた。
先程まで静かであった他の参加者はニヤニヤしながら見ていた。
「で……アンリ、誰を指名する?」
アンリを言葉を発さず、リョーを真っ直ぐに見ていた。
リョーは少し驚いた表情を浮かべたが、真剣な表情になり。
「なら、始めよう。」
リョーとアンリは静かに対峙し、アンリが先に動いた。
勿論、結果は言うまでもなく、アンリの攻撃はことごとくリョーに軽くあしらわれた。
最初はアンリの実力を見る為か、攻撃はせずに防戦に徹底していた。
アンリは小さく、俊敏な身体を生かし、リョーと距離を取り、魔法を主体に組み立てていた。
ある程度の魔法を見ると、リョーはアンリに距離を取らせずに攻撃を当て始めた。
それは周りからまるで猛獣が小動物をじゃれて、弄ぶかのに見えた。
だが、アンリは何度も立ち上がり、リョーに向かっていった。
最後は立ち上がれずに、それでも身体を起こそうと震わしていた。
リョーはそんなアンリをルドラに指示し、闘技場の外へ。
「次は誰だ。」
アンリの姿を見て、心が動くより……三人の実力に心が折れてしまった者が殆どであった。
「………居ないのか。居ないなら、審査を終わりにしようか?」
今のを見て、更に誰も手をあげようとはしなかった。
「誰も希望する者は居ないんだな………では……結果を伝える。エド・ハーリー、ブソン、アンリ………以上の三名、合格だ。」
その言葉に闘技場はざわついた。
「何か勘違いしてる様だが、今回はあくまでも実力を見るのが目的だ。勝敗なんて結果は分かりきってる。戦う前に相手にビビってしまう人間に何を護衛出来るんだ。それに護衛衆なんて相応しい実力になるまで鍛えればいい。但し、命の保証はしないがな。」
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