転生したら、HEROになれるはず

反乱？

調査

レーラはそう言うと、ギルドを出ていこうとした。
「何の情報も聞かずに行くのか？」
ゲイガは声を掛けた。
現在までの情報はアリスには渡されていた。ただ全てが知らされてる訳ではない。
ゲイガからの話を聞いてる最中、レーラはチラチラとこちらを見ていた。
だが、急に立ち上がり、ゲイガに質問した。
「ねぇ、メンバーの変更は出来ないの？ギルドで募集かけるとか。」
つまり要約すると、Ｅランクにしては強い方だとは思うが、リョーやランクも未定な虎丸より政都であるトラントなら強い冒険者は幾らでも見つかるのに、何故この２人がメンバーなのか不満であると。
こちらはカルバらの処刑がかかっているのに。
ゲイガはリョーを見た。
「どうする？それなりのランカーを集める事も出来るが……。それとも特例措置を出そうか？」
レーラは力強く頷いた。
だが、ゲイガの視線は冷たく。
「話してるのはお前ではない。……リョー、本来のこの依頼は調査の協力しか出来ない案件だ。ギルドマスターとして、可能ならば解決まで許可する特別な依頼に変更した。だが……数日間、見てきた立場から言えば、二人を外し、他を探す方が賢明だぞ。敵の正体が分からぬ以上。」
ゲイガはレーラを見ていた。
レーラはショックであった。
それなりに強くなってきたつもりであったのに、ゲイガの言葉が。
そして、信じると言ってくれたカルバに申し訳なく、認める訳にはいかなかった。
「じゃあ……そいつより、テッドの方が劣ると言うの？本気になれば、テッドの相手にも。」
テッドは俯きながら。
「止めてくれ。悪いが、ちょっとホッとしてるんだ。何も分からない反乱軍を相手にしなくてもいいって思うと。しかも、カルバさんらの命を背負って……それを考えると怖いんだよ。俺はその二人と違うんだって。アイツらは強いよ……明らかにな。レーラ、ホントはアイツらの方が強いって分かってるだろ？」
レーラは肩を震わせてるテッドを見て、何も言えなくなり、力なく座り込んだ。
「この事件って、そんなに大掛かりじゃないですよね。それに……何かを隠そうとしてません？」
ゲイガはその言葉に少し顔を曇らせた。
「もし、そうだとして……その可能性があってもクビを突っ込むのか？」
ゲイガを見ながら、頷くと。
「もし、同じ情報を掴んでて、それが本当であっても……何もしてやれないかもしれないぞ。」
ゲイガは部屋の窓から街の日常風景を見ながら。
「で、どうする？」
リョーは二人を見た。
テッドはこちらを見ながら。
「聞いてなかったのか？今、ホッとしてるって。強くないんだぞ、オレは。それが分かってるのに、何を求めるんだ？」
「聞いてなんかないよ、甘えた泣き言なんか。」
その言葉に反応したのはレーラであった。
「それは言い過ぎじゃないの。強くても、人の痛みが分からないの？テッドだって、頑張ってるの分からないの。そんなに悪い事？それに関係ないよね、キミには。」