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新天地
鍛冶屋への道
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再開してから、初っ端がいきなり早朝から夜中までかけ、一つの業物を仕上げる。
「ダメだな、やっぱ腕落ちてた。」
鍛え上げたソードを見ながら、ため息まじりに。
それから朝から晩まで工房で鎚を振り続けた。
約1日かけ、ひとつの作品を鍛え上げるモノを見て、ため息を漏らすオード。
オードは一つの作品に全てを込めるので、翌日は休みになる。
だから、極力……その休みに鍛錬に当てるようにしてる。
なかなかオードは自分が納得出来るまでに腕が戻らない事に苛立っていた。
「やっぱり無理か……こんなモノしか出来ないなら、やっぱ復帰は辞めるか。」
それを否定する事は出来なかった。
オードの作品は本人は嘆いてるが、それなりの業物だと思う。
だが、それが名工として、呼ばれる品かと聞かれると……デュードの工房で見たオードの作品とは全く違った。
何が違うかは上手く言えないが………。
オードは納得出来ないまま、鎚を振り続けた。
オードは徐々に勘を取り戻してきていたが、それでもまだ納得する一品はなかなか出来ないみたいだ。
そんなある夜、オードは俺を呼び出した。
「お前さ、このまま、ここに居るのか?」
その言葉に即答出来なかった。
「もうすぐ15になるんだろ。冒険者として、旅に出んのか?」
「よく分かんないんだよ。無心で鎚振るの楽しいし。」
「楽しいか……。」
それ以降、口を開こうとはしなかった。
それから数日後、この街にある一行がやってきた。
「あれ、キミって………。」
鍛冶場で必死に鎚を振ってると、外から声が聞こえた。
「あっ、リョー。」
その声の主はサラとティーロだった。
サラは学院を卒業し、ギルドに登録したらしい。
「そのさ……元気だった?」
サラは気まずそうに話しかけてきた。
「キミ、鍛冶屋になるの?」
ティーロは空気を読まずに聞いてきた。
「どうだろ。今は鍛冶屋、楽しいから。」
ティーロは工房内の剣を見ながら。
「そうなの?剣士としても、なかなか良さそうなのにね…………これって、売り物なの?」
ショートソードを手に取りながら。
「多分、売り物じゃないと思いますよ。」
ティーロは残念そうに。
「良さそうなのに…残念だな。」
「リョー、パパを許してあげてね。」
無言でいると。
「そうよね、そんなに簡単に許せないよね。」
何も言ってないのに、サラは勝手に納得してた。
「小僧、知り合いなのか?」
オードはやってきて、そう尋ねた。
ティーロは近づいていき。
「あの、このショートソードを売って頂けませんか?」
オードの返事はあっさりとOKであった。
理由を聞くと、小僧の知り合いだったら、売ってやるしかないだろ。
ティーロは嬉しそうに帰っていった。
サラはまだ何か言いたそうであったが。
二人が去った後、しばらくオードは何かを考えこみ、何かを決めたように。
「小僧、あの騎士……そのうち、有名になりそうだな。……明日からちょっと厳しくなるから、今日は早く寝ろよ。」
オードが言う様に次の日から………辛かった。
そんな日々が続き、15歳を迎えて、しばらく経った。
その頃にはオードは納得出来るモノがチラホラ出来る様になっていた。
そんなある日の晩、オードは神妙な顔をして、俺を呼び出した。
「明日からお前には一切、何も触れさせん。」
【えっ?もしかして、何かやっちまった?】
そんな事を考えてると。
「明日も早いから、寝ろ。そして、見逃すな。」
翌日、工房に行くと、そこには白装束のオード、デュード、そしてもう一人がいた。
そのもう一人は王都で鍛冶屋を開いてるオードの筆頭弟子でニールらしい。
「全身全霊を込めて…これから打ち上げるぞ。」
いつもより更に重々しく雰囲気が漂わせながら、奥から白布に包まれた大鎚、小鎚を運んできた。
それからは繰り広げられた光景は、ただ一言で凄かった。
三日三晩寝ずに一本の剣が鍛えられた。
その一本を鍛え終わると、オード以外の2人は倒れるように眠りこんだ。
オードは肩で息をしながらも、仕上げとして剣の付け根に刻印をした。
よく考えたら、今までオードは自分の銘を入れてなかった。
つまり、この一本は銘を入れるに値する仕上がりなんだろう。
「小僧、ちゃんと見てたか?……寝る……。」
そういうと、崩れる様に眠り込んだ。
オードらは夕方まで起きる事はなかった。
だが、起きると…その日はどんちゃん騒ぎだった。
朝が空けるまで3人は騒ぎ続けた。
翌朝、王都へ戻るニールが。
「ありがとう。キミのおかげで久しぶりに親方の技を見れたよ。でも、残念だな………キミの鍛冶の腕が見れないのは。」
デュードも昨日の夜。
「リョー、お前には鍛冶の才能はある………だけど、親方には親方の考えがあるんだよ。」
……………オレ、クビになる?
「ダメだな、やっぱ腕落ちてた。」
鍛え上げたソードを見ながら、ため息まじりに。
それから朝から晩まで工房で鎚を振り続けた。
約1日かけ、ひとつの作品を鍛え上げるモノを見て、ため息を漏らすオード。
オードは一つの作品に全てを込めるので、翌日は休みになる。
だから、極力……その休みに鍛錬に当てるようにしてる。
なかなかオードは自分が納得出来るまでに腕が戻らない事に苛立っていた。
「やっぱり無理か……こんなモノしか出来ないなら、やっぱ復帰は辞めるか。」
それを否定する事は出来なかった。
オードの作品は本人は嘆いてるが、それなりの業物だと思う。
だが、それが名工として、呼ばれる品かと聞かれると……デュードの工房で見たオードの作品とは全く違った。
何が違うかは上手く言えないが………。
オードは納得出来ないまま、鎚を振り続けた。
オードは徐々に勘を取り戻してきていたが、それでもまだ納得する一品はなかなか出来ないみたいだ。
そんなある夜、オードは俺を呼び出した。
「お前さ、このまま、ここに居るのか?」
その言葉に即答出来なかった。
「もうすぐ15になるんだろ。冒険者として、旅に出んのか?」
「よく分かんないんだよ。無心で鎚振るの楽しいし。」
「楽しいか……。」
それ以降、口を開こうとはしなかった。
それから数日後、この街にある一行がやってきた。
「あれ、キミって………。」
鍛冶場で必死に鎚を振ってると、外から声が聞こえた。
「あっ、リョー。」
その声の主はサラとティーロだった。
サラは学院を卒業し、ギルドに登録したらしい。
「そのさ……元気だった?」
サラは気まずそうに話しかけてきた。
「キミ、鍛冶屋になるの?」
ティーロは空気を読まずに聞いてきた。
「どうだろ。今は鍛冶屋、楽しいから。」
ティーロは工房内の剣を見ながら。
「そうなの?剣士としても、なかなか良さそうなのにね…………これって、売り物なの?」
ショートソードを手に取りながら。
「多分、売り物じゃないと思いますよ。」
ティーロは残念そうに。
「良さそうなのに…残念だな。」
「リョー、パパを許してあげてね。」
無言でいると。
「そうよね、そんなに簡単に許せないよね。」
何も言ってないのに、サラは勝手に納得してた。
「小僧、知り合いなのか?」
オードはやってきて、そう尋ねた。
ティーロは近づいていき。
「あの、このショートソードを売って頂けませんか?」
オードの返事はあっさりとOKであった。
理由を聞くと、小僧の知り合いだったら、売ってやるしかないだろ。
ティーロは嬉しそうに帰っていった。
サラはまだ何か言いたそうであったが。
二人が去った後、しばらくオードは何かを考えこみ、何かを決めたように。
「小僧、あの騎士……そのうち、有名になりそうだな。……明日からちょっと厳しくなるから、今日は早く寝ろよ。」
オードが言う様に次の日から………辛かった。
そんな日々が続き、15歳を迎えて、しばらく経った。
その頃にはオードは納得出来るモノがチラホラ出来る様になっていた。
そんなある日の晩、オードは神妙な顔をして、俺を呼び出した。
「明日からお前には一切、何も触れさせん。」
【えっ?もしかして、何かやっちまった?】
そんな事を考えてると。
「明日も早いから、寝ろ。そして、見逃すな。」
翌日、工房に行くと、そこには白装束のオード、デュード、そしてもう一人がいた。
そのもう一人は王都で鍛冶屋を開いてるオードの筆頭弟子でニールらしい。
「全身全霊を込めて…これから打ち上げるぞ。」
いつもより更に重々しく雰囲気が漂わせながら、奥から白布に包まれた大鎚、小鎚を運んできた。
それからは繰り広げられた光景は、ただ一言で凄かった。
三日三晩寝ずに一本の剣が鍛えられた。
その一本を鍛え終わると、オード以外の2人は倒れるように眠りこんだ。
オードは肩で息をしながらも、仕上げとして剣の付け根に刻印をした。
よく考えたら、今までオードは自分の銘を入れてなかった。
つまり、この一本は銘を入れるに値する仕上がりなんだろう。
「小僧、ちゃんと見てたか?……寝る……。」
そういうと、崩れる様に眠り込んだ。
オードらは夕方まで起きる事はなかった。
だが、起きると…その日はどんちゃん騒ぎだった。
朝が空けるまで3人は騒ぎ続けた。
翌朝、王都へ戻るニールが。
「ありがとう。キミのおかげで久しぶりに親方の技を見れたよ。でも、残念だな………キミの鍛冶の腕が見れないのは。」
デュードも昨日の夜。
「リョー、お前には鍛冶の才能はある………だけど、親方には親方の考えがあるんだよ。」
……………オレ、クビになる?
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