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第七章 運命の報復
第85話 龍の谷にて
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「エンシェントドラゴンって伝説上の生き物ではないの?」
そう呟いた途端、クラシアルが腹の底から響くような声で「わっははははははは...!」と豪快に笑い出した。
その笑い声は雷鳴のように空気を震わせ、澄んだ青空に溶け込みながら、草花を揺らしていく。
「伝説ではあるが...伝説ではない。なんせ、この私が目の前にいるのだからな!」
クラシアルは言葉を放つやいなや、その身体をみるみる膨らませ始めた。鱗は黄金色に輝き、その光が波紋のように広がり、薄暗くなり始めた夕暮れの中で一層際立つ。やがてその姿は草原を覆い尽くすほど巨大になり、圧倒的な存在感が風景全体を支配した。
クラシアルの巨大な姿は、小学校の体育館など足元にも及ばないほどであった。
「クラシアルさん!ストップして下さい!お願いですから!」
草原がざわつき、大地は重圧に揺れる。広がり続ける彼女の存在が、このままでは空と大地を支配してしまいそうだった。
クラシアルは動きを緩め、名残惜しそうな光を瞳に浮かべながら振り返った。黄金色の瞳がじっとこちらを見つめ、その声が深く響く。
「人間よ、私の身体はさらに大きくなることもできる。しかし、先ほどの戦いでは、シーメスを危険に晒すわけにはいかなかった。それに、あの時はもう身体を大きくする力も残っていなかったのだ」
クラシアルはそう語りながら、巨体をゆっくりと縮小させていった。その姿はまるで、大地の鼓動が静かに弱まっていくかのようであった。
「それに、大きくなるだけではない。人間の姿に変わることもできるのだぞ」
そう告げるや否や、クラシアルの体は突如眩しい閃光に包まれた。その光は鋭く広がり、周囲を白銀の輝きで満たした。そして、光が静かに消えると、そこに現れたのは、先ほどの巨大な龍ではなく、気高く美しい女性だった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ほへ?」
驚きのあまり、間抜けな声が漏れた。つい先ほどまで目の前には堂々たるドラゴンがいた。それが一瞬にして消え、美しい女性が立っているなんて...。まるで壮大なマジックの瞬間を目撃しているような感覚であった。
誰がクラシアルの人間の姿を見ても、驚きを隠せないだろう。その美しさ、そして気高さは圧巻だ。
黄金色の瞳は、鋭さと穏やかさが絶妙に調和し、まるで夜空に輝く星そのもの。
端正でありながら控えめな顔立ちは、そのラインが全体を優雅に引き締めている。漆黒の髪は肩へと流れるように落ち、風に揺れるたびに柔らかな光を纏うように輝いていた。
柔らかさの中に品格を漂わせる口元は、微笑むたびに優雅な曲線を描き、自然と見入ってしまう。
「まさかこんなことが...!」という言葉すら頭の中で形にならないまま、俺はただ呆然とその場に立ち尽くしていた。
いや、面と向かっては言えないが、彼女のプロポーションも...見事だ。背が高く、引き締まったウエストから流れるようなラインが女性らしさを際立たせる。
そして、その均整を壮大に崩す豊かで存在感のあるお胸が、全体の魅力をさらに引き立てていた。何が詰まっているのだろう...。愛かな...。優しさかな...。それとも...激情⁉
あまりじろじろ見過ぎて、消し炭に変えられても困る。視線を外そう。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
体育館ほどもある巨大なドラゴンが目の前にいたという現実。それがまだ脳裏に鮮明に残っているのに、どうやったらあの堂々たる姿がこんな美しい女性に変わるのか...。頭の中がぐるぐるして整理がつかない。
ふと脳裏に浮かんだのは、もっとも不可解な疑問だった。
...どうやって服を着たんだ?ドラゴンの鱗がこんなにも滑らかで繊細なシルクの衣装に変わるなんて、本当にそんなことが可能なのか?いや、どれだけ深く考えても、答えが出るはずもない。
「まあ、服のことは置いとこう」そう自分の中で結論を出し、なんとか心を落ち着かせた。
「すみません。ぼうっとしてしまって...。あまりのことに驚いてしまいました。それに、まだ名前をお伝えしていなかったことに気がつきました。本当に申し訳ありません。私は根津太郎と言います。どうぞよろしくお願いします」
名前を伝え忘れていたことに気づき、慌てて挨拶をした。
「そうか。私の美しさに驚いたか。世話になったとは言っても、そんなすぐに...¢£%#&□」
突然、何やらおかしなことを言い出した。さっきの治療魔法、頭には効いていなかったのか?と、不安がよぎる。
「まあそれは、おいおいという事で...。まずは太郎の心配を取り払ってあげよう。私もヒメール王国に行って滅ぼしてあげよう。なあに、礼には及ばないよ。私も怒っているからね」
彼女の言葉には、内に秘めた怒りと決意が滲み出ていた。その鋭い瞳は強い光を放ち、その場にいるだけでヒメール王国全体を震え上がらせるほどの威圧感を纏っている。
「ドラゴンを数頭、いや...もっと連れていこう」
クラシアルは肩を軽くすくめながら言葉を続けた。
「私の背中の上に太郎以外の者たちも20人以上乗せることもできるが、私の上に乗る資格があるのは太郎だけだ。まあ、我が子と幼子は別だがな。ふふふふ...。下ネタじゃないぞ?下ネタじゃないぞ?」
そう言いながら、彼女は視線をもじもじとそらした。時間が無いというのに、話がなかなか進まない。
俺はその妙な発言をさらりと流し、本題に入ることにした。
「ありがとうございます。では龍の谷にいったん...」と口にした瞬間、クラシアルがふっと顔を上げた。
「呼び捨てで結構だ。命の恩人だし、すぐ未来の...#¢&□£%...」と、クラシアルはまたもやもじもじしながら、言葉を途切れさせてしまった。どうにも話が進まない。
俺は思い切って会話を切り上げることにする。「よし、クラシアル!急いで行こう!仲間を紹介してくれ!」
力強く声をかけると、彼女の意識が戻ってきた。「あい、分かった!!」と、クラシアルが嬉しそうに返事をしてきた。その美しい笑顔には、ドラゴンの息吹を凌ぐほどの破壊力があった。
半ば強引に話を終わらせる形で、源さん、シーメス、そして俺を連れてクラシアルは龍の谷へ向かった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
クラシアルの背中に身を預けると、その巨大な身体は驚くほど滑らかで、重厚感があり安定していた。月明かりの下、谷間の岩肌がかすかに浮かび上がり、進むたびにその景色が静かに流れていく。
「どうだ太郎、私の乗り心地は?いいだろう?いいだろう?」 彼女がしつこく聞いてきた。
どこかのエロ親父みたいだ。ふと“タコマンボウ”の常連、マンダムさんを思い出すな。いい人なんだけど...酔うとしつこいからな...。
ドラゴンの姿で下ネタを言われたのは初めてのことで、どう対応していいか分からず戸惑ってしまった。
しかも、美しい女性の姿にも変化できるドラゴンが、まるでそこら辺の下ネタ親父みたいなギャグを言うなんて...。返す言葉が見つからず、ただただ...黙ることしかできなかった。
そんな俺の心情を察したのか、突然、頭の中に念話が流れ込んできた。「姐さん、人間さんを困らせてどうするんですか?」その声は穏やかでありながら、どこか諭すような響きを持っていた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ふと横を見ると、クラシアルの隣を滑るように飛行する一匹のドラゴンが念話を送ってきた。姿は堂々としており、月夜の光に照らされ、壮大さが鮮明に浮かび上がる。広げた翼は空を静かに裂き、その動きは滑らかで優雅だ。
「あなたが太郎様ですか?うちの姐さんがお世話になったみたいで。申し訳ございません」
龍がさらに近づき、片手で頭を押さえながらぺこぺこと頭を下げた。
空を飛びながら、なんとも器用なことをする...。そう感心していると、新たな念話が脳内に流れ込んだ。
「私は、エルダードラゴンのコルティーと申します」
そう名乗りながら、真っ直ぐこちらを見つめた。その瞳には、クラシアルが迷惑をかけたことへの申し訳なさがにじみ出ていた。
「姐さんは強くて優しく、義理堅い方なのですが、少々無鉄砲で...。いつも手を焼いているんです。さっきもシーメスお嬢さんが攫われた時、一人で龍の谷から飛び出してしまって...」
コルティーは深いため息をつき、念話を続ける。その様子は、溜まりに溜まった愚痴を吐き出しているかのようだった。
ドラゴンからこんな愚痴を聞かされるのは初めてで、どう反応していいのか分からない俺は、ただ黙ってコルティーの話を聞き続けた。
「私たちの念話の範囲は周囲約2キロしか届きません。それなのに、すぐその範囲から飛び出してしまって...。皆で探し回って、大騒ぎになりました。本当に困った姐さんです!」
コルティーの表情は、ドラゴンであることを忘れさせるほど豊かで、困惑した様子が全身から滲み出ていた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
クラシアルやコルティーとの会話に夢中になっているうちに、いつの間にか龍の谷の周辺に到着していたようだ。暗くて今どこを飛んでいるのかわからなかったが、クラシアルが教えてくれたおかげで、ここが龍の谷だと気づくことができた。
腕時計を見ると、時刻は23時少し前。馬車なら4日間かかる道を、戦闘があったことを差し引いても、わずか8時間足らずで到着してしまった。
隣では、シーメスと源さんが身を寄せ合い、仲良く眠っている。その微笑ましい様子に、思わず心が和む。ボルトやカンナだけでなく、新しい友達ができたようだ。
ぼんやりとドラペスタと思われる集落を眺めていると、気づけば龍の谷に到着していた。初めて訪れる場所だったが、数えきれないほどのドラゴンたちが集まる様子に、ここがその”龍の谷”だとすぐに分かった。
そのまんまの名前だな。
辺りには松明が各所に立てられ、夜の闇を明るく照らしている。
龍の谷では、空を悠然と飛ぶドラゴンたちの姿や、地上で翼を休める様子が目に映る。小柄で可愛らしいものから、見る者を圧倒する威厳を持つ巨体まで、実に多様だ。彼らの動きは優雅でありながら力強く、夜の空間に躍動感を与えている。
谷を見渡すと、無数の洞穴が岩壁に刻まれている。それぞれがドラゴンたちの住処であるようで、その光景から彼らの生活の営みが垣間見える。
俺たちが龍の谷に足を踏み入れると、静けさの中で四方八方から念話が響いてきた。
「人間だ...人間が龍の谷の内部にまで入ってきたぞ!」
「人間の立ち入りは、ドラペスタまでのはず!なぜここまで⁉」
「警戒しろ!」
「でも、クラシアル様とコルティー様が一緒だ。だから問題ないよ」
「そうだな。何か理由があるのだろう」
最初は俺たち、特に俺に対して警戒心を抱いていたが、クラシアルとコルティーが一緒にいる姿を見て、徐々に落ち着きを取り戻していった。
龍の谷に到着すると、クラシアルは俺と源さん、シーメスを背中から降ろした。そしてクラシアルは足早に、族長のところへ向かう様だ。
「コルティー、すぐに獣人国へ出発するぞ。太郎は急いでいるらしいからな。まずは族長の婆様に一言伝えてくる。もし止められたら、消し炭にしてやるさ。はっはっはっはっはー!太郎、少し待っていてくれ」
そう言い残すと、クラシアルはシーメスを連れて大きな洞穴の中へと消えていった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
コルティーは「それにしても、本当に助かりました」と言いながら地面へと降り立った。
クラシアルの時と同じように、一瞬光が輝いたかと思うと、そこには長身でスレンダーな短髪の美少女が立っていた。いつの間に服を着たのだろうか?まあ、それはさておき。
「先ほどもご挨拶しましたが、人間の姿では初めてですね。コルティーと申します。今回は姐さんとシーメスお嬢さんを助けて頂き、ありがとうございました。先ほど姐さんから、ある程度の状況は伺っております」
そう言いながら、コルティーは深々と頭を下げた。
「いえ、そんな。私も皆さんにお願いしたいことがありましたので。龍の谷を目指していたら、たまたまその場に遭遇しただけですから...」
コルティーに対して、あまり恐縮しないでほしいという雰囲気を醸し出した。
何せこちらは、これからお願いを聞いてもらう立場だ。できれば、”お互いさま”という形で済ませたい。
「ヒメール王国を解体する件については、姐さんから聞いています。私たち龍の谷に住むドラゴンたちは、怒り心頭です。シーメスお嬢さんを人質に取りやがって、あのくそ共と...」
コルティーはため息をつきながら、俺に伝えた。
「ある程度理性を持ったドラゴン達は留まれるのですが、下位のドラゴンであるワイバーン以下は、今にもヒメール王国へ飛び立とうとしています...。もう...上の者が強制的に止めている状況です」
コルティーは少し疲れた様子でそう言った。その姿には、ザ・中間管理職といった風情があり、何とも同情を誘う。
「代表して数頭がヒメール王国を滅ぼしに向かうことで、何とか落ち着きましたが...。何百体ほど引き連れていけばよろしいですか?」
コルティーは物騒なことをさらりと口にした。
「そんなに引き連れていくつもりはありませんし、ヒメール王国全体を滅ぼす予定もありません。とりあえず王宮を滅ぼす予定です。まあ、あくまで予定ですが...。それに、まずヒメール王国に行く前に獣人国で...」
今後の詳しい計画を、切れ者秘書のような役割を担っていそうなコルティーに説明した。
コルティーは「なるほど。直接ヒメール王国に向かうのではなく、まずイースカンダスに戻り、太郎様の獣人奴隷たちを連れて、その後ハラス獣人国、ヒメール王国の順ということですね」と理解を示してくれた。
俺は「そうです。お願いできますか?」と、少し伺うような形で問いかけた。
「全然問題ありませんよ。姐さんはノリノリですし。族長も大切なお孫さんを誘拐されてキレていましたし。それに、姐さんは『太郎様の為なら一国や二国くらい...』と呟いておりましたしたから」と、すぐに返事が返ってきた。
「あ,姐さんが族長の部屋から出てきたようです。族長も一緒の様ですね。太郎様も、挨拶をお願できますか?」と促された。
さて、族長に挨拶を済ませて、さっさとイースカンダスに戻るとするか。
コルティーに負けないぐらい、俺もザ、中間管理職並みにウロチョロと飛び回っているな。まあ、俺の性分的にはお似合いなのかもしれない。そんなことを考えながら、龍族の族長の元へと歩み寄る太郎であった。
そう呟いた途端、クラシアルが腹の底から響くような声で「わっははははははは...!」と豪快に笑い出した。
その笑い声は雷鳴のように空気を震わせ、澄んだ青空に溶け込みながら、草花を揺らしていく。
「伝説ではあるが...伝説ではない。なんせ、この私が目の前にいるのだからな!」
クラシアルは言葉を放つやいなや、その身体をみるみる膨らませ始めた。鱗は黄金色に輝き、その光が波紋のように広がり、薄暗くなり始めた夕暮れの中で一層際立つ。やがてその姿は草原を覆い尽くすほど巨大になり、圧倒的な存在感が風景全体を支配した。
クラシアルの巨大な姿は、小学校の体育館など足元にも及ばないほどであった。
「クラシアルさん!ストップして下さい!お願いですから!」
草原がざわつき、大地は重圧に揺れる。広がり続ける彼女の存在が、このままでは空と大地を支配してしまいそうだった。
クラシアルは動きを緩め、名残惜しそうな光を瞳に浮かべながら振り返った。黄金色の瞳がじっとこちらを見つめ、その声が深く響く。
「人間よ、私の身体はさらに大きくなることもできる。しかし、先ほどの戦いでは、シーメスを危険に晒すわけにはいかなかった。それに、あの時はもう身体を大きくする力も残っていなかったのだ」
クラシアルはそう語りながら、巨体をゆっくりと縮小させていった。その姿はまるで、大地の鼓動が静かに弱まっていくかのようであった。
「それに、大きくなるだけではない。人間の姿に変わることもできるのだぞ」
そう告げるや否や、クラシアルの体は突如眩しい閃光に包まれた。その光は鋭く広がり、周囲を白銀の輝きで満たした。そして、光が静かに消えると、そこに現れたのは、先ほどの巨大な龍ではなく、気高く美しい女性だった。
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「ほへ?」
驚きのあまり、間抜けな声が漏れた。つい先ほどまで目の前には堂々たるドラゴンがいた。それが一瞬にして消え、美しい女性が立っているなんて...。まるで壮大なマジックの瞬間を目撃しているような感覚であった。
誰がクラシアルの人間の姿を見ても、驚きを隠せないだろう。その美しさ、そして気高さは圧巻だ。
黄金色の瞳は、鋭さと穏やかさが絶妙に調和し、まるで夜空に輝く星そのもの。
端正でありながら控えめな顔立ちは、そのラインが全体を優雅に引き締めている。漆黒の髪は肩へと流れるように落ち、風に揺れるたびに柔らかな光を纏うように輝いていた。
柔らかさの中に品格を漂わせる口元は、微笑むたびに優雅な曲線を描き、自然と見入ってしまう。
「まさかこんなことが...!」という言葉すら頭の中で形にならないまま、俺はただ呆然とその場に立ち尽くしていた。
いや、面と向かっては言えないが、彼女のプロポーションも...見事だ。背が高く、引き締まったウエストから流れるようなラインが女性らしさを際立たせる。
そして、その均整を壮大に崩す豊かで存在感のあるお胸が、全体の魅力をさらに引き立てていた。何が詰まっているのだろう...。愛かな...。優しさかな...。それとも...激情⁉
あまりじろじろ見過ぎて、消し炭に変えられても困る。視線を外そう。
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体育館ほどもある巨大なドラゴンが目の前にいたという現実。それがまだ脳裏に鮮明に残っているのに、どうやったらあの堂々たる姿がこんな美しい女性に変わるのか...。頭の中がぐるぐるして整理がつかない。
ふと脳裏に浮かんだのは、もっとも不可解な疑問だった。
...どうやって服を着たんだ?ドラゴンの鱗がこんなにも滑らかで繊細なシルクの衣装に変わるなんて、本当にそんなことが可能なのか?いや、どれだけ深く考えても、答えが出るはずもない。
「まあ、服のことは置いとこう」そう自分の中で結論を出し、なんとか心を落ち着かせた。
「すみません。ぼうっとしてしまって...。あまりのことに驚いてしまいました。それに、まだ名前をお伝えしていなかったことに気がつきました。本当に申し訳ありません。私は根津太郎と言います。どうぞよろしくお願いします」
名前を伝え忘れていたことに気づき、慌てて挨拶をした。
「そうか。私の美しさに驚いたか。世話になったとは言っても、そんなすぐに...¢£%#&□」
突然、何やらおかしなことを言い出した。さっきの治療魔法、頭には効いていなかったのか?と、不安がよぎる。
「まあそれは、おいおいという事で...。まずは太郎の心配を取り払ってあげよう。私もヒメール王国に行って滅ぼしてあげよう。なあに、礼には及ばないよ。私も怒っているからね」
彼女の言葉には、内に秘めた怒りと決意が滲み出ていた。その鋭い瞳は強い光を放ち、その場にいるだけでヒメール王国全体を震え上がらせるほどの威圧感を纏っている。
「ドラゴンを数頭、いや...もっと連れていこう」
クラシアルは肩を軽くすくめながら言葉を続けた。
「私の背中の上に太郎以外の者たちも20人以上乗せることもできるが、私の上に乗る資格があるのは太郎だけだ。まあ、我が子と幼子は別だがな。ふふふふ...。下ネタじゃないぞ?下ネタじゃないぞ?」
そう言いながら、彼女は視線をもじもじとそらした。時間が無いというのに、話がなかなか進まない。
俺はその妙な発言をさらりと流し、本題に入ることにした。
「ありがとうございます。では龍の谷にいったん...」と口にした瞬間、クラシアルがふっと顔を上げた。
「呼び捨てで結構だ。命の恩人だし、すぐ未来の...#¢&□£%...」と、クラシアルはまたもやもじもじしながら、言葉を途切れさせてしまった。どうにも話が進まない。
俺は思い切って会話を切り上げることにする。「よし、クラシアル!急いで行こう!仲間を紹介してくれ!」
力強く声をかけると、彼女の意識が戻ってきた。「あい、分かった!!」と、クラシアルが嬉しそうに返事をしてきた。その美しい笑顔には、ドラゴンの息吹を凌ぐほどの破壊力があった。
半ば強引に話を終わらせる形で、源さん、シーメス、そして俺を連れてクラシアルは龍の谷へ向かった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
クラシアルの背中に身を預けると、その巨大な身体は驚くほど滑らかで、重厚感があり安定していた。月明かりの下、谷間の岩肌がかすかに浮かび上がり、進むたびにその景色が静かに流れていく。
「どうだ太郎、私の乗り心地は?いいだろう?いいだろう?」 彼女がしつこく聞いてきた。
どこかのエロ親父みたいだ。ふと“タコマンボウ”の常連、マンダムさんを思い出すな。いい人なんだけど...酔うとしつこいからな...。
ドラゴンの姿で下ネタを言われたのは初めてのことで、どう対応していいか分からず戸惑ってしまった。
しかも、美しい女性の姿にも変化できるドラゴンが、まるでそこら辺の下ネタ親父みたいなギャグを言うなんて...。返す言葉が見つからず、ただただ...黙ることしかできなかった。
そんな俺の心情を察したのか、突然、頭の中に念話が流れ込んできた。「姐さん、人間さんを困らせてどうするんですか?」その声は穏やかでありながら、どこか諭すような響きを持っていた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ふと横を見ると、クラシアルの隣を滑るように飛行する一匹のドラゴンが念話を送ってきた。姿は堂々としており、月夜の光に照らされ、壮大さが鮮明に浮かび上がる。広げた翼は空を静かに裂き、その動きは滑らかで優雅だ。
「あなたが太郎様ですか?うちの姐さんがお世話になったみたいで。申し訳ございません」
龍がさらに近づき、片手で頭を押さえながらぺこぺこと頭を下げた。
空を飛びながら、なんとも器用なことをする...。そう感心していると、新たな念話が脳内に流れ込んだ。
「私は、エルダードラゴンのコルティーと申します」
そう名乗りながら、真っ直ぐこちらを見つめた。その瞳には、クラシアルが迷惑をかけたことへの申し訳なさがにじみ出ていた。
「姐さんは強くて優しく、義理堅い方なのですが、少々無鉄砲で...。いつも手を焼いているんです。さっきもシーメスお嬢さんが攫われた時、一人で龍の谷から飛び出してしまって...」
コルティーは深いため息をつき、念話を続ける。その様子は、溜まりに溜まった愚痴を吐き出しているかのようだった。
ドラゴンからこんな愚痴を聞かされるのは初めてで、どう反応していいのか分からない俺は、ただ黙ってコルティーの話を聞き続けた。
「私たちの念話の範囲は周囲約2キロしか届きません。それなのに、すぐその範囲から飛び出してしまって...。皆で探し回って、大騒ぎになりました。本当に困った姐さんです!」
コルティーの表情は、ドラゴンであることを忘れさせるほど豊かで、困惑した様子が全身から滲み出ていた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
クラシアルやコルティーとの会話に夢中になっているうちに、いつの間にか龍の谷の周辺に到着していたようだ。暗くて今どこを飛んでいるのかわからなかったが、クラシアルが教えてくれたおかげで、ここが龍の谷だと気づくことができた。
腕時計を見ると、時刻は23時少し前。馬車なら4日間かかる道を、戦闘があったことを差し引いても、わずか8時間足らずで到着してしまった。
隣では、シーメスと源さんが身を寄せ合い、仲良く眠っている。その微笑ましい様子に、思わず心が和む。ボルトやカンナだけでなく、新しい友達ができたようだ。
ぼんやりとドラペスタと思われる集落を眺めていると、気づけば龍の谷に到着していた。初めて訪れる場所だったが、数えきれないほどのドラゴンたちが集まる様子に、ここがその”龍の谷”だとすぐに分かった。
そのまんまの名前だな。
辺りには松明が各所に立てられ、夜の闇を明るく照らしている。
龍の谷では、空を悠然と飛ぶドラゴンたちの姿や、地上で翼を休める様子が目に映る。小柄で可愛らしいものから、見る者を圧倒する威厳を持つ巨体まで、実に多様だ。彼らの動きは優雅でありながら力強く、夜の空間に躍動感を与えている。
谷を見渡すと、無数の洞穴が岩壁に刻まれている。それぞれがドラゴンたちの住処であるようで、その光景から彼らの生活の営みが垣間見える。
俺たちが龍の谷に足を踏み入れると、静けさの中で四方八方から念話が響いてきた。
「人間だ...人間が龍の谷の内部にまで入ってきたぞ!」
「人間の立ち入りは、ドラペスタまでのはず!なぜここまで⁉」
「警戒しろ!」
「でも、クラシアル様とコルティー様が一緒だ。だから問題ないよ」
「そうだな。何か理由があるのだろう」
最初は俺たち、特に俺に対して警戒心を抱いていたが、クラシアルとコルティーが一緒にいる姿を見て、徐々に落ち着きを取り戻していった。
龍の谷に到着すると、クラシアルは俺と源さん、シーメスを背中から降ろした。そしてクラシアルは足早に、族長のところへ向かう様だ。
「コルティー、すぐに獣人国へ出発するぞ。太郎は急いでいるらしいからな。まずは族長の婆様に一言伝えてくる。もし止められたら、消し炭にしてやるさ。はっはっはっはっはー!太郎、少し待っていてくれ」
そう言い残すと、クラシアルはシーメスを連れて大きな洞穴の中へと消えていった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
コルティーは「それにしても、本当に助かりました」と言いながら地面へと降り立った。
クラシアルの時と同じように、一瞬光が輝いたかと思うと、そこには長身でスレンダーな短髪の美少女が立っていた。いつの間に服を着たのだろうか?まあ、それはさておき。
「先ほどもご挨拶しましたが、人間の姿では初めてですね。コルティーと申します。今回は姐さんとシーメスお嬢さんを助けて頂き、ありがとうございました。先ほど姐さんから、ある程度の状況は伺っております」
そう言いながら、コルティーは深々と頭を下げた。
「いえ、そんな。私も皆さんにお願いしたいことがありましたので。龍の谷を目指していたら、たまたまその場に遭遇しただけですから...」
コルティーに対して、あまり恐縮しないでほしいという雰囲気を醸し出した。
何せこちらは、これからお願いを聞いてもらう立場だ。できれば、”お互いさま”という形で済ませたい。
「ヒメール王国を解体する件については、姐さんから聞いています。私たち龍の谷に住むドラゴンたちは、怒り心頭です。シーメスお嬢さんを人質に取りやがって、あのくそ共と...」
コルティーはため息をつきながら、俺に伝えた。
「ある程度理性を持ったドラゴン達は留まれるのですが、下位のドラゴンであるワイバーン以下は、今にもヒメール王国へ飛び立とうとしています...。もう...上の者が強制的に止めている状況です」
コルティーは少し疲れた様子でそう言った。その姿には、ザ・中間管理職といった風情があり、何とも同情を誘う。
「代表して数頭がヒメール王国を滅ぼしに向かうことで、何とか落ち着きましたが...。何百体ほど引き連れていけばよろしいですか?」
コルティーは物騒なことをさらりと口にした。
「そんなに引き連れていくつもりはありませんし、ヒメール王国全体を滅ぼす予定もありません。とりあえず王宮を滅ぼす予定です。まあ、あくまで予定ですが...。それに、まずヒメール王国に行く前に獣人国で...」
今後の詳しい計画を、切れ者秘書のような役割を担っていそうなコルティーに説明した。
コルティーは「なるほど。直接ヒメール王国に向かうのではなく、まずイースカンダスに戻り、太郎様の獣人奴隷たちを連れて、その後ハラス獣人国、ヒメール王国の順ということですね」と理解を示してくれた。
俺は「そうです。お願いできますか?」と、少し伺うような形で問いかけた。
「全然問題ありませんよ。姐さんはノリノリですし。族長も大切なお孫さんを誘拐されてキレていましたし。それに、姐さんは『太郎様の為なら一国や二国くらい...』と呟いておりましたしたから」と、すぐに返事が返ってきた。
「あ,姐さんが族長の部屋から出てきたようです。族長も一緒の様ですね。太郎様も、挨拶をお願できますか?」と促された。
さて、族長に挨拶を済ませて、さっさとイースカンダスに戻るとするか。
コルティーに負けないぐらい、俺もザ、中間管理職並みにウロチョロと飛び回っているな。まあ、俺の性分的にはお似合いなのかもしれない。そんなことを考えながら、龍族の族長の元へと歩み寄る太郎であった。
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事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
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世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
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五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~
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ブラック企業で過労死した俺が転生時に願ったのは、たった一つ。「誰にも邪魔されず、絶対に安全な家で引きこもりたい!」
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