1 / 20
プロローグ
生まれますように
しおりを挟む
赤ちゃんってどこから生まれるのか知りたくない?
私たちってどこから来たのか知りたくない?
これは私たちの生命の境界線で起こる物語性
「神様…、これから彼女に悲劇が起きませんように。彼女に祝福を」
一人の少年は手を合わせて祈った
そして、彼女を連れて彼女の母親の元の近くへ案内した。
「ここからは一人で行け。くれぐれも迷わないように。」
彼女は頷くと一人で母親の元へ行った
彼女は優しそうな母親を見つめた
母親は短いスカートを履いていてツインテールでとても若く見えた。
父親は少し怖い顔をしていて歩いていた。
彼女は思った
私はこの人たちの子供になるんだ
どんな人生を送ることができるのかとても楽しみだ
そして、母親のお腹の中に入っていった
ここは母親のお腹の中
とても暖かくて気持ちよかった
暗かったけれどみずのなかで
いつも母親と父親の声を聞いていた
「優しそうな声」
「嬉しそうな声」
「楽しそうな声」
早く出たいなぁ
早く会いたいなぁ
まだかなぁ
でもあるときそのような時間が無くなった
母親が不安になっているのが伝わる
どうしたんだろ
何かあったのかな
苦しそう
…苦しい
私の母親の苦しみは私にも襲いかかってきた
私のいる場所も狭くなっていく
狭い!狭いよ!
押し潰されちゃうよ!
怖いよ、怖いよぉ
そんなことが何度か続いて大分落ち着いた頃
たまに母親が思っていることが解るようになってきた
母親はいつも父親のご飯のことを考えていた
母親はいつも洗濯をしながら父親の仕事の事を考えていた
母親はいつも部屋を掃除しながらわたしの事を考えていた
母親は夜に涙を流していた
私も泣いた
母親の私が生まれてくることが嫌だと思っている気持ちが伝わってくるから
なんでこうなってしまったんだろうって思っているから
父親と出会わなければ良かったと思っているから
私に会いたくないのかな?…
私は早くここから出ようと毎日頑張っていた
そして、母親を助けようと思った
時に母親は誰かに暴力を振るわれるようになった。
その時、私のいる場所はどんどん狭くなっていって…
痛いよぉー!痛い!苦しい!誰か助けて!
早く!ここから出して!
何度も何度も一人必死に叫んでいた
父親も泣いて母親も泣いて、私も泣いて
皆泣いている
そんな日が続いた
私が生まれる二日前まで
急に狭くなくなった
また、暖かくなった。私に平穏が来た。
母親も父親も笑っている声が聞こえる。
でも母親は寂しい思いをしているのが伝わる
なんでだろう
こんなに嬉しそうに幸せそうにしているのに
そんなことよりも、私を撫でるようにお腹を撫でてくれること。私の近くで音楽を流してくれること。声をかけてくれること。
確かよく「ありがとう。」って聞こえた。
幸せだった。家族みんな
早く生まれたかった
私たちってどこから来たのか知りたくない?
これは私たちの生命の境界線で起こる物語性
「神様…、これから彼女に悲劇が起きませんように。彼女に祝福を」
一人の少年は手を合わせて祈った
そして、彼女を連れて彼女の母親の元の近くへ案内した。
「ここからは一人で行け。くれぐれも迷わないように。」
彼女は頷くと一人で母親の元へ行った
彼女は優しそうな母親を見つめた
母親は短いスカートを履いていてツインテールでとても若く見えた。
父親は少し怖い顔をしていて歩いていた。
彼女は思った
私はこの人たちの子供になるんだ
どんな人生を送ることができるのかとても楽しみだ
そして、母親のお腹の中に入っていった
ここは母親のお腹の中
とても暖かくて気持ちよかった
暗かったけれどみずのなかで
いつも母親と父親の声を聞いていた
「優しそうな声」
「嬉しそうな声」
「楽しそうな声」
早く出たいなぁ
早く会いたいなぁ
まだかなぁ
でもあるときそのような時間が無くなった
母親が不安になっているのが伝わる
どうしたんだろ
何かあったのかな
苦しそう
…苦しい
私の母親の苦しみは私にも襲いかかってきた
私のいる場所も狭くなっていく
狭い!狭いよ!
押し潰されちゃうよ!
怖いよ、怖いよぉ
そんなことが何度か続いて大分落ち着いた頃
たまに母親が思っていることが解るようになってきた
母親はいつも父親のご飯のことを考えていた
母親はいつも洗濯をしながら父親の仕事の事を考えていた
母親はいつも部屋を掃除しながらわたしの事を考えていた
母親は夜に涙を流していた
私も泣いた
母親の私が生まれてくることが嫌だと思っている気持ちが伝わってくるから
なんでこうなってしまったんだろうって思っているから
父親と出会わなければ良かったと思っているから
私に会いたくないのかな?…
私は早くここから出ようと毎日頑張っていた
そして、母親を助けようと思った
時に母親は誰かに暴力を振るわれるようになった。
その時、私のいる場所はどんどん狭くなっていって…
痛いよぉー!痛い!苦しい!誰か助けて!
早く!ここから出して!
何度も何度も一人必死に叫んでいた
父親も泣いて母親も泣いて、私も泣いて
皆泣いている
そんな日が続いた
私が生まれる二日前まで
急に狭くなくなった
また、暖かくなった。私に平穏が来た。
母親も父親も笑っている声が聞こえる。
でも母親は寂しい思いをしているのが伝わる
なんでだろう
こんなに嬉しそうに幸せそうにしているのに
そんなことよりも、私を撫でるようにお腹を撫でてくれること。私の近くで音楽を流してくれること。声をかけてくれること。
確かよく「ありがとう。」って聞こえた。
幸せだった。家族みんな
早く生まれたかった
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
万物争覇のコンバート 〜回帰後の人生をシステムでやり直す〜
黒城白爵
ファンタジー
異次元から現れたモンスターが地球に侵攻してくるようになって早数十年。
魔力に目覚めた人類である覚醒者とモンスターの戦いによって、人類の生息圏は年々減少していた。
そんな中、瀕死の重体を負い、今にもモンスターに殺されようとしていた外神クロヤは、これまでの人生を悔いていた。
自らが持つ異能の真価を知るのが遅かったこと、異能を積極的に使おうとしなかったこと……そして、一部の高位覚醒者達の横暴を野放しにしてしまったことを。
後悔を胸に秘めたまま、モンスターの攻撃によってクロヤは死んだ。
そのはずだったが、目を覚ますとクロヤは自分が覚醒者となった日に戻ってきていた。
自らの異能が構築した新たな力〈システム〉と共に……。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる