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第一話 ふわふわ
しおりを挟む【今度の現場って、どんな感じ?】
わざわざお昼休みを見はからってLINEを送ったというのに、案の定、既読にもならず、ようやく返信があったのは翌朝になってからだった。
【うん、まぁ、いつも通りかな】
——おいおい、二十時間も待たせておいて、返事はたったの一行かい。
【おはようございます、の挨拶は?】
【遅れてごめん、のひと言ぐらい、あってもいいんじゃないですか?】
【ごめん、ごめん】
いつもながらにそっけない、と言うべきか、それとも素直と取るべきなのか
【昨日も一日中掘り起こし作業でね、宿舎にたどり着いたら、ばたんきゅう!】
【大丈夫? 栄養足りてる?】
【ね、今、電話してもいい?】
【悪い、もうすぐ、車が出るんだ】
【えっ、祝日も仕事なの?】
【明日から天気が崩れそうだから、その前に少しでも進めておかないと】
【えーっ、そんな、勘弁してよ!】
慌ただしく、モーニングコールの時間は途切れた。
私たちのやり取りは、大体いっつもこんな調子。おととしの夏、ブッカーズの店頭で初めて言葉を交わした日から、それは大して変わっていないかもしれない。
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