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第75話 竜が支配する島 ~アグリサイド~
ジェナさんと面会した翌日--
俺たちは指定された港の船着き場に向かった。
ジェナさんが手配した船に乗ってドラゴンの巣窟である島へ行くためだ。
船着き場に着くと、ジェナさんが出迎えてくれた。
「おーっ!
逃げずによく来たな!
立派、立派!」
ジェナさんは手痛い挨拶をしつつ、笑顔で迎えてくれた。
「ワシらが逃げるとでも思ったのか、お前は」
ゾルダは真に受けてジェナさんに突っかかっている。
「いやー、冗談だよ冗談。
真面目に聞くとは思わなかったよ」
頭を掻きながら照れくさそうにジェナさんは笑った。
ゾルダは昨日のことを根に持っているのかもしれない。
ゾルダ本人と認められなかったことを。
「ジェナさんが直々に来て案内してくれるのですか?」
「いやー。
あたいは行かないよ。
ここで、行く前にちょっと竜天島について話しておこうと思って」
「竜天島?」
「ドラゴンの巣窟の島のことだよ。
ドラゴンの巣窟と言っても、他の魔物も多くいる。
ただ他の魔物は正直ドラゴンの餌だな」
「ドラゴンの餌……」
「そうそう。
そこのドラゴンたちはそれなりの知能があるから、全滅しない程度に他の魔物を生かしている。
じゃないと、食い扶持がなくなるからね。
適度に繁殖させて、余剰分を食っている。
だから滅多に島の外に出ない。
ただ、まれにその生態系が崩れて、外に狩りにくることがあるんだ。
それが百数十年前だったかな」
「ほぅ……
賢い奴らじゃのぅ」
「その時に我が家の秘宝を持っていかれてそのままってところだ」
どうやらかなり賢いドラゴンたちのようだ。
自分たちが死なないように、餌である魔物も管理している。
人間並みの知能に感じる。
「我が家の秘宝については、これ」
ジェナさんはそう言うと、秘宝が書かれた絵を手渡してきた。
見させてもらうと、大きな水晶のような球が台座に置かれている絵だった。
「大きさはどのくらい?」
「えーっと、あたいの背の高さぐらいあるかな。
ただあたいも実物は見たことないからわからないんだ。
この絵が頼りってことで」
「ようお前がわからんものをワシらに頼めるのぅ……」
「マリーよりもだいぶ大きいですわね。
それを持って帰ってくればいいってことでしょうか」
マリーはジェナさんに対して再度確認を取った。
「おうとも。
是非にお願いしたい」
「わかりましたわ。
じゃあ、さっさとその島へ行きましょう」
マリーとゾルダはジェナさんのもとを離れようと踵を返す。
「まぁ、そう慌てるなって。
まだ話しておきたいことがある」
ジェナさんはそう言って、二人を止めた。
「いくら賢いと言っても、ドラゴンはドラゴンじゃ。
さっさと行って片づけるのじゃ」
気にはやるゾルダだが、それを無視して、ジェナさんは話を続けた。
「ドラゴンと言っても、数種類いるんだ。
ファイアドラゴン、アイスドラゴン、アースドラゴン、ウォータードラゴン、サンダードラゴンと。
ほぼ全属性のドラゴンたちがいるのが竜天島。
で、その頂点に君臨しているのが、オムニスと呼ばれるドラゴンなんだ」
「オムニス?」
「このドラゴンが厄介でね。
全属性を持っている。
しかもどの属性もある程度耐性があるようでね。
魔法が効きにくいと言われている」
通用しない魔法があるのは厳しい戦いになるかもしれない。
ゾルダたちを見ていても物理的な攻撃をしているのを見たことがない。
基本は魔法攻撃だ。
その辺りが気になったのかゾルダはジェナさんにこう聞いた。
「ワシの魔法もか?」
「圧倒的な魔法ならなんとかなるかもしれないけど……
そんじょそこらの魔法では太刀打ちが出来ないと言われている」
「それは厄介ですね」
「ワシの魔法なら問題ないじゃろ。
圧倒的だしのぅ」
「マリーの魔法はどうでしょうか。
効かないとなるとねえさまのお手伝いが出来ませんわ」
マリーはシュンとしながら項垂れていた。
「まぁ、元でも魔王だったやつならなんとかなるんじゃないかな。
だから、本物にしか頼めない仕事だよ」
ジェナさんは試すような口ぶりで俺たちにそう言った。
「だからワシは本物じゃと言っておろうに。
じゃから、案ずるな。
こんなこと朝飯前じゃ」
「なら、よろしくな!
本物のゾルダ様!」
そう言うと、ジェナさんは街へと帰っていった。
なんか憎まれ口をたたいているように思えるけど、本心はどうなんだろう。
ゾルダのことを本物と思って、この依頼をだしているんじゃないかと思ってしまう。
試すにしても危険なところへ行かせるかな……
「おい、おぬし、早くしろ。
何を考え込んでおる」
「はいはい。
わかったよ」
ゾルダは最初気乗りしていない感じはしたけど……
ジェナさんが上手くおだててくれたこともあり、機嫌よく船に乗っていった。
魔法が効きづらいという点は引っかかるんだよな……
確かにゾルダたちは今までの敵は圧倒していた。
だけど、すべて魔法によるものだ。
もし効かなかった場合、物理攻撃が出来るのか心配だ。
「なぁ、ゾルダ。
ゾルダって剣とか使って戦えるのか?」
心配だから、ちょっと聞いてみた。
「は?
まぁ、攻撃できないこともないが、ほぼ魔法じゃな。
ワシの魔法が効かない敵など今までおらんからのぅ」
そこに関しては揺るがない自信があるようだ。
「マリーもほぼ魔法だけですわ。
マリーも効かない相手を相手にしたことはないわ。
だから、今回のドラゴンはちょっと心配ですわ」
マリーの反応が普通だよね。
「あのさ、ゾルダ。
もしゾルダの魔法が効かなかったらどうするんだよ」
「そんなことはないのじゃ。
安心せい。
はっはっはっはっは」
ゾルダの能天気さはある意味凄いな。
もし効かなかったら、俺が前面で戦うのか?
そうならないように願いたいところだ。
若干の不安を抱えて、俺たちは竜天島へと向かっていった。
俺たちは指定された港の船着き場に向かった。
ジェナさんが手配した船に乗ってドラゴンの巣窟である島へ行くためだ。
船着き場に着くと、ジェナさんが出迎えてくれた。
「おーっ!
逃げずによく来たな!
立派、立派!」
ジェナさんは手痛い挨拶をしつつ、笑顔で迎えてくれた。
「ワシらが逃げるとでも思ったのか、お前は」
ゾルダは真に受けてジェナさんに突っかかっている。
「いやー、冗談だよ冗談。
真面目に聞くとは思わなかったよ」
頭を掻きながら照れくさそうにジェナさんは笑った。
ゾルダは昨日のことを根に持っているのかもしれない。
ゾルダ本人と認められなかったことを。
「ジェナさんが直々に来て案内してくれるのですか?」
「いやー。
あたいは行かないよ。
ここで、行く前にちょっと竜天島について話しておこうと思って」
「竜天島?」
「ドラゴンの巣窟の島のことだよ。
ドラゴンの巣窟と言っても、他の魔物も多くいる。
ただ他の魔物は正直ドラゴンの餌だな」
「ドラゴンの餌……」
「そうそう。
そこのドラゴンたちはそれなりの知能があるから、全滅しない程度に他の魔物を生かしている。
じゃないと、食い扶持がなくなるからね。
適度に繁殖させて、余剰分を食っている。
だから滅多に島の外に出ない。
ただ、まれにその生態系が崩れて、外に狩りにくることがあるんだ。
それが百数十年前だったかな」
「ほぅ……
賢い奴らじゃのぅ」
「その時に我が家の秘宝を持っていかれてそのままってところだ」
どうやらかなり賢いドラゴンたちのようだ。
自分たちが死なないように、餌である魔物も管理している。
人間並みの知能に感じる。
「我が家の秘宝については、これ」
ジェナさんはそう言うと、秘宝が書かれた絵を手渡してきた。
見させてもらうと、大きな水晶のような球が台座に置かれている絵だった。
「大きさはどのくらい?」
「えーっと、あたいの背の高さぐらいあるかな。
ただあたいも実物は見たことないからわからないんだ。
この絵が頼りってことで」
「ようお前がわからんものをワシらに頼めるのぅ……」
「マリーよりもだいぶ大きいですわね。
それを持って帰ってくればいいってことでしょうか」
マリーはジェナさんに対して再度確認を取った。
「おうとも。
是非にお願いしたい」
「わかりましたわ。
じゃあ、さっさとその島へ行きましょう」
マリーとゾルダはジェナさんのもとを離れようと踵を返す。
「まぁ、そう慌てるなって。
まだ話しておきたいことがある」
ジェナさんはそう言って、二人を止めた。
「いくら賢いと言っても、ドラゴンはドラゴンじゃ。
さっさと行って片づけるのじゃ」
気にはやるゾルダだが、それを無視して、ジェナさんは話を続けた。
「ドラゴンと言っても、数種類いるんだ。
ファイアドラゴン、アイスドラゴン、アースドラゴン、ウォータードラゴン、サンダードラゴンと。
ほぼ全属性のドラゴンたちがいるのが竜天島。
で、その頂点に君臨しているのが、オムニスと呼ばれるドラゴンなんだ」
「オムニス?」
「このドラゴンが厄介でね。
全属性を持っている。
しかもどの属性もある程度耐性があるようでね。
魔法が効きにくいと言われている」
通用しない魔法があるのは厳しい戦いになるかもしれない。
ゾルダたちを見ていても物理的な攻撃をしているのを見たことがない。
基本は魔法攻撃だ。
その辺りが気になったのかゾルダはジェナさんにこう聞いた。
「ワシの魔法もか?」
「圧倒的な魔法ならなんとかなるかもしれないけど……
そんじょそこらの魔法では太刀打ちが出来ないと言われている」
「それは厄介ですね」
「ワシの魔法なら問題ないじゃろ。
圧倒的だしのぅ」
「マリーの魔法はどうでしょうか。
効かないとなるとねえさまのお手伝いが出来ませんわ」
マリーはシュンとしながら項垂れていた。
「まぁ、元でも魔王だったやつならなんとかなるんじゃないかな。
だから、本物にしか頼めない仕事だよ」
ジェナさんは試すような口ぶりで俺たちにそう言った。
「だからワシは本物じゃと言っておろうに。
じゃから、案ずるな。
こんなこと朝飯前じゃ」
「なら、よろしくな!
本物のゾルダ様!」
そう言うと、ジェナさんは街へと帰っていった。
なんか憎まれ口をたたいているように思えるけど、本心はどうなんだろう。
ゾルダのことを本物と思って、この依頼をだしているんじゃないかと思ってしまう。
試すにしても危険なところへ行かせるかな……
「おい、おぬし、早くしろ。
何を考え込んでおる」
「はいはい。
わかったよ」
ゾルダは最初気乗りしていない感じはしたけど……
ジェナさんが上手くおだててくれたこともあり、機嫌よく船に乗っていった。
魔法が効きづらいという点は引っかかるんだよな……
確かにゾルダたちは今までの敵は圧倒していた。
だけど、すべて魔法によるものだ。
もし効かなかった場合、物理攻撃が出来るのか心配だ。
「なぁ、ゾルダ。
ゾルダって剣とか使って戦えるのか?」
心配だから、ちょっと聞いてみた。
「は?
まぁ、攻撃できないこともないが、ほぼ魔法じゃな。
ワシの魔法が効かない敵など今までおらんからのぅ」
そこに関しては揺るがない自信があるようだ。
「マリーもほぼ魔法だけですわ。
マリーも効かない相手を相手にしたことはないわ。
だから、今回のドラゴンはちょっと心配ですわ」
マリーの反応が普通だよね。
「あのさ、ゾルダ。
もしゾルダの魔法が効かなかったらどうするんだよ」
「そんなことはないのじゃ。
安心せい。
はっはっはっはっは」
ゾルダの能天気さはある意味凄いな。
もし効かなかったら、俺が前面で戦うのか?
そうならないように願いたいところだ。
若干の不安を抱えて、俺たちは竜天島へと向かっていった。
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