水嶋さん

ろくろくろく

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水嶋

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よく……よく知っている話し声が聞こえてくる。

目を開けてみたが眩しくてよく見えない。
何もかもが真っ白で見えないのだ。
よく目を凝らして見ると、目に入って来たのは白い天井。ベージュのカーテン。

「病院?」

もう夜が明けたのか窓の外は明るい。
細長いラックから伸びた透明な線を辿ると自分の腕に続いていた。


話し声は病室の廊下から聞こえてくる。

「水嶋さんは……」

どうなった?

ダランと伸びた水嶋の腕が目の裏に浮かんでハッとした。のんびりと寝ている場合じゃなかった。
隣のベッドは空いているのに水嶋の姿がないのだ。まだ頭は重いがどうなったかの方が気になって無理矢理体を起こした。


──車は矢田が取りに行ってる、傷はあるが走るのに支障は無いそうだ

──すいませんでした

「あ……」

水嶋だ。

水嶋の声が聞こえた。
水嶋は寝込んでない。
水嶋がちゃんと起きて立ってる。

話している相手の穏やかな声は奥田の部長だと思う。病室のすぐ外、姿は見えないがそこにいる。

無事だった。
怪我をしているかもしれないが話をしている。

車の中では息をしているのかさえ確かめられなかった。呼んでも呼んでも返事がなかった。

恐らく怒られているのだろうが無事ならそれでいい。

顔が見たくて点滴を抜いてやろうかと思ったが……

部長の会話を聞いて手を止めた。

「何故………運転をしたんだね」

「……緊急時で……私の判断ミスです」


「ふん……」

部長はいつものように鼻を鳴らしたがそのまま黙ってしまった。この無言は問いと言うより責めだと思う。

いつも穏やかで、いつも平常心を崩さない部長の声が厳しい。何か言いたいのに、暫く続いた無言には簡単に口を出せる隙間がない。
出て行くか、どうしようかを迷っていると部長が言葉を継いだ。

「君は……薬が切れているとわかってたんだよね?今回はたまたま停車中だったからこれで済んだけど、もしかしたら大切な部下を殺していたかもしれないよ」

「……はい」

薬?

薬って何だ。
確かに水嶋が薬を飲むのを見ていたが持病があるような気配はまるで無い。

しかし、知らなかったでは済まない。
知らないなんて堪らない。
点滴を引き千切りふらつく足を入り口まで運んだ。

「あの……」

声を掛けると振り向いた部長と水嶋は揃って口を噤んだ。

「江越?……何をしてんだアホ、寝てなくちゃ駄目だろ」

「俺は大丈夫です」

体なんか今はどうでもいい。

急な話題転換、部長はわざとらしく視線を逸らした。

やっぱり何か重大な事を隠してる。

薬。

知っている限りではあれしかないが水嶋は「ただの予防薬」だと言っていた。

聞きたいけど、問いただしたいけど今はそれよりも大事な事があった。

今回の事は水嶋に責任なんか無いのだ。
薬の事は後で水嶋に聞くとしてもまずそこを部長にわかって欲しかった。

「部長、すいませんでした、悪いのは俺なんです。俺の自己管理が悪かったからこんな事になったんです」

体調の事だけじゃない、水嶋に無理をさせたのは俺。旅行気分で浮かれていたのも俺だ。
出来うる限り頭を低く下げた。
しかし、部長は何も無かったように背中を向けた。

「………ふん……君達は江越くんの容態が落ち着いてから新幹線で帰って来なさい、水嶋くん頼んだよ」

「はい」
「部長!聞いてください!本当に…」
「江越くん、今から言う事を覚えておきなさい。例え君一人が悪くても……誰も悪く無くても、何かあれば責任者が罪《ざい》を負う。今回の場合は水嶋くんだね、今は何も気にせずゆっくり休んで帰ってきなさい」

「でも……」
「江越、やめろ、部長の言う通りだ、俺が悪い」

水嶋がペコリと頭を下げると「ふん」と鼻を鳴らして部長はもう歩き出してしまった。

部長の言葉にはぐうの音も出ない。
これ以上は何もいえないのだ。

廊下にあった時計を見ると朝の10時前を指している。つまり部長は相当朝早くに飛んで来てくれたという事。車を取りに行ったと聞いた矢田も事故の知らせを聞いて駆り出されたのだ。

その知らせは多分真夜中だったと思う。

水嶋と並んで二人で頭を下げて見送るしか無かった。

頭を下げるのは営業の仕事そのもの。
暫くそのままでいると先に頭を上げた水嶋がポンと額を撫でた。

「江越、ベッドに戻れ。やっぱりインフルエンザらしいぞ。もうちょっとしたら薬が効いてすぐに良くなる。頭は大丈夫か?」

「頭?」

水嶋に言われて頭を触ると包帯が巻いてある。
事故の時に頭を打った覚えがあるから多分その時に怪我をした。

「痛いか?」

「今は何も感じないけど縫ったんですか?頭蓋骨でも割れたとか?」

「縫ってないし頭蓋骨も無事だ。それでも意識は無いし熱は高いし、CT撮ったりして大変だったんだぞ」

「あの……水嶋さんは……」

聞いていいのかわからない。
わからないからふざけてみた。

「頭の中身が見えたら俺の気持ちもわかってもらえたのに残念です」
「……お前の脳味噌には字でも……書いてそうだな、お前アホだし」
「書いてます。水嶋さんが好きって書いてます、何なら見ますか?………」


口籠って誤魔化したのを悟ったのか、「そうだな」、と困ったように微笑んだ水嶋はもう一度ベッドに戻れと言ってナースコールを押した。

「お前……部長との話が聞こえてたんだな」

水嶋にしては声が弱かった。
手持ち無沙汰なのか点滴の管をネジネジしてる。

「すいません……薬が切れてたって……聞こえて……」
「うん、完全に俺のミス、お前に怪我をさせて本当にすまなかった」

そんな風に謝らなくていいのに、水嶋は取引先でよく見せる深い礼をした。
大事な所なのに……
きちっと水嶋が頭を下げているのにナースコールを聞いてやってきた看護師が引き抜いて中身が漏れた点滴を見て文句を言った。

「この時間は外来もあるし忙しいんです、次にこんな事をしたら他所に移ってもらいますからね」

「ごめんなさい」

それだけしか言えない。
さっさと寝ろって背中を押されてゴソゴソベッドに戻ると「好きな場所に刺してんじゃないの?」ってくらい手早く点滴を開通させる。
看護師はその間中文句を言っていた。

「こんなに寝具を濡らして……これじゃどれだけ漏れたかわからないでしょう、江越さんは脱水もあったから量を測ってるのに困ります。これじゃ最初からやり直しじゃない」

「…はい」

「保険証はお持ちでは無いんでしょう?全く…コピーでいいから旅行の時は持ち歩けっての」

「はい」

「本来なら入院する程の疾患でも怪我でも無いんです。事情を考慮してるだけなんだから気を付けてください」

「入院させてくれなんて俺は一言も……」
「江越」

「…………はい」


…………奥田の事務みたい。

文句を言うのはいいけど大した事ないって言い方はおかしくないか?
インフルで事故で流血だぞ?

あんた看護師だろ。
死にそうな大怪我も小指を切った傷も患者にしたら痛いのは同じ。

だからちょっと演技してみた。

「痛た……傷が…」
「切れてるんだから当たり前です」

………ですよね。

これは究極の懐柔方法じゃないのか?
世の中の看護師は慈愛の表情を浮かべて優しくて思いやりがあって時には夜を偲びエロい事をしてくれるじゃないのか?(AV参照)
助けてくれてありがとう:仕方がないから付けとく

一応反論はしなかったが銀のトレーを持って出て行った看護師の背中にベロを出した。

「水嶋さん、今から医学部に入り直してあんな看護師を全員撃滅してください、それで制服をスーパーミニスカートに変えてくれると言う事ないです」
「口は悪くても仕事をしてくれるからいいじゃ無いか、羨ましいよ、俺も医者になりたかった」

「え…と……それは……」
「うん……そう……これはさっきの話に続く」

軽い冗談のつもりだったのに……水嶋は眉を下げてただ穏やかに笑った。
聞いてもいいのかと躊躇していたが教えてくれるなら聞く。

「話して……くれるんですね」
「うん、江越には知っといてもらった方がいいと思う」

ベッドの端に座った水嶋の顔は諦めを映していた。そんな困った顔は見たくない。

聞くの怖い。
返事をしなかったあの時の水嶋より怖い。

もしここで「フジノヤマイ」とか言われたら即死する。

カラカラに乾いた喉に水分が欲しくてコクンと緊迫を飲み込んだ。

「何か…持病でもあるんですか?」

「何かって程じゃない。これは俺が産まれた時から持ってる荷物だ」
「でも薬が切れたらって……薬が切れたらどうなるんですか?もし苦しかったりするなら……俺……」

長時間呑気にグウスカ眠りこけ、起きたら起きたでラブホテルを探してた俺って最低だと思う。
もし一人で苦しいのを我慢しながら慣れない運転をしていたなら腹を切ってお詫びする。

「願はくば……花のもとにて 春死なん、牛丼いっぱい食べたいな……」


「……何だよ……それ」

「辞世の句……です」

「アホ。痛くも痒くも無いからそんな顔すんな、そしてふざけるな。前兆があるならまだマシなの、あれは中二の夏休みかな、電気コードを引っこ抜いたみたいに何もかもが突然消えたんだ。プツッとね。それで腕を折って検査入院をした」

「倒れたって事ですか?」
「歩道の階段だったからな、考えると怖いだろ?」

水嶋はちょっと惚けたような話し方をしているが、この話は……もしかして友梨のしていた話にも繋がる。友梨は確かに……「中2の夏に翔ちゃんが風邪で入院した」と言っていた。

つまり友梨は何も知らないって事だ。

「……それは病気なんですか?」
「病気じゃ無い、どちらかといえば先天的な脳の障害かな、薬を飲んでいれば日常に不自由は無いし命に別状もない、悪くなったりしない代わりに一生付き合っていく厄介者でもある」

水嶋は病名を言わないがその障害は聞いた事があった。しかし、もしかしたらパイロットやバスの運転手にはなれないかもしれないが生きる上での制限は思ってるより無いと思う。
申請は必要だが車の免許だって取れるし、やりかったのなら医者だって出来る筈だ。

「それならどうして医者を諦めたりしたんです」
「大学の講義中に何回か意識を失ってな、使ってた薬が効かなくなってたらしい、その時に「命を預かる自信があるのか」って教授に聞かれた…」

………無いよな。

そう一言付け加えた水嶋は笑ったが……気のせいかな、泣きそうにも見える。

これは法律とか医学界の話じゃない。
水嶋の……水嶋の中にだけある倫理とか心構えの事だ。

「じゃあ昨日は……」

「そんな顔をするな、今の薬は何も問題ないぞ?もう何年も発作を起こしてないから油断してたんだ。出張が長引いただろ?予備の薬を持ってなかった。飲まなかったらすぐに起こるって程でも無いから放置したんだ……本当にごめん」

「謝らないでください、元は俺が悪いんです」

水嶋が薬のチェックを忘れるような原因を作ったのは俺。自ら禁止していたハンドルを握らせたのも俺。

もう悪いのは俺ばっかり

話したく無かっただろうに……つらい話をさせたのも俺だ。

「だからそんな顔をするなったら、インフルは薬さえ効いたらすぐに治るだろ、どうせ京都駅まで行くんだからどっか観光して行くか?」
「行く!今すぐ治します。実はもう治ってます。水嶋さんとデート出来るなら…」
「黙れ」

顔を握り潰されて続きが言えなかった。

水嶋は常々と有給休暇を消化しろと会社から勧告を受けている。言ったって聞かないから仕方がないがこんな機会はこの先滅多にあるもんじゃない。

インフルエンザが何だ。
脳の障害が何だ。
水嶋が水嶋であるなら何でもいい。
怒鳴っても殴られても牛に蹴られてもたまにエッチな事をさせてくれて「もっと」とか言ってくれる日が来たら死んでもいいけど死ぬのはやだ。
話が逸れたけど水嶋なら何でもいい。

そして、その情熱は誰もが平伏すウィルスさえ焼いてしまったようだ。
意地と根性で熱を下げ、夕方には無事退院した。
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