喫茶くろあし しんどいこと吐き出して、貴方の幸多からんことを願います

⑥

｢それでも育児放棄だ、お母さんの怠慢だって言う人がいたら。
毎日用意してる献立の写真やメニュー、レシピ、それを食べたか食べてないかのチェック1週間とか1ヶ月とか。
普段食べてる様子の動画、食べるのをいやがって暴れてる様子の動画も含めて。
今から作っても良いし、過去のものでも良い。全部同じ時期のものである必要もないです。
相手は代われと言ったって代わらないから。見せてやったら良いんです。
これですよ！って。私の現実これですよ！って声をあげたら良いんです。
それでも、理解してくれない人には傷つかなくて良いし。そうやって心の中で冷めた目で見返してやっても良いんです。
お母さんだって一生懸命なんだから。
そうやって作った資料は、後に大きくなったお子さんにあなたはこうだったって笑い話にしても良い｣

大人になっても偏食が治らなかったら、それはそれで大切な資料として、福祉面で使えたりする。無駄になったりしないと、女性は続けた。

｢大きくなって食べるようになるかもしれないし。
ならないかもしれない。それは誰にも分からないです。
けれど、いつか保育園やこども園に上がって、小学校に上がってってなったら、少なくともお昼ご飯はお母さん、作らなくて良くなります。
保育園やこども園の先生や小学校の先生に、任せちゃえば良いんです
もう色んな人と色んな所で相談したんです。でも、ダメだった。で頑張るのを止めて、良いんですよ｣

｢お喋り好きの私は、お母さんが楽になるようにこれから先、過ごしたらいいと思います｣

ーーもう、良いのだろうか？頑張るのを止めて。

｢ご飯はどうせ自分が食べるから作るしかないですしね！
食べなくても出さないといけない。もしかしたら食べるかもしれない。
なら一歳半とのことなので、大人のおかずを見せてあげたら良いんですよ。食べたくなったら欲しがります。
一歳半て、本来離乳食だってもうほとんど終わりかけのところなんです。食べれてなくても胃腸は一歳半まで育ってます。
作りたくない日はベビーフードでも良いし、冷凍食品やお弁当とか一緒に選んでもいいと思うんです。
おかずカップとかお弁当向けの冷凍食品、量がちょうどいいと思いますしね！無添加とか増えましたよ。裏の成分表見ても良いし。
お子さんに直接商品の写真見せて、気になるのがないか献立選んでもらったら良いんです｣

ーーそう、なのだろうか。それでいいのだろうか。

｢だからお母さん、肩肘張りすぎないで、ほどほどに毎日ちょーと頑張るだけで良いんですよ。もう一生懸命、一人でやらなきゃ！ってことないんです。ま、これは大きな私の、一般人の一人言なんですけどね｣

｢大きな一人言で｣

男性がツッコミを入れたら、女性がギッと睨んでいた。
それにフフッと笑える私がいた。
お店に来る前は、目の前がとても真っ暗に思えたのに。
今はなんだか、心が少し軽い。

｢ありがとうございます。私、ずっとこんなふうに、誰かに、聞いてほしかったんだと思います｣

｢こちらこそ、話してくれてありがとうございます。
ここ、ランチもしてるので、良かったら来てください。二階はカーペットでお子さまものびのび出来ますし。
それにお母さんが良かったら、私、お子さんに"あーん"ってご飯を食べさせてあげてみたいです！｣