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第7章
第49話 ハイヒール
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騙された、、、いや、ケントは何一つ騙してなどいない。ホスト、、と言うより美容室みたいな営業トークに俺自ら乗っかっただけだ。美容師が進めるノンシリコンシャンプー、頭皮の毛穴をデジタル顕微鏡で拡大して見せられたりハゲの予防にいいとか言われ、結局よくわからない高いシャンプー買ったのを思い出した。転生してもメンタルが弱いなぁ、俺。
項垂れて肩を落としていると、ケントが声を掛けてくる。神父の準備が出来たみたいだ。
「では、神父様の入場です!」
ケントが声をあげると、教会内が一気に暗くなる、何処からか荘厳なオルガンの音色が場をつつむ。初めは緩やかに徐々に音が重なりあいクライマックスと併せて壇上中央にスポットライトが照される。そこに白と青を基調に金の刺繍が入った豪華な貫頭衣で着飾った壮年の男性が現れた。
この人が当然神父なのだろう。神父は壇上から俺の方へ歩いてきた。隣にいたケントに骨折している左腕をテーブルの上へ出すように促される。
神父はテーブルの上へ出した左腕へと手を置き魔力を集め行使する。暗い教会の中、神父の両手から光が発せられる。
「ハイヒール」
患部に神父の魔力が染み渡る。骨は綺麗に折れていた様で痛みはほとんど無い。
神父の手から光が消える、治療が完了したみたいだ。俺は左腕を動かしてみる。痛みもなく三日ぶりに自由に動く左腕に感動を覚える。
「おお!ありがとうございます」
感謝の言葉が自然と口からこぼれた俺を神父は優しい笑顔で見て満足げに頷くと、踵を返し音楽と共に壇裏へと戻って行った。
うぅん?神父の出番、これだけぇ?いや、ちゃんと治療してくれたからいいんだけども。
教会内の明かりがもとへ戻ると、いつの間にかケントを中心に子供達が整列していた。
「イズミさん、ではハイヒールとポーション三本で139000wenになります」
くぅ~、高い。財布から全額支払う。
「これで治療は終了になります、イズミさん本日はありがとうございました」
「「ありがとうございました!」」
一斉に頭を下げる子供達。
「あぁ、こちらこそありがとう、また怪我をしたら寄らせてもらうよ」
俺とセキアは帰るために席を立ち入り口へと向かおうとすると、入り口からノックの音が聞こえ扉から見知った人物が入ってきた、、、セルゲイさんだ。
「おや?これはイズミさんにセキアさん、こんな所で奇遇ですな」
「お久し振りです、セルゲイさん。俺達は怪我の治療に来てました。セルゲイさんこそどうされました?治療ですか?」
「いえいえ、私は少し息子の様子を伺いに」
「息子ぉ?」
息子を孤児院に預けてるのかな?この中で息子っぽいのは、、、、。
「お父さん!」
先程までのしっかりした様子ではなく子供っぽい笑顔で此方へと小走りで寄ってくるケントがいた。
「ケントには商いの修行として、いま東教会の立直しをさせています」
「立て直しですか?」
「ええ。こちらの神父さま、近隣の村々や冒険者達の孤児を引き取り孤児院を開く等、非常に人格者でおられ、さらに能力もあられるのですが極度の人見知りで広く寄付を集めれず、教会の運営費も貧窮してきた所冒険者ギルドに依頼されケントを遣わせました」
冒険者の孤児も東教会の孤児院にいるからジルバさんもここを薦めたのか。
しかし神父さまは極度の人見知りかぁ。だから治療の後、笑顔で頷いて去っていったのね。
「そうそう、イズミさん」
なにかを思い出したかの様にセルゲイさんが話を続けてきた。
「二、三日後に冒険者ランクC以下召集のレイド依頼が出されると思います」
「うぅん?レイド依頼ですか?」
レイド依頼って複数のパーティーで挑むクエストってことだよなぁ、なんでセルゲイさんが知ってるんだ?
「リッツカルトから東へ一日行った所にある高原地帯にソードアントの巣穴が見つかりまして、治療要員としてこちらの神父さまに同行依頼があったのでお伝えにきた次第でして」
ソードアントの巣穴かぁ、アント系の魔物の巣穴には500体以上がいるって話だからギルドのほうも数を揃えて討伐するのか。
「情報ありがとうございます。また明後日にでもギルドへ寄ってみます」
俺達はセルゲイさんとケントに挨拶をし前回泊まった宿へと向かった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
項垂れて肩を落としていると、ケントが声を掛けてくる。神父の準備が出来たみたいだ。
「では、神父様の入場です!」
ケントが声をあげると、教会内が一気に暗くなる、何処からか荘厳なオルガンの音色が場をつつむ。初めは緩やかに徐々に音が重なりあいクライマックスと併せて壇上中央にスポットライトが照される。そこに白と青を基調に金の刺繍が入った豪華な貫頭衣で着飾った壮年の男性が現れた。
この人が当然神父なのだろう。神父は壇上から俺の方へ歩いてきた。隣にいたケントに骨折している左腕をテーブルの上へ出すように促される。
神父はテーブルの上へ出した左腕へと手を置き魔力を集め行使する。暗い教会の中、神父の両手から光が発せられる。
「ハイヒール」
患部に神父の魔力が染み渡る。骨は綺麗に折れていた様で痛みはほとんど無い。
神父の手から光が消える、治療が完了したみたいだ。俺は左腕を動かしてみる。痛みもなく三日ぶりに自由に動く左腕に感動を覚える。
「おお!ありがとうございます」
感謝の言葉が自然と口からこぼれた俺を神父は優しい笑顔で見て満足げに頷くと、踵を返し音楽と共に壇裏へと戻って行った。
うぅん?神父の出番、これだけぇ?いや、ちゃんと治療してくれたからいいんだけども。
教会内の明かりがもとへ戻ると、いつの間にかケントを中心に子供達が整列していた。
「イズミさん、ではハイヒールとポーション三本で139000wenになります」
くぅ~、高い。財布から全額支払う。
「これで治療は終了になります、イズミさん本日はありがとうございました」
「「ありがとうございました!」」
一斉に頭を下げる子供達。
「あぁ、こちらこそありがとう、また怪我をしたら寄らせてもらうよ」
俺とセキアは帰るために席を立ち入り口へと向かおうとすると、入り口からノックの音が聞こえ扉から見知った人物が入ってきた、、、セルゲイさんだ。
「おや?これはイズミさんにセキアさん、こんな所で奇遇ですな」
「お久し振りです、セルゲイさん。俺達は怪我の治療に来てました。セルゲイさんこそどうされました?治療ですか?」
「いえいえ、私は少し息子の様子を伺いに」
「息子ぉ?」
息子を孤児院に預けてるのかな?この中で息子っぽいのは、、、、。
「お父さん!」
先程までのしっかりした様子ではなく子供っぽい笑顔で此方へと小走りで寄ってくるケントがいた。
「ケントには商いの修行として、いま東教会の立直しをさせています」
「立て直しですか?」
「ええ。こちらの神父さま、近隣の村々や冒険者達の孤児を引き取り孤児院を開く等、非常に人格者でおられ、さらに能力もあられるのですが極度の人見知りで広く寄付を集めれず、教会の運営費も貧窮してきた所冒険者ギルドに依頼されケントを遣わせました」
冒険者の孤児も東教会の孤児院にいるからジルバさんもここを薦めたのか。
しかし神父さまは極度の人見知りかぁ。だから治療の後、笑顔で頷いて去っていったのね。
「そうそう、イズミさん」
なにかを思い出したかの様にセルゲイさんが話を続けてきた。
「二、三日後に冒険者ランクC以下召集のレイド依頼が出されると思います」
「うぅん?レイド依頼ですか?」
レイド依頼って複数のパーティーで挑むクエストってことだよなぁ、なんでセルゲイさんが知ってるんだ?
「リッツカルトから東へ一日行った所にある高原地帯にソードアントの巣穴が見つかりまして、治療要員としてこちらの神父さまに同行依頼があったのでお伝えにきた次第でして」
ソードアントの巣穴かぁ、アント系の魔物の巣穴には500体以上がいるって話だからギルドのほうも数を揃えて討伐するのか。
「情報ありがとうございます。また明後日にでもギルドへ寄ってみます」
俺達はセルゲイさんとケントに挨拶をし前回泊まった宿へと向かった。
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