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呪われた兄妹
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「わたくしが何度もフラれ婚約破棄されるのは呪いのせいだったんですね」
シュレイバー伯爵夫人が応接室を出ていくと、リリアたち三人はソファーに腰掛け呪いについて話し合った。
「断言はできませんが、呪いを解いてみて状況が改善されたのなら呪いのせいだと言えますね」
「まさか俺も呪われてるとは思わなかった」
「デリク様は婚約を継続されていますし、ミシェルお嬢様とは状況が異なります」
「あの……リリア様。お願いを聞いてくださいますか?」
「はい、私にできることなら」
「では遠慮なく。リリア様、わたくしとお友達になってください!」
「………お友達……ですか?」
リリアはてっきり呪いについての相談だと思い込んでいたため、まさかの友達申請に目を丸くした。どうしたものかとデリクをちらりと窺う。
「実は……ミシェルは君の大ファンなんだ。魔術科の公開試験で君を見て以来、こっそり君の追っかけをしていたんだよ」
「そうでしたか、まったく気が付きませんでした。嬉しいです。私で宜しければお友達になりましょう」
リリアは柔らかく微笑んだ。
「くぅぅうう!! お兄様お聞きになりました!? わたくし、リリア様とお友達になれました!!」
興奮したミシェルは隣に座るデリクをバシバシと叩く。
「聞いた聞いた。痛いから叩くのを止めろ、はしたないぞ」
「ああっ、わたくしったら……つい興奮して。でも、ずっと憧れていたんです!! 綺麗でかっこよくて才能があって、クールなのに魔導書を呼んでいる時にたまに見せる笑顔が可愛いらしくて。全部大好きです!! 魔術の練習中に解除魔法の威力が強すぎて学園の結界を一つ解除してしまったという逸話、先生から聞き出しました! わたくしリリア様とお話したいことがいっぱいあるんです!」
長いセリフを『うんうん』とデリクは頷いていたが、思いの丈を伝えるミシェルが『大好きです!!』と告白すると、雷に打たれたように固まってしまった。
「……そこまで言われると照れますね。ありがとうございます」
「はうっ!」
はにかむリリアを見てミシェルのボルテージが爆上がりした。「お兄様っ!!」と言いながら再びバシバシと平手打ちを繰り出す。すっかり呪いのことを忘れてはしゃぐミシェルとは反対にデリクの表情が暗く沈んでいく。
(デリク様大丈夫かしら……呪われていたんだもの、落ち込むわよね)
「デリク様? 気分が優れないようでしたらお部屋で休んでいてください」
「羨ましい……」
「はい?」
デリクの蚊の鳴くような小さな声は、リリアには届かなかった。
◇◇◇
その後、ほどなくしてデリクたちの父親であるシュレイバー伯爵が帰宅。ことの経緯を説明したあと伯爵も呪いの確認をすることになった。
「――呪われていますね」
これで伯爵夫人を除いた三人が呪われていると判明した。
「すぐに呪いを解いてくれ」
「すぐに解きたいのですが、御三方のどなたにも呪いの魔法陣が現れませんでした。呪いをかけられたご本人がここにいらっしゃいません」
「どういうことなの?」
「推測ですが、ご先祖のどなたかが呪いをかけられ、そこから呪いが代々伝わっているのかと思われます。簡単に申し上げると『末代まで呪ってやる』というものですね」
「どおりで……。私の妹がミシェルとまったく同じなんだ」
シュレイバー伯爵には妹が一人いる。デリクたちにとって叔母にあたる彼女も、何度も婚約破棄を繰り返され現在も独身のままだという。
「私が言うのもなんだが、妹は器量も性格も悪くはない。なぜ上手くいかないのか不思議だったんだ」
女性は婚約破棄が続く。では男性はどうだろう。伯爵は結婚して子供を儲けているし、仕事も順調なようだ。デリクは……。
「デリク様はこれまでに困った事などありましたか? 学生時代や現在のお仕事はどうでしょう」
「特に困ったことはない」
「では、女性関係。ご婚約に関してはどうですか?」
「……」
デリクは黙り込んでしまった。初めて魔術店を訪れた時、「双方に愛のない婚約」とハッキリ言っていた。もし彼が困っていることがあるとするなら、それはシャーロットとの婚約についてではなかろうか。
「俺は……シャーロットと結婚したくありません。彼女も俺と同じ気持ちで、何度も公爵夫妻に婚約解消をお願いしているそうです。にもかかわらず公爵夫人が首を縦に振らないのはあなたのせいだと言われました。結婚相手はうちでなくても良いはずです。俺にこだわる理由がよく分かりません」
「デリク……結婚したくないだなんて、急に何を言い出すの!? 結婚はあなたの都合ではなく家同士の問題なのよ。とにかく公爵夫人がデリクを婿にしたいと熱望されているの。あなたは公爵家の人間になれるのよ!」
「分かってました……俺の意思なんてどうでもいい事くらい。ただ、公爵家の人間になることがそんなに大事でしょうか」
「お母様知っていますか? 最近では恋愛結婚も増えてきているんですよ」
「ミシェル、婚約破棄ばかりされてるあなたが何言ってるの! 縁談を取り付けるのに私がどれだけ苦労してると思ってるの!?」
「酷いです……婚約破棄は呪いのせいかもしれないのに」
「まさか、あなたがデリクに変な術をかけて誘惑したんじゃないの!?」
伯爵夫人の怒りの矛先がリリアに向けられた。まさか自分のせいにされるとは思わず、リリアの片眉がピクリと動く。
「もうやめないか!」
シュレイバー伯爵は夫人を静止して、ポロポロと涙を流す娘の背中をさすってやった。その様子が夫人の怒りを加速させようだ。
「婚約破棄ばかりされるのは、あなたがミシェルを甘やかすからじゃないですか!? 結婚の事は私にすべて任せればいいの! デリクとミシェルは黙って従っていればいいのよ!」
頭に血の昇った夫人は部屋を出て行ってしまった。
「婚約の話になると、お母様はいつもああなの。お兄様も可哀想」
(伯爵夫人はヒステリーでご主人と子供の気持ちを大事にしない。シャーロット様は婚約者がいる身でありながら子爵令息にぞっこんでデリク様のことを蔑ろにしている……なるほど)
リリアは、何となく呪いについて分かったような気がした。
シュレイバー伯爵夫人が応接室を出ていくと、リリアたち三人はソファーに腰掛け呪いについて話し合った。
「断言はできませんが、呪いを解いてみて状況が改善されたのなら呪いのせいだと言えますね」
「まさか俺も呪われてるとは思わなかった」
「デリク様は婚約を継続されていますし、ミシェルお嬢様とは状況が異なります」
「あの……リリア様。お願いを聞いてくださいますか?」
「はい、私にできることなら」
「では遠慮なく。リリア様、わたくしとお友達になってください!」
「………お友達……ですか?」
リリアはてっきり呪いについての相談だと思い込んでいたため、まさかの友達申請に目を丸くした。どうしたものかとデリクをちらりと窺う。
「実は……ミシェルは君の大ファンなんだ。魔術科の公開試験で君を見て以来、こっそり君の追っかけをしていたんだよ」
「そうでしたか、まったく気が付きませんでした。嬉しいです。私で宜しければお友達になりましょう」
リリアは柔らかく微笑んだ。
「くぅぅうう!! お兄様お聞きになりました!? わたくし、リリア様とお友達になれました!!」
興奮したミシェルは隣に座るデリクをバシバシと叩く。
「聞いた聞いた。痛いから叩くのを止めろ、はしたないぞ」
「ああっ、わたくしったら……つい興奮して。でも、ずっと憧れていたんです!! 綺麗でかっこよくて才能があって、クールなのに魔導書を呼んでいる時にたまに見せる笑顔が可愛いらしくて。全部大好きです!! 魔術の練習中に解除魔法の威力が強すぎて学園の結界を一つ解除してしまったという逸話、先生から聞き出しました! わたくしリリア様とお話したいことがいっぱいあるんです!」
長いセリフを『うんうん』とデリクは頷いていたが、思いの丈を伝えるミシェルが『大好きです!!』と告白すると、雷に打たれたように固まってしまった。
「……そこまで言われると照れますね。ありがとうございます」
「はうっ!」
はにかむリリアを見てミシェルのボルテージが爆上がりした。「お兄様っ!!」と言いながら再びバシバシと平手打ちを繰り出す。すっかり呪いのことを忘れてはしゃぐミシェルとは反対にデリクの表情が暗く沈んでいく。
(デリク様大丈夫かしら……呪われていたんだもの、落ち込むわよね)
「デリク様? 気分が優れないようでしたらお部屋で休んでいてください」
「羨ましい……」
「はい?」
デリクの蚊の鳴くような小さな声は、リリアには届かなかった。
◇◇◇
その後、ほどなくしてデリクたちの父親であるシュレイバー伯爵が帰宅。ことの経緯を説明したあと伯爵も呪いの確認をすることになった。
「――呪われていますね」
これで伯爵夫人を除いた三人が呪われていると判明した。
「すぐに呪いを解いてくれ」
「すぐに解きたいのですが、御三方のどなたにも呪いの魔法陣が現れませんでした。呪いをかけられたご本人がここにいらっしゃいません」
「どういうことなの?」
「推測ですが、ご先祖のどなたかが呪いをかけられ、そこから呪いが代々伝わっているのかと思われます。簡単に申し上げると『末代まで呪ってやる』というものですね」
「どおりで……。私の妹がミシェルとまったく同じなんだ」
シュレイバー伯爵には妹が一人いる。デリクたちにとって叔母にあたる彼女も、何度も婚約破棄を繰り返され現在も独身のままだという。
「私が言うのもなんだが、妹は器量も性格も悪くはない。なぜ上手くいかないのか不思議だったんだ」
女性は婚約破棄が続く。では男性はどうだろう。伯爵は結婚して子供を儲けているし、仕事も順調なようだ。デリクは……。
「デリク様はこれまでに困った事などありましたか? 学生時代や現在のお仕事はどうでしょう」
「特に困ったことはない」
「では、女性関係。ご婚約に関してはどうですか?」
「……」
デリクは黙り込んでしまった。初めて魔術店を訪れた時、「双方に愛のない婚約」とハッキリ言っていた。もし彼が困っていることがあるとするなら、それはシャーロットとの婚約についてではなかろうか。
「俺は……シャーロットと結婚したくありません。彼女も俺と同じ気持ちで、何度も公爵夫妻に婚約解消をお願いしているそうです。にもかかわらず公爵夫人が首を縦に振らないのはあなたのせいだと言われました。結婚相手はうちでなくても良いはずです。俺にこだわる理由がよく分かりません」
「デリク……結婚したくないだなんて、急に何を言い出すの!? 結婚はあなたの都合ではなく家同士の問題なのよ。とにかく公爵夫人がデリクを婿にしたいと熱望されているの。あなたは公爵家の人間になれるのよ!」
「分かってました……俺の意思なんてどうでもいい事くらい。ただ、公爵家の人間になることがそんなに大事でしょうか」
「お母様知っていますか? 最近では恋愛結婚も増えてきているんですよ」
「ミシェル、婚約破棄ばかりされてるあなたが何言ってるの! 縁談を取り付けるのに私がどれだけ苦労してると思ってるの!?」
「酷いです……婚約破棄は呪いのせいかもしれないのに」
「まさか、あなたがデリクに変な術をかけて誘惑したんじゃないの!?」
伯爵夫人の怒りの矛先がリリアに向けられた。まさか自分のせいにされるとは思わず、リリアの片眉がピクリと動く。
「もうやめないか!」
シュレイバー伯爵は夫人を静止して、ポロポロと涙を流す娘の背中をさすってやった。その様子が夫人の怒りを加速させようだ。
「婚約破棄ばかりされるのは、あなたがミシェルを甘やかすからじゃないですか!? 結婚の事は私にすべて任せればいいの! デリクとミシェルは黙って従っていればいいのよ!」
頭に血の昇った夫人は部屋を出て行ってしまった。
「婚約の話になると、お母様はいつもああなの。お兄様も可哀想」
(伯爵夫人はヒステリーでご主人と子供の気持ちを大事にしない。シャーロット様は婚約者がいる身でありながら子爵令息にぞっこんでデリク様のことを蔑ろにしている……なるほど)
リリアは、何となく呪いについて分かったような気がした。
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