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第2章 海辺へ
イルカのショー
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「よかった。まだ空いてたよ」
眩しい陽光が差し込む、汗ばむ暑さの屋外プール、そしてそれを半球状に取り囲む観客席。そこに座って今か今かと待ち焦がれる人、ひと、ヒト。
二人はまだ空いていた観客席、プールのほぼ正面の前から3列目に座ることができた。
「すごい深いプールですね」
「そうだよ。ここにすっごいお魚さん? が来るんだよ」
「何も居ないように見えますが」
「すぐ来るよ……来た!」
黄色いウインドブレーカーを着たお姉さん――飼育員が3人、プール際のステージに現れて散開する。
そして、プールの中に黒いものが数体、飼育員に合わせて水の中からついてくる。
「みなさーん、酸ノ浜水族館へ、ようこそー! これから、マナちゃんと、ルイ君と、クレアちゃんのイルカのショーを、始めるよー!」
3体のイルカが水中から半身を乗りだし、ご挨拶のポーズ。そして飼育員の元へと集まり、じっと見ている。
飼育員が手を大きく振ると、イルカたちは順番に水面の下に潜っていった。
「なにが起き――」
「しっ……これから、です」
みづきが真剣な表情で凜霞を制し、水に潜ったイルカ達の行き先を目で追っている。
一瞬の静寂のあとで、軽快なミュージックが会場に流れる。
イルカの群れが、ぽん、ぽぅんと水中から打ち上がり、宙を舞う。時に1体、くるり、くるりと水しぶきを上げながら大回転。時に2体、同時に左右の端から飛び上がり、空中でクロス。ときに3体。一斉に舞い上がり、また青い水面へと消えていく。
それは、蒼天に浮かぶ黒い三日月のよう。それは、一輪、また一輪と咲き乱れる漆黒の花のよう。それは花火のように。水面から打ち上がり、高く、より高く。黒い華を輝かせて――
バッシィィィィンッッ。
激しく水を叩く音と共に水そのものがプールから飛び上がり、観客席に湧き上がる悲鳴の中で無防備な2人へと襲いかかっていく。
眩しい陽光が差し込む、汗ばむ暑さの屋外プール、そしてそれを半球状に取り囲む観客席。そこに座って今か今かと待ち焦がれる人、ひと、ヒト。
二人はまだ空いていた観客席、プールのほぼ正面の前から3列目に座ることができた。
「すごい深いプールですね」
「そうだよ。ここにすっごいお魚さん? が来るんだよ」
「何も居ないように見えますが」
「すぐ来るよ……来た!」
黄色いウインドブレーカーを着たお姉さん――飼育員が3人、プール際のステージに現れて散開する。
そして、プールの中に黒いものが数体、飼育員に合わせて水の中からついてくる。
「みなさーん、酸ノ浜水族館へ、ようこそー! これから、マナちゃんと、ルイ君と、クレアちゃんのイルカのショーを、始めるよー!」
3体のイルカが水中から半身を乗りだし、ご挨拶のポーズ。そして飼育員の元へと集まり、じっと見ている。
飼育員が手を大きく振ると、イルカたちは順番に水面の下に潜っていった。
「なにが起き――」
「しっ……これから、です」
みづきが真剣な表情で凜霞を制し、水に潜ったイルカ達の行き先を目で追っている。
一瞬の静寂のあとで、軽快なミュージックが会場に流れる。
イルカの群れが、ぽん、ぽぅんと水中から打ち上がり、宙を舞う。時に1体、くるり、くるりと水しぶきを上げながら大回転。時に2体、同時に左右の端から飛び上がり、空中でクロス。ときに3体。一斉に舞い上がり、また青い水面へと消えていく。
それは、蒼天に浮かぶ黒い三日月のよう。それは、一輪、また一輪と咲き乱れる漆黒の花のよう。それは花火のように。水面から打ち上がり、高く、より高く。黒い華を輝かせて――
バッシィィィィンッッ。
激しく水を叩く音と共に水そのものがプールから飛び上がり、観客席に湧き上がる悲鳴の中で無防備な2人へと襲いかかっていく。
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