美形しかいない乙女ゲームの中の悪役令嬢に転生してしまったのですが誰か助けてください…。

桜叶

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私が…公爵令嬢ですって!?

どうやら記憶がよみがえった様です…。

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 「ん…?」

目が覚めて辺りを見回す。どこまでも真っ白な世界…に神様が私の顔を覗き込んでいる。

「目を覚ましたか。」

驚いて慌てて起き上がる。

ゴツンッ!!

神様の額とぶつかってしまった。いてて…と額を痛そうに触る神様を見て、とっさに土下座をする。

「何をしているんだ?」

「いえ、神様に危害を与えてしまったゆえ、せめて土下座で謝らせて頂こうと思いまして…。」

クックックと言う声が聞こえる。

「お前、本当に公爵家の令嬢としての教育を受けてきたのか?」

見ると神様はおなかを抱えて笑っていた。

「そのつもりですが…。」

「まあ良い。そんなことより本題に移ろう。」

神様が腕を組む。本題が何の事なのか、私はすぐに分かった。

「今、お前の頭の中には生まれてからの9年間の記憶と、もう一つの記憶があるだろう。それはいわゆるお前が生まれる前の人生。魂の記憶である前世と言われるものだ。」

「存じております。記憶がよみがえった時、全て思い出しました。リズリ・ヘレン・セインドではないもう一つの人格、古都宮春遥。私は前世ではたったの14歳までしか生きれなかったのですね。」

「ならば話は早いな。私が言いたいのは、前世がどうであろうとお前が今、公爵令嬢 リズリ・ヘレン・セインドである事に変わりはない、ということだ。」

神様はそういうとふっと微笑んだ。神様の微笑みはさすが本物なだけあって誰よりも神々しい。私もそれに負けない様、精いっぱいの笑顔を作る。

「久しぶりだな、エルテ!おっ、この子があのリズリちゃん?」

神様が一気に不機嫌そうな顔になる。私は硬直した。
え…ど、どちら様でしょうか…?
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