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どうも乙女ゲームの悪役令嬢です
どうやら国王陛下に呼び出しをくらった様です…。
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バンッ!!!
部屋が勢いよく開いた。ルナだ。
「リズリ様!今すぐドレスを着替えますよ!」
「えっどうしたの!?」
「国王陛下がセインド公爵殿下とリズリ様を王宮にとのことです!」
聞きたいことは色々あるが国王陛下ともなればもたもたしては居られない。
早急に余所行きのドレスに着替えなければ。
「ルナさん!このドレスで良いかしら?」
ええ、とルナは召使いから水色のドレスを受け取る。
袖が特徴的で、落ち着いた色なので、個人的には気に入っているドレスだ。
きっとルナが私がカチンコチンになるのが分かっているからわざわざ私のお気に入りを頼んでくれたのだろう。
「出来ましたよリズリ様!頑張ってきてくださいね!」
そう言ってルナはガッツポーズをする。ええ!と私もルナにガッツポーズを返した。
☆彡★彡
「久しぶり、リズ。」
お父様がニコッと笑う。同じ屋敷に居る筈なのに、お父様と話すのは本当に久しぶりだ。
「お久しぶりです、お父様。」
ドレスの裾を持ち上げて礼をしながら挨拶をする。
「私が知らない間にまた大きくなったなぁ。」
お父様は少し切なそうな笑顔を見せた。これはお父様と会うたびに言われる事だ。
お父様は公爵なこともあってとても忙しい。自分が知らない間にどんどん成長して行く私を見て少し寂しいのだろう。
「ルナも元気にしているか?」
「はい。とても。」
馬車の中で繰り広げられるのは本当に何気ない親子の会話だ。
ただ、そんな何気ない時間の大切さも、公爵令嬢になって記憶を取り戻して学んだことでもある。
「そろそろ着くよ。」
お父様がふいに窓の外を見て言う。
私も窓の外を見る。
「わあ、久しぶりにみたらやっぱり綺麗だわ。」
思わずそう呟いてしまう。
馬車が止まり、降りる。
「いいかい、リズリ。お前なら大丈夫だと思うが、絶対に無礼の無いようにな。」
お父様の言葉にはい、と答え、門をくぐると、待っていた召使いがこちらです、と案内してくれる。
いつもはなごなごとしたオーラをまとっているお父様も、今日はキリッとしていた。
大きな両開きの扉の前で召使いは立ち止まると、取っ手を持ってお父様を見る。
お父様が頷くと、見張りの兵と召使いが扉が開いた。
「大丈夫だ。」
そうささやいて前をお父様が歩き出す。
私も後に続きながら必死に願うのは1つだ。
どうか無事に帰れますよーに!!
部屋が勢いよく開いた。ルナだ。
「リズリ様!今すぐドレスを着替えますよ!」
「えっどうしたの!?」
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早急に余所行きのドレスに着替えなければ。
「ルナさん!このドレスで良いかしら?」
ええ、とルナは召使いから水色のドレスを受け取る。
袖が特徴的で、落ち着いた色なので、個人的には気に入っているドレスだ。
きっとルナが私がカチンコチンになるのが分かっているからわざわざ私のお気に入りを頼んでくれたのだろう。
「出来ましたよリズリ様!頑張ってきてくださいね!」
そう言ってルナはガッツポーズをする。ええ!と私もルナにガッツポーズを返した。
☆彡★彡
「久しぶり、リズ。」
お父様がニコッと笑う。同じ屋敷に居る筈なのに、お父様と話すのは本当に久しぶりだ。
「お久しぶりです、お父様。」
ドレスの裾を持ち上げて礼をしながら挨拶をする。
「私が知らない間にまた大きくなったなぁ。」
お父様は少し切なそうな笑顔を見せた。これはお父様と会うたびに言われる事だ。
お父様は公爵なこともあってとても忙しい。自分が知らない間にどんどん成長して行く私を見て少し寂しいのだろう。
「ルナも元気にしているか?」
「はい。とても。」
馬車の中で繰り広げられるのは本当に何気ない親子の会話だ。
ただ、そんな何気ない時間の大切さも、公爵令嬢になって記憶を取り戻して学んだことでもある。
「そろそろ着くよ。」
お父様がふいに窓の外を見て言う。
私も窓の外を見る。
「わあ、久しぶりにみたらやっぱり綺麗だわ。」
思わずそう呟いてしまう。
馬車が止まり、降りる。
「いいかい、リズリ。お前なら大丈夫だと思うが、絶対に無礼の無いようにな。」
お父様の言葉にはい、と答え、門をくぐると、待っていた召使いがこちらです、と案内してくれる。
いつもはなごなごとしたオーラをまとっているお父様も、今日はキリッとしていた。
大きな両開きの扉の前で召使いは立ち止まると、取っ手を持ってお父様を見る。
お父様が頷くと、見張りの兵と召使いが扉が開いた。
「大丈夫だ。」
そうささやいて前をお父様が歩き出す。
私も後に続きながら必死に願うのは1つだ。
どうか無事に帰れますよーに!!
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