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林間学校②
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カナと登が待機することになったので、次の日の活動は三原と莉子の2人になった。はじめは登山。グループごとにコースも違うので2人きりの時間が多かった。莉子は三原に話しかけるが三原は簡単に返すだけであまり会話が続かないので、莉子も話しかけるのをやめてしまった。無言のまま2人で歩いていると、三原が急に立ち止まった。
「三原くんどうかしましたか」
「昨日の宮近の怪我俺のせいだ」
「どういうことでしょう」
「俺が先頭で宮近が俺の次を歩いてた。確かに転んだところは大きな石があって注意が必要だったし、、俺が一言注意を促すだけで防げたんだ」
三原はかなり落ちんでいる様子だった。
「あれは事故だし仕方ないと思いますよ。カナもそんなこと絶対思ってないです。」
莉子は励ましたが、三原の耳には入っていないようだった。
「山にも詳しくて、年上なのに俺ほんと何やってんだろ」
三原は力なく笑った。
そんな三原を見て、胸が締め付けられる莉子だったが、なんと声をかけていいかわからなかった。
見晴らしのいいところで休憩している際、莉子はおもむろにリュックから何かを取り出した。
「三原くん。これやりませんか」
「お手玉。。。」
「はい!私得意なので暇な時によくするんですよ。ちなみにいつも常備しています。」
そういうと莉子はお手玉遊びを始めた。二つ、三つ、四つとお手玉の数を増やしていく。
「今どきお手玉って。。。すごくうまいんだな。高梨って、面白い。高梨に救われた人は多いと思うよ」
隣で優しい顔で微笑みかける三原に莉子はドキッとした。
それから三原もお手玉を一緒に楽しんだ。
休憩を終えて、次に行こうとする際、三原が莉子の頭をポンポンと撫でた。
「高梨、元気づけてくれてありがとう」
三原は穏やかに言った。
莉子は、自分の顔が赤くなるのがわかった。
こんな気持ちは初めてで三原の笑顔がもっと見たいと思った。
登山が終わって、お昼は川で魚をとって昼食にする予定だった。三原は簡易釣竿で釣ろうとしていた。莉子はリュックから網を出して川の岩に挟み込んで罠を仕掛けていた。
「高梨、やったことあんの?」
「はい、昔よくしてて。魚獲りは得意です」
「ほんとになんでもできるのな、頼もしいよ」
三原は感心したように言った。
「いえ、私は環境に恵まれていますので、出来る限りのことはしたいと思っています。もちろん、苦手なこともありますよ。」
「苦手なことって?」
莉子は少し思い詰めるように答えた。
「恋愛は苦手ですね。先日も前お付き合いしてた人を傷つけてしまいました」
莉子は小野田一太のことを思い出し少し胸が痛んだ。
「大丈夫。高梨は素敵な女性だよ。きっとこれからいい恋愛ができると思う。」
「今度は私が励まされてしまいました」
莉子は照れたように笑った。三原のぶっきらぼうだが人を思う優しい言動に惹かれる自分がいた。
数匹獲れた魚をその場で塩焼きにして食べた。そのおいしさに2人で感動して、楽しい時間を過ごした。
カナと園田は部屋でアニメ鑑賞会をしていた。カナは可愛くて男子からの人気もあるが、誰とでも仲良くなれる性格をしているので、同じ班になってから内気の園田とも過ごす時間が増えていた。一方園田も、はじめこそカナに遠慮していたが、アニメ好きな自分を受け入れて、くれて仲良くしてくれるカナに好意を抱いていた。
「はぁ、これも面白かったねぇ」
「はい、まだ続編があります!」
「みよみよ!」
朝から3時間以上アニメを見ていた。園田はカナの横でウトウトし出した。
カナは思わず寝ている園田の髪をかきあげた。普段は長めの前髪も額を出すと印象が変わる。寝顔が可愛くて思わず笑みがこぼれた。
ー園田くん、話したことなかったけど可愛くて素直でいい子だなー
カナはそう考えながら、一緒に眠ってしまった。
園田が起きると宮近カナが隣で寝ていることに驚いた。起こしちゃ悪いと園田はそこから離れようとすると、カナが園田の腕を掴んだ。「のぼるん、前髪少し切らない?
「え?」
「のぼるん可愛い顔してるのに隠してるの勿体無い。私姉が美容師で私も目指してるから結構上手に切れるよ。いや?」
「嫌ではないですけど。。。。」「
「じゃ、私に任せてみて!絶対かっこよくするから!」
夕方になって莉子と三原玲宿に着いた。
「園田????」
2人は園田を見て驚いた。
「美容室に行ったんですか!?」
莉子は尋ねた。
「違うよー私が前髪切ったの。」
カナが笑いながら答えた。
「へ、変かな?かなり恥ずかしいんだけど」
「とてもよく似合っています!」
「そっちの方がいいよ」
莉子と三原にも好評だった。
こうして一泊2日の林間学校は終わりを迎えた。
「三原くんどうかしましたか」
「昨日の宮近の怪我俺のせいだ」
「どういうことでしょう」
「俺が先頭で宮近が俺の次を歩いてた。確かに転んだところは大きな石があって注意が必要だったし、、俺が一言注意を促すだけで防げたんだ」
三原はかなり落ちんでいる様子だった。
「あれは事故だし仕方ないと思いますよ。カナもそんなこと絶対思ってないです。」
莉子は励ましたが、三原の耳には入っていないようだった。
「山にも詳しくて、年上なのに俺ほんと何やってんだろ」
三原は力なく笑った。
そんな三原を見て、胸が締め付けられる莉子だったが、なんと声をかけていいかわからなかった。
見晴らしのいいところで休憩している際、莉子はおもむろにリュックから何かを取り出した。
「三原くん。これやりませんか」
「お手玉。。。」
「はい!私得意なので暇な時によくするんですよ。ちなみにいつも常備しています。」
そういうと莉子はお手玉遊びを始めた。二つ、三つ、四つとお手玉の数を増やしていく。
「今どきお手玉って。。。すごくうまいんだな。高梨って、面白い。高梨に救われた人は多いと思うよ」
隣で優しい顔で微笑みかける三原に莉子はドキッとした。
それから三原もお手玉を一緒に楽しんだ。
休憩を終えて、次に行こうとする際、三原が莉子の頭をポンポンと撫でた。
「高梨、元気づけてくれてありがとう」
三原は穏やかに言った。
莉子は、自分の顔が赤くなるのがわかった。
こんな気持ちは初めてで三原の笑顔がもっと見たいと思った。
登山が終わって、お昼は川で魚をとって昼食にする予定だった。三原は簡易釣竿で釣ろうとしていた。莉子はリュックから網を出して川の岩に挟み込んで罠を仕掛けていた。
「高梨、やったことあんの?」
「はい、昔よくしてて。魚獲りは得意です」
「ほんとになんでもできるのな、頼もしいよ」
三原は感心したように言った。
「いえ、私は環境に恵まれていますので、出来る限りのことはしたいと思っています。もちろん、苦手なこともありますよ。」
「苦手なことって?」
莉子は少し思い詰めるように答えた。
「恋愛は苦手ですね。先日も前お付き合いしてた人を傷つけてしまいました」
莉子は小野田一太のことを思い出し少し胸が痛んだ。
「大丈夫。高梨は素敵な女性だよ。きっとこれからいい恋愛ができると思う。」
「今度は私が励まされてしまいました」
莉子は照れたように笑った。三原のぶっきらぼうだが人を思う優しい言動に惹かれる自分がいた。
数匹獲れた魚をその場で塩焼きにして食べた。そのおいしさに2人で感動して、楽しい時間を過ごした。
カナと園田は部屋でアニメ鑑賞会をしていた。カナは可愛くて男子からの人気もあるが、誰とでも仲良くなれる性格をしているので、同じ班になってから内気の園田とも過ごす時間が増えていた。一方園田も、はじめこそカナに遠慮していたが、アニメ好きな自分を受け入れて、くれて仲良くしてくれるカナに好意を抱いていた。
「はぁ、これも面白かったねぇ」
「はい、まだ続編があります!」
「みよみよ!」
朝から3時間以上アニメを見ていた。園田はカナの横でウトウトし出した。
カナは思わず寝ている園田の髪をかきあげた。普段は長めの前髪も額を出すと印象が変わる。寝顔が可愛くて思わず笑みがこぼれた。
ー園田くん、話したことなかったけど可愛くて素直でいい子だなー
カナはそう考えながら、一緒に眠ってしまった。
園田が起きると宮近カナが隣で寝ていることに驚いた。起こしちゃ悪いと園田はそこから離れようとすると、カナが園田の腕を掴んだ。「のぼるん、前髪少し切らない?
「え?」
「のぼるん可愛い顔してるのに隠してるの勿体無い。私姉が美容師で私も目指してるから結構上手に切れるよ。いや?」
「嫌ではないですけど。。。。」「
「じゃ、私に任せてみて!絶対かっこよくするから!」
夕方になって莉子と三原玲宿に着いた。
「園田????」
2人は園田を見て驚いた。
「美容室に行ったんですか!?」
莉子は尋ねた。
「違うよー私が前髪切ったの。」
カナが笑いながら答えた。
「へ、変かな?かなり恥ずかしいんだけど」
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「そっちの方がいいよ」
莉子と三原にも好評だった。
こうして一泊2日の林間学校は終わりを迎えた。
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