サックスを吹く君のそばで

いとまる

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ーー5限目のサッカーー

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 昼休みが終わって5限の予鈴がなった。
 皆が席について次の授業の準備を始める。



 窓際の前から3番目の席についた傑は、窓を開けた。9月はまだ残暑厳しいが、風が吹くと心地よい。下敷きで顔を仰ぎながら、ふと、運動場の方に目を向けた。



 3組が体育をしている。男女に分かれてサッカーをしているようだ。5限の体育は勘弁だなと思いながらなんとなくみていた。



 5限が始まった。1組は英語の授業だった。傑は予習もしていたので、先生の話を聞きながらも3組のサッカーをぼーっと眺めていた。


 前の席の綾が後ろを振り向いた。



 綾「3組に気になる人でもいるの?」



 傑「いや、なんとなく見てただけ」



 綾は世話焼きで、なにかと話しかけてくる。高1の頃から同じクラスで、今年で2年目だ。数少ない女友達である。



 綾「なーんだつまんない。3組といえば学年1かっこいいってうわさの女子がいるんだよ。ほら、あのポニーテールの背が高い子」


 傑「かっこいいって女子??あぁ、あの人。。。確かに目立つね。サッカーも上手いし」



 綾「確か千鶴さんって言ったかな?美人でかっこよくて羨ましいー!女子にもモテモテなんだって」



 傑「え、それってどうなの?本人嬉しいのか??女子の考えわからん。。。」



 綾がそんなこと言うもんだから、なんとなくその千鶴さんを目で追っていると、サッカーの合間の休憩時間に人けのない日陰の方に行って、誰かに飲み物を渡す姿があった。



 華奢で肌の色も白く、一見女子に見えるが、おそらく男子だろう。体調が良くないのか、見学しているようだった。
 長めの前髪で目元は見えないが、髪の間から伸びる鼻筋は高く、端正な顔立ちが伺えた。

 傑「綾、あの見学してる人は誰?あんな人いたっけ?」



 綾「あぁ、あの人は、千鶴さんの幼馴染らしいよ。名前は忘れたけど、確か吹奏楽部って言ってたかな」


 傑「へぇ、吹奏楽部」



 傑は吹奏楽部に知り合いはいない。陸上部のすぐるは運動部の友達が多い。綾もバスケ部でキャプテンをしている。傑は県大会で入賞するほど足も速く、ちょっとした有名人だった。


 それからしばらく、毎週木曜日の5限目は3組のサッカーを眺めることが増えた。



 相変わらず千鶴さんは女子の中では断トツサッカーも上手くて目立っている。対して例の彼は、参加する日もあったがほぼボールに触らずに終わっていた。



 9月の中頃には体育の種目が変わって3組が外に出なくなって、千鶴さんとその彼を観察する機会はなくなった。







 




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