地獄のお仕事!

由夜

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地獄編

日常の中で

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俺の名前は日向ひゅうが サトシ!現在17歳の高校2年、学校ではお調子者として皆から慕われていて部活には入っておらず学校が終わると友達と遊び呆ける毎日を送っていた。
そんな、お調子者の俺だがついつい困っている人がいると助けたくなる性格で、面倒事やトラブルに巻き込まれたりするのだ。
どうして、今そんな話をするのかって?
それは、今俺がそのが原因で生と死の狭間に立たされているからなのだ!
事の始まりは一時間前に遡るさかのぼ……。
ー一時間前ー
朝頃はうだるような暑さを放っていた太陽も午後六時を回るとビルとビルの間に消えかけていた。学校はとうの昔に終わっているのだが、俺は早く帰ってもすることがなく寄り道に寄り道を重ねて時間を潰しながら帰宅していた。
俺には父親がいない、母さんが女手一つで俺と妹を育ててくれた。今も母さんは夜遅くまで仕事をしている毎日だ。妹も部活で忙しく俺より早く家に帰ってくる事はない……。だから、俺が早く家に帰った所で俺は一人寂しく家で過ごさなくてはならないのだ。そして、妹が帰ってくると晩御飯を作らなければならない。
そこで、俺は妹が帰ってくる時間帯まで寄り道で時間を潰して、丁度いい時間にスーパーで買い物をして帰るという事に最近はしているのだ。
「はぁ、毎日寄り道をしてると行ったことのある場所ばかりで飽きてくるなぁ」
人の多い大通りとは反転して細く人通りのない道を進んでいく。
毎日同じ場所に赴き同じ事で時間を潰す。そんな日々にサトシは少し飽きてきていた……何か刺激的な事はないかと考えている。
「ん?なんだあれ……」
サトシが顔を上げた先に等間隔で設置されている電柱の一つに何かがもたれ掛かっていた。
スタスタスタ
不思議に思い近寄って見ると……そこには1人の少女が居た。
「えっ!女の子?どうしてこんな所に……」
サトシは目の前の光景に驚愕した。電柱にもたれ掛かるようにして座り込む少女は見た目十二歳頃で髪は金色と少し日本人離れした容姿だった。
一体どういう状況なのか理解しようとサトシは脳をフル回転させたが……〝綺麗な女の子が電柱に座り込んでいる〟くらいしか理解出来なかった。
普通の人ならば警察に連絡するか、もしくは通り過ぎるのだろうが……サトシはこの状況で通り過ぎる事はしなかった。
(んー、俺が通り過ぎてこの子に何かあったら危ないしなぁ……かと言って警察を呼ぶのも大袈裟かな?)
「おーい、君大丈夫?」
サトシは座り込んで俯いている少女に語りかけた。
(もしかしたら、ここら辺の子かもしれないしとりあえず様子見だな)
「…………」
「大丈夫?どこか怪我でもしてるのか?」
何度、呼びかけても返事どころか全く動かない少女にサトシは少し違和感を感じた。
ブーブー!ブーブー!
その時、サトシのポケットに入っている携帯がなった。
「っ!……びっくりしたぁ~サクラか」
携帯を鳴らした本人は妹のサクラだった。
「もしもし、何か用か?」
(もしもし、お兄ちゃん!あたし今部活終わったよ!まだ外にいるの?)
電話越しでも分かるほどの元気ハツラツな妹だ。
「ああ、まだ外で時間つぶし中だ。てかお前今日部活終わるの早いな」
いつもならまだ1時間くらい部活をしているはずなんだが…………。
(んとねー!なんか体育館の電球がいきなり割れて今日の部活は早めに終わることになったの!)
「おいおい、物騒だな、怪我はしてないか?」
(大丈夫!大丈夫!誰も怪我してないよ!)
「…………」
妹のサクラと電話をしているサトシの後ろにいる少女がスッと立ち上がった。
「あっ!目が覚めたのか?」
(え?何お兄ちゃん?)
先程までピクリとも動かなかった少女へ向けた言葉をサクラは自分に言われたものだと勘違いした。
「いや、お前に言ったんじゃなくて……」
サクラに目の前の少女の事を話そうとした時……。
「やはり……
少女はボソリと言葉を発した。
「俺がどうかしたか?」
急に立ち上がったかと思いきや自分に向かって小さく何かを発した少女。
(お兄ちゃん?誰かと一緒なの?)
空気を読めないサクラはこの状況で会話に電話越しで割って入りうとする。
「ああ、ちょっと小さな女の子と一緒だけど」
(え!お兄ちゃん、誘拐はダメだからね!お兄ちゃんには私っていう可愛い妹がいるでしょ!)
お前は俺をなんだと思ってるんだ!
「誘拐じゃねぇよ!何か電柱にもたれ掛かって動かなかったから介抱しようと思ってだな」
変な誤解を解くためサクラに今までの出来事を包み隠さず全て話そうとした。
だが、それをまたしても目の前の少女が遮った。
「これより、お前を対象者ターゲットと認識……。速やかに排除する」
バサッ!
突然眩い光が少女を包んだかと思うと次の瞬間、少女の背中には六枚の純白な羽が生えていた。
「っ!き、君は一体?」
あまりの光景にサトシは息を飲んだ。
純白の羽を一度羽ばたかせると少女の体は宙に浮きだし、さらに少女の頭の上に光の輪が出現した。
(もしもし!お兄ちゃん?大丈夫なの!)
急に黙り込んだ兄を心配してサクラは叫んでいた。
「君は……天使なのか?」
少女の姿は天使その者であった。 
そして、再びゆっくりと少女は口を開き言い放った。
「私は天界を守護する者……。」
言葉を区切り、ゆっくりとしかしはっきりとサトシに向かって宙に浮く天使の少女は言った。
「四大天使にして上級天使三隊の熾天使セラフィムが一人……私の名はだ」
この時、俺の退屈で飽き飽きしていた日常が崩れる音がした。
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