【完結】人々に魔女と呼ばれていた私が実は聖女でした。聖女様治療して下さい?誰がんな事すっかバーカ!

隣のカキ

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フェルミト王国編

第15話 もう1人の聖女ですわ

 ……

「……。」

 白鳥さんは口を開いただけだった。

「流石に喋りはしねぇだろ。」

 ギャモーの言う通りだ。何故私は白鳥が喋ると思ってしまったのだろう。

 しかも、良く見ればこの白鳥さんはオマルだ。

 何故オマルがここに……?

 白鳥さんが待機している部屋の扉が突然開く。

 扉からは2人の女の子が出て来た。

 1人は親しみやすそうな可愛い女の子。

 もう1人は、いかにも高貴な身分である事が分かる美人な女の子。

 2人共私と同い年くらいかな?

「こんにちは。」

 その可愛い女の子から挨拶をされる。

「こんにちは。この白鳥さんはあなた方のペットですか?」

 この白鳥さんが気になって仕方ない。

「ペットであり、師匠でもありますわ。」

 高貴そうな女の子は何の恥じらいもなく言ってのけた。

 貴族って変わってるのね。

「エキセントリックな師匠ですね。」

「おい。流石に失礼だろ。」

 ギャモーに止められてしまった。

「エキセントリックとは、どんな意味なんですの?」

「一言で言えば、ブッ飛んでるという意味です。」

「こら。あーと、すみませんね。こいつは幼い頃の人付き合いが不十分で、時々変な事を言うもんでして……」

 ギャモーに叱られてしまったわ。気を付けないと。

「……あなたは私の事を御存じですの?」

 どうしてそう思ったんだろう。

「いえ。初対面ですので、存じ上げませんが。」

「そうですか。私セリア=ベリオーテと申しますわ。イリジウム王国の現ベリオーテ公爵夫人でございまして、結婚以前はブッ飛び公爵令嬢と呼ばれ親しまれておりました。」

 やはり貴族だったのね。丁寧に接しておいて良かったわ。

 ちなみにイリジウム王国は、ドゥーより西のフェルミト王国、そこを更に西へ行った所にある国だ。


「私はキャロル。セリアの友人で聖女やってます。」

「聖女様だと!?」

 ギャモーったら驚き過ぎよ。まさか聖女フェチなの?

「失礼。あー、実は俺のツレも聖女でして。」

「申し遅れました。ドゥーにて冒険者を生業としております、聖女アリエンナでございます。」

「俺は冒険者のギャモーってんだ。アリエンナとはパートナーだ。」

「聖女同士仲良くしてね!」

 キャロルさんから握手を求められた。

 友達になれそうだわ。

「こちらこそよろしくお願いします。」

「せっかくだし、一緒に食事でもしない?」

 キャロルさんってフレンドリーだわ。これは私も友達を作るチャンスね。

「是非。私もそうしたいと思っていました。」


 流石は公爵家ね。馬車も立派だし、護衛の人たちも公爵家の私兵だそう。

 それに私の見立てでは、2人共二級魔法士くらいの魔力はあるみたい。

 優秀そうな人達だけど、どうしてブッ飛び公爵令嬢なのかしら?

 私達は迎賓館の職員から勧められた高級レストランに入る。


「白鳥さんにそんな秘密があったんですか?」

 白鳥さんは、白鳥型のオマルに回復魔法と火の魔法を3時間以上注ぎ込む事で誕生したそうなのだ。

 物体に魔法を掛けるという事を私はしてこなかった。

 もしかしたら自分にも出来るかもしれない。今度やってみよう。

「もしよろしければ、一緒に魔法を注ぎ込んでみませんこと? 聖女が2人揃うなんてなかなかありませんわよ。」

 試してみたい。こうして聖女同士が会う機会は少なそうだものね。

「是非お願いします。」

 嬉しい提案だわ。何に魔法を注ぎ込むのか、私達は食事をしながら相談する。

 そして、妙案を思いついた。

「要するに、候補に挙がった物を一通りやってみれば良いんです。」

 セリア様とキャロルさんの話だと、パーティーが終わってすぐに帰国するわけじゃないみたいだし。

 ちなみに候補は……剣。これは外せない。後は露店で面白そうな物を探してみる、だ。

「それは面白そうですわ! 何が出来るかワクワクしますわね!」

「面白そうだね!」

 せっかく友達になれたんだから、楽しんで貰えそうな提案が出来て良かったわ。


 そうして私達はお店を回り……剣、怪しいランプ、古代語で書かれた本を集めて迎賓館に戻る。

 先ず試したのは二振りの剣。適当に見繕った数打ちの剣を用意した。

 最初に私とキャロルさんで魔法を込める。見た目には大きな変化は見られないけど、なんだか存在感が増した気がする。気のせいかしら?

 次は私達聖女組に加えセリア様も魔法を込める。数打ちの剣は少しだけ赤みを帯びていて綺麗……。デザインは普通の剣だけど。

 キャロルさんが手に取ると、剣からは突然炎が現れた。

「あちっ!!」

 彼女は余程熱かったのか剣を落としてしまい、即座に回復魔法を使用している。

 皆が心配して声を掛けると……

「大丈夫だって。ちょっとした火傷なんて一瞬で治っちゃうよ。」

 そう事もなげに言うキャロルさん。本当に大丈夫?

「気を付けて下さいましね?」

「はーい。」

「取り敢えず、鍋つかみがあれば使えそうですわね。」

 セリア様……。そんな剣は嫌です。


「では、気を取り直して……次はランプに挑戦してみたいですわ。」

 セリア様の発言に全員が賛成した。

 今度は初めから3人で魔法を込める事になった。ランプは一つしかないから何度も実験出来ないしね。

 そうして暫くの間、魔法を注ぎ込んでいると……

『こんにちは。私は聖なる火魔神。何でも願い事を言って下さい。聞くだけ聞きますよ。』

 ランプからは筋肉モリモリの中年男性が現れた。

 ちょっとキモイかもしれない。
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