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第18話 恋愛? 社会人はそれ以外も大変みたい。
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『むっくんお疲れ!』
『もしかして勉強中?』
『おーい』
『やっと仕事終わったぁ。』
『明日暇かな?』
『13件の不在着信あり』
「うわぁ……。」
どうしてこの人はLIMEの返事を待てないのだろう。
『常にスマホをチェックしてるわけじゃないから、俺の返事を待って下さい。』
これで良し、と……
『もう。女の子はすぐに不安になるんだから、ちゃんとLIMEをマメにチェックしてくれないとダメだよ?』
「っ!?」
秒で返信とか早過ぎだろ。
俺が不安になるわっ!
「仕方ないから電話するか。」
俺はLIMEの通話ボタンをタップする。
「もしもし?」
『もしもーし。遅いよぉ。』
「ごめんごめん。ちょっと手が離せなくてさ。」
『まぁ、私は理解ある彼女だから許してあげるけどさ。これが他の娘だったらとっくに怒ってるよ?』
いつの間に彼女になったんだよ。
あと、全然理解ないじゃん。
理解あるとか言ってるけど、何だかんだで不満に思ってるからこそ出てくる言葉なわけだし。
「別に付き合ってはいない。」
『すーぐ付き合う事になるんだから同じじゃん。』
違うだろ。
『まぁ、それで? 明日は暇なの?』
「明日は暇じゃない。」
『じゃあデートしよ!』
何でだよ。
暇じゃないって言ってんじゃん。
「ミイちゃんは少し落ち着いて話を聞く事を覚えた方が良いね。」
『むっくんが大人過ぎるんですぅ。クール気取っちゃってさ。そこがまた恰好良いところなんだけども……。』
「兎に角、明日は予定があるのでダメ。」
『何? 何の予定? その予定は私把握してないんだけど?』
「言ってないんだから把握してないのは当たり前だよね。」
把握してたら怖えよ。
その言い方だと、他の予定は把握してるって事?
藪蛇になりそうなので聞かないでおこう。というか、聞きたくない。
『何の予定か教えてよ。それ次第でデートの時間ずらしたりも出来るよ?』
莉々伊ちゃんとデートの予定だって言ったら発狂しそうだな。
別に俺が希望して作った予定じゃないのに、何故か俺が気を遣うという良く分からん事態になっている事が解せぬ。
「家の事情だから聞かないでもらえると嬉しいかな。」
『家の事情なら仕方ないね。』
お?
思いの外物分かりが良いな。
てっきり根掘り葉掘り聞かれるものだと思っていたが……。
「本当にミイちゃん? 偽物だったりしない?」
『あっ、ヒド―い! 私だって社会人なんだから、最低限の常識くらい知ってますぅ。家庭の事情なら首を突っ込んだりしませんよーだ!』
「社会人なら未成年に手を出そうとしないで欲しいんだけど。」
『むっくん、社会の常識が全てじゃないよ? 常識が通用しない事だってあるんだから。』
手のひら返しがヒドいなこりゃ。
発言が二転三転し過ぎだろ。
常識が通用しない事があるって意見には同意だけど、今のタイミングで言うとただの言い訳にしか聞こえない。
「ミイちゃんはもう少し自分の発言に責任を持った方が良いと思う。」
『責任持って発言してるよ? 責任持ってむっくんを一生養ってあげる覚悟は出来てるからね?』
「ヒモになる気なんてないんだけど?」
『偉―い! 流石は私の選んだ男。養ってあげるという誘惑にも屈せず、己の力がどこまで通用するか、理不尽極まりない日本社会に身を投じて自分という個を試してみたいだなんて……。』
「……。」
そこまで言ってねぇよ。
え? 社会ってそんなに理不尽なの?
いたいけな学生の不安を煽るなよ。働くのが怖くなるだろうが!
「ミイちゃんは日本社会に恨みでもあるの?」
『ん? 別にないけどさ。どう考えても今からじゃムリなのに、うちの子は東大にいける筈だとか言う父兄が居ても気にしないよ?』
気にしてんじゃん。
『年度初めのテストでクラスの成績が去年より落ちているみたいだから何か対策を考えないとねって学年主任に言われても、生徒個別に苦手を潰す為の全科目解説付き対策プリントを作ってクラスの皆に配ってるけど結局本人のやる気次第だし、勉強なんか社会に出てもそれ程意味がないとかは思ってないし。』
思ってんじゃん。
てかあのプリント全科目ミイちゃんが作ったのかよ!?
良い先生過ぎるだろ。
『若くて美人な先生だと生徒に舐められるでしょ? 良かったらベテラン教師の私がコツを教えますので今夜一杯どうです? 妻子が居ますので変な意味じゃないですよ? って下心満載に何度も誘って来る40代のおっさん教師がマジでキモいからってボイスレコーダーに録音して妻子にチクった事もないし。』
チクったな。
そう言えば、化学の先生が最近離婚したって聞いたし。
『運動部の顧問とか頼まれても残業代が出る訳でもないし、大会があれば休日出勤でどんなに拘束時間が長くても3600円しか手当くれない上に、うちの学校は運動部が弱小だから昼食も顧問の分は自腹とかふざけんなテメェがやれよとか全然考えもしないし。偶々別の人が顧問になってくれたけど。』
考えてんじゃん。
と言うか教師ってブラック労働過ぎるだろ……。
今まで考えた事も無かったが、真面目に頑張っている先生方には頭が下がる思いだ。教師の労働環境ってそんなに酷いんだな。
絶対に教師にならないようにしよう。
『教師って地方公務員なんだけど、地方公務員法を定めたお偉いさんなんてどうせ碌に現場も知らずに適当な仕事しかしてないんだろうなぁ。良いなぁ税金泥棒して食べるご飯は美味しいんだろうなぁとか一切恨んだりしてないよ?』
恨んでる。絶対に恨んでる。
だって、ミイちゃんの声が死んでるもの。
「……大変だね。俺で良かったら相談に乗るよ?」
『むっくん優しい! でも、大丈夫だから。私負けないから。』
うん。恋愛感情云々はおいといて、この人を支えてあげないとマズいような強迫観念に駆られてしまう。
ミイちゃんにはもっと優しくしてあげようと心の底から誓った。
『もしかして勉強中?』
『おーい』
『やっと仕事終わったぁ。』
『明日暇かな?』
『13件の不在着信あり』
「うわぁ……。」
どうしてこの人はLIMEの返事を待てないのだろう。
『常にスマホをチェックしてるわけじゃないから、俺の返事を待って下さい。』
これで良し、と……
『もう。女の子はすぐに不安になるんだから、ちゃんとLIMEをマメにチェックしてくれないとダメだよ?』
「っ!?」
秒で返信とか早過ぎだろ。
俺が不安になるわっ!
「仕方ないから電話するか。」
俺はLIMEの通話ボタンをタップする。
「もしもし?」
『もしもーし。遅いよぉ。』
「ごめんごめん。ちょっと手が離せなくてさ。」
『まぁ、私は理解ある彼女だから許してあげるけどさ。これが他の娘だったらとっくに怒ってるよ?』
いつの間に彼女になったんだよ。
あと、全然理解ないじゃん。
理解あるとか言ってるけど、何だかんだで不満に思ってるからこそ出てくる言葉なわけだし。
「別に付き合ってはいない。」
『すーぐ付き合う事になるんだから同じじゃん。』
違うだろ。
『まぁ、それで? 明日は暇なの?』
「明日は暇じゃない。」
『じゃあデートしよ!』
何でだよ。
暇じゃないって言ってんじゃん。
「ミイちゃんは少し落ち着いて話を聞く事を覚えた方が良いね。」
『むっくんが大人過ぎるんですぅ。クール気取っちゃってさ。そこがまた恰好良いところなんだけども……。』
「兎に角、明日は予定があるのでダメ。」
『何? 何の予定? その予定は私把握してないんだけど?』
「言ってないんだから把握してないのは当たり前だよね。」
把握してたら怖えよ。
その言い方だと、他の予定は把握してるって事?
藪蛇になりそうなので聞かないでおこう。というか、聞きたくない。
『何の予定か教えてよ。それ次第でデートの時間ずらしたりも出来るよ?』
莉々伊ちゃんとデートの予定だって言ったら発狂しそうだな。
別に俺が希望して作った予定じゃないのに、何故か俺が気を遣うという良く分からん事態になっている事が解せぬ。
「家の事情だから聞かないでもらえると嬉しいかな。」
『家の事情なら仕方ないね。』
お?
思いの外物分かりが良いな。
てっきり根掘り葉掘り聞かれるものだと思っていたが……。
「本当にミイちゃん? 偽物だったりしない?」
『あっ、ヒド―い! 私だって社会人なんだから、最低限の常識くらい知ってますぅ。家庭の事情なら首を突っ込んだりしませんよーだ!』
「社会人なら未成年に手を出そうとしないで欲しいんだけど。」
『むっくん、社会の常識が全てじゃないよ? 常識が通用しない事だってあるんだから。』
手のひら返しがヒドいなこりゃ。
発言が二転三転し過ぎだろ。
常識が通用しない事があるって意見には同意だけど、今のタイミングで言うとただの言い訳にしか聞こえない。
「ミイちゃんはもう少し自分の発言に責任を持った方が良いと思う。」
『責任持って発言してるよ? 責任持ってむっくんを一生養ってあげる覚悟は出来てるからね?』
「ヒモになる気なんてないんだけど?」
『偉―い! 流石は私の選んだ男。養ってあげるという誘惑にも屈せず、己の力がどこまで通用するか、理不尽極まりない日本社会に身を投じて自分という個を試してみたいだなんて……。』
「……。」
そこまで言ってねぇよ。
え? 社会ってそんなに理不尽なの?
いたいけな学生の不安を煽るなよ。働くのが怖くなるだろうが!
「ミイちゃんは日本社会に恨みでもあるの?」
『ん? 別にないけどさ。どう考えても今からじゃムリなのに、うちの子は東大にいける筈だとか言う父兄が居ても気にしないよ?』
気にしてんじゃん。
『年度初めのテストでクラスの成績が去年より落ちているみたいだから何か対策を考えないとねって学年主任に言われても、生徒個別に苦手を潰す為の全科目解説付き対策プリントを作ってクラスの皆に配ってるけど結局本人のやる気次第だし、勉強なんか社会に出てもそれ程意味がないとかは思ってないし。』
思ってんじゃん。
てかあのプリント全科目ミイちゃんが作ったのかよ!?
良い先生過ぎるだろ。
『若くて美人な先生だと生徒に舐められるでしょ? 良かったらベテラン教師の私がコツを教えますので今夜一杯どうです? 妻子が居ますので変な意味じゃないですよ? って下心満載に何度も誘って来る40代のおっさん教師がマジでキモいからってボイスレコーダーに録音して妻子にチクった事もないし。』
チクったな。
そう言えば、化学の先生が最近離婚したって聞いたし。
『運動部の顧問とか頼まれても残業代が出る訳でもないし、大会があれば休日出勤でどんなに拘束時間が長くても3600円しか手当くれない上に、うちの学校は運動部が弱小だから昼食も顧問の分は自腹とかふざけんなテメェがやれよとか全然考えもしないし。偶々別の人が顧問になってくれたけど。』
考えてんじゃん。
と言うか教師ってブラック労働過ぎるだろ……。
今まで考えた事も無かったが、真面目に頑張っている先生方には頭が下がる思いだ。教師の労働環境ってそんなに酷いんだな。
絶対に教師にならないようにしよう。
『教師って地方公務員なんだけど、地方公務員法を定めたお偉いさんなんてどうせ碌に現場も知らずに適当な仕事しかしてないんだろうなぁ。良いなぁ税金泥棒して食べるご飯は美味しいんだろうなぁとか一切恨んだりしてないよ?』
恨んでる。絶対に恨んでる。
だって、ミイちゃんの声が死んでるもの。
「……大変だね。俺で良かったら相談に乗るよ?」
『むっくん優しい! でも、大丈夫だから。私負けないから。』
うん。恋愛感情云々はおいといて、この人を支えてあげないとマズいような強迫観念に駆られてしまう。
ミイちゃんにはもっと優しくしてあげようと心の底から誓った。
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